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風を読む-Newsモーニングサテライト-

モーニングサテライト・ウォッチ

2016.8.24 Newsモーニングサテライト

2016年08月24日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

NY株、そろって上昇
住宅関連で明るい材料が出てマーケットは素直に反応。ヨーロッパの指標も安心材料でしたが、引けにかけてはやはり様子見が強まりました。アメリカの7月の新築住宅販売件数が市場予想に反してプラスとなり、この内容を裏付けるように住宅大手の決算も良好で、先行きへの期待感も高まり投資家心理を明るくしました。ヨーロッパでは購買担当者景気指数が市場予想を上回り、主要株価が安定した動きで安心感をさそいました。ただやはりFRBのイエレン議長の発言への警戒感もあり、一段の上値追いには慎重。朝の高値からずるずる上げ幅を縮小する展開でした。株価終値です。そろって小幅高でした。ダウが3日ぶりの反発、17ドル高の1万8,547ドル。ナスダックは続伸です。15ポイントプラスの5,260。S&P500が3日ぶりの反発、4ポイント上昇の2,186でした。続いて23日のセクター別騰落率です。住宅市場の好調さなどを受け、若干のリスクオンムードも広がり、景気敏感の素材や一般消費財などが上昇です。一方で公益や生活必需品等は小幅安となりました。0 指標.jpg









【世界の株価】
23日の終値























【NY証券取引所中継】米住宅 堅調続く理由
解説は岡三証券NYの高野一真氏
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--今日は上げ幅ズルズル縮小しましたね。
欧州株や原油相場の上昇を受けまして、買いが優勢となる場面もあったんですけれども、やはり26日にイエレンFRB議長の講演を控えていることなどから、様子見姿勢が徐々に強まりまして、午後は小動きとなりました。

(フリップ1:約9年ぶりの高水準)
--さて新築住宅販売なんですが、マイナスの予想から一転、大幅なプラスでしたね。
はい、5ヵ月連続での増加で、2007年10月以来となるほぼ9年ぶりの高水準となりました。労働市場の改善や賃金の上昇に加えまして、ny1-2.JPG住宅ローン金利が歴史的な低水準にあることも追い風となったようです。

(フリップ2:足元は増加)
--もちろん関連企業にも恩恵があるみたいですね。
こちらのグラフはトールブラザーズなど大手住宅建設企業5社の受注残高をまとめたものです。受注残高とは注文を受けたものの、まだ引き渡しが完了していないため、売上に計上していない金額のことですが、こちらは年末から年初にかけて、一時減少する場面もありましたけれども、足下で再び増加に転じてきています。

(フリップ3:市場平均上回る)ny1-3.JPG
こうしたことを受けまして、住宅建設株、年初来では市場平均を上回るパフォーマンスとなっております。












【NY証券取引所中継】米洋上風力発電に期待
解説は岡三証券NYの高野一真氏

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--アメリカは最近あるクリーンエネルギーに力を入れているそうですね。
それは海の上に設置する洋上風力発電です。アメリカ北東部にあるロードアイランド州のブロック島では今月、洋上の風力発電施設の建設がほぼ完了しまして、11月から送電が始まる計画です。アメリカは陸上の風力発電では世界有数の発電量を誇っておりますけれども、洋上の風力発電施設の稼働は今回が初めてとなります。

--どうして今まで洋上の発電所がなかったんですか。
建設コストが高い点や軌道に乗るまでのコストパフォーマンスが悪い点、また規制面で政府のサポートが足りなかったりしたことなどから、なかなか話が進みませんですた。しかしエネルギー省は2030年までに国内電力の20%を風力発電でまかなう計画とし、そのうちの4%は洋上の風力発電によるものとしています。アッメリカは世界有数の沖合の風力資源を持っているとされておりまして、今回の件で普及に弾みがつくと見られております。

--これはアメリカ経済にとってもプラスになりそうですね。
エネルギー省の計画通り、洋上風力発電の普及が進んだ場合、経済効果としまして高所得の雇用が4万3000人以上満たされ、投資などの需要が2000億ドル発生するとされております。GEなど養生風力発電にかかわる企業など、文字通り追い風となりそうです。






