■マーケット
NY市場、3日の雇用統計に注目
先週金曜日の株価はメモリアルデーの連休を前に揃って上昇しました。利上げに向け市場は覚悟を決めたのか?その覚悟を後押しする材料が今週は盛りだくさんです。27日にFRBのイエレン議長は「状況が許せば今後数ヵ月以内の利上げが適切だ」と発言。GDPは上方修正も、力強さには欠ける内容の中で、株価が崩れなかったのは、市場が利上げをうまく織り込んできた証拠なのかもしれません。今週は製造業や物価の指標、週末は雇用統計。さらに複数の連銀高官の発言も続き、利上げを確定的にする可能性のある材料が盛りだくさんです。金曜日の株価を振り返ります。ダウは反発し44ドル高の1万7,873ドル。ナスダックは4日続伸しました。31ポイント上昇の4,933。S&P500は反発。8ポイントプラスの2,099でした。
月曜恒例、アメリカの専門家インタビューです。
「雇用者の伸びやや弱め予想」
《モーニングスター/ボブ・ジョンソン氏》
今週は注目の5月の雇用統計が発表されます。非農業部門の雇用者数の伸びはこれまでよりもやや弱めになると専門家はみています。
「非農業部門の雇用者数は前月比15~18万人増の予想する。雇用者の数が多い小売りセクターが足を引っ張る。勢いよく増加しない理油は十分な職が無いからではない。職はあるが多くの人が自分の能力に合った職に就けていないだけだ。」
ジョンソン氏は雇用者数の伸びはそれほど急速ではないものの、賃金は順調に伸びているため、雇用市場全体は堅調だと指摘します。そのため来月には利上げがあると予想します。
「インフレ率がやや上昇してきているし、雇用市場でも最近人材不足や賃金上昇がみられるため、6月利上げは適切だろう。経済指標次第では9月もありうる。12月までに原油安によるインフレへの懸念が徐々に和らぎ、インフレ率は上昇し始める。12月にはほぼ確実に利上げがあるだろう。」
【為替見通し】注目ポイントは「ドル/円 上値のめど」
解説はクレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司氏
本日はロンドン・ニューヨーク市場が休場で市場参加者が少なく、注目のアメリカの 5月雇用統計が金曜日に控えていることから、110円台前半から中盤を中心として、堅調ながらも様子見相場になると見ています。また週末に出ました消費増税延期報道による株価の動きには注目したいとこです。
--今日の予想レンジは、109.80円 - 110.80円、注目ポイントは「ドル/円 上値のめど」です。
金曜日のイエレン FRB議長の発言を受けて、金利先物からの利上げ確率は 6月が 36%、7月が 53,8%となりまして織り込みが進みました。一方でアメリカの利上げが近づくと中国の人民元の切り下げが意識されやすくて、年初はその思惑で投機的な動きとなり世界中でリスクオフとなったことからドル円は下落しました。
しかしチャートを見てもお分かりのように、今回は急変動はなく投機的な動きが抑制されていることが分かります。さらに日本からの材料として消費増税延期の発表が近々にありそうなこと、日本の追加緩和の可能性が残っていることもドル円をサポートすると考えています。そこで上値のめどなんですけれども、年初からの高値の 50%戻しの 113円60銭近辺、心理的には 115円ちょうど程度と考えています。
--その理由は何でしょうか。
2つありまして FRB の利上げが「穏やかになるという見方が変わっていない」こと、あと TPP の批准やアメリカの大統領選を控えて、日本側としても「過度なドル高円安を望んでいない」との市場の思惑があること、以上の理由からドル円は上昇しても上値は限定的と考えています。
【日本株見通し】注目ポイントは「こう着放れ」
解説は岩井コスモ証券の林卓郎氏
--今日の予想レンジは16800~17100円です。消費増税2年半、先送りされそうですが、週明けどうでしょうか。
