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モーニングサテライト・ウォッチ

2017.2.17 Newsモーニングサテライト

2017年02月17日 14時02分48秒 | MS
■マーケット

NYダウは高値更新
アメリカ株は3指数が高値更新を続けています。連日の上昇で、さすがに買い疲れも見られるようで、株価は一服。それでも小幅安のもみ合いで、先行きへの期待は依然強いようです。決算も終わりに近づく中、今の相場の牽引役は財政と金融の両政策への期待。トランプ政権の大型減税はもちろん、3月利上げの可能性の高まりも、経済が堅調な証拠と捉えれば、株価にはプラスのはずです。フィラデルフィア連銀景気指数が歴史的な高水準、雇用や住宅関連も底堅い内容だったものの、さすがに連日の高値更新の後とあっては、きょうの下げは自然な動きとみる向きも多いようです。ニューヨークの株価終値です。ダウは連日の高値更新6日続伸7ドル高、2万619ドル。ナスダックは8日ぶりの反落4ポイント下落、5,814。S&P500も8日ぶりの反落2ポイントマイナスの2,347でした。

【NY証券取引所中継】フィラデルフィア連銀指数を分析
解説は岡三証券NYの高野一真氏

--さすがに一服感が漂ってますね。

そうですね。朝方発表されました経済指標は市場予想を上回ったんですけれども、前日まで連日高値更新となっておりましたので、本日は利益確定売りが広がりまして、主要3指数はおおむねマイナス圏での推移となっております。

--さてニュースでお伝えしましたフィラデルフィア連銀の製造業景気指数は、かなりいい内容でしたね。

はい、全体を押し上げたのは新規受注で、コチラはおよそ30年ぶりの高水準となりまして、また出荷も強い内容となりました。雇用者数は前月からやや低下したものの、週平均集合時間が大きく伸びまして、今後、企業が雇用を増加させるサインだと考えることができそうです。

(フリップ1:フィラデルフィア連銀製造業景気指数(前月比))
新規受注↑12.0(約30年ぶりの高水準)、出荷↑8.1
雇用者数↓1.7、週平均就業時間↑6.8

--これはアメリカ経済全体へのインパクトはどう考えたらいいんですか。

はい、コチラの指数がカバーしているのは、ニュージャージー州南部やデラウエア州、それからペンシルベニア州東部となっておりまして、アメリカ経済全体から見ると、ほんの一部となります。

(フリップ2:実質GDPに先行する傾向も)
ただコチラのグラフにありますように、実質GDPに先行する傾向があります。ブレの大きい指数なので、今回の結果だけで過度な期待は禁物だとは思いますけれども、来月以降も改善が続くようであれば、今後のアメリカ経済のさらなる拡大につながっていくと思います。


【NY証券取引所中継】AIが後押し!? ストリーミング業界
解説は岡三証券NYの高野一真氏

--引けにかけて下げ幅縮小しましたね。

そうですね。朝方発表されました経済指標は市場予想を上回ったんですけれども、前日まで連日高値更新となっておりましたので、本日は利益確定売りが広がりまして、主要3指数はおおむねマイナス圏での推移となりました。

--さてアメリカではストリーミングで音楽を楽しむ人が着実に増えているようですね。

(フリップ1:有料ストリーミング売上高は2倍以上)
はい、アメリカでの2016年上期の売り上げを見てみますと、CDやダウンロードでの購入は大きく減少している一方で、有料ストリーミングサービスは前年比で2倍以上に増加しております。

(フリップ2:有料ストリーミング利用者も倍増)
利用者数も2016年上期で1800万人とこちらも前年から倍増となっています。

--本当ですね。これは企業業績にもインパクトがありますよね。

(フリップ3:アップル、ストリーミングの成長が寄与)
はい、決算発表後から株価の堅調な推移が続いているアップルですけれども、16年10-12月期の全体の売り上げは前年比3%の増加にとどまった一方で、サービス事業は20%近く増加しております。内訳は開示されていないものの、ストリーミングサービスのアップルミュージックの成長も寄与したものと見られております。

--それでこのストリーミングの成長はまだ続きそうですか。

はい、今後はアマゾンのエコーに代表されるような人工知能を使った音声認識機能のついたスピーカーがカギを握ると予想しております。エコーは話しかけることで様々な情報をやりとりできるスピーカーで、声で曲名を伝えるとその曲が流れてきます。アマゾンのジェフ・ベゾスCEOもエコーを通じて音楽を聴く機会が爆発的に増加すると予想しています。実は私もエコーを利用しているんですけれども、使い方はとても簡単で、エコーのおかげで、今まで聴くこともなかった洋楽を聴く機会が増えております。人工知能スピーカーが音楽市場の活性化を後押しするのではないかと考えております。


【為替見通し】注目は「3月利上げの可能性は?」
解説は三井住友信託銀行NYの海崎康宏氏

--ドル高円安がジワジワと進んでいますが、NY市場を振り返っていかがでしょうか。

前日からの流れが継続し、ドルは上値が重い状況が続いています。アメリカ株価下落や金利低下を受けて、一時ドル売りが強まり、ドル円は113円台前半まで下落しました。

--今日の予想レンジは、112.80~113.90円です。
アメリカは今週末に3連休を控えており、今日は短期的なポジション調整主体の動きになると思われます。特にアメリカ株は今週、上昇基調を強めましたので、調整による米国株価下落、米金利低下でドル安円高の流れに注意しています。

--注目は「アメリカの3月利上げの可能性は?」です。

(フリップ:米利上げ観測高まる)
市場は今のところ6月の利上げがメインシナリオとなっていますが、今週のイエレン議長の議会証言を受けて、FF先物金利が上昇し、3月の利上げ可能性も若干高まりました。ここにきて景気過熱を待ちすぎるリスクや、実際に過熱を招くリスク、についての言及がイエレン議長をはじめ、他のFRB高官からも見受けられ、3月の可能性もは維持できないと考えています。ドル円は利上げ観測の強まりによる米金利上昇を背景に、底堅い動きが続くと思います。ただ足下はトランプ政権による税制改革案の発表や、今月28日の大統領議会演説など不透明感も残り、上値の重い状況が続きそうです。

【日本株見通し】注目は「トランプ成長戦略」への期待
解説は三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏
 
--今日の予想レンジは、19100円~19300円です。

ちょっと為替が円高に振れているのが玉に瑕ですよね。週末よいうこともあって、やや利食いが勝る可能性があるんですが、お昼になるとまた日銀が買ってくれるかもしれない。それが注目ポイントになると思いますね。

--注目ポイントは「トランプ成長戦略への期待」です。

(フリップ:新任大統領就任後は相場堅調(ダウ))
これは論より証拠で、見ていただくと、新任大統領で、80年代のブッシュ(父)以降のNYダウの動きを見ていただきたいんですけど、ほとんど堅調なんですよ。唯一ブッシュ(息子)だけがITバブル崩壊の直後、2001年就任ですので、そして同時多発テロ(9.11)の影響があったということで、非常に特殊な場合だけが冴えなかった。ところがほかの人たちは非常に強い展開だ。つまり新任大統領の政策に対する期待感というのが、まけっと事態に非常にポジティブに捉えられるということですね。そしてこれを見ていただくと、トランプさんは去年の11月と12月は完全に期待相場だったんですが、そのあと1ヶ月半ぐらいずっと揉んでたんですよね。そしてここで今また一段上がってきているのは何かということになると、これは驚くべき減税政策ということを言いました。つまり単なる選挙公約から、具現化してきたということを評価して、2段あげに入ってきている。ですから私はアメリカは、過去のパターンを見てもそうなんですけど、非常に強い動きがまだ続くというふうに見たほうがいいと思いますね。

--若干過去の例に比べて強く上がり過ぎていて、息切れしないかなという気もしますが・・・。

それは春以降に現実に直面してきたときには、可能性はあるかもしれません。逆に言うと春まではまだ全然大丈夫だと・・・。たるむ局面があれば拾っていけばいいと思うんですね。ただ問題は日本株が、アメリカの勢いの良さに比べると、どうも19500円ぐらいになるとモタモタモタという感じになっている。これは先ほど申し上げた貿易摩擦の問題、それが円高に作用するというのはあるんですけども、いずれこれも消化されていく可能性が高い。なぜなら、今の売り手の国内の機関投資家は3月10日前後になると、もう決算で全然動かなくなる。売り物がかすれてくるので、私は春に向けては上昇していくと思う。たるんだところは買いでいいと思います。


■【プロの眼】政治銘柄となった自動車株
アメリカの対日本の貿易赤字額はマイナス689億ドル。その内、自動車による赤字が526億ドルで76%に達している。この状況から、米国が日本に何らかの改善策を求めてくるのは必至の情勢。確かに日本は「現地生産・現地販売」の比率を高めているが、米国向け自動車輸出が巨額の貿易赤字を招いていることは事実であり、1981年レーガン政権当時の「対米輸出自主規制」を迫られる可能性は否定できない。アメリカの貿易赤字が今後のマーケットの焦点になってくるだろう。解説は三菱UFJモルガン・スタンダー証券の藤戸則弘氏。

--テーマは「政治銘柄となった自動車株」。これはもちろんアメリカの貿易赤字、マーケットの焦点。

(フリップ1:米国貿易赤字で批判の的に:青色のグラフ)
「ちょうど去年の貿易統計が出たばっかりということもあるんですけど、そこでまず見ていただきたいのが、アメリカに貿易赤字をもたらしている国別、これは財貨ベースの貿易赤字(青色の棒グラフ)なんですけど、見ていただきますと、中国が7500億ドルの半分弱を占めているわけですね。そして2番目に日本(689億ドル)になりました。そしてドイツ、メキシコと続くんですが、この4ヵ国を見ていただけると、全部トランプさんがやり玉に挙げている国ばっかりなんです。(中国には)45%の関税をかけるとか、メキシコも35%とか、言われているんですけれども、これが彼の頭にインプットされているということだと思うんです。」

(フリップ1:米国貿易赤字で批判の的に:赤色のグラフ)
「さらに内訳を見ていくと、赤い部分が自動車による赤字ということなんですね。メキシコなんかを見ていただくと、全体の貿易赤字以上に多いんですね。だからメキシコはほかのものをアメリカから輸入しているということになるわけです。問題の日本を見ていただくと、689億ドルのうち、526億ドルが自動車関連ということになると、8割弱が自動車によってもたらされている。ということは対米のこれだけの黒字を貯め込んで、アメリカの赤字をもたらしている要因は、自動車輸出だということにどうしてもなってしまう。」

--そうですね。中国は(自動車輸出が)少ないですから、コチラ(日本)のほうが目立ってしまう。

「それが矢面に立ってしまうということなんですね。」

--ただ藤戸さん、日本にも言い分はありますよね。

(フリップ2:日本は「米国雇用増」に貢献している)
「ええ、日本のほうは、コチラを見ていただきたいんですけれども、対米自動車輸出というのは、80年代から貿易摩擦の問題が大きくなってました。そこで日本企業は何をやったかというと、現地生産だということで、現地で売る物は全部現地で作っていこうとしてきた。見ていただくと、これ(緑色のグラフ)はウナギ登りなんですね。実は輸出台数(青色のグラフ)自体はピークが86年の344万台ということなんですが、実際、去年どうなったのかというと、170万台なんですよ。つまり半減しているんですね。すごい努力をして、しかも当然現地に工場を作る、ディーラー網を作るということですから、対米の直接投資がものすごく増えている。雇用に関しても、この自動車業界全体、ディーラーも含めて、2015年のデータで46万人の雇用なんです。まさに貢献しているわけですね。これが日本側の言い分なんですが、じゃあ貿易赤字の問題が消えてなくなるのかというと、そうではない。それでここを見ていただきますと、80年代、81年1月20日がレーガン大統領の就任なんですけども、そこからわずか3ヵ月で、日本は対米輸出の自主規制というのを強いられます。上限が168万だということになりまして、今回おそらくアメリカが要求するのは、さらに現地生産台の比率を上げろ、これはあるけど、すぐにはできません。もう1つは、80年代にもやったんですが、アメリカの自動車の輸入策を採れと、実は官公庁でアメリカ車を使っていた時があったんですけどね。ただ金額としては大したことは無い。結局、レーガン政権と同じように、私は輸出の自主規制に追い込まれる可能性もありうる。4月にペンス副大統領と麻生副総理の包括的な協議が始まるということになってますけども、大きなテーマの一つが自動車ということにならざるをえないということですね。」

--そういった動きというのは、いま株式市場は織り込みつつあるわけですね。

「そうですね。ですから一番の問題は、アメリカ国内にどれだけ工場を持って、それで販売しているかということになるわけですね。自動車各社の株価を見ていると、一番強いのは実はホンダなんですよ。ホンダはまるで自動車株じゃないような動きをしている。これは何故かというと、アメリカで現地生産、販売をする比率が一番高いということなんですね。逆に一番厳しいのがマツダで、アメリカの自動車工場はゼロなんです。メキシコで作って、20万台ぐらいそれを輸出しているですが、国境税の問題も出てくるということですね。この辺りまでマーケットは完全に見始めているということになると思いますので、ファンダメンタル事情に政治的な駆け引き、交渉が自動車株のポイントになるというふうに思います。」
 

■【中国NOWCAST】
今回の中国ウォッチャーはDZHフィナンシャルリサーチの池ヶ谷典志さんです。今週のピックアップトピックスは「中国版グリーンカード発給拡大」「CPI上昇金融引き締めも?」「おふくろの味出前に規制」の3本です。中国が去年発給した永住権は前の年に比べて2.6倍となりました。アメリカの保護主義的な政策をチャンスと捉え、今後開放政策に拍車をかけると解説します。

《解説:DZHフィナンシャルリサーチ/池ヶ谷典志氏》

フリップ:中国NOWCAST)
(1) 中国版グリーンカード発給拡大
(2) CPI上昇、金融引締めも?
(3) おふくろの味、出前に規制


(1) 中国版グリーンカード発給拡大
去年、中国政府が発給した永住権(グリーンカード)は、1576人(前年比2.6倍)となった。資本規制や人件費高騰で海外からの対中投資が縮小しているため、中国政府は多額の投資や雇用を生み出す人材を呼び寄せ、景気活性化につなげたい狙いがある。
池ヶ谷さんは、アメリカの保護主義的な政策が、中国の開放政策に拍車をかけているという。