【為替見通し】注目ポイントは「ジャクソンホール経済シンポジウム」
解説はシティグループ証券の高島修氏

--まずNY市場振り返っていかがだったでしょうか。
アメリカの経済指標も底堅く、全体的にドルは堅調推移し、その中でドル円は 100円前後で膠着した動きでした。

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--今日の予想レンジは、99.70円 - 100.50円です。
まずこちらのグラフを見ていただきますと、これはシティグループがヘッジファンドなど世界の主な為替ファンドの持ち高を推計してインデックスにしたものです。7月に増加したドル買いポジションが、 8月に入って手仕舞われて、足元はほぼニュートラルに近い状況なんですね。明日 25日から 27日にかけて行われるジャクソンフォールでの経済シンポジウムが非常に重要でしょうから、その前夜の本日は様子見色の強い状況が続くと考えています。

--このジャクソンホールのイエレン議長の講演に市場の関心が高まっていますね。
ただ先週からサンフランシスコ連銀のウイリアム総裁とかフィッシャー副議長が発言を行ってまして、最近の FRB の考え方を事前に示してきています。彼らのkw2.JPG主張は基本的に似通っていまして、ポイントの一つは雇用情勢の改善を重視する。比較的早めに利上げを行う。同時に長く続く低成長から脱するには、金融政策には限界がありますので、財政政策や規制改革をより重視すべきだと主張していますね。こういった主張をイエレン議長が確認すれば早期利上げ観測からドルが一時的には買われやすくなると思うのですが、ただ為替市場ではこういったFRBが金融政策の限界を訴えることは日銀や ECB の金融緩和への牽制球といった見方もありますので、今のところドルの上昇の持続性は期待しがたいと感じています。0 為替.jpg



















【日本株見通し】注目ポイントは「グロースか バリューか」
解説はニッセイアセットマネジメントの三国公靖氏

--今日の予想レンジは、16400-16700円です。
外国為替市場では100円前後と一応終日落ち着いていたこと、また26日に予定されていますFRBイエレン議長のコメント待ちで、投資家は動きにくい環境にあります。一進一退の動きになるのではないでしょうか。

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--注目ポイントは「グロースか バリューか」です。
2-6月の株式市場はトピックスが13%、バリュー株が17%と2桁の下落となる中で、グロース株は9%の下落にとどまるなど、日銀が1月にマイナス金利の導入を決定して以降、安定感のある内需型の成長株が優先的に買われてきました。しかし7月の日銀決定会合でマイナス金利の更なる引き下げを見送ったことを境に、7月8月とバリュー株の人気が高まってきています。

--バリュー株つまり割安株が人気が高いのはどうしてなんでしょうか。
背景にあるのは日銀のETF買いだと思います。市場では多少業績不安のある銘柄も含めまして、インデックス採用銘柄が買われ、下値を支えている状況です。ちなみに8月に最も上昇しているのは、これま
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であまり人気のなかった鉱業・鉄鋼といった業種です。しかしこの状況が続くかどうかは注意を要します。実際、業績見通しに対する不安を気にする向きもあります。実は4-6月の決算発表時に為替前提を変更した企業は少数派でした。今後も現在の為替水準が変わらなければ、通期の為替前提を円高に修正したうえで、業績見通しを下方修正することもあり得ます。投資家が銘柄選別を厳しく行うなど、投資行動が変わるかもしれず、バリュー株の急落には注意が必要だと思われます。







■【プロの眼】100円割れで円売り介入か!?
ドル円は100円前後の水準に定着しつつある。日本政府による円売り介入の可能性はあるのでしょうか?ドル円相場の3年移動平均線と介入実績をみると99年と03年は3年平均を下回ると円売り介入は行われた。この4月以降も3年平均線を下回っていて、介入が行われてもおかしくない状況ではある。しかし、ドル円以外のユーロ円やポンド円の下げは緩やかで無秩序な円高とは言い難い。円売り介入の蓋然性が増すのはユーロ円が6月安値である110円を割り込むような動きになってからではないか。
解説はシティグループ証券の高島修氏。