2年半という長さについてはやはり好感されると思います。実はこのところ日本株は今年の商い最低水準ということで、またここ3週間近く日経平均16000円台後半の小幅レンジから抜け出せないでいます。5月を通して見ても日経平均の値幅700円と、ここ2年の最低水準にとどまっておりまして、そろそろどちらかに動きが出る頃あいと思われます。
--動くとすればそのきっかけは何でしょうか。
やはり一連の景気対策ということになりそうです。実は海外でも同様のレンジ相場状態にありますが、日本株が世界的な膠着離れのきっかけとなる可能性もあると考えています。
--ただそうしますと期待が外れた時の下落が怖くありませんか。
そうですね。増税先送りということであっても、まずは財政出動10兆円は欲しいところです。加えて成長戦略、6月会合での日銀の追加緩和ということもある程度はマーケットが織り込んでおりますので、どれが欠けてもおそらくネガティブな反応を示すと考えています。ただ期待外れと言っても、それこそ次の政策への期待が高まるということに加えて、決算を通過して日本企業の業績の底堅さ、また株価の割安感も確認されているということもあって、厳しい下げには至らないと見ています。
■【コメンテーター】ニッセイ基礎研究所/矢嶋康次氏
・麻生大臣「増税延期なら解散」、自公党首会談へ
--安倍内閣支持率アップ、サミット成功で今後のスケジュールは・・・
「今回のサミットで安倍総理は支持率がかなり高いので、相当なフリーハンドを持ったと思います。予定されているのが、きょうが党首討論、31日に野党が内閣不信任案を出すと言っている。1日が会期末でおそらく自民党内の調整とともに公明党の山口代表と話をするのが一番のポイントになる。要は公明党が選挙対策OKと言うのか、そこは大きな重要なポイントかなと思う。麻生大臣の言っていることのほうが筋がいいと思うので、そっちの方に流れる気はしますが、ちょっとこの2日間どうなるか分からないです。」
・NY便り/ジョセフ・ナイ氏インタビュー/日米通商政策
「TPPは米国でなかなか通らなそうな感じだが、日本の成長政策の目玉なので何とかしてほしいと思います。(大統領選後にオバマ政権で決まる可能性は)クリントン氏が勝った場合にはそのシナリオが出てくると思います。ナイ氏はトランプ氏になる可能性は低いとおっしゃっていましたが、先週の支持率は逆転しているので、必ずしも可能性が低いとも言い切れなくなってきている。それからアドバイザーの意見を聞くというのも、今の言論を見ているとちょっと懐疑的で、日本から見ていると厳しいと見える。」
・米国・早期利上げ?「イエレン議長が曲調変えた」
「市場が6月利上げを急いで織り込んでいる感じがする。ただ今週ISMや雇用統計が出るので、またもう一歩前の利上げの話になるのか、それともまたちょっと下がるのか、それによって今週の為替レートが結構動く可能性がある。」
・今日の経済視点 「選挙の争点」
おそらく考えられるのは「安保」、野党からすると「アベノミクス失敗」。自民党が消費税先送りを決定すると、民進党が言っていた待機児童問題なども自民党が全部丸飲みしているので、経済的な争点はほとんどなくなっている。野党が経済対策に対して、どういう争点を出せるのか、対案を出せるか、ここが非常に重要なポイントです。財源問題は一つ攻めどころだと思います。
■【エマトピ】懸念される香港の競争力
去年発表された「国際競争力報告」では、金融市場の発展度で、トップはニュージーランド、2位はシンガポールとなり、香港は前回のトップから3位に転落し、中国の都市別競争力ランキングでも、前回同様トップ上海に次ぎ2位を確保しましたが、3位の深センが肉薄していると警告しています。そうした中、香港政府はいま、ITを使った新たな金融サービス、いわゆる「フィンテック」の育成に力を注いでいます。失墜した「世界の金融センター」としての権威をフィンテックによって取り戻したいと躍起になっているのです。
解説は東海東京証券香港ごん理氏。