《DZHフィナンシャルリサーチ/池ヶ谷典志氏》
「アメリカのトランプ大統領が移民に対して厳しい姿勢をとっていますので、中国は逆にこれをチャンスとして捉えて、海外の優秀な人材を積極的に引き込もうという意図があるんだと思います。先のダボス会議でも習近平国家主席がグローバル化を推進していくということを力強く宣言しましたけれども、そういった流れの中で、海外の開放を進めていくという流れはあると思います。その中で世界のリーダーを目指していくといった大きな目的があるんだと思います。」


(2) CPI上昇、金融引締めも?
中国国家統計局が発表した1月の消費者物価指数は1年前に比べ2.5%の上昇で2年8ヶ月ぶりの高い水準となった。内訳をみると、春節を前に、食品や旅行商品が値上がりをしたことに加え、燃料価格が16.5%と大幅に上昇した
《1月消費者物価指数》
食品は↑2.7%、旅行↑9.9%、燃料↑16.5%

去年から鉄や石炭などの原料価格が上がっていることで、中国政府が設ける上昇率3%の許容範囲に近づいている。池ヶ谷さんは、「国内ではインフレ抑制のため、さらなる金融引き締め議論が浮上している。2月のCPIの結果を注視したい。」、としている。


(3) おふくろの味、出前に規制
中国では、いま一般の主婦などが作った料理を、インターネットを通じて注文し、出前のように届けてもらうサービスが流行している。中国国内のネットを通じた出前は、去年2億円が利用し、前年を80%上回っている。そのけん引役の一つが個人が作った料理のシェアサービスである。料理シェアのサイトでは、主婦など個人が投降した料理が一覧で表示され、客は1品30元程度(約500円)で味わえる。手頃な値段が受け、このサイトの利用者は100万人以上、料理は提供する個人宅から客へ運営会社が運ぶという仕組みである。ただ料理を提供する個人宅は、飲食店のように営業許可を取っていないため、衛生管理の面で問題が指摘されていた。そこで中国当局は料理のデリバリーに対する規制を発表、料理提供者に対し、実店舗を構えることに加え、食品経営許可証の取得を定めるとしている。これを破れば最低5万元(約83万円)の罰金を課す。こうした規制強化に政府が乗り出した背景には、拡大するシェアリングビジネスを国として新たな成長源にした狙いがあるという。

《DZHフィナンシャルリサーチ/池ヶ谷典志氏》
「シェアリングというビジネスは発想次第で民泊やライドシェアなど、国内だけでなく海外シェアも奪っていける、大きな可能性を秘めた分野ですので、中国政府も昨年の全人代の活動報告の中で、このシェアリングビジネス、シェアリング・エコノミーを支援していくということを打ち出しています。ですので中国政府としては、今後、こういった新たなビジネスを生んでいく環境を整えていくということが重要になってくるんだと思います。」
 

・ 「シェアリング・エコノミー」について

--シェアリングビジネスは市場規模が32兆円に上るという試算もあり、中国の力の入れようというのが伺えます。このシェアリング・エコノミーというのも世界的に拡大していく方向なんでしょうか。

《三菱UFJモルガンスタンレー証券/藤戸則弘氏》
「大きなトレンドですよね。ですから自動車のシェアリングのウーバーなんかが世界でも展開しているわけですけど、中国では民族資本のほうが優位ということで、ウーバーは結局撤退することになってしまったんですけどね。翻ってみて、日本でも結局、規制を緩めるかどうか、日本でごく一部の地域で試験的にやっているだけですからね。そういう流れからいくと、アベノミクスの旧3本の矢、規制緩和というのがあったんですが、実はこのシェアリングビジネスを日本でもどんどん認めるかどうか、これが非常に大きなポイントになってきているなと思いますね。」


■日経朝特急

保育所新設、企業が主導
日本生命保険とニチイ学館が共同で保育事業を展開する。来年春までに保育所を全国で約100か所新設し、1800人程度の児童を受け入れる。保育所の利用率は上がっているが、待機児童は依然高水準である。今回、
国が民間の力も借りて保育サービスを提供する企業主導型保育事業で、運営会社と事業会社が組んで大規模に展開するのは初めてとなる。一部で同じような取り組みが出てきていて、2万人超とされる待機児童の解消に一歩近づく。


鉄鉱石、急騰
製鉄の主な原料の鉄鉱石の国際スポット価格が急騰している。指標となるオーストラリア産は1トン90ドルを超え、今年初めに比べ2割高、この1年で2倍になった。中国の不動産開発が堅調なことや公共投資案件も多く、中国の輸入が急増。日本の製鐵大手が輸入する鉄鉱石価格も上昇し、各社の収益に影響が出始めている。中国では個人の投資マネーが鋼材や鉄鉱石の先物市場に流入し、価格を実態より押し上げている面も強く、鋼材高で中国の非効率な製鉄所が増産に走れば再び供給過剰に陥る懸念もくすぶる。


短期国債、利回り上昇
短期国債の利回りが上昇している。3ヵ月ものの入札では、最高落札利回りが昨年末から上昇に転じている。世界的な国債利回りの上昇で、海外投資家の円調達コストが上がっていて、短期国債の需要が後退した。日銀が短期国債の保有残高を徐々に減らしていることも需給の緩和につながっているとしている。



■日刊モーサテジャーナル

米チキンタックス復活でトヨタなどに大打撃(ウォールストリートジャーナル)
NAFTA北米自由貿易協定が骨抜きにされたら、メキシコから輸入されるピックアップトラックに対して、「チキンタックス」と呼ばれる関税が復活するかもしれない、と報じている。1963年からおよそ30年に渡り実際にあったもので、ドイツなどがアメリカ産の鶏肉に関税をかけたことへの報復として、主にドイツのVW(フォルクスワーゲン)を標的にした25%の関税のことである。アメリカ国外での生産の全てのピックアップトラックが対象だった。記事は、「1992年に成立したNAFTAによって効力を失っていたチキンタックスが復活することで、メキシコでピックアップトラックを生産するトヨタ、フィアットクライスラー、GMゼネラルモーターズなどに大きな打撃になるのではないか」、と伝えている。記事によると、去年のアメリカにおけるピックアップトラックの販売台数は270万台で、そのうち4分の1ほどがメキシコからの輸入である。トヨタは「関税をかけられたら、どのメーカーもそれを吸収しきれず、結局、消費者が負担することになるだろう」、と話しているという。


世界で経済リスクが撤退(ウォールストリートジャーナル)
世界中で経済のリスクが後退していると楽観的な見方を掲載している。例えば、原油などの商品価格は上昇。日本・米国・ユーロ圏のインフレ見通しも改善。購買担当者景気指数も軒並み回復している。こうしたことから記事は、「アメリカの株価上昇の理由をトランプ大統領のおかげと考える人が多いが、世界的に経済指標が良いことも背景にある。」、と指摘している。また記事は、「アメリカの1月の指標を見ても、15日に発表された小売売上高や消費者物価指数、製造業の指数は良かったと評価。イエレン議長の議会証言と合わせて考えると、3月利上げの可能性が高まっている。」、と伝えている。


GMオペル売却、ドイツの選挙に影を落とす?(フィナンシャルタイムズ)
GMが傘下のオペルをフランスのプジョーシトロエングループに売却する方針であることについて、「ドイツ政府は聞いていなかったと怒りの声をあげている」、と報じている。というのも今回の売却によってドイツにあるオペル本社が雇用する1万5千人が解雇されるかもしれないという見方が浮上。ドイツは数ヵ月後にメルケル政権の命運がかかる選挙を控える中、これが内政問題に発展することを危惧しているという。ドイツのツィプリース経済相は、「売却の話が事前に知らされずに進むなどありえない。オペルの雇用を守ることを今後の交渉の最優先事項にすべきだ。」、と憤慨しているという。


・ 米チキンタックス、復活?

--自動車の話が出てきました、メキシコ。

「ですから対米の自主規制うんうんという話を先ほどお話ししたんですけれども、もう一段大きいのは、いま現地メキシコで生産してアメリカへ輸出しているやつですよ。それにまた35とか25とかかけられるということになると、これはもう大変な話になりますよね。仰る通り吸収できるわけがないです。この分の下方修正というのはある。ただもう1つ申し上げたいのは、実は、日本からのSUVやピックアップトラックの輸出には、先ほどのチキンタックスはかかってるんです。25%なんです。これはTPPでも前面には出なかった。ビッグ3が一番いま儲けているのはそれなんですよね。ですから日本勢には高い関税をかけたままなんです。一番の売れどころにかかっている。この事実もなぜかTPPではあまり議論されなかったということですね。」


■今日の予定

16年家計調査
決算(ブリヂストン)
英1月小売売上高
米1月景気先行指数


■ニュース

米 製造業指数 33年ぶり高水準
アメリカのフィラデルフィア連銀が発表した2月の製造業景気指数は、43.3と前の月から大幅に上昇し、1984年1月以来、33年ぶりの高水準となりました。製造業の現状を示す景気指数は、市場予想を大きく上回り改善しました。内訳では、雇用者数が低下しましたが、新規受注や出荷が上昇しました。一方、6ヵ月先の景気見通しは53.5と、前の月から低下しました。
雇用者数11.1(↓1.7)、新規受注38.0(↑12.0)、出荷28.6(↑8.1)、6か月見通し53.5(↓3.1)
 

米 1月住宅着工件数↓2.6%
アメリカの1月の住宅着工件数は124万6,000戸と、2ヵ月ぶりに減少しました。12月の大幅な上方改定が影響したものと見られます。また、先行指標である住宅着工許可件数は、前の月から4.6%上昇しておよそ1年ぶりの高水準を記録し、引き続き住宅市場の堅調さが確認されました。
 
 
米 失業保険申請 引き続き低水準
アメリカの先週一週間の新規失業保険申請者数は、前の週から5,000人増えましたが、23万9,000人と記録的な低水準が続いています。またトレンドを示す4週移動平均は500人増加し24万5,250人でした。
 
 
米 スナップ IPO資金調達32億ドルか
写真共有アプリ「スナップチャット」を展開するスナップは、IPO=新規株式公開の公開価格の仮条件を1株14ドルから16ドルとすると発表しました。最大で32億ドル=3,600億円余りを調達する方針です。ウォール・ストリート・ジャーナルによりますと、時価総額は195億ドルから222億ドルとなる模様で、当初想定されていた200億ドルから250億ドルを下回る見通しです。
 
 
入国制限めぐり 来週 新たな大統領令
イスラム圏7カ国からの入国を制限する大統領令が裁判で差し止められたことを受け、トランプ大統領は記者会見で、来週、新たな大統領令に署名することを明らかにしました。また、トランプ大統領は、労働長官候補者が指名を辞退したことから、新たにフロリダ国際大学の学部長で弁護士のアレクサンダー・アコスタ氏を指名すると発表しました。上院で承認されれば、トランプ政権で初めてのヒスパニック=中南米系の閣僚となります。
 
 
日米韓外相が共同声明 北朝鮮への圧力強化で一致
ドイツのボンで開かれているG20=20の国と地域による外相会合に合わせて日本、アメリカ、韓国の外相が会談し、12日に弾道ミサイルを発射した北朝鮮に対し国際社会による圧力を強化する必要性を明記した共同声明を発表しました。トランプ政権が発足してから初めてとなる日米韓の外相会談では、日米韓が緊密に連携し、北朝鮮に対し、挑発行動の自制や国連安保理決議の順守を強く求めていく方針で一致。北朝鮮の弾道ミサイル発射を「最も強い表現で非難」するとした共同声明を発表しました。また、金正男(キム・ジョンナム)氏の殺害事件を受けた北朝鮮の動向についても意見交換しました。アメリカのティラーソン国務長官は会談で「核の傘」による「拡大抑止」の提供を含めアメリカが日韓両国の防衛義務を維持すると表明しました。
 
 
通販大手アスクル 倉庫で火災 消火活動続く
きのう午前9時過ぎ、埼玉県三芳町にある通販大手・アスクルの物流倉庫で火災が発生し、現在も消火活動が続いているとみられます。この倉庫では文房具や生活用品などおよそ7万種類の商品が保管されていました。アスクルは火災の影響で一時停止していた注文の受け付けをきのうの夕方から順次再開していますが別の倉庫からの発送となるため配達が遅れる可能性などもあるということです。
 
 
日銀 黒田総裁 収益力向上へ“合併も選択肢”
日銀の黒田総裁はきのう東京都内で講演し、日本など多くの先進国で行われている金融緩和について、「金融機関の収益の源泉である預貸金利ざやの縮小につながっている」と述べました。その上で、金融機関の収益力を向上するために、「合併・統合なども選択肢の1つになり得る」と指摘しました。
 
 
福島第1 ロボット調査 原子炉の真下に到達できず
東京電力はきのう、福島第1原発2号機の原子炉格納容器内に初めて投入したカメラと線量計を搭載した自走式ロボットが原子炉の真下にある作業用足場に到達できなかったと発表しました。東京電力によりますとロボットは機器交換用レールに残る堆積物の上を走行し放射線量や温度を測定しましたが、2メートルから3メートルほど進んだ後、走行不能となり、圧力容器の真下には到達できませんでした。炉心溶融で溶けた核燃料の実態把握には至らず、ロボットは回収しないまま格納容器内に残したということです。溶け落ちた核燃料の取り出しは廃炉作業における最大の難関とされていますがその前段となる本格調査でつまずいたことで工程の見直しを迫られることになりそうです。
 
 
崔被告らへの贈賄容疑で サムスントップを逮捕
韓国のパク・クネ大統領の親友、崔順実被告による国政介入事件をめぐり韓国のソウル中央地裁はサムスングループの事実上の経営トップ李在鎔氏の贈賄容疑での逮捕状を発付し、特別検察官チームはさきほど李氏を逮捕しました。特別検察官チームはサムスンが崔被告側に贈った巨額の資金のうち馬術選手である崔被告の娘に対する支援に焦点をあてて捜査を進めています。
 
 
入国禁止令に抗議の“閉店”
アメリカでは16日、トランプ大統領の移民政策に抗議するため移民が多く働く飲食店や商店が一斉に閉店する活動が展開されました。「移民のいない1日」と名付けられたこの活動で、イラクからの移民がオーナーというこちらのレストランでは、ワシントン市内にある6つの店すべてをこの日1日、臨時休業にしました。およそ650人いる従業員にはこの日の賃金は支払う方針だといいます。アメリカのレストラン業界は外国出身の人が従業員の大半を占めていて抗議運動を通じてアメリカ社会における移民の役割を訴える狙いがあります。抗議運動の情報は口コミやソーシャルメディアを通じて広まったとみられていて16日、ワシントンやニューヨーク、シカゴなど全米各地で展開されました。
 