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--昨日も一時100円割れて、なんかこの水準が定着してきたかなという感もあるんですが、その一方で円売り介入の観測がある中で、日本政府はやる可能性はあるんですか。

(フリップ2:3年平均下回ると介入?)
「そうですね。次第にその可能性が出てきてるかなと思うんですが、まずこのグラフはドル円相場(赤色)と3年移動平均線(黄色)、あと介入実績(棒グラフ)を示しています。99年、2003年は3年移動平均を下回ったところで円売り介入が行われているんですね。現在はこの3年平均が110円ぐらいのところに位置していまして、4月以降のドル円の下落でこれを割り込んできている状況です。ですから100円を下回る状況になってくると、本来ならばいつ介入が行われてもおかしくない状況だと思います。」

--ただ不思議なのはココ(2007年ごろ~)もそういう状況なのに介入していない。
「これは2007年なんですが、介入が見送られてまして、このとき第一次安倍政権が退陣してから民主党政権が誕生するまで、目まぐるしく政権が交代したんです。ですから政治的に不安定な環境の中で、介入できなかったという事情があったんだと思います。」

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--ただ今はその政治的な不安定さはないということですね。先週も関係者から円高けん制発言などもあったんですが、じゃあ日本政府は介入の準備を今進めているのかどうか、気になるんですけど・・・

(フリップ2:介入の準備?)
「準備は周到に進められてきていると思うんですよね。私が注目しているのは3つの声明文でして、1つ目は5月下旬の伊勢志摩サミットの首脳声明なんです。このときは前年のドイツでのサミットの声明文にはなかった為替相場に関する言及が組み入れられたんですね。これは議長国である日本政府が、将来的に為替介入を行う場合に備えて、意図的に入れたんだと思っています。2つ目は、ブレグジットが決まった6月24日に発表されたG7諸国の共同声明なんですね。この中でもサミット文書と同じく、為替相場のボラタイルな動きを牽制する文言が入ったんですね。しかも同じ6月24日には麻生大臣と黒田日銀総裁の共同談話が発表されまして、これは介入の可能性を匂わせて円高をけん制しています。財務大臣と日銀総裁の共同談話は97年の金融危機の時以降で初めてなんです。ですからそれだけ強い危機感をいま円高に対して持っているということだと思いますね。」

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--ただ実際まだしていません。

(フリップ3:無秩序な円高ではない)
「そうですね。6月のブレグジットの後の円高局面というのが介入に動きやすいタイミングだったと思うんですよね。このときはドル円だけではなくて、ユーロ円・ポンド円も下落しまして、質への逃避的な円高色が極めて強かった時です。G7声明を出したあとだったということもありまして、介入を行ってもブレグジットの混乱の余波への対応ということで、欧米諸国も黙認してくれたんじゃないかなと思うんですね。それに比べて今はドル円こそ100円を割り込もうとしていますが、ユーロ円はその時よりも高くて、ポンド円の下げも緩やかなんですね。ですから秩序無き円高とは言い難くて、どちらかというとドル安なんですね。ですからドル円の100円割れがダイレクトに介入につながるわけではなくて、その蓋然性が増してくるのは現在113円台のユーロ円が6月の安値である110円を割り込む動きになってからじゃないかなと見ています。」

--やはり世界全体の円のバランスが大事なんですね。
「そうですね。」









■特集 ジャクソンホール講演を読み解く
アメリカは利上げするのかしないのか、8月26日のジャクソンホール経済シンポジウムでのイエレン議長の発言に注目が集まっています。三菱東京UFJ銀行の鈴木敏之氏は、利上げできない理由の一つとして注目の高まる「自然利子率の低下」とマイナス金利にどこまで言及するかに注目しています。

--実はイエレンさんの講演のテーマは「金融政策の新しいツール」です。新しいツールを出したいんだったら、利上げはないんでしょって思ったんですが、そういう意味合いですか。