--香港の景気はあまりよくないという話が最近多いですが、現状はいかがでしょうか。
去年発表された国際競争力報告(出典:World Eclnomic Forum)では、金融市場発展度でトップはニュージーランド、2位はシンガポールとなり、香港は前回のトップから3位に転落しました。またその後発表された中国圏の都市別競争力ランキングでも前回同様にトップ上海に次ぎ2位を確保しましたが、3位の深センが肉薄していると警告しています。
--香港の経済が停滞している原因は何なんでしょうか。
観光客が減り続ける観光業が不振な上、香港は世界最大のドローン企業の誘致を支援を怠ったために深センに奪われるなど、ベンチャー育成の失敗が挙げられます。
《香港のベンチャー企業育成》
「小型無人飛行機ドローンの世界最大手DJIは香港で創業後、本社を深セン市に移す」
中国の都市の成長力ランキングでは15位と、この分野では下がり続け、発表期間はイノベーション戦略を大幅に修正しないと「香港は深センに抜かれる」と警告しました。
--そうした中、経済成長を図る上で、何か動きはみられるのでしょうか。
香港政府はいまITを使った新たな金融サービス、いわゆるフィンテックの育成に力を注いでいます。政府は香港が世界のフィンテックハブになりうるとして、今年3月には向う5年間で150社のフィンテック関連の企業を起こすビジネスに対し、2400億円という巨額の投資をすると発表しています。政府は失墜した世界の金融センターとしての権威をフィンテックによって取り戻したいと躍起になっています。
--具体的な企業の動きはあるのですか。
金融機関と協力し、オンライン・モバイル金融サービスを提供しているウィラボというフィンテック企業は今年2月政府の援助もあり、190億円の巨額の資金調達に成功したと発表しました。同社は業績も好調で今後の成長が期待されます。また世界一とも言われる香港の高いオフィス賃貸料を、香港に参入するフィンテックには数年免除するなど政府の手厚い援助が始まっています。
--そうしたフィンテックの動き、日本に関する情報はありますか。
実は今日、香港でフィンテックをPRするイベントが行われるのですが、昨日その前夜祭として日本フィンテックビジネスを紹介するジャパン・フィンテック・ナイトというイベントが行われました。これは電通や三菱グループなどが立ち上げた日本のフィンテックビジネスをサポートする団体が行ったもので、香港のフィンテックビジネスは今後日本にとってもビジネスチャンスになると期待しています。
■【モーサテ・サーベイ】今週のマーケットを出演者が予想
マーケットや世界経済の先行きを番組のレギュラー出演者へのアンケートから独自に予想します。期間5月27日~29日、インターネット形式で、対象は番組出演者34人。
①今週末の日経平均予想 予想中央値(17000)先週終値(17834)
楽天証券/香川氏 17200「消費税延期の期待とドルの堅調」
大和証券/石黒氏 16400「米利上げへの警戒感が徐々に高まる」
②今週末のドル円相場 予想中央値(110.50)先週終値(110.23)
SMBC信託銀行/尾河氏 111(消費増税延期や景気対策でリスクを取る地合いとれば、緩やかに上昇)
三菱UFJ/植野 109.50(消費増税延期をめぐって市場の評価は錯綜する)
③米利上げの時期予想
6月(41%)7月(44%)9月(9%)12月(6%)
④モーサテ景気先行指数(3ヶ月先の日本の景気を占う)
19.1(改善)
■NY便り
ジョセフ・ナイ元国防次官補インタビュー 日米関係“懸案”とは
今後の日米関係についてアメリカの元国防次官補でハーバード大教授、ジョセフ・ナイ氏がテレビ東京のインタビューに答えました。ナイ氏は「日米関係は良好だ」とする一方、日露の接近について「ロシアへの制裁を忘れてはならない」とくぎを刺しました。
《一部再放送 2016年05月25日WBS参照》