■【コメンテーター】三菱UFJモルガン・スタンダー証券/藤戸則弘氏

・ 米国利上げシナリオ、前倒しの可能性は

--米フィラデルフィア連銀の製造業指数が33年ぶり高水準でしたけれども、最近は何年ぶりの高水準というものが増えてきたきがしますね。

「アメリカの経済は非常に強い。自律的回復傾向というのがはっきりしている。問題はその中でトランプさんが驚くべき減税政策をやると・・・。さらに景気刺激策をやるということを言っているわけですね。そうするとFRBのイエレン議長、今週は議会証言がありましたけれども、明らかに利上げが遅れるということは、先々になってマイナスになると、非常に強いトーンを出しているということなんですね。ということでいけば、ちょっと統計が悪かったということで、利上げが先送りになったという話もあるんですが、私はイエレンさんの利上げスタンスというのは、かなり強いと思います。マーケットは6月というふうにみているんですが、トランプさんの具体的減税策が姿を表したら、それによって影響される可能性もあるとはっきり言っているので、前倒し利上げ(3月)の可能性もあり得るというふうに見ておくべきだと思いますね。」


・ きょうの経済視点 「ソフトトランプ」

「今のような反対があるせいもあると思うんですが、私はちょっと変わってきていると思います。というのは1月の段階で、1つの中国を認めないと・・・。台湾の総統に直接電話するようなことをやっていた。NATOに関しても、『NATOなんか古い、分担金を何とかしろ』と言っていたんですけど、直近では、『NATOを強く支持する』と言っているんですね。それからNAFTAの問題で、カナダのトルドー首相と対談したら、『いや、カナダの貿易問題は軽微だ。』、日米首脳会談もソフトな雰囲気だった。つまり基本的な路線が変わりつつある。これはブレーンの力関係が変わっているのではないかと思います。そうなるとマーケットには、トランプの悪いところが消えて、グロース戦略が浮いてくる。マーケットにとってはプラスの変化ではないか、というふうに考えています。」
 

2017.2.16 Newsモーニングサテライト

2017年02月16日 16時06分38秒 | MS
■マーケット

NY株連日高値を更新
今の市場には「大型減税」が魔法の言葉として、株価上昇には、効果絶大のようです。きょうも揃って高値更新ペースです。小売業の経営者との会合で、トランプ大統領は近い将来の大型減税に言及。もちろん、具体策がない中で期待先行なのも承知の上でしょうが、市場はその先にあるであろう経済成長に賭けているようです。もちろん、きょう発表になった、消費者物価や小売売上げが好調だったことも、下支え要因なのは確かです。ナスダックはこのままひければ7日連続の高値更新で、1999年12月以来ほぼ17年ぶりです。
ニューヨークの株価終値です。ダウは5日続伸、2万611ドル。ナスダックは7日続伸36ポイント上昇の、5,819。S&P500も7日続伸11ポイントプラス、2,349でした。

【NY証券取引所中継】消費堅調 利上げ時期は?
解説はSMBC日興セキュリティーズ・アメリカの尾坂将司氏

--大引けにかけて上げ幅拡大しているようですね。

強い経済指標の発表を受け、長期金利が上昇し、銀行など金融セクターが上げを主導している一方、配当利回りの高いディフェンシブセクターは軟調に推移しています。

--さてイエレン議長の議会証言が今日も行われている中で、指標がしっかりですね。

はい、特に消費者物価の総合指数は、1年前と比べ2.5%の上昇とおよそ5年ぶりの高水準となりました。確かにインフレ加速の見極めにはもう少しデータが必要ですが、きょう発表の小売売上高でも家電販売の8ヵ月ぶりの増加や、衣料品の力強い販売から、消費意欲の強さも確認できました。トランプ政権下でも消費者心理は衰えておらず、今後も物価上昇が継続する材料となりそうです。

(フリップ)
--昨日は3月利上げの可能性が市場でも話題でしたが、実際はどうでしょうか。
指標などを受け、市場の3月の利上げ予想確率は、一昨日13日の30%から、今日15日は42%まで上昇しました。ただ3月の会合(FOMC)はオランダの総選挙と日程が重なるうえ、4月にはフランスの大統領選を控えていることもあり、ヨーロッパのリスクを加味すると動きづらいタイミングと言えそうです。
 

【NY証券取引所中継】米株価下落も“警戒中”
解説はSMBC日興セキュリティーズ・アメリカの尾坂将司氏

--株価強いですね。

強い経済指標の発表を受けて、長期金利が上昇し、銀行など金融セクターが上げを主導した一方、配当利回りが高いディフェンシブセクターは軟調に推移しました。

--ご覧のように連日の高値更新なんですが、頭の片隅にどこか不安を感じる相場ですよね。

確かに企業の決算発表は良好な内容でしたし、経済指標も堅調です。この意味では株価上昇は不思議ではありません。一方で、ブルームバーグによると、ニュースの中に含まれる「Uncertainty(不確実性)」という単語の数が過去最高水準を上回りました。これは株価の上値を抑える要因になりえます。

--ですよね。それで結局どう理解したらいいんでしょうかね。

今の相場を理解するのに、スキュー指数が有効かもしれません。
(フリップ1:「予期できない危機」への警戒↑)
このスキュー指数というのは、株価下落を予想するオプション取引が増えると上昇し、ブラックスワンやテールリスクと呼ばれる予測できない危機に対する警戒感を表す指数です。昨年のブレグジットや大統領選挙の際にも上昇しましたが、現在も高水準で推移しています。

--でも、だとしたら株価は下落しそうですよね。

一方市場の不安心理を示すいわゆるVIX指数もブレグジットや大統領選挙の時は上昇していました。ただこの指数は株価上昇時には低位安定し、今がまさしくその状態で、市もとでこの2つの指数がかい離しています。アメリカの景気への安心感から、順調に株価が上昇する一方、予測できない万が一のリスクに備えたヘッジ目的の取引が増加し、一部投資家が突発的な株価下落を警戒していると言えます。

 
【為替見通し】注目ポイントは「通貨オプションの需給環境」
解説はソシエテジェネラル銀行の鈴木恭輔氏

--まずNY市場を振り返っていかがでしたか。

昨日はアメリカの物価・小売売上高の強い結果を受けまして、ドル円は114円95銭まで上昇しました。しかし前日からの上げ幅が大きいこともありまして、投機勢による利益確定売りの圧力が強く、現在は114円前半での推移となっています。

--今日の予想レンジは、113.70~114.80円です。

目立った材料はありませんが、来週月曜日はアメリカが休日となりますから、週末に向けては、引き続き短期的なポジション調整が進みやすい地合いと考えられます。ドル円相場は上値の重い展開が続くとみています。

--注目ポイントは「通貨オプションの需給環境」です。

(フリップ1:市場の目線は今後3ヵ月間、円高)
このチャートはドル円の通貨オプション市場における1ヵ月物と3ヵ月物の需給環境を示すものです。5月にフランス大統領選挙の決選投票が控えていて、ヨーロッパの政治リスクに対する警戒感が高い。この棒グラフが下に伸びますと、3ヵ月物の円コールオプション、3ヵ月先に円を買う権利の需要が1ヵ月先のものに比べて多いことを示しています。つまり足下では市場参加者の今後3ヵ月間のドル円相場の見方は、円高目線ということになってしまいます。ドル円の上昇期待感は弱いということがここからは分かります。3ヵ月先の5月なんですが、フランス大統領選挙の決選投票が控えていますので、欧州の政治リスクに対しての警戒感が依然として高いと整理できます。足下では確かにドル高優勢の時代なんですが、ドル円の通貨オプションの需給を鑑みますと、ドル円相場が120円の大台に向けて、本格的に上昇を始めるタイミングは今年半ば頃になるのではと見ています。

【日本株見通し】注目ポイントは「世界需要の回復」
解説は大和証券の石黒英之氏

--今日の予想レンジは、19350円~19550円です。

トランプ大統領の税制を受けて、NYダウが連日最高値更新となっているんですけれども、日本株に関しては円安一服の動きが重しになるというふうにみてますので、このところ上値抵抗になっている19500円どころを超えられるかどうかというのが焦点になると思います。

--注目ポイントは「世界需要の回復」です。

(フリップ1:株高が景況感改善を後押し)
アメリカの大統領選後から始まった世界的な株高によって、世界の株式の時価総額というのは4兆ドル程度増えています。世界の家計の保有比率というのが25%程度ということを考えますと、1兆ドルの資産増加の効果が家計にもたらされている計算となります。こうした資産効果が景況感の改善につながって、世界の需要の回復を後押ししているというふうに思います。

--その需要回復というのは、具体的にどんなところに出ているのでしょうか。

(フリップ2:世界の需要は回復へ)
世界需要の動向の先行指標の側面があります北米の半導体製造装置受注と工作機械受注の動向を見てみますと、工作機械受注がようやく回復基調に入り始めたほか、半導体製造装置受注については伸び率が急拡大していまして、世界の需要が回復していることを裏付けています。半導体や機械、自動車といった景気敏感業種が日本株全体に占める比率というのは約60%程度ですね。アメリカ株の45%や欧州株の35%に対して高いですから、こうした世界需要の回復局面では、日本株に資金が向かいやすいというふうに見ています。
 

■【プロの眼】「トランプラリーと新興国投資」
トランプ政権誕生後、株価が上がり、ドルの水準調整がなされるなど効果が見られた一方、新興国のボラティリティは急速に上昇し、リスクが顕在化しやすくなっている。米国の金利上昇は通常、新興国にとってはネガティブに動く要因になるが、今は国ごとに差がある。売られているのはトルコリラと、メキシコペソで逆に残りはしっかりという推移が確認できる。新興国のしっかりした為替の背景は、実質政策金利が安定して上昇していることにある。こうしたロジックで語れないのはメキシコペソだけで、メキシコは実際に保護政策などで影響を受け、ソブリンリスクが高まっていると言える。この先の新興国リスクをどう読めばよいのか?トランプ政策を読み難い中では、より影響を受けないであろうと考えられる国に投資をシフトさせることがあげられる。解説はBNPパリバ証券の中空麻奈氏。

--トランプ政権の誕生後、トランプラリーという効果がありましたが、気になるのが新興国への影響、これをどうご覧になってますか。

(フリップ1:新興国のボラティリティ急上昇)
「株が上がったり、ドルの水準調整がされたりして、だいぶ良くなったなという印象があったんですが、新興国だけは素直に動いてしまって、ボラティリティが上がってきた。」

--そうですね。国債や社債の変動が荒くなっているということですね。具体的にはどういったところに注目すればいいでしょうか。

「そうですね。普通はアメリカの金利が今から上がりますし、上昇局面にあるので、新興国というのは一様に売られやすくなっているんですね。」
(フリップ2:新興国の通貨に差)
「ところが今回見てみますと、新興国の中でも差があります。バラツキがあります。トルコリラとかメキシコというのは、確かにいつも通り売られたんですね。だけどインドルピー以下(インド・ブラジル・ロシア)は割としっかりと動いているんです。なので『差があります』というのが、見ていただきたい点ですね。」

--その差は何でしょうか。

「これは何で起きたのかと考えると、売られたところは、結局、金利が上げられなかったところ。そしてインドルピー以下は金利をきちんと上げてきたところなんですね。なので今は金利を上げられたか上げられていないかで差がついてきています。」

--要するに利上げによって通貨防衛ができたというふうにも見とれるわけですね。

「そうですね、そういうことだと思ってます。」

--でもメキシコに関しては違うんですね。

「そうです。唯一このストーリーに合わないのがメキシコペソでして、メキシコだけは素直にトランプが言ったことですね。国境のところで部品を作ってまたアメリカに返すというビジネスモデルでメキシコは成り立っていたわけですが、25%の関税をかけて壁を作りますなんて言うものですから、これはメキシコには大打撃なんじゃないかということで通貨が売られました。」

(フリップ3:メキシコ経済のリスク高まる)
「売られたのでメキシコは外貨準備を使って為替介入をしたんですね。結果どんどん外貨準備が下がってきました、というのが現状です。」

--となると新興国の今のリスクというのは、アメリカの利上げというものと、トランプ大統領の政策、この2つによって操作されているというか、影響を受ける・・・。

(フリップ4:トランプ政策の影響少ない国に投資シフト?)
《左からロシア、ブラジル、インドネシア、インド、ペルー、コロンビア、ポーランド、中国、フィリピン、トルコ、南アフリカ、メキシコの並び》
《棒グラフの項目:上から(青)政策金利(赤)クレジット(緑)経常収支(オレンジ)貿易高(水色)米国への輸出額》
《折れ線グラフ(赤):脆弱性スコア》

「いま現状はどうだと思っているんですね。もちろんそこに中国の需要がどうだとか、それから原油価格がどう動くかとか、こういったことも考えなきゃいけなんですが、先ほど言っていただいた2つの点、『トランプ政策がどうなのか、保護貿易はどうなるか』ということと、『金利がどう関係するか』ということを使って、5項目に分解して弱い順に並べたのがこの表なんです。そうするとメキシコとか、右側のほうほど弱くなっていて、左側(ロシア、ブラジル、インドネシア9は強くなるというような話になってきます。」

--となると投資の資金を避難させるという上では、左側のほうが今となってはより良いということですね。

「そうですね。トランプの保護貿易というのは怪しいぞ。怖いかもしれない。そしてアメリカの金利が上がりますよ。じゃあ新興国は売られますか、というと一様じゃないというのが今回のポイントなので、出来るだけ左側サイド(インドネシアとかインド)で、お金を逃げ場として置いておいていただくと安全なんじゃないでしょうか、と考えてます。」
 
 
■【ワードバンク】予算教書
トランプ大統領の政策は実現するのでしょうか?その実現性を確認する上で重要になるのが「予算教書」といわれ、トランプ相場はこの「予算教書」をきかっけに実行力を問われるステージに移行すると言われ注目されています。「予算教書」はアメリカ大統領が念い1回、翌年度の予算について議会に提示するもの。予算案を出したり編成できる権限は議会にあるので、「予算教書」は大統領から議会への予算のリクエストや参考資料程度のものといいます。
(森田キャスター、佐々木キャスター)
 
(フリップ1:予算教書)
--(森田) アメリカ大統領が年に一回翌年度の予算について議会に提示します。教書とは、合衆国憲法により、大統領が議会に対して口頭ないしは文書で行う報告・勧告のことです。予算案を実施に出したり、編成できる権限というのは議会にありますので、予算教書というのは大統領から議会への予算のリクエスト、参考資料程度のものとなります。
 

--(佐々木) 参考資料と言いましても今トランプ氏はやろうとしている減税政策やインフラ投資がどういった規模になるのかといったことがある程度見えてくるということで、今注目を集めていますね。
 