「いや、今朝のカプランさんのインタビューでもそうですが、皆さんが利上げをしますしますと言っているんですね。当座についてはおそらく利上げが要るんだろうということで、なかなかコンセンサスが動いている可能性があります。一方でどこまで利上げをするんだというのを、今は3%ぐらいと言っているんですけれども、そこまでは上げられないでしょうと、この説明をしないと整合性が取れないということで、非常に大きなイベントとしてそこを説明することになると思います。」

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--目先のことと、ちょっと中長期は違うという議論ですね。それで利上げしない理由を説明したがっているそうなんです。理由は3つあるんです。この自然利子率というのは最近キーワードになっていますね。

(フリップ1:米利上げしない理由)
「利上げしないというのは、あくまでも最後3%まで高いところまでは上げないという説明ですね。」

--この自然利子率、ちょっと簡単に説明するとどんなことなんですか。
【自然利子率 ・・・ インフレでもデフレでもないときの中立的な利子率】

「そもそも経済の需給が均衡している時に成立する利子率、単純にいうとインフレもデフレもそこでは起こらないだろうと考えてもらえばいいんだろうと思います。」

--その時には利上げも利下げもないという感じなんですか。
「それよりも低くしておけば緩和、そういう尺度として考えます。」

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--ではそのアメリカの自然利子率はどうなっているかというと、想像の通り下がってきていますね。

(フリップ2:上がらない米自然利子率)
「まずこれは実質の数字なので、名目の金利とはちょっと区別しないといけないんですけど、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁とFRBのチーフエコノミストのローバックさんが共同で計算した結果がご覧のようなもので、危機後おそらく上がるだろうと思っていたんだと思うんですけど、全然上がらないということであれば、最後3%台まで上げていくのは無理ですね、というのがいま認識をされてきて、イエレンさんは説明をしないといけなくなってきている。」

--これは簡単に言うと景気がよくないということですか。景気でいうと今までアメリカだと生産性みたいな話ってありましたよね。

「例えば失業率とかでいうと景気は全然悪くないわけなんです。ところが労働生産性って経済の潜在成長率を示す重要な指標ですね。これが直近でマイナスになるぐらい悪いんですね。ここのところを正面からとらえると、最終的の金利のレベルはそんなに高くないですね、という話になるんだと思います。」

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--ブラードさんもそういうことを言っているんですね。

(フリップ3:セントルイス連銀ブラード総裁)
「ブラードさんというのはQE2をやった時に、最初に言い出した人なんですけど、「もう金利は(1回やった後は)上げなくてもいいんだよ」、と主張していて、インフレ目標に代わる新しい金融政策のフレームワークを提案しているような形なんですね。」

--じゃあ元に戻って(フリップ1)で2つ目、世界経済への影響・・・、いま自然利子率も見ましたが世界ではどうか・・・。みんな下がっています。

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(フリップ4:米利下げは世界の足かせ?)
「ウィリアムズさんとローバックさんが4つの経済圏について計算してみたら、非常にこれが下がってきてしまっている。アメリカいくら今元気だからといって利上げをしてしまうと、世界経済全体、成長率でいうと警戒ライン3%なんですけど、それを割りいこんでしまうんじゃないかという心配があって、やはりアメリカの利上げというのは限界があるんでしょう、という話ができるんだと思います。」

--でも年初は利上げのペース、勢いがあるみたいな話でしたよね。

「そうですね。ですから去年の12月に利上げをしたことがやっぱり結局、失敗だったんではないかと、そこで利上げした後、年4回も上げるといったから、マーケットが崩れているという可能性があるわけでありまして、そこが怖くてしょうがないですね。」

--たぶんイエレンさんもそこは気にしてらっしゃるということですか。(フリップ1:3つ目、イエレン議長の慎重姿勢)
「そうですね。もともとハト派の方なので、わずかでもストレスはかけたくないといったところが、昨今の利上げの議論でも非常に影響を及ぼしているような感じですね。」

--イエレンさんというのはやっぱり慎重姿勢でありたい人なんですね。
「非常に完璧でないと気が済まないというか、なんかそんなご性格のようでありまして、ちょっとでも心配があると動かないという感じのようですね。」