http://creampan.seesaa.net/article/438285599.html
1994年から95年にかけ、ビル・クリントン政権で国防次官補を務めたハーバード大学のジョセフ・ナイ教授。日米安保の研究などで知られる知日派です。
《ジョセフ・ナイ教授》
「現在、日米関係は良好だとみている。安倍総理はロシアを訪問したが、北方領土の解決をめざしたものであり、その意図は理解できる。安倍総理がロシアに対して譲歩しすぎない限り、日米関係で問題を引き起こすとは考えていない。ただ忘れてはいけないのは、ウクライナを進攻したロシアに対して、国際社会は依然として制裁を課しているということです。」
--日米関係をめぐっては、オバマ政権の内部でアベノミクス「第3の矢」である構造改革が遅すぎるとの不満がくすぶっているとの見方もありますが・・・
「アベノミクスについては第3の矢のスピードが遅いという印象は否めない。構造改革が進まないことについて、世界だけでなく日本国内でももどかしさが高まっているのではないか。一方為替の動きについては、日米の間で意見の違いがあるが、ただこれは過去にも見られたことであり深刻な溝だとは考えていない。」
--一方、ナイ氏は今後の日米関係を考える上で、米大統領選の行方がリスク要因になりうると見ています。特に共和党のトランプ氏が唱える外交政策には批判的。トランプ氏が日本などアメリカ軍が駐留する国に対し費用の全額負担を求めていることについて、トランプ氏は状況を理解していないと切り捨てました。
「在日米軍をめぐる日本の費用負担は十分なもので、アメリカは大きな経済的負担をせずに軍を駐留させることができる。トランプ氏はこの点を理解していない思います。トランプ氏大統領に選ばれる可能性は低いと見ていますが、もし大統領になった場合は的確に助言できるアドバイザーが必要になるでしょう。」
--大統領選を通じ各候補が反対をしているTPP。ナイ氏はアメリカの通商政策の今後に予断は持てないという。
「民主・共和両党からいまの通商政策に対する反発が見られる。共和党はトランプ陣営、民主党はサンダース陣営・クリントン陣営ともに、通商政策の変化を訴えている。新らたな大統領が本当にTPPに反対するのかまだわからないが、少なくとも大統領選の期間中は通商政策の前進は難しい。」
ナイ氏は日米関係の発展に長く携わり、駐日アメリカ太子の候補にもなった人物です。
■特集 消費増税 再延期の条件
安倍総理は消費税率10%への引き上げを2019年10月まで再延期する意向を固めました。財政健全化の実現が厳しくなる中で日本国債の格下げを含めた市場の信認低下を防ぐためにはどうしたらいいのか。
解説はニッセイ基礎研究所の矢嶋康次氏。
消費増税延期の影響
--消費増税延期に関してはずいぶんと織り込まれていた感はありますが、2年半という数字はどうご覧になりますか。●
野党が2年と言ったので、たぶん自民党は『2年』はやめようという話だと思うが、2年半延期だと年度途中になり、当初の予算を変えるのは大変だと思う。にもかかわらずこの案を出したのは、政治的・経済的メリットが非常に大きいのだと思う。政治的には安倍総理の任期外に設定するのはどうかという意見はあると思うが、19年の統一地方選、参院選という大きな選挙で、消費税の問題を無しにできるという意味では非常に大きなメリットがある。経済的には20年にオリンピックがありますから、19年4月よりも10月の方が結構景気が良いことが予想されるので、政治経済面でも『2年半』というのはかなりよく練られていると思う。
--2年半延期すると財政健全化はほとんど無理ですね。2020年に基礎的財政収支、プライマリーバランスを黒字化するということ。
単純に消費税の要因だけ考えると、財政再建の目標というのはほぼ無理だと思う。ただそのむりなことをやるので、新たに歳出削減をしないといけないが、選挙前なのでそれを打ち出すのは無理だと思う。いまの状況で財政収支が改善しているので当面は税収増でやる。そのあとは各種改革をスピードアップすることで、なんとか2020年黒字化するという大人の答弁になるのではないかと思う。