(フリップ2:3大教書)
--(森田) そうなんです。予算について最初に具体化、見えてくるということ、それを大統領が出すということで、注目されているんですね。ちなみにコチラは一般教書、大統領経済報告、そして予算教書、この2つが3大教書と呼ばれています。
 

(フリップ3:予算教書一式)
--(森田) こちらがオバマ政権時代の2015年度の予算教書です。
予算教書には財政収支の見通し(10年分)
経済の見通し(10年分)
GDP成長率
失業率
消費者物価
10年債利回りなどが書かれている。



(フリップ4:行政管理予算局)
--(森田) 行政管理予算局(OMB)で作成されて、議会に提出される。OMBはワシントンハウスの斜向かいにあるニュー・エグゼクティブ・オフィス・ビルの中にあり、およそ500人のスタッフが1年かけて作ると言われている。
そのトランプ大統領の予算教書、一体いつになるんでしょうか。

《みずほ総研/安井明彦氏》
「予算教書は普通2月に出すということになってますが、新しい大統領の場合は、2月には予算教書のようなもの(ちょっと薄めのもの)を出して、全体の方針をまず軽く出します。どうしてかと言いますと、膨大なものをそんなにすぐにはできない。」
 
--(森田) オバマ大統領の1期目に予算教書の暫定版(骨子)が出されたのは2月26日。そして詳細版の予算教書が出されたのは5月11日。トランプ大統領の場合、暫定版も出るのか怪しいという。

《みずほ総研/安井明彦氏》
「トランプさんの場合には、この”暫定版”の作業も遅れているから、これすら出ないんじゃないかとか、これもかなり遅れるんじゃないか、というような言われ方がしています。ですから大統領令か何かで、予算は出さないけれども、こういう方針でやりましょう、と言うとかですね。あとは減税の部分だけ打ち上げるとか、いろんなことが言われてます。」
 
(フリップ:今後のスケジュール)
--(森田) コチラが安井さんが考える今後のスケジュールです。予算教書が出ると、本来は話の中心は議会に移って議会の審議になるんですけれども、アメリカの会計年度というのは10月スタートなので、最悪でも9月末までに決まればいいというふうにも考えられます。

--(佐々木) 議会のほうは上下両院とも共和党が多数を占めていますから、ねじれがない分、通りやすいと言えませんか。

--(森田) そうですね。その部分の例年と違うかもしれないということで、アメリカ議会の予算編成に詳しい中林さんに聞いてきました。

《早稲田大学/中林美恵子准教授》(連邦公務員としてアメリカ連邦議会上院予算委員会の共和党側で、1993年からおよそ10年間アメリカの予算編成に携わっていた。)
「あまりにも共和党、共和党で走りすぎてしまった場合に、2年後の中間選挙で、国民がかなり行き過ぎたと思った場合は、もしかしたら例えば、下院の議員は全員が改選ですから、民主党側に行ってしまうかも知れない。(2年後の選挙を見据えた場合は)やっぱり民主党の人達と妥協しながらやっていくということも本当は必要なんですよね。」

--(森田) そこで議会との関係を取り持つキーパーソンがいるという。
 
《早稲田大学/中林美恵子准教授》
「希望が持てるのは、インディアナ州知事だったペンス副大統領が、もともと下院議員だったという点ですね。特に重鎮の人たちとはしょちゅう連絡を取る役割をしていたので、下院に限らず、上院の重鎮とも連絡を既に取り合っていましたから、予算編成関係ではかなりカギになります。本当にトランプ大統領が共和党のリーダーになれるのか。意思疎通ができるかが問われているし、その結果出てくるのがおそらく今回の大統領の予算教書になると思います。」

--(森田) 同じ共和党内にも今回は反発の可能性がありますから、今まで以上にこの予算教書を出す前の事前のすり合わせというのが重要ということですね。
 
--(佐々木) いずれにしても28日前後、重要ですね。
 
 

■日経朝特急

節電仲介、原発1基分
猛暑など電力需要のピーク時に節電に協力する企業をあらかじめ募り、需要を抑え込む仕組みが動き出す。新たに動き出すのは、節電協力を約束した企業や家庭に、見返りのお金を支払うメガワット取引と呼ばれる仕組みだ。これにより大手電力はピーク時に備えた設備投資を減らせる。政府は2030年度までにピーク需要の6%抑制を目指す。


主力行、半導体分離迫る
東芝問題。みずほ銀行など主力取引銀行は、東芝に対し3月末まで融資を継続することを決めた。ただ統治不全などを巡る銀行側の不信感は根強く、2017年度以降の支援は白紙だ。こうした中、きのう東芝株は急落し、終値で9%安。また格付投資情報センターは東芝の格付けをシングルBへ3段階引き下げた。債務の返済能力に問題があり、絶えず注意する必要があるという位置づけになる。


・ 東芝問題について

--中空さんは社債などクレジットの専門家ですけれども、この東芝問題、今後のポイントどうでしょうか。

《BNPパリバ証券/中空麻奈氏》
「ひとまず、3月末まではお金が回るということなので、流動性があるとそれはデフォルトリスクは回避されていることになるんですね。次のポイントは2つありまして、1つは、そうは言ってもまだ債務超過になるかもしれない、過小資本かもしれないという、かなり悪い財務状況なので、ここをどこまで回復できるか、ということが1点。そしてもう1点は、これから2年間ぐらいは生きられるよね、ということをまず確保した上で、その間にどうやって次のお金を稼ぐかということを道筋をたてることですね。その2つがとても重要になってきます。」

 
為替水準に異例の言及
麻生副総理兼財務大臣は、きのう国会で「円相場はまだ120円にいっていない。円安と言われる覚えはない」と述べた。麻生大臣は2008年秋の金融危機前の水準として、120円を円安のひとつの目安としているようだが、為替水準に言及するのは異例だ。G20の為替政策に関するルールから逸脱したと受け取られる可能性が高いと記事は指摘する。
 

■日刊モーサテジャーナル

米フリンの鋼鉄でトランプ政権は危機に?
トランプ大統領が安全保障政策を担当するフリン大統領補佐官を更迭した問題について、米国紙は事態は収拾に向かうどころか、多くの疑問が残ると批判している。
ニューヨークタイムズは、「フリン氏への信用はなくなったと距離を置くトランプ大統領が、本当はフリンのウソについていつどこで知ったのか、どのくらい問題を放置していたか、こそが今後の焦点になる。」、と指摘。
またワシントンポストは、「ロシアが大統領選に介入したという報告がある中、ロシアとの疑わしい関係に再び焦点が当たり、ホワイトハウスは危機的情報だ。」、と報じている。
一方、ニューヨークポストは、「この件の第一報が政府職員によるワシントンポストなどへのリークだったことを問題視。就任以来、実に7つもの大きなリークがあった。」と指摘し、こっちのほうが本当の問題と、トランプ大統領を擁護している。
またウォールストリートジャーナルも社説で、「諜報機関の誰かがトランプ政権の仕返しとしてリークしているなら、これは官僚の反乱であり、安全保障上、大きな問題だ。」、と懸念している。


ソフトバンクの買収「巨大な投資会社への野心」
ソフトバンクグループがアメリカの投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」を33億ドル( 約3770億円)で買収すると発表したことについて、アメリカの新聞は「巨大な投資会社の誕生だ」と驚きをもって伝えている。
ニューヨークタイムズは、「ソフトバンクはテクノロジーや携帯電話で知られているが、そういったビジネスモデルから大きく飛躍して、世界の民間投資ファンドを脅かす投資会社になりつつある。」、と解説。「孫社長の壮大な野心をあらためて示す買収で、今まで一番予想できなかった動きだ」、と伝えている。
一方、ウォールストリートジャーナルは、「世界でも有数の資産マネージャーになるという孫社長の長期的な計画に沿った買収だ。」、と評価している。


米ゴールドマンサックス株、全盛期の水準に
米金融大手ゴールドマンサックスの株価の推移、14日に金融危機前の水準を回復した。記事は、「ゴールドマンサックスが全盛期を取り戻した」という見出しで、「銀行株がブームになるのでは」、と報じている。この背景として、記事は、「FRBの利上げや規制緩和のほか、アメリカの銀行が利益を生みやすい体質になってきている。」、と分析。過去数年間、部門や人員の削減に加えて、IT投資を進めてきたことから、無駄なコストをなくして、経営の効率化に成功したとの見方を示している。
 

・ 「米ゴールドマンサックス株、全盛期の水準に」について

--歴史は繰り返すというか、また金融の黄金期が来るのでしょうか。

《BNPパリバ証券/中空麻奈氏》
「そこまで思っていないですが、ただ足下、金融制度改革がアメリカで行われる。トランプ大統領は2月3日に大統領令にサインをしていて、ここから金融制度改革を見直そうという動きが活発です。何をするかというと、これまで厳しすぎたので、貸し出しが伸びなかった。そういうことを反省しているので、そこに対して、どんどん貸し出しが伸びるように、緩和しようとしています。とりわけ自己勘定というところで利益を上げてきたことが非難されていましたので、それをやめなさいという方向に行くとすると、アメリカの金融機関は収益を上げやすい。それを評価すると金融株の上昇につながるという話かなと思います。」

--これは世界でも金融規制という話がありますけれども、そこにも波及するでしょうか。

「いや、本来はバーゼル3というのが下敷きになっていて、制度というのはいろんなところでできているので、あんまりアメリカが緩和したから、みんな緩和しますよというのはおかしいんですね。ところがアメリカだけ緩和して、やっぱり楽になって収益が上がってくると、他の国にとっては競争が阻害されるということになるので、緩和はもしかしたら進んでしまうかもしれません。」
 

■今日の予定

G20外相会合(ドイツ・ボン~17日)
ECB理事会議事要旨(1月分)
米1月住宅着工件数
米2月フィラディルフィア連銀景気指数


■ニュース

トランプ・ネタニヤフ初会談 「2国家共存にこだわらない」
アメリカのトランプ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と15日初めて会談し、イスラエルとパレスチナの和平について「2国家共存にこだわらない」と述べ、歴代政権の方針を転換することを明らかにしました。(トランプ大統領)「『2国家共存』でも『1国家』でも双方が望む形で構わない。私はどちらでもいい」トランプ大統領はこのように、和平交渉の土台である、「イスラエルとパレスチナが2つの国として共存する」との原則にはこだわらない考えを示しました。独立国家の樹立を目指すパレスチナ側の反発は必至です。また、トランプ大統領は、パレスチナが反対しているアメリカ大使館のエルサレム移転にも重ねて意欲を示しました。一方、入植地の拡大については「少し差し控えてほしい」とイスラエルに自制を求めました。
 

米 消費者物価 4年ぶり大幅伸び
アメリカの1月の消費者物価指数は、エネルギー価格の上昇に牽引され、前の月から0.6%のプラスとなりおよそ4年ぶりの大幅な伸びを記録しました。市場予想も上回りました。内訳をみると、エネルギーが4%のプラスとなったほか、食料品は0.1%上昇とほぼ横ばいでした。また、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数も、0.3%のプラスと上昇を続けています。
 

米 小売売上高 予想上回る↑
アメリカの消費は堅調に拡大しています。1月の小売売上高は前の月から0.4%増加し、市場予想を上回りました。12月の値も、0.6%プラスから1%に上方修正されています。内訳を見ると、自動車が1.4%のマイナスとなった一方で、ガソリンスタンドや外食など幅広く売り上げが増加しました。変動の激しい自動車を除くと0.8%のプラスでした。
(内訳):自動車↓1.4%、ガソリンスタンド↑2.3%、外食↑1.4%、自動車除く↑0.8%。


米 鉱工業生産 ↓0.3%
アメリカの1月の鉱工業生産指数は、前の月に比べ0.3%低下し、市場予想を下回りました。暖冬の影響で電力やガスの需要が振るわず、「公益」が5.7%の大幅なマイナスに転じました。一方、「鉱業」(↑2.8%)が回復したほか「製造業」(↑0.2%)も2ヵ月連続で上昇しました。ドル高による悪影響はこれまでのところ限定的と言えそうです。
 

金正男氏殺害 ベトナム旅券所持の女逮捕
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の兄・金正男氏が、マレーシアの空港で殺害された事件で、現地の警察は、ベトナム国籍のパスポートを所持していた女1人を逮捕しました。逮捕されたのは、13日に金正男氏が殺害されたとみられる時間帯の直後に空港内の防犯カメラに写っていた女で、きのう、空港内をうろついていたところを警察に逮捕されました。現地メディアによりますと、女は当初、金正男氏に何か液体を浴びせたと供述しましたが、その後は一転否認しているということです。現地の警察は、実行犯のもう一人の女と事件に関与したとみられる男4人の行方を追っています。一方、金正男氏の遺体が安置されている病院をマレーシア駐在の北朝鮮大使が訪れ、遺体の即時引き渡しを要求しましたが、マレーシア側は拒否したということです。
 

東芝 半導体売却先送り
アメリカの原発事業を巡る損失で、経営再建中の東芝は、分社化する半導体事業の株式売却時期を、4月以降に先送りする方針を固めたことがわかりました。株式をより高値で売却することで、財務状況を改善する狙いがあります。ただ、これにより3月の期末時点では、債務超過を解消できず、東京証券取引所のルールにより、東芝株が1部から2部に降格される可能性が高まっています。
 

自動車労組 ベア3,000円要求
自動車大手各社の労組は、経営側に対して春闘の要求書を提出しベースアップに相当する賃金改善分として去年と同じ月額3,000円を求めました。各社足並みを揃えた形でベアの要求は4年連続です。経営側も賃上げを前向きに検討する構えですが、中国経済が減速するなか欧米では保護主義的な動きが広まるなど経営環境は悪化していて、どこまでベアに応じるかが焦点となります。
 

安倍総理 「トランプ氏は日本の金融政策理解」
安倍総理大臣は参議院本会議で、日米首脳会談の中でトランプ大統領から日本の金融政策に関し、「為替操作ではなく、デフレ脱却を目的とする日本の金融緩和の必要性について理解を得られた」と強調しました。その上で、為替問題については「日米の財務大臣の間で緊密な議論を継続させることになっている」と述べました。
 

労働長官候補が指名辞退
AP通信によりますと、トランプ大統領が労働長官に指名したアンディー・パズダー氏が指名を辞退しました。パズダー氏はファストフード大手CKEレストランツのCEOで労働組合などから強い反対意見が出ていました。
 

双子男児虐待の疑いで男逮捕
7歳の双子の兄弟を投げ飛ばし、前歯を折るなどしたとして、警視庁は子供の母親と交際していた男を傷害と暴行の疑いで逮捕しました。逮捕されたのは元トレーニングジム従業員友弘修司容疑者35歳で、おととし11月、東京・府中市の自宅前で当時7歳の双子の兄弟を投げ飛ばした疑いが持たれています。友弘容疑者は子供2人を投げ、その際、弟は植え込みの杭で前歯を折るなどのケガをしました。この事件のおよそ半年後にも双子の兄が、友弘容疑者と一緒にいるときに、意識不明の状態で救急搬送されていることから、警視庁は他にも虐待を行っていた可能性があるとみて、慎重に調べを進めています。
 

カネボウ白斑訴訟で和解
美白成分「ロドデノール」が入った化粧品が原因で肌がまだらに白くなる白斑が残ったとして神奈川県などに住む女性17人がカネボウ化粧品に総額およそ3億7,000万円の賠償を求めて横浜地裁に訴えた裁判で和解が成立しました。解決金の額について弁護団は会見で「明らかにできないが補償として評価できる水準」と述べました。
 

小売り大手と会談 トランプ氏 税制改革に意欲
トランプ大統領は小売大手の幹部と会談し、法人税や所得税の大幅な引き下げの実現に意欲を示しました。(トランプ大統領)「税制改革はアメリカ経済にとって絶好のチャンスになる」トランプ大統領は月内にも税制改革の具体策を発表する意向を示しています。なお、会談には小売大手のターゲットや衣料品のギャップなど8社が参加し国境税に反対している企業もいましたが、会談の中で言及はありませんでした。
 

■【コメンテーター】BNPパリバ証券/中空麻奈氏

・ 好調な米国景気・力強さは?