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--マーケット・フレンドリーではあるんでしょうけど、でもこのコーナーの冒頭に鈴木さんが仰って下さったように、ただちょっと1週間ぐらい前から今まで、いろんな連銀の高官が利上げがあるかもって言っているんです。これは根拠はあるんですね。

(フリップ5:米利上げする理由)
「はい、これは利上げをしないといけないという理由はいくつもあるんです。枚挙にいとまがないくらいたくさんあります。1つはFOMCのやっている経済見通しと実際の数字が合っているということであります。」

--見てみましょう、こういう形です。現状と見通しです。t6.JPG
(フリップ6:米FOMC見通し(16年))
「2016年の見通しの失業率とインフレ率(の現状と見通し)がほとんど同じような数字になっているということになりますね。」

--GDPも今上がってきてはいるんですよね。

「そうですね。GDPnowというので見ると、3.6%(第3四半期)なので、FOMCが見ている第4四半期の2%の成長に行くのと大体同じような数字になってきているんですね。その時にはもう1%弱まで利上げをするということになっていたんで、ここで利上げをしないと、自分たちの言ってきたことの説明がつかなくなってしまっているということになりまね。」

--雇用統計もいい数字が2ヵ月続いていますもんね。それで利下げの余地は作っておきたい。この後また不安要素が出てくるかもしれない。

「そうですね。何かあった時に、できれば普通に金利を動かして緩和をしたいということであれば、表には堂々と言わないかもしれませんけれども、利上げをしてその余地を作るというのは、動機としては十分あるんだと思いますね。」

--ブレグジット協議はいま夏休み中ですもんね。

「そうですね。そのあと既に独仏伊の首脳会談があって動きはあるようなんですけれども、もし何かあった時にいまのままだと、すぐにマイナス金利まで行ってしまう。これは困るので、やっぱり利上げのサインというのは送りたいというのはあると思う。ただイエレンは直接すぐに利上げをしますとは言わないと思います。」

--(フリップ5:米利上げする理由:マイナス金利阻止)これは困るんですね、今お話しにありましたけれども・・・。

「これはですね、2010年のジャクソンホールの時に、バーナンキ議長が、これはIOER(超過準備預金金利:所要準備を超える準備預金に対しFRBが支払う金利)というんですけども、(緩和の手段として)準備預金に対する利子率を下げる、と言っていたんですけれども、「市場が混乱するかもしれないし効果が限られるからできない」、ということを言っていたわけなんです。それを今回のジャクソンホールで踏襲するのか、あるいはまた新しくマイナス金利もいいんだと言うのかというのが注目になります。」

--ただ講演のテーマが「新しいツール」と言っている割にはツールの話があまり出てきてなくて、これ(マイナス金利)が新しいツールなんじゃないかと思うんですけど、もうやっている国にとっては困っちゃいますね、こんなこと(マイナス金利阻止)を言われたらね。

「そうですね。アメリカの方々は非常に心配をしていまして、というのはアメリカの経済・金融というのは市場を中心なんですね。ですから『銀行との間でマイナス金利をやる経済ではない。そのとき何が起こるかわかりません。たぶん政治的にも非常に抵抗が大きい。』それからもう一つ大きな理由として、合衆国憲法があるんですね。これは連邦議会しか税金をかけてはいけない(16条)という理解がなされていまして、FOMCが実質的に銀行から税金を取るということをやっては憲法違反だという話があるんですね。」

--マイナス金利だとお金をもらっちゃうことになりますもんね。トータルで考えてイエレン議長はどんな物言いをするんでしょうか。

「非常に退屈な結果になるかもしれない。ただこういうツールがありますというだけで終わってしまうかもしれません。1つ注目したいのは、もし何か経済について言及があると、フィッシャー副議長とか、前の人たちが言ったのと同じことを言った場合、これは9月の利上げの可能性もありますよ、というシグナルになると思いますね。」