--今は確かに税収は伸びていますが、これから継続するかどうかというのが分からな中で、国債の格下げも囁かれますし、そして企業の資金調達コスト上昇も非常に懸念されています。大丈夫ですか。
今の現状からみると、日本国債CDSプレミアムは落ちているので、懸念はない、信用はある。それから国債をめぐる環境を見ると、財政収支は改善している、経常黒字になってきている、それより何より日本銀行が国債をバンバンマイナスで買っている状態なので金利上昇の心配も全くない。ただ問題なのはマネージメントとして、企業や銀行のドル調達コストが上がってきている。そういう意味では企業の決算で悲観的な見方もだいぶ出てきているので、その辺をできるだけ影響を少なくすることが国として求められる。
--影響を少なくということは、現段階で国債の格付けを2段階下げられてしまう懸念すらあります。それをどう抑えるかは、次の道筋をきちんとできるかですね。
(ムーディーズ、S&P、フィッチは)格下げの方向に動くのは間違いない。2段階も落ちないように1段階に留めるためには3つポイントがある。1つはできるできないは別として、2020年黒字化の旗を下ろさないこと、方向性としてそっちに行っているということが大事。もう一つは、消費引上げ時期をきっちりと明記すること、今回ですと2年半ということ。3つ目は一番大事なことです。前回は安倍総理は「次回は必ず消費税の引き上げをやる、リーマンショック級が起きない限り絶対やる」と言っていたが、実際には延期になった。そう考えると秋からの法案の作成のところで、どういう条件だったら引上げをしないのかを上手く書けるかどうか、確実に引き上げが見える形で法案が書けるかどうか、というのが最大のポイントで、参院選後の臨時国会でおそらくそこが争点になると思う。
--要するに景気条項を絶対に付けないということですか。
2度あることは3度あると普通は思ってしまうので、3度目をどう防ぐかというところの議論です。
--そもそもアメリカでは利上げが話題になっています。2年2回というアメリカの専門家の声もありました。そういう中で日本は果たして本当にリーマン級の危機、世界はその局面にあるのか。
世界の危機から消費税先送りというのはちょっとどうかなと思うのですが、単純に消費が足下2年連続マイナスになっている。消費税の影響も前回は大きかったし、アベノミクスの状況もなかなかうまく行かいないところもあるという説明で、消費税先送りするという方向でいいと思う。これを「危機」からスタートすると、このあともう一つ問題になってくるのは、大型補正の話になる。消費税の先送りが経済対策だとすると、先送りをすれば経済、特に消費が伸びるので、そんなに大きな影響がないから大きな補正をしなくてもいいという話になる。
--消費増税があった場合のGDPは確かに低下するし、消費もかなり落ち込む。消費増税が無ければ普通に見ても消費は良くなる。ですから大型の補正は必要ないという見方になる。当初の予定では、消費税先送りした場合には、補正5兆円ぐらいの話でした。
ただ「危機」からスタートすると、いまGDPギャップが10兆円ぐらいあるとすると、10兆円以上の大型補正という話になるので、財政規律を考えると、安倍政権になって新規国債の発行額をできるだけ増やさいないように頑張っていたが、大型補正を組むとどうしても新規の国債発行をせざるをえなくなる。そうすると財政再建のタガが外れるという問題になる。そういう意味では消費増税延期の理由を、「危機」からスタートするのか、国内消費が弱いことから始めるのか、大型補正を含めて非常に重要なポイントになってくると思います。
■今週の予定
30日(月) 4月商業動態統計
31日(火) 4月完全失業率、4月鉱工業生産、米4月個人消費支出、独決算フォルクスワーゲン
1日(水) 通常国会会期末、1-3月期法人企業統計、米5月ISM製造業景気指数