--アメリカは物価も小売りもしっかり、それから製造業も良くなってきてますね。

「本当にそうですね。特にアメリカの製造業はこのところずっとリストラをしていたんですが、去年の秋ぐらいからどんどん良くなっていて、なのでフィラデルフィア連銀なんかの統計を見ていても、設備投資をどんどんしましょうという動きが進んでいますね。なのでもう少しバブル気味な状況が続くのではないかと思っています。」

--その力強さというのがどこまで強くなるか、ですよね。

「本当にそうですね。本来はそんなにアメリカの潜在成長率は高くないと私は思っているんです。なので今の状況というのは、若干バブル気味だなというふうな気はします。ただ政策も含めて、うまく数字も出てきているので、しばらくの好調さは維持できるのだろうとは思っています。」


・ 今日の経済視点 「強気相場の間に“ファンダメンタルズ”重視で選別」

「今日のプロの眼でもありましたけれども、新興国の一緒じゃないと選んでおきましょうということが大事だと思っていて、私はクレジットアナリストというちょっと暗いところがあるので、強気相場はそんなに長くないと思ってるんですね。1年ぐらいかなと思っているので、この1年の間にやることはファンダメンタルズのいいものを選びましょう。例えば、レバレッジが高くない業種を選んでおくとか、先ほどの新興国での国を選んでおくとか、そんなことを考えています。」

--その見極めるポイントというのが実は難しいんですよね。

「そうですね。ただ格付けがいいとか、それだけではなくて、例えば今は収益と債務のバランスがいいとか、レバレッジ比率が高くなく借金が多くないとか、そういうようなことを中心に選んでいくといいんじゃないでしょうか。あとはトランプさんがどんな政策を出して来るかによって、下駄をはくセクターが出ますよね。そういう下駄をはくセクターがどれなのかとか、さっきの金融株みたいなもんです。あれをいかに見極めるかです。」
 

2017.2.15 Newsモーニングサテライト

2017年02月15日 18時27分28秒 | MS
■マーケット

NY株 4日連続で最高値
3月利上げが急速に意識され金利やドルが急上昇。6月利上げを予想していた市場は戸惑いを隠せず、FRBのイエレン議長の発言直後は株価も方向感を失いました。注目の議会証言でイエレン議長は「今後の会合で」という言葉を使い3月の会合でも動くことは可能だとの考えをほのめかしました。これを受け金利が上昇、ドルも買われ、一時ほぼ2週間ぶりとなる114円40銭台までドル高円安が進みました。株価は午前中こそ方向感に苦しんだものの中小企業の景況感や生産者物価の改善などもあり午後に入って上げ幅を拡大です。ニューヨークの株価終値です。ダウが4日続伸92ドル高、2万504ドル。ナスダックが6日続伸18ポイント上昇、5,782。S&P500も6日続伸9ポイントプラスの2,337でした。

【NY証券取引所中継】米中小企業 引き続き楽観的
解説は三井住友アセットマネジメントNYの曽根良太氏

--午後上げ幅拡大しましたね。

そうでしたね。本日、注目されたイエレンFRB議長の発言において、利上げに関して前向きであると捉えられたことで、取引前半は軟調に推移しました。しかしながらトランプ政権による税制改革期待は根強く、取引後半にかけて買い戻されています。

--さてきょう発表の中小企業楽観指数はどういう評価でしょうか。

105.9と前月から微増で、市場予想の105も上回り高水準を維持しています。前月が1980年7月以来の上昇率となる大幅な改善だったため、その反動が心配されましたが、トランプ大統領就任後も楽観的な見方は継続しています。

--高水準をキープしている理由は何なんでしょうか。

中身を見ますと、期待先行だけではない印象です。特に雇用を増やすとの回答率の上昇が継続していて、約10年ぶりの高水準となりました。

《1月中小企業楽観視数》
雇用増を計画 18%(前月比プラス2ポイント)
➡10年ぶりの高首位準

中小企業は大企業に比べて、資金力や事業規模など体力が劣り、雇用増加による収益変動リスクが相対的に高いため、雇用には慎重になりがちなので、トランプ政権の政策思考能力に対する信頼度が高まっていることの表れと考えています。


【NY証券取引所中継】原油価格の行方はサウジ次第
解説は三井住友アセットマネジメントNYの曽根良太氏

--歴史的な原油減産合意でも、価格の上値は重いですね。



(フリップ1:念後半は供給過剰懸念で上値重く)
はい、OPECの減産量が明らかになる中、年前半での需給均衡が見えてきた一方で、年後半には再び供給過剰の懸念が台頭する恐れがあり、上値を重くしています。





(フリップ2:アメリカ増産分がOPEC減産分を相殺か)
足下の掘削リグや生産がすぐ再開できる未完成の井戸の増加状況を見ると、アメリカの増産分がOPECの減産分の多くを相殺してしまう勢いです。

--この状況でこの先どんな点に注目ですか。

5月末のOPEC総会でアメリカの増産に対し、サウジアラビアなどがどう反応するかが注目です。

(フリップ3:積極的減産でアメリカに抜かれる可能性も)
去年の減産ではサウジは、生産シェアよりも価格の維持を優先しました。ただ今後自ら積極的に減産をしてしまうと、アメリカの原油生産量を抜かれ、ロシアと肩を並べてきた首位争いから脱落することになってしまいます。この先サウジがシェアの減少をどこまで許容するのかがポイントです。

--サウジとしては簡単に方針転換はできないんですか。

はい、今回、サウジは非加盟国も巻き込んで減産にかじを切り、OPECに対する信頼感を取り戻し、価格安定に対してもうまく立ち振る舞ってきました。しかしここでサウジがシェア重視に転換してしまったら、これまでの努力が台無しです。少なくとも今年後半から来年とみられる国営石油会社のアラムコ上場までは価格を優先する可能性が高いと見ています。


【為替見通し】注目ポイントは「日本の期待インフレとドル調達コスト」
解説は三菱東京UFJ銀行の内田稔氏
 
--イエレン議長の議会証言を受けて、ドル高が進みましたね。

そうですね、昨晩のニューヨーク市場では、113円40銭辺りから114円半ばまで上昇したんですが、ちょっと失速して戻ってきました。

--今日の予想レンジは、113.50~114.80円です。

今日もイエレン議長の議会証言を控えているんですが、夜間にアメリカの消費者物価指数や小売売上高などの指標が控えています。予想より多少強ければ、ドル円が強含む場面もあると思うんですが、基本的には方向感は出にくいとみています。

--注目ポイントは「日本の期待インフレとドル調達コスト」 です。

(フリップ1:期待インフレ停滞で円安進まず)
アメリカの大統領選後、ドル高と日本の物価上昇への期待感の上昇が円安に効いていたという側面もあったんですが、これはOPEC減産合意によるエネルギー価格上昇期待とか、あとはドル高といった外的要因だったんですね。ただ年明け以降は日本の物価上昇期待が剥落しておりまして、円安がちょっと一服しているという動きになっています。

--実質金利の低下は一服している。そしてドルの調達コストという面で見るとどうでしょうか。

(フリップ2:ドル調達コストは低下)
資金市場におけるドルの調達コスト上昇が、為替市場でもドル高に作用していたというふうに考えられるんですが、ご覧の通りこのグラフは、上に行けば行くほどドルの調達コストが低下しているということなんですけれども、こういう状況ですと、為替市場でのドル買い圧力も和らいでくる。この2つが揃ってドル高円安にちょっと今進みにくい時間帯かなというふうに見ています。

--今後はどうですか。

今後、しばらくは、いろんなトランプ政権の政策待ちというところもあるんですが、去年11月と比べると、ちょっと状況は落ち着いてくると思いますので、ドル高円安の去年秋の材料というのは、若干影を潜めた状態が続くかなというふうに予想しています。

【日本株見通し】注目ポイントは「金利動向」
解説はSMBC信託銀行プレスティアの山口真弘氏

--今日の予想レンジは、19300~19600円です。

本日の日本株市場は上昇して寄り付くと思っています。ただFRBは想定より利上げに前向きという解釈が広がりましたけれども、市場の見方は引き続き6月利上げが基本線となりそうです。ドル円の上昇が一服するほか、本邦企業の決算発表の延期などが重しとなると思われますので、上昇して寄り付いた後は上値の重い展開になると思っています。

--注目ポイントは「金利動向」です。

(フリップ1:米独10年債金利差、2%上回る)
アメリカとドイツの10年国債利回り格差が2%を上回る水準まで拡大しています。これは1989年以降で最も広い水準です。アメリカ国債の魅力は相対的に高まり、投資家の買い意欲は増しており、アメリカの国債利回りの上昇が抑制されているというように感じられます。これは日本株にとってはプラス・マイナス両面あるというように思います。金利上昇が抑えられる中で、アメリカの新政権の経済対策や税制改革に対する期待が高まり、アメリカ株は過去最高値を更新中。投資家心理の改善は日本株にも追い風というように思われます。

(フリップ2:日経平均、狭いレンジ推移続く)
ただ一方で、日米金利差が拡大しにくくなるということは、ドル円の上昇による日本株の押上圧力が強まりにくいというマイナス面があるということも意味します。日経平均株価はトランプ大統領の言う驚異的な税制改革案が公表されそうな来週後半辺りまでは、19000円台の前半を中心とした狭いレンジでの値動きが続くというように考えています。


■【プロの眼】FRBのバランスシート縮小の影響
FRB高官の「バランスシート縮小」に関する発言が増えています。実際に再投資の停止が行われるとどんな影響が出るのか分析します。解説は三菱東京UFJ銀行の内田稔氏。
 
--「FRBのバランスシート縮小の影響」というのがテーマですけれども、今日のイエレン議長の議会証言でも、これに関しては質問がずいぶん出た。つまりかなり意識されているということですね。

「そうですね。FRBが2014年9月に掲げた正常化の原則と計画というものがあるんですが、やはり利上げを始めた後に、どこかで保有資産の縮小も始めるということが明記されているんですね。それで今後、仮にですけれども、トランプ政権の財政拡大によって金利が上がるとすると、債券価格が下落してFRBが損失を抱えていくことになりますから、出口の議論をもう始めておきたいということだと思います。」

--そうですね。早いうちに処理したいという気持ちもあるかもしれませんが、そのプロセスというものは出ているわけですね。

(フリップ1:FRBの保有資産圧縮プロセス)
コチラなんですが、①開始の時期は経済や市場環境次第、②時期・ペースとも市場と対話する、そして③国債のみを想定ということですが、今日はこれに関しては、MBS住宅ローン担保証券なども緩やかに進めるかなという雰囲気でしたね。
「そうですね。『場合によっては』という但し書きはされているんですけれども、基本的には不動産市場への配慮から、国債が前提だと思いますね。」

--そして④再投資は停止から始めるということですね。これであれば市場への影響というのは限られそうですか。どうでしょうか。

(フリップ2:再投資停止の場合)
「そうですね。ただ償還額が来年2018年から結構なペースでしばらく続きますので、これを丸々再投資停止とするだけで、バランスシートは向こう数年で結構な勢いで縮小していってしまいます。」

--この勢いを見るとちょっと影響はあるんですかね。

「そうですね。昨日の会見でも、『予見可能な、秩序だった』ということを言っていましたから、こういう急激な縮小にならないような工夫、そういうことも含めて今後、議論していきたいんだということだと思います。」

--そうは言っても長期金利が上昇するでしょうから、ドル高要因ということになってしまいますか。

(フリップ3:バランスシート拡大で株高)
「そうですね。金利差拡大ということでいけば、ドル高要因なんですけれども、ただこの金融危機以降は結局バランスシートの拡大とアメリカの株高というものが並走してきたんですね。従って今後バランスシートが縮小していくんだとすると、株にはややストレスになってくるということになりますから、為替市場では金利差拡大のドル高と、あとは株安、あるいはアメリカ経済の下押しとなって、利上げがやりにくくなるということで、ドル安円高要素もはらんでいるというふうに考えられます。」

--そうですよね。過去思い出されるのは、バーナンキ議長の発言の時の反応ですね。

(フリップ4:テーパリング(量的緩和縮小)言及で円高)
「そうですね。2013年5月に当時テーパリング(量的緩和縮小)ですね。当時は『バランスシートの拡大をそろそろ止めます』、という発言だったんですが、それだけで当時、長期金利が急上昇しまして、株安とともにドル円相場は103円から93円まで約10円ドル安円高になってます。当時はアメリカの景気拡大からまだ5~6年目というタイミングだったんですが、仮に来年着手するんだとすると、景気拡大から9年目に入っていくというタイミングですので、ちょっとペースなどによっては経済へのネガティブな影響も考慮する必要がありますから、単純に金利差拡大でドル高円安という、そういう材料ではないと見ておいたほうがいいかなと考えています。」