--その辺の我々の聞き分けが必要になるかもしれませんね。











■日経朝特急

① 中国スマホ決済、日本でも
中国でスマホを使った電子決済サービスが急拡大し、日本企業に商機を生み出している。今年の市場規模は前年から3割強増え、円換算で200兆円に迫る勢いだ。スマホなどの移動端末を使った電子決済市場が訪日中国人が増える日本にも広がるなか、日本の百貨店やコンビニなど小売業も中国式のスマホ決済導入に動きはじめた。



② 子育て世代の税軽減
厚労省と内閣府は来年度の税制改正で、ベビーシッター代や認可外保育所などにかかる費用の一定割合を税額から差し引く仕組みを検討する。女性の活躍を推進する政府の成長戦略を税制面から後押しする。



③ 「米国利上げ時期近い」
ジャクソンホール経済シンポジウムを前に、ダラス連邦準備銀行のカプラン総裁が日本経済新聞の取材に応じた。カプラン総裁は労働市場の強さに自信を示し、「利上げの時期は近づいている」と述べ、9月利上げを否定しなかった。一方で先行きの利上げペースが鈍る可能性を指摘した。





■日刊モーサテジャーナル

① 新たに1万5000通、大統領選直前に公開か
アメリカ大統領選で民主党のクリントン候補が国務長官時代に私用のメールアドレスを公務で使っていた問題は、選挙の直前までくすぶり続けそうだ。ウォールストリートジャーナルによると、ワシントンの連邦地裁が国務省に対して、新たに見つかった1万5000通のE-メールについて、締め切りまでに機密情報が含まれているかどうか、調査するよう指示した。このメールはクリントン候補がこれまで自主的に提出したおよそ3万通のメールとは別にFBIが発見したもので、調査の締め切りは9月22日だ。その後大統領選の直前の10月半ばにも一般公開される可能性があると言う。ニューヨークタイムズは、私用メール問題は最後までクリントン候補の選挙戦に影を落とすことになる、と伝えている。



② 米カビ式相場、嵐の前の静けさ? (ウォールストリートジャーナル)
アメリカの株式相場が不気味なほど静かだという見出し。歴史的に見てこれほど静かな相場の後には、大きな下落が見られたことが多い、と警鐘を鳴らしている。記事によると、直近30日間のS&P500のボラティリティー(変動率)は0.5%以上動いたのはたった5日間と、過去20年以上のどの30日間よりも低かったという。背景には、ブレグジット以来大きなポジションをとる投資家が減ったという見方がある。また株価が下がってもFRBのイエレン議長が利上げを先送りすることなどで助けてくれろとの期待感があり、リスクを回避するためのプットオプション(売る権利)の取引が低調であることを挙げている。



③ ウーバーCEOが語る、自動運転車の未来
メディアへの露出が少ないことで知られる配車アプリ「ウーバー」のカラニックCEOが全国紙USA_Todayのインタビューに答えた。自動運転車無くしてウーバーの未来はないと、自動運転車の未来を語った。記事によると、カラニックCEOは「自動運転車の誕生は社会的に避けられないことで、事故や渋滞、排気ガスの減少につながるだろう」と主張。また運転手の雇用を奪うという懸念については、「膨大な数の自動運転車を維持するためには、逆に多くの雇用が必要」と指摘した。ウーバーは自動運転車を使た微塵タクシーサービスの実験を月内にもペンシルバニア州ピッツバーグの公道で行う。





■ニュース

米新築住宅販売 予想上回る
アメリカの住宅市場は引き続き堅調です。商務省が23日発表した7月の新築住宅販売件数は前の月と比べ12%以上増え、マイナスを見込んでいた市場予想を大きく上回りました。7月の新築住宅販売件数は季節調整済みの年換算で65万4,000戸と、前の月より12.4%、1年前と比べて31.3%、それぞれ増加しました。地域別では南部が堅調だったほか前の月に落ち込んでいた北東部が大きく伸びました。一方、販売価格の中央値は29万4,600ドルで、前の月から5.1%下がりました。

《米7月新築住宅販売件数(前月比)》 65万4,000戸(年換算)
南 部(+18.1%) 西 部  (横ばい)
北東部  (+40%) 中西部(+1.2%)