2日(木) ECB理事会
3日(金) 米5月雇用統計
■今日の予定
4月商業動態統計
国際交流会議「アジアの未来」(~31日)
4月自動車大手8社、生産・輸出実績
独5月消費者物価指数
球場 NY市場、ロンドン市場
■ニュース
仏「課税逃れ 徹底追及」
フランスにあるグーグルやマクドナルドの現地法人が課税逃れの疑いで家宅捜索を受けた問題で、フランスのミシェル・スパン財務相は「同様のケースがほかにもあれば全て追及する」と述べ、課税逃れの摘発を徹底的に行う考えを明らかにしました。フランスなどでは、グローバル企業が巨額の税負担を逃れていることが批判されていて、問題はさらに拡大しそうです。
「大巡礼中止」対立長期化か
サウジアラビアとの国交断絶が続いているイランは29日、サウジにあるイスラム教の聖地メッカへの9月の大巡礼を中止することを決めました。両国は石油政策でも溝が深まっていて、対立は長期化しそうです。大巡礼はイスラム教の重要な行事で、2年前にはイランから6万人以上がメッカを訪れました。イランが大巡礼を中止するのは1991年以来のことです。
麻生大臣「増税延期なら解散」
安倍総理大臣が、消費税率10%への引き上げを2年半先送りする意向を政権幹部に伝えたことをめぐり、麻生財務大臣は、増税延期の場合は衆議院を解散すべきとの考えを示しました。また、同じ会合に出席した自民党の谷垣幹事長は、麻生氏の考えに同調した上で、「進むも地獄、退くも地獄だ」と述べました。これに関連して連立を組む公明党の山口代表は、徳島市で記者団に対し、安倍総理が示した増税の2年半先送りについて、「聞いていない」と述べた上で、近く安倍総理から直接話を聞く考えを示しました。
内閣支持率 56%に上昇
安倍総理大臣が議長を務めたG7サミット=主要国首脳会議を受けたテレビ東京と日本経済新聞の世論調査で、安倍内閣の支持率は前回の調査から3ポイント上昇した56%になりました。この調査は全国の18歳以上の人に対して無作為に電話をかけて行ったものです。安倍内閣を「支持する」と答えた人は、前回の調査から3ポイント上昇の56%に、「支持しない」は5ポイント減って35%でした。サミットでの安倍総理の議長としての働きぶりについては「評価する」が62%と「評価しない」の21%を大きく上回りました。アメリカのオバマ大統領の広島訪問については、「評価する」が92%、「評価しない」はわずか4%でした。また、今回の訪問が「核兵器のない世界」につながると期待するか聞いたところ、「期待できる」が49%、「期待できない」は42%でした。
・ 安倍内閣 「支持する」 56% 「支持しない」 35%
・ サミットでの議長 「評価する」 62% 「評価しない」 21%
・ オバマ大統領の広島訪問 「評価する」 92% 「評価しない」 4%
・ 今回の訪問が「核兵器のない世界」につながると期待するか
「期待できる」 49% 「期待できない」 42%
ゲイツ氏「この夏の読書リスト」
アメリカは戦没者を追悼するメモリアルデーの連休真っただ中ですね?こちらではこのメモリアルデーが夏の始まりと言われていて、今日ニューヨークは気温が30度近くまで上がりました。こうした中、夏休みをどう過ごすか、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏がおススメ読書リストを発表しています。ゲイツ氏は毎年、この時期におすすめの本をVTRまで作って紹介しています。実は今年ゲイツ氏が選んだ5冊の中に、楽天の三木谷浩史会長の、「ザ・パワー・トゥ・コンピ―ト」が入っています。これは三木谷会長が経済学者の父親と日本経済について討論したものをまとめたもので、日本では2013年に「競争力」というタイトルで出版されています。ゲイツ氏は、日本には愛着もあり日本の将来についても強気に見ているとコメントしたうえで、この本の中には日本経済復活への良い提案が多くあると評価しています。