--今日イエレン議長もバランスシートが巨額になったままだったとしても、短期のFF金利のほうが調節、そっちのほうが自信が持てるというふうに話されていました。

「そうですね。長期金利がどうはねるかわからないという怖さがやはりあるんだと思います。」

--ですからやるとしても慎重にということになるんですね。



■【特集】 自分好みの部屋に「DIY型賃貸」とは
人口減少や少子高齢化や影響から今後も増加傾向にある日本の空き家。それを解消するための新しい賃貸契約が今広がりを見せています。それは「DIY型賃貸」と呼ばれるもので、壁にペンキを塗ったり、畳をフローリングにするなど、自由に内装を変えることができる賃貸物件です。改装部分は退去時の原状回復義務が基本免除されているため、空き部屋の入居者増加にもつながるのではと期待されています。
 
人口減少や少子高齢化などの影響で今後も増加傾向にある空き家、解消する一つのきっかけとしてある賃貸住宅が広がりを見せている。キーワードは「Do it your self」。

マンションの一室で大工仕事をする住人の男性、借り主が部屋の内装などを自由に変えることが「DIY型賃貸」という物件。男性は去年8月頃に入居し今年春までには自分好みの部屋に改装予定だという。

実際にDIYで改装された部屋を見せてもらうと、内装や家具はホームセンターで購入、材料費は約30万円ほどだ。水道やガスの配管は業者に委託したが、それ以外はDIYの経験がない約10人が2週間で作り上げた。

築20年の滋賀・大津市のマンション「チュリス石山」、家賃は月5万円だが最寄りの駅まで徒歩30分、5階建てでエレベーターがないという条件の悪さから、現在は半数が空き部屋になっている。しかし「DIY型賃貸」を始めるという情報を出すと、すぐに入居希望者が現れたという。

(フリップ1:入居者の約6割が60代以上)
DIYを売りにした物件は大阪・堺市にも。団地の一室で行われていたのはDIY型賃貸体験講習。46年前に建てられた泉北ニュータウン茶山台団地。入居者に6割が60代以上で入居率も年々低下傾向にある。今回、DIY型賃貸の対象になるのは、21000ある部屋の半数以上の約1万2000戸、公的賃貸住宅では日本初の試みとなる。既に入居済みの部屋に関してもDIYが可能で、木造部分への釘の使用、キッチンへのシートの貼り付けなどができる。またDIYを行った部分は退去時に原則、原状回復の義務もない。

(フリップ2:森田キャスター解説)
貸すほうの立場に立って見てみると、一般的な賃貸の場合は、最初にハウスクリーニングのコストがかかります。例えば30万円だとしましょう。そうするとなかなか入居してもらえないと、この30万円は無駄になってしまうわけですね。それがDIY賃貸の場合は、ハウスクリーニングのコストをかけない代わりに、30万円分の家賃を無料にして、早く入居してもらう。そして借りた人は、その浮いた家賃を使ってDIYを行う。そして気に入れば当然長く住むことになるし、出てからもDIYで新たな価値が加わっていれば、築年数が経っていたり、駅から遠いという条件でも、借りてもらえる可能性が高まるという考え方なんです。


・ DIY型賃貸について

--でもやってらっしゃるのを見ると、かなり手間がかかりますしね。好みがある人はいいかもしれませんけどね。

《三菱東京UFJ銀行/内田稔氏》
「そうですね。あとは外国からの旅行者に長期滞在型の安価な宿に民泊で提供するとかですね。空き家対策としてはいろいろアイディアが出てくると思います。」


■日経朝特急

東芝、債務超過1912億円
東芝は、稼ぎ頭の半導体事業を分社し、過半の株式売却も検討するなど資本増強を急ぐ。


プレミアムフライデー、小売りや銀行2000社超参加
月末の金曜日に早帰りを促し消費を喚起するプレミアムフライデーについて、商品やサービスを提供する企業が2000社を超えたことが分かった。百貨店や飲食店の他、旅行やテーマパークなど幅広い業種に広がっていて、初日の24日に向けて盛り上がりを見せている。


マンション発売、西高東低
1月のマンション市場動向調査によると、近畿圏の新築マンション発売戸数が、首都圏を約26年ぶりに上回った。首都圏の新築マンションはバブル期並みの高値が続き、客離れを起こしつつある一方、近畿圏では郊外のファミリー向け物件を中心に需要が堅調に推移している。


日経ジャスダック平均、25年半ぶり高値
日経ジャスダック平均株価が役25年半ぶりの高値。日経平均株価が心理的な節目の2万円を前に足踏みする中、ジャスダック平均はバブル経済が崩壊した直後の水準を回復。独自のビジネスモデルと技術を持つ企業が指数をけん引した。


■日刊モーサテジャーナル

米フリン大統領補佐官の辞任「ロシアが脅迫」との警告も
トランプ大統領の側近、フリン大統領補佐官が辞任したことについて、米国紙は政権に大きな打撃になると報じている。フリン氏はトランプ政権発足前、ロシア側と経済制裁について協議した可能性が濃厚になっているが、協議はなかったとペンス副大統領などに嘘をついていた疑惑が持たれている。
ワシントンポストによると、ロシアがこれを逆手に取り、安全保障担当であるフリン氏を脅す可能性があるとの見方が一時浮上、ホワイトハウスに警告が出されていたほど事態は深刻だった。
ウォールストリートジャーナルは、「ホワイトハウスの高官が1ヶ月もたたずに辞任したのは異例中の異例だ」、と指摘。発足以来、混乱の続くトランプ政権を象徴している、と伝えている。


「国境税の影響、織り込まれていない」(ウォールストリートジャーナル)
トランプ大統領が驚くべきものと予告した税制改正について、その柱の一つである国境税に対するマーケットの注目が高まっているが、市場はまだ折り込みきれていない、と報じている。記事によると、「国境税を巡っては、輸入品に20%の関税をかける一方、輸出品を税優遇するとの案が有力、国境税の影響により、ドルは他の主要通貨に対して25%上昇し、80年代以来の高値になるという予想も。また原油価格が1バレル65ドルまで急上昇するといった見方も出ている。ここ数年で最大の政策変更とも言われる今回の税制改正。ただ本当に実現できるのか、不透明な部分も残っていることから、投資家はその影響を測りかねている模様だ。


ペソ乱高下、新興国投資に打撃か(ウォールストリートジャーナル)
貿易不均衡などでトランプ大統領から槍玉に挙げられているメキシコ。「実はその悪影響はメキシコ経済だけではなく、新興国経済全体に波及するかもしれない」、という記事。新興国の投資家にとって、広くて深い打撃を与えるかもしれないという。記事は、「メキシコの通貨ペソは流動性が高いうえに、他の新興国の通貨と連動することが多いため、新興国への投資に当たり、リスクヘッジ目的に使われることが多い。」、という。例えば、投資家がブラジルレアルを買って、ブラジル株に投資するときに、同時にペソを売ってリスクをヘッジするという取引が慣習となっている。しかし最近のペソ乱高下で、この役割が果たせなくなっているという。記事は、「アメリカが利上げを進める中、新興国から資金流出が増える新たな要因になるかもしれない」、と懸念している。


・ 「国境税の影響、織り込まれていない」について

--驚くような税制というところですけれども、国境税の影響は本当に読み切れないですよね。

《三菱東京UFJ銀行/内田稔氏》
「そうですね。貿易収支が改善すれば、確かにドル高になるんですけれども、ただドル高になると、今度は輸出競争力が落ちてしまいますし、あとはFRBからしますと、輸入品が安くなりますから、あまり利上げをしなくてもよくなりますので、これはドル高を抑える話にまた戻ってきますから、結局ドルはそんなに堂々巡りで動かないのかなと、こういうことにもなってきますね。」

--本当に影響が読み切れないんですけれども、たぶん28日の議会演説の時ぐらいに出てくるのかなと言われていますけれども、そこまで悶々とした時間が続きそうでね。


■今日の予定

1月訪日外国人数
決算(アサヒ)
米1月消費者物価指数
米1月小売売上高
米FRBイエレン議長下院で議会証言


■ニュース

米 FRB議長 早期利上げに意欲
アメリカのFRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長が早期利上げに意欲を示しました。14日行った議会証言でイエレン議長は、利上げを先送りした場合のリスクについて改めて言及しました。(FRBイエレン議長)「金融緩和の解除を先送りしすぎるのは賢明ではない。今後の会合で雇用と物価が想定通り推移しているか検証する。想定通りと判断されれば追加利上げが適切だと判断されるだろう」イエレン議長はこのように述べるとともにアメリカ経済は今後も緩やかな拡大を続け、物価は2%の目標に向け緩やかに上昇するだろう、との見通しを示しました。トランプ政権による財政政策については「長期的に見て持続可能な政策を望む」と述べ、過度な財政支出の拡大にくぎを刺しました。
 

米 生産者物価↑0.6% 予想上回る
アメリカの労働省が発表した1月の生産者物価指数は前の月に比べ0.6%上昇し市場予想を上回りました。エネルギーと食品を除いたコア指数は0.4%の上昇でした。項目別でみるとエネルギーが4.7%上昇、食料品は横ばい、貿易は0.9%上がりました。
 

ユーロ圏GDP 下方修正
EU=ヨーロッパ連合の統計局が公表した去年の10月から12月期のユーロ圏GDP=域内総生産の改定値は、前の期に比べプラス0.4%で、速報値から0.1ポイント下方修正されました。国別でみるとドイツとフランスがいずれも0.4%の増加、またイタリアも0.2%増えました。一方、EUから金融支援を受けるギリシャは0.4%のマイナス成長でした。
 

携帯大手TモバイルUS 増収増益
アメリカの携帯電話3位のTモバイルUSが発表した去年10月から12月期の決算は市場予想を上回る増収増益でした。純利益が31%増え、1株利益も市場予想を上回りました。また新規契約件数は前の期から210万人増え、これにより2016年通期は3年連続で800万人を超える純増となりました。

売上高101億7500万ドル(↑23%)
純利益3億9000万ドル(↑31%)
1株利益45セント(予想を上回る)
新規契約件数:10-12月期↑210万人
2016年通期↑817万人(3年連続の純増)


東芝 原発損失7,125億円
経営再建中の東芝はきのう、アメリカでの原発事業で合わせて7,125億円の損失が発生し、去年4月から12月期の連結決算で処理することを発表しました。東芝は去年の12月時点で最終損益がおよそ5,000億円の赤字となっていて、1,912億円の債務超過となりました。損失を穴埋めするために半導体事業のすべての株式の売却も視野に入れていますが、今期末に債務超過を避けられるかは不透明な状況です。志賀重範会長は今日付けで責任をとって辞任するとしています。東芝はまた、きのうに予定されていた決算発表を1ヵ月延期しました。アメリカの原発事業で新たな不正が疑われる内部告発があったためで、調査の結果によってはさらに業績が修正される可能性があります。これをうけ、東芝の株式はきのう一時10パーセント近く下落する場面もありました。
 

残業上限 年720時間に
「働き方改革実現会議」がきのう行われ、時間外労働の上限を年間720時間、月平均で60時間とし、これを超えた場合には罰則を課すという政府案が示されました。ただ、繁忙期に特別に認める上限については労使間で意見の隔たりがあり、明記しませんでした。会議後、連合側は経団連側が許容できるとする繁忙期の上限を月100時間とする考えには反対としました。今後、労使を中心に議論を進め、来月中に働き方改革の実行計画を取りまとめる運びです。
 

三井住友トラストHD 大久保氏が社長昇格へ
三井住友トラスト・ホールディングスは北村邦太郎社長の後任に大久保哲夫副社長が4月1日付で昇格する人事を発表しました。中核子会社の三井住友信託銀行の常陰均社長の後任には橋本勝副社長が就任します。経営陣の若返りをはかり、ガバナンス体制を強化します。
 

中国 消費者物価↑2.5%
中国の1月の消費者物価指数は1年前に比べて2.5%上昇しました。上昇率は去年12月の2.1%から0.4ポイント拡大し、2年8ヵ月ぶりの大きさとなりました。燃料価格の高騰などで交通や通信が値上がりし、旅行も大幅に上昇しました。一方、1月の卸売物価指数は6.9%上昇し、こちらは5年5ヵ月ぶりの高い伸びとなりました。
 
 
北朝鮮 金正男氏 暗殺か
韓国のメディアなどはきのう、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の母違いの兄である金正男氏がマレーシアで殺害されたと伝えました。ロイター通信がマレーシア警察当局の話として報じたところによりますと、金正男氏はおとといマカオに向かうためマレーシアのクアラルンプール国際空港にいた際、何者かから顔に何か吹きかけられ体調が悪くなり、その後、病院へ搬送中に死亡したということです。韓国メディアは、正男氏が北朝鮮の工作員とみられる2人組の女に毒針で刺されたと伝えていて、マレーシア警察が死因を調べています。中国政府と近い関係にあったとされる正男氏は、正恩氏の政治的地位を脅かす存在とみなされ、殺害されたとの見方も出ていて、殺害が事実であれば中朝関係に影響を与える可能性もあります。
 

都議会 民進党系2会派が合流
7月に控えた東京都議会議員選挙に向けて、都議会ではきのう、2つに分かれていた民進党系会派が合流し、新会派を設立したことを発表しました。会派名には民進党の名称は使わず、新会派「東京改革議員団」とし、小池知事を支持する姿勢を明確にしました。新会派は「都議会民進党」と「民進党都議団」の2会派が合流したことにより、所属議員が18人になり、自民、公明に次ぐ規模となりました。今後は民進党以外の会派にも合流を呼びかけ、小池知事の改革の後押しをしたい考えです。
 

プジョー・シトロエンがオペル統合へ
フランスの自動車大手プジョー・シトロエン・グループが、GM=ゼネラル・モーターズ傘下のドイツのオペルを統合する方向で最終調整に入ったことが明らかになりました。ロイター通信によりますとプジョー・シトロエン側は「収益性や経営効率の向上に向け、オペルとの統合を含めた多くの戦略的構想をGMと模索している」としています。もし統合すればEU市場でのシェアはおよそ17%に達し、ルノーを抜き2位に浮上します。
 

■【コメンテーター】三菱東京UFJ銀行/内田稔氏

・ イエレンFRB議長議会証言、3月利上げも?