米トール・ブラザーズ 増収増益
アメリカの高級住宅メーカー、トール・ブラザーズが23日発表した5月から7月期の決算は大幅な増収増益でした。カリフォルニアを中心に全ての地域で販売が伸び売上高は1年前に比べ24%増、純利益は58%増えました。CEOは「新規契約は好調で8月から10月期も期待できる」と先行きに自信を示しています。

《米トール・ブラザーズ 5-7月期決算(前年比)》
売上高 12億6993万ドル(+24%)
純利益  1億 548万ドル(+58%)
1株利益     61セント(市場予想と一致)





米ベスト・バイ 大幅増益
アメリカの家電量販店大手ベスト・バイの5月から7月期の決算はネット通販がけん引し増収増益となりました。売上高は市場予想を上回る85億3,300万ドルで純利益は1年前より21%増えました。スマートフォンやゲームの販売は不調でしたが白物家電やパソコンなどが好調でした。予想を上回る決算を受け株価は最大で20%近く上昇しました。

《米ベスト・バイ 5-7月期決算(前年比)》
売上高 85億3300万ドル(+0.1%)
純利益  1億9800万ドル(+21%)
1株利益     57セント(市場予想を上回る)





イラン「増産凍結」に前向き
原油の増産凍結に向けイランが他の産油国との協調に前向きな姿勢を示しました。これまで、イランは増産凍結を拒んできましたが、ロイター通信はOPEC=石油輸出国機構の関係者の話としてイランはまだ方針決定には至っていないものの、増産凍結に協力する可能性がある、と伝えました。



米テスラ 上級モデル追加
アメリカの電気自動車メーカー、テスラ・モーターズはさきほど、主力のセダン「モデルS」とSUVの「モデルX」にバッテリーを強化した上級モデルを追加すると発表しました。バッテリー強化に伴い、加速性能が向上したほか、モデルSの航続距離がこれまでより17%、モデルXは16%、それぞれ伸びる、としています。



日銀 初のフィンテック会合
日銀はきのう、フィンテック=金融に関わる技術の関連企業を集めた会合を初めて開催しました。世界から後れをとる日本企業を後押しします。金融機関やIT企業などが参加したフィンテックフォーラムで、黒田総裁はフィンテックの実用化に向け、最大限の貢献を約束しました。去年、日本のフィンテック関連企業への投資はおよそ65億円で、アメリカの200分の1、中国の30分の1の規模となっています。そのため日銀は今後も継続的に会合を開き、企業間の連携を促す考えです。一方、市場関係者が注目していた黒田総裁の金融政策に関する発言はありませんでした。



最低賃金 平均25円増で決着
今年度の地域別最低賃金の見直し額が出そろい、時給は全国平均で25円増の823円になりました。引き上げ幅は、日給から時給ベースに切り替えた2002年度以降で最大になりました。厚生労働省がきのう発表したもので、地域別の最高額は東京都の932円、最低額は宮崎県と沖縄県の714円です。最低賃金は10月1日以降、各地で順次、改定されます。



きょう日中韓外相会談
日本、中国、韓国の3ヵ国による外相会談がきょう開かれるのを前に、岸田外務大臣は、両国の外相との晩餐会に出席しました。中国の外相の日本訪問は、4年前に習近平体制が発足して以降、初めてです。きょうの会談で日本側は、核実験や弾道ミサイルの発射を強行する北朝鮮への対応のほか、日中韓FTA=自由貿易協定の早期締結に向けた協力を確認し、日中韓首脳会談の年内開催につなげたい考えです。



おおさか維新の会 党名変更
おおさか維新の会はきのう臨時の党大会を開き、党名を「日本維新の会」に変更することを決めました。おおさか維新の会は7月の参議院選挙で、改選前に比べて議席を増やしたものの、選挙区での当選は大阪と兵庫にとどまるなど、関西以外での支持が伸び悩みました。今回の党名変更で「おおさか」の文言を除き、地域色を薄めることで、全国規模での支持拡大につなげたい考えです。