■日経超特急
①水素拠点、共同で全国に、トヨタ・JXなど、新会社を検討 燃料電池車の普及後押し
トヨタ自動車やJXエネルギーなど自動車・エネルギー大手各社は、次世代エコカーの燃料電池車に燃料を供給する「水素ステーション」の全国展開に向け、共同で新会社をつくる検討に入った。いまはエネルギー各社が個別に整備しており、設置件数は目標を大幅に下回る。自動車メーカーも巻き込んで燃料供給網の構築を急ぎ、燃料電池車の普及を後押しする。
②きょう自公党首会談
安倍総理はきょう公明党の山口代表と都内で会談する。来年4月の消費増税を2019年10月に2年半延期する方針について協議する。公明党は増税分を充てることになっている社会保障の充実策の財源確保に懸念を示していて、安倍総理は政策総動員を打ち出した伊勢志摩サミットの経緯を説明し、理解を求める考えだ。
③みずほ、「脱金利」に軸足
資産運用・M&A…手数料ビジネスを強化 融資事業に手詰まり感
みずほフィナンシャルグループ(FG)は事業モデルの転換に本腰を入れる。融資で利ざやを稼ぐ業務から、資産運用やM&A(合併・買収)による手数料ビジネスに軸足を移して「脱金利」を進める。日銀のマイナス金利政策で貸出金利が下がる一方で、顧客への配慮から預金金利をマイナスにすることはできず、利ザヤの縮小が止まらない。金利環境が激変するなかで、事業体制を再構築を急ぐ。
■日刊モーサテジャーナル
①オバマ大統領の広島訪問「道徳の進歩」にさまざまな論評
オバマ大統領が広島訪問について欧米各紙は1面で大きく報じていて、一定の評価をしている。
その中でフィナンシャルタイムズは、オバマ大統領が被爆者の森重昭さんを抱き寄せる写真を掲載し、「原爆の犠牲者を追悼したが、謝罪はしなかった」と報道。
ニューヨークタイムズは、核の暴走を食い止めるには人間の道徳の進歩が大事だとスピーチで強調したことに注目している。記事は、「今回の訪問によって中国や韓国が日本の戦争責任がないがしろにされかねないとの懸念を抱く可能性もあるものの、大統領は北朝鮮の核武装化の脅威に重きを置いたのだろう」と分析。一方、
ウォールストリートジャーナルは社説で「ロシアや中国などが核の強化を強めるなか、オバマ大統領が主張した道徳の進歩は具体的な解決策にならないのでは」と批判している。
②米早期利上げは「イエレン議長が曲調を変えた」
FRB・イエレン議長が週末に「数か月以内の利上げは適切」と発言したことを受けて、週刊投資新聞バロンズは、「利上げに慎重だった3月から姿勢が変わり、ほかの連銀総裁と歩調を合わせている」と伝えている。ただ記事は、「FRBは利上げ判断はデータ次第といってきたが、3月との違いはデータの改善というより、原油安の一服などから株式相場が落ち着いたことだ。」と解説。加えて企業利益が減少するなかでの利上げを懸念する専門家の声を伝えている。ニューヨークタイムズは、「6月はEU離脱を問う英国民投票があることから、6月の利上げを見送る代わりに、7月会合での利上げを匂わせる合図を送るかもしれない。」という専門家の声を掲載している。
③米国海軍の最新兵器・レールガンとは(ウォールストリートジャーナル)
30日はメモリアルデー、戦没者を追悼する日。米国の海軍がレールガンを開発中。従来のように火薬を使わず、電磁石のレールを使うことで、ミサイルを凄まじい勢いで発射できる。記事によると、レールガンのアイディアは10年ほど前からあるものの、まだ実戦に投入されていない。電磁力を発生させたレールの中でミサイルを加速して発射する仕組みで、従来より銃火器より5倍の偉力があるという。とりわけミサイルの迎撃に期待されている。実用化は10年ほど先。低コストで多くのミサイルを撃墜できる。中国やロシアよりアメリカの軍事力を高めておく上で、この最先端の技術に期待が集まっていると、記事は伝えている。
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