--イエレン議長の議会証言ですけれども、ややタカ派だったというふうに受け止めればいいですか。

「そうですね。1月下旬にもイエレン議長は自分も含めて多くの同僚が2019年までに年2、3回の利上げが可能だということを言ってますので、かなりアメリカ経済は強気ですし、あとはやはりトランプ政権の財政を意識して、多少、利上げを早めたいという意向を持っているかもしれません。」

--となると次回の3月会合も利上げ排除せずということですかね。

「そうですね。ただ3月は債務上限の期限と、あとはオランダ総選挙などもありますので、今はそんなに賃金が上がっているわけでもないですから、3月はちょっと難しいと思っています。」

--となるとやはり会見のある時というふうに、利上げはしたいということだと思いますけれども、限られてきますね。

「やはり6月が最優良候補だと思います。」

--利上げを言い出すと、だいたいマーケットが反応して、足を引っ張るということが今まで続いてきましたが、マーケットを見ますと株価は強いですね。

「そうですね。今は先行きに対する期待が強いので、なかなか利上げ観測がそんなにネガティブにはなっていないですね。」
 

・ 今日の経済視点 「ドナルドトランプ、ザ・ビジネスマン」

「日米首脳会談では、円安が牽制されなかったとか、日銀の政策に批判が出なかったとか、あるいは尖閣が対象になるということで、100%の出来だったというような感じなんですけれども、日本が新たに得たものって特に何も無いんですが、もともとトランプさんの要求が高かっただけに、ものすごく安心しているという状況なんですね。ただこれはビジネスのテクニックで、最初に高い球を出しておいて、あとから現実的な要求に切り替えてくる。まさに今後、麻生財務大臣とペンス副大統領との協議の場で、おそらく現実的要求もいろいろ突きつけられると思いますから、トランプ大統領という側面とともに、ビジネスマンとしてのトランプさんと、今後4年間、日本は付き合っていくということになりますので、いろいろと難しい場面も出てくるだろうなというふうに考えられます。」


2017.2.14 Newsモーニングサテライト

2017年02月14日 18時26分22秒 | MS
■マーケット

NY株 3指数揃って最高値
週明けのニューヨーク株はしっかりした動き。きょうは指標がほとんどなく材料難ですが、逆にトランプラリーを邪魔するものもないようです。トランプ政権の保護主義的な通商政策が市場の重石として意識されてきたものの、先週末の日米首脳会談の中で重要な貿易相手である日本や中国に対する姿勢が思ったほど強硬ではなかったことから安心感が漂いました。もちろんここまでの決算で大きな失望が無いことや財政拡大が動きだす気配を見せ始めていることも好感されています。金利の上昇を受けて金融株や根強いインフラ投資への期待から資本財などが相場をけん引しています。3指数揃って3日連続の高値更新です。ダウは142ドル高、2万412ドル。ナスダックは29ポイントの上昇、5,763。S&P500が12ポイントプラスの2,328でした。

【NY証券取引所中継】米 今後の値動きを分析
解説は米国みずほ証券の兼松渉氏

--週明けしっかりですね。

そうですね。本日の米国株式市場は続伸しています。これまでのところ、企業業績の多くが堅調な伸びを見せていることや、欧州市場が上昇していたことなどが投資家の安心感につながり、特に金融や資本財セクターが上昇しています。

--株価はここまでのボックス圏からようやく抜け出している感がありますよね。

そうですね。これまでは確かにやや動きにくい展開が見られていました。その証拠に、先週金曜日までで38日連続で、S&P500の日中の株価の動きが±1%内に収まっていて、これは1995年以来のこととなります。トランプ政権に対する様子見感が強まっていることも大きな理由の一つです。

--しかも上抜けてきているんですよね。

(フリップ1:小動きのトレンドの後は株価↑)
そうなんですね。過去のデータを見ても90年代前半に変動が少ない日数が増えたことがありましたが、その後は株価が上昇する傾向にあったことが分かります。例えば直近では1995年9月20日に小動きのトレンドが終わった後は、その後およそ3年にわたり株価が上昇しました。

(フリップ2:投資家の不安心理も低下)
現在は投資家の不安心理を示すとされるVIX指数も低下しており、今後の投資家の動向を占う上では、良い環境が見られています。


【NY証券取引所中継】鉄鉱石価格↑影響は?
解説は米国みずほ証券の兼松渉氏

--週明けも上昇トレンドが続いてますね。

そうですね。NY株式市場は続伸しました。これまでのところ、企業業績の多くが堅調な伸びを見せていることや、欧州市場が上昇していたことなどが投資家の安心感につながり、特に金融や資本財セクターが買われた1日となりました。

--さて兼松さんはある商品価格に注目しているそうですね。

(フリップ1:インフラ投資期待などで上昇)
そうなんですね。鉄鉱石価格が急上昇しています。コチラ2014年7月以来の高水準となっています。トランプ大統領によるインフラ投資への期待や、中国の製鉄各社が中国国内での販売を強化していることが理由です。鉄鉱石と連動して、鉄鋼価格も上昇していて、中国にとってみれば、国内で高く売れる鉄をわざわざ輸出する必要もなく、実際、中国の1月の鉄鋼輸出は2014年6月以来の低水準となりました。

(フリップ2:鉄鉱石鉱山大手の株価)
鉄鉱石の価格上昇を受けて、ブラジルのヴァーレをはじめとする鉄鉱石鉱山大手の株価も堅調な動きを見せています。

--この価格上昇というのはトランプ政権の政策も材料なんですか。

市場の期待は大きいようですが、トランプ政策への期待は実はあまり大きくないというふうに考えています。世界的に見ますと2015年の米国の鉄鉱石市場シェアはおよそ4%で、これに対し中国の市場シェアはおよそ70%。トランプ政策に向けて新たに必要とされる鉄鉱石の量は年間およそ900万トンと予想されていますが、一方で、中国は2015年に9.5億トンの鉄鉱石を輸入していたことも考えると、鉄鉱石市場全体に与える影響とは限定的となります。

--この価格上昇はトランプ政権にも痛手になるかもしれませんが、今後を見るうえではやはり中国がポイントのようですね。

そうなんですね、世界的に見ますと、トランプ政策よりも中国経済の動向のほうが鉄鉱石価格に与える影響は大きいと考えています。中長期的には今の価格上昇をきっかけに、供給の増加も見込まれていることから、鉄鉱石価格は今後調整するとの見方も多いようです。

 
【為替見通し】注目ポイントは「イエレン議長議会証言」
解説はソニーフィナンシャルホールディングスの尾河眞樹氏

--まずNY市場を振り返っていかがだったでしょうか。

日米首脳会談を受けて週明けのドル円はいったん110円台まで上昇しましたけれども、その後はイエレンFRB議長の議会証言待ちで小幅な値動きとなっています。

--今日の予想レンジは、113.00~114.20円です。今回の日米首脳会談、安心感が広がっていますが、このままドル高が続くのでしょうか。

今回の日米首脳会談は日本にとって大成功の結果と言えるんじゃないでしょうか。ただ市場が期待しているアメリカの財政政策がまだ具体的になっていないことや、フランス大統領選の不透明感などもドル円の重しになって、このまま一気に115円の大台を超えていくのは難しいと思っています。

--注目ポイントは「イエレン議長議会証言」です。

質疑応答で、トランプ政権の政策によるインフレの上振れリスクなどに言及するようだと、為替は多少ドル高方向に振れる可能性がありますけれども、昨年12月のFOMC議事要旨では、新政権の財政政策について、規模・厚生・政策の影響について、相当な不確実性があるとしているんですね。従って政策内容が具体的になるまで、FRBは様子見姿勢を続けるはずですから、イエレン議長がトランプ政権の政策について、今回、具体的に言及する可能性は低いと思っています。ドル円相場の影響も限定的で、ドル円は当面110円~115円のレンジ内での推移となりそうです。

【日本株見通し】注目ポイントは「日本企業の稼ぐ力」
解説はマネックス証券の広木隆氏

--今日の予想レンジは、19400~19600円です。

欧米株高ですけど、過去2営業日で500円以上上げてますから、利益確定売りも出やすいとこですね。イエレン議長の議会証言を控えて、ドル円が全く動いていないというのも相場の材料に欠けて、19500円の節目を挟んでの揉み合いじゃないでしょうか。

--昨日は日経平均は上昇しましたけれども、為替の円高方向が重しになりましたね。

(フリップ1:日本株は「為替離れ」)
ええ、確かにそうなんですけれども、株と為替のかい離がこのところ目立ってますよね。局所的な動きは別として、あんまり為替が円高に振れても株価は左右されなくなってきた。為替離れしてきたとも言えるのではないでしょうか。

--その理由は何なんでしょうか。

やはり日本企業の業績改善が顕著だということが背景にあると思います。
(フリップ2:日本企業の稼ぐ力、高まる)
特に円高という逆風を跳ね返して、企業の稼ぐ力が高まっているのが、評価されるところだと思います。東証一部の売上高純利益率が、今年度が4.5%と過去最高になりそうです。ROEも2期ぶりに8%台に乗りそうですけれども、14年度に8%を超えたときより、売上高利益率、マージンが高まっていて、理想的なROEの改善だと言えると思います。欧米に比べるとまだまだ日本のROEというのは見劣りするんですけども、日本のROEが低いのはそもそも本業の稼ぐ力が弱かった。そこがようやく改善する兆しが見え始めた。それが足下が堅調な理由じゃないでしょうか。


■【プロの眼】「IT投資で内需主導経済へ」
世界経済を取り巻く環境が不透明な中、日本経済は外部要因に振り回されがちな傾向にある。円安による外需主導の成長では心もとなく、今後日本経済が腰折れないためには、もっと消費と投資など内需に軸足を置いた成長が必要。そのためには、企業の収益力につながる生産性をさらに向上させる事が必要で、生産性の伸びを改善していかなければならない。日本の設備投資全体に占めるIT投資の割合は欧米に比べ日本は一貫して低く、企業の生産性向上の余地は大きい。IT投資を増やし内需主導型経済にシフトすることが今後日本企業に求められる。解説は経済産業研究所の中島厚志氏。

--テーマは「IT投資で内需主導経済へ」ということですけれども、世界経済を取り巻く環境が不透明な中で、やはり企業に必要なのは内需ですか。

「そうですね。特にいま外需を中心に成長しているんですけど、やはりこれだと、これからのトランプ政権、日米経済関係とかを見ると心もとないので、やはり内需をしっかりする。そのポイントは企業がどう生産性を上げていくかというのが大事になっているんですよね。」

--「生産性」、よく出てきますけれども、では日本の生産性は現状でどうなっているか。コチラは労働生産性の増減、伸び率の推移を示したものなんですが、アメリカ・日本・ドイツの中で、日本はずーっと下がってきて、今すごい低水準ですね。

(フリップ1:日本の生産性は低い)
「そうですね。アメリカも下がってきているんですけど、ただアメリカは90年代にIT革命があって上がってきた。あとは先進国全般に技術革新が鈍化していると言わてるんですけども、ただここでの問題はトレンドなんです。1人当たりの実質GDPを生産性ということで見てみると、日本の落ち方、特に最近の伸びが本当に乏しくなっているということなんですね。」

--日本の伸びが乏しい中で、何が必要なのかというところになってきますけれども、当然、収益を上げるということは賃金や投資を増やしていく、好循環につながる。

「そうですね。まさにそこのためには生産性を上げる。これが賃金、雇用、投資の形で好循環につながる。」

--その生産性を上げるには何が必要ですか。

「基本的には企業の収益を広げることが必要なので、グローバル化とかイノベーションが入るんですけど、ただグローバル化ですと外需を増やすということですから、それはそれで大事なんですが、やはりウエイトとしてはイノベーションを大事にしなければ内需は増えない。内需を増やすためにはまさにイノベーションなんですけれども、ところが問題は、そこで必ずしも日本のイノベーションは、大きく考えなくても、小さく考えてもいいんですが、あまり進んでいないということなんですね。」

(フリップ2:日本のIT投資割合低い)
--イノベーションというのはIT投資という部分も当然含まれていると思うんですけど、日本のIT投資の割合は、設備投資の中でも、他の国と比べるとかなり低い水準ですね。

「そうなんですね。やはりイノベーションをやるためには、IT投資の割合を増やさなくてはいけないんですが、日本の場合には機械への投資が多いということがあるにしても、ここで見ていただくように、相対的に設備投資の中でIT投資の割合が低いし、しかも2000年ぐらいから日本のIT投資の割合というのは横ばいになっている。伸びてないんですね。」

(フリップ3:望まれるIT投資↑)
--なぜ低いのか。中島さんはこれと関係していると見ています。これ(青色のグラフ)がさっきと同じ、設備投資に占めるIT比率です。そこに「非正規雇用の割合が増えている」というグラフ(赤色のグラフ)がくっついてます。どう見たらいいでしょうか。

「そうですね。特に90年代後半、非正規の雇用者の割合が増えてきているんですけど、基本的には安くて柔軟な人が使える、活用できるということで、どうもそっちのほうにウエイトが付いてしまったんじゃないか。それが一因として、ITよりは非正規を増やすということになって、IT投資が抑えられてしまったんじゃないかなということなんですね。」

--ただIT投資とかイノベーションは、結構ハードルの高いもののような気がして、進まない理由もちょっと分かるかなという気もするんですけど・・・。

「いや、そうでもないですね。むしろ2000年以降進んでいないというのは、逆に言うと、この15年間くらいITはずいぶん安くて使い勝手がいいものになってきたということなんで、使わない手はないですね。例えば、美容院で単に人がレジをやったりしているよりは、iPadを入れてそれにちょっとパッケージソフトを入れれば、予約もとれるし、新しい髪形も提案できるし、クレジットカードだってiPadでできるというようなのも今はありますから、ずいぶんコスト安く簡単にIT装備ができるんですね。」

--大企業だけじゃなくて、中小企業もどんどんIT投資をしていくと・・・。

「そうですね。しかも今は人手不足ですから、そういうチャンスですし、さらに言えば、今回の補正予算にもIT導入での補助金が中小企業を対象に付いたんですね。ですからそういう意味ですと、比較的簡単に、しかも補助金を使ってIT装備ができるというのが大変プラスになると思うんですね。」

--人手不足も手伝って内需転換のチャンスであると・・・。

「ええ、まさにこれを使って、どんどんイノベーションを進めて、生産性を上げて、収益力を上げて、内需を確実にしてほしいと思うんですね。」
 

■日経朝特急

メガ銀、フィンテック加速
3メガバンクや大手生保は、金融とITを融合したフィンテックの取り組みを加速する。みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの投資会社は、仮想通貨取引所の国内最大手に出資。三菱東京UFJ銀行は人工知能AIを生かすベンチャーに直接出資した。大手金融はベンチャーとの連携を強め、24時間送金や手数料引き下げといった新サービスにつなげる。


インド再生エネ最大手に出資
東京電力ホールディングスと中部電力は、共同でインドの再生可能エネルギー最大手に出資する。200億円超で第三者割当増資を引き受け、全株の10%を取得する。電気需要が急増するインドで収益拡大を見込む。