千葉の連続刺傷で男逮捕
千葉市と千葉県船橋市の路上できのう夕方、自転車に乗った男が歩いていた若い女性を刃物で刺す事件が相次ぎ、警察は先ほど、自称無職の21歳の男を殺人未遂の疑いで逮捕しました。殺人未遂の疑いで逮捕されたのは、埼玉県ふじみ野市に住む自称無職・大野駿容疑者21歳です。警察によりますと、大野容疑者はきのう夕方船橋市の路上でアルバイトに向かう途中の19歳の女子大生の後ろから自転車で近づき、刃物で腰を刺して全治3週間のけがを負わせた疑いがもたれています。大野容疑者は警察の調べに対し、「分からない」と容疑を否認しているということです。また、事件の1時間半前には千葉市中央区の路上で、中学3年生の女子生徒が自転車に乗った男に追い抜きざまに脇腹を刃物で刺され、重傷を負っていて警察が関連を調べています。




■今日の予定

日中韓外相会談
16年度第2次補正予算案を閣議決定
8月月例経済報告
米7月中古住宅販売件数
米決算(ヒューレット・パッカード)




■【コメンテーター】シティグループ証券/高島修氏、三菱東京UFJ銀行/鈴木敏之氏

・イラン原油増産、凍結に前向き

--原油価格市場の動きはマインドにも影響しますね。
(シティ/高島氏) 「そうですね。やはりサウジアラビアもイランと一緒でなければ生産調整しないと言ってますので、このイランの動きはかなり重要だと思いますね。」

--今回の会合で何かすごい数値的なものが出てくるとか、そこまでの期待はないですか。
「今回に関してはまだそこには至らないんじゃないかと私は思いますけどね。」

--ただ前に進んでいるという感触というのは市場にとってはいいことですね。
「そうですね。原油安で経済状況も疲弊していますので、背に腹は代えられないという状況になってきていると思います。」




・米住宅市場、堅調続くか

--住宅が堅調ですね。
(三東UFJ/鈴木氏) 「そうですね。自動車販売も強くて、アメリカは皆さん利上げ利上げっていうんですが、実際まだ金融緩和をしているわけですね。それが一番効くのが、こういった住宅や自動車なので、こういった数字が出てくることは、FEDからしたら非常に安心材料と言いますか、場合に世手は利上げもしていいのかなという話につながるかもしれないですね。」




・日刊モーサテジャーナル/米株式相場、嵐の前の静けさ

--本当に(ボラティリティが)低いですよね

(シティ/高島氏) 「為替市場も6月のブレグジット問題の後はボラティリティが低下していまして、材料難なんですね。」

--ボラティリティがあんまり少ないのも問題ですね

(三東UFJ/鈴木氏) 「まさに量的緩和というのがこういうところに効いている可能性があるんですね。当然経済を刺激するという意味では、いい意味でなんですけど、利上げをしたときに動いてしまう怖さというのは、指摘されている通りだと思いますね。」




・今日の経済視点

(三東UFJ/鈴木氏) 「9月4-5日(G20)、8日(ECB)、21日(日銀)、21日(FOMC)」

夏休み開けると非常に忙しくなります。アメリカの雇用統計のあと、利上げの話が出るかもしれません。大変な月になるかもしれませんね。我々は本当に準備で大変なんです。



(シティ/高島氏) 「R*(アールスター)」

最近海外の投資家がずいぶんこの言葉を使うんですが、要は鈴木さんが今日仰った自然利子率のことです。ジャクソンホールではおそらくこれよりいかに実質金利を下げるか、もしくは構造改革をやって経済を強くしていかにR*(自然利子率)を引き上げていくか、そういったところが議論されると思います。

--ただ金融政策でここまでやって、自然利子率が下がり続けているんだとしたら、何をすればいいんですかね。

FED関係者が最近言っているように、財政と規制改革をうまく使っていくということになって来るんでしょうね。

--鈴木さん、そういう意味では、世界の中央銀行はもう十分にやっていると言えるんですか。

(三東UFJ/鈴木氏) 「これ以上やると弊害があるかもしれないというところに、いま心配が移っていて、構造改革などを急ぎましょうということで、もし間に合わないんだったら財政ということですね。」








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