景気、緩やかに回復続く
去年10-12月期のGDP国内生産速報値は年率換算で1.0%増と4四半期連続のプラス成長となった。先行きは1%前半の成長になるとの見方が多いが、世界経済の不確実性、賃上げの動向、住宅投資の3つが先行きを左右するリスクに挙げられ、来年以降の成長率については見方が分かれている。


・ 「10-12月GDP、年1.0%増」について

--輸出つまり外需が今回のけん引役になっているようですね。

《経済産業研究所/中島厚志氏》
「そうですね。前期比プラス2.6ぐらいですから、これは基本的に円安と世界経済(米中含め)が底堅いことが一つの背景なんですけども、ただやっぱり高度成長期の日本でも、内需が主として成長を押し上げたんですね。今回、内需が弱いというのがやはり課題だと思いますね。」

--内需はわずかに減少ということでした。
 
 
中国新車販売0.2%増
中国の1月の新車販売台数は、1年前比0.2%増えた。旧正月で営業日数が少なかったことや小型車の減税幅縮小が影響し、世界自動車大手の多くが前年割れになったが、中国独自ブランドの多くが好調で市場全体をけん引した。


■日刊モーサテジャーナル

米環境規制がインフラ投資の障害に(ウォールストリートジャーナル)
トランプ大統領が目指す大規模なインフラ投資について、「実現には時間が掛かるのでは」と報じている。その背景にあるのは、がんじがらめの環境規制。高速道路を作る時に環境面での審査の時間が、最近では10年かかっている。その間、アメリカのインフラの老朽化が進んでいるという。記事によると、1970年に成立した国家環境政策法などによって、インフラ整備を行う場合、環境への影響を詳細に報告する煩雑な手続きが義務付けられたほか、環境関連の訴訟も増えたことから、建設まで時間がかかるようになったという。記事は、「環境保護とインフラ投資はそれぞれ大事だが、両立しにくい面もある」、と指摘。トランプ政権が財政出動を進めるうえで、課題になりえると見ている。
 

スナップのIPO、投資家の反応はいまひとつ(ウォールストリートジャーナル)
写真共有アプリ「スナップチャット」を展開するスナップは、ニューヨーク証券取引所にIPO新規株式公開を申請したが、投資家の反応は今ひとつだ、と報じている。記事によると、投資家は一日あたりの利用者数の伸びが鈍ってきていることや、フェイスブックなどとの競争が激しくなることを懸念している模様だ。今のところ資金調達額は約250億ドルにのぼるとみられている。現在、ユニコーンと呼ばれる企業価値が10億ドルを超える上場前のハイテク企業は150社以上あると言われているが、記事は、「スナップがうまくいかなければ今後、こうしたハイテク企業のIPOが減るかもしれない」、と見ている。
 

米ホワイトハウス記者会見、メディアの勢力図に異変(ニューヨークタイムズ)
7日のホワイトハウスの定例記者会見の記者席の写真。丸で囲ってあるのはスパイサー報道官から質問を許された記者。前の方の席のうち、AP通信などは当たったが、トランプ批判の急先鋒CNN、ワシントンポスト、ニューヨークタイムズは当てられなかった。代わりに保守系の新興メディアのグレードバード、ワンアメリカニュースネットワークがよく当たっているという。さらにオバマ政権の記者会見で質問した順番を表した表を見ると、オバマ政権発足後、1~3回目の会見では、すべてトップバッターはAP通信で、大手メディアがその後に続いた。しかしトランプ政権の会見では、トランプ大統領寄りで知られるニューヨークポストやワシントンタイムズが最初に質問。記事は、「スパイサー報道官は、ホワイトハウスの伝統を覆し、政権と考えが近い非主流派メディアを優先している」、と批判している。
 

・ 「米環境規制がインフラ投資の障害に」について

《経済産業研究所/中島厚志氏》
「インフラ整備に環境対策のために時間がかかるということですが、インフラ整備は、GDP費でオバマ政権の時0.5%くらい投資をしていますから、それを盛り返すのは必要なことなんですけれども、むしろこれは遅れるということで良いのではないか。というのは、他方で大幅な減税をやると言ってますね。両方やると財政破産してしまうんですね。ところが他方で大幅な減税だけで、法人税だけで、ちょっと計算してみると、20兆円ぐらいの減税幅ですから、10年間で1兆ドル(100兆円)、毎年1年間で10兆円ですね。それと比較すると、20兆円の減税というのは結構インパクトが大きいんですよね。むしろこういうほうが先に来るということで、十分いいんじゃないかなと思いますね。」
 

■今日の予定

中国1月消費者物価指数
1月マンション市場動向
決算(郵政3社、東芝)
ユーロ圏16年12月鉱工業生産
米FRBイエレン議長議会証言
 

■ニュース

トランプ大統領 NAFTA再交渉に意欲
アメリカのトランプ大統領は13日、カナダのトルドー首相とホワイトハウスで初めて会談し、NAFTA=北米自由貿易協定の見直しに改めて意欲を示しました。会談で両首脳はNATO=北大西洋条約機構の重要性を確認し、テロ対策で協力を強化することで一致しました。ただ難民や移民政策をめぐっては会見で両首脳の立場の違いが鮮明になりました。
トランプ大統領は「(カナダとの国境が安全と確信しているか?)完璧な自信を持ってはいけない。危険な人たちを入国させることはできない。」、トルドー首相は「安全保障を損なうことなく、難民の受け入れを追及している。」と述べました。
共同声明はトランプ政権がNAFTAの見直し求めていることを念頭に「自由で公正な貿易取引を促進するため協力する」と明記しました。トランプ大統領は「メキシコと異なり、カナダとは優れた貿易関係を築いていて、これを微調整していくつもりだ」と述べました。それに対しトルドー首相は「NAFTAの見直しはモノやサービスの自由な取引を阻害するものであってはならない」と述べ、トランプ氏をけん制しました。
 

ユーロ圏見通し 0.1ポイント上方修正
EU=ヨーロッパ連合の政策執行機関、ヨーロッパ委員会は13日、最新の経済成長見通しを発表しユーロ圏の成長率の見通しを従来予想から0.1ポイント上方修正のプラス1.6%としました。ECB=ヨーロッパ中央銀行による金融緩和に加え、個人消費も堅調な流れが続いていることから上方修正しました。一方、リスク要因としてはアメリカのトランプ政権の政策運営のほか、イギリスのEU離脱交渉やドイツやフランスで行われる国政選挙の行方を挙げました。ヨーロッパ委員会は「通常よりも高い不確実性が取り巻いている」としています。


OPEC産油量 ↓2.7%
13日公表されたOPEC=石油輸出国機構の月報によりますと、加盟13ヵ国の1月の原油生産量は前の月に比べ2.7%減りました。国別でみるとサウジアラビアの生産量が1,000万バレルの大台を割り込み、OPECが合意した生産割当枠を下回りました。その一方で経済制裁を解かれたイランは増産が認められているほか、政情不安のナイジェリアとリビアも減産の対象外となっているため増産しました。
国別産油量:サウジアラビア日量994万6000バレル(↓49万6200バレル)
 

安倍総理帰国 国会できょう集中審議
日米首脳会談を終えきのう帰国した安倍総理大臣はきょう、訪米の成果を問う予算委員会の集中審議に臨みます。安倍総理大臣はきのう帰国した後テレビ番組に相次いで出演しアメリカのトランプ大統領との会談や一連の日程で、北方領土問題を巡って日本がロシアと交渉することを説明し、理解を得られたことなどを明らかにしました。政府与党では今回の訪米についてその成果を強調します。一方、国会はきょう訪米の成果を問う集中審議を開きます。野党側はアメリカから貿易交渉で厳しい要求があった場合毅然と対応できるのかなど今後の政府の姿勢について厳しく追及する事にしています。
 

ペンス副大統領来日へ 4月に日米経済対話開催で調整
アメリカのペンス副大統領が4月に来日し、麻生副総理との「日米経済対話」の初会合を開く方向で調整に入ったことが分かりました。複数の政府関係者によりますと、ペンス副大統領は、経済団体の国際会合にあわせ4月に来日する方向でその際、政府は麻生副総理との初会合を開催するとしています。
 

キリン コカ・コーラとの資本提携断念
キリンホールディングスはコカ・コーラグループとの提携に向けた交渉に関し、資本提携を断念したと発表しました。ただ、原材料調達や物流で両者が協力するための話し合いは続けるとし「他のメーカーも乗りたいなら歓迎する」と呼び掛けています。
 

西武鉄道 新型車両公開 車いす用スペース広く
西武鉄道は車いすやベビーカー用のスペースを広く設けた新型列車を公開しました。この車両はベビーカーの利用者などが使いやすいよう専用の背もたれを中央部に配置しています。またこの列車には指定席が設けられ、乗車券に加えて平日は大人510円の指定席料を払うことで、通勤路線として利用できます。この新型列車は来月25日から運行を始めます。
 

日販アイ・ピー・エス 海外勤務者向けサイトで情報流出
海外勤務者向けに書籍や生活物資の販売サービスを手掛ける日販アイ・ピー・エスは運営しているCLUBJAPANなど二つのサイトが不正アクセスを受け、最大13万2,000件の会員情報が流出したと明らかにしました。主に会員IDやメールアドレスですが、30件ではクレジットカード情報も流出したといいます。日販アイピーエスでは「お客様に深くおわび申し上げる」とコメントしています。
 

文科省あっせん 慶応大にも天下り 前次官も認識か
文部科学省の元幹部が去年6月に退職後およそ2ヵ月で慶応大学へ再就職していたことが分かりました。組織的天下りの調整役だった人事課OBが仲介していて文科省によりますと、前の事務次官や当時の人事課長も認識していたとみられます。内閣府の再就職等監視委員会が違法の疑いがあると指摘した28件に含まれていて、違法あっせんの問題が拡大する可能性があります。
 

多摩市会社員刺殺 元宅配業の29歳男を逮捕
去年2月、東京・多摩市のマンションで会社員の男性が刃物で刺され、殺害された事件で、警視庁は昨夜、市内に住む、元宅配業志村亮介容疑者29歳を殺人などの疑いで逮捕しました。警視庁は目撃情報などから作業服を着て宅配業の帽子を被った男に犯人を絞り慎重に捜査を進めていました。志村容疑者は「間違いありません」と容疑を認めています。
 

米カリフォルニア州で大雨 大規模ダムが決壊の危険
記録的な大雨でサンフランシスコ郊外にある大規模なダムの水位が上昇し決壊の危険性が高まっています。ダムの排水路には浸食による損傷や巨大な裂け目も確認されています。決壊の恐れが高まっているのはカリフォルニア州北部のオロビルダムで全米一の高さで知られています。AP通信によりますと、地元当局は13日までに少なくとも18万8,000人に避難を命じました。建設からおよそ50年で初めて緊急用の排水路で水が放出されるなど、当局は対応に追われています。
 
 
■【リーダーの栞】ラクスル 松本恭攝(やすかね)社長
ネット印刷を手がけるベンチャー企業ラクスル(東京・品川区)。A4のチラシは1枚1.1円からなど低価格でサービスを提供している。工場は持たず100以上の印刷会社と提携し印刷機の空き時間を活用することで安さを実現した。サービス開始から3年あまりでユーザーは30万を超え急成長を続ける。

その創業者、松本恭攝社長が薦める1冊は「ザ・会社改造」(著・三枝匡/日本経済新聞社)。経営不振企業の再生を専門とする三枝匡氏が機械部品商社ミスミで行った12年に渡る経営改革について書き下ろした1冊。長年の慣習や見込みのない事業を冷徹に切り離す「切断力」。特化すべき事業の絞り込み。開発・生産・営業の連携加速など、競争力を上げる取り組みと成長の過程が生々しく描かれている。

その内容は「仕組みを変えれば世界はもっと良くなる」というビジョンを持つ松本社長にとって大いに共鳴する点があったという。産業の古い体質を変えることの中に商機を見出す松本社長が展開するビジネスの内容と経営哲学を掘り下げる。

松本社長は特に課題は何か、反省は何かという問いかけに強く感銘しサービス改善を推し進めた。挑戦は物流事業にも及んでいる。配送サービス「ハコベル」は1000人以上の運送ドライバーが登録され空き時間を活用し低価格を実現した。


■ビジネス書最新ランキング(2月6日~12日調べ)
1位 はじめての人のための3000円投資生活(横山光昭/アスコム)
2位 嫌われる勇気(岸見一郎/古賀史健/ダイヤモンド社)
3位 アメリカ本国を驚愕させたプルデンシャル生命の「売る力」2(プルデンシャル生命保険・フェイスブック(日出ずる国の営業)運営事務局/プレジデント社)
4位 燃えない電池に挑む(竹田 忍/日本経済新聞社)
5位 やり抜く力(アンジェラ・ダックワース/ダイヤモンド社 )



■【コメンテーター】経済産業研究所/中島厚志氏

・ ヨーロッパ景気、カギは政治リスク

--ユーロ圏の成長率見通し上方修正というニュースがありましたけれども、ユーロ圏は経済状況は良いと見ていいのですか。

「いいですね。いろんなプラスの押し上げ材料があって、ユーロ安・金融緩和に加えて、原油価格も安定しているので、これもプラスなんですね。」

--ただ不確実性もたくさんある中で、やはり気になるのはトランプ政権とのやりとりで、特にドイツですね。

「ドイツは、ユーロ圏の対外貿易黒字の半分がドイツ一国で稼いでいるんですね。ですからやはりドイツ自体がターゲットになってくると、これがユーロ圏を支えているということも事実ですから、どうなるかですね。」

--通貨安批判というところも・・・。

「それも大きいと思いますね。特にドイツマルクが仮にあったとすると、最大で90年比で3割ぐらいしか上がってないんですね。円は8割ぐらいまで上がっていますから、そういう意味では、通貨安をドイツはどうするんだという話があった時に、通貨を動かさないで、もっと財政を吹かせとか、そういう話になる可能性は今後あると思いますね。」


・ 今日の経済視点 「ITで耐力を高める」

「これは企業耐力ですね。基本的には生産性が日本企業の場合、相対的に低いとか、ということは収益力が低いということなんですが、これはサービス業が結構低くて、そこは中小企業が中心なんですね。従って中小企業、サービス業ということになるんですが、そういうところは特に最近、手軽に、かつ安く、ITが入れれるようになってますので、それを入れてぜひ効果を高める。これが今やるべきことだと思うんですね。」

--やるべきこととはわかっていても、なかなか中小企業は動き出さない。どうでしょう、今回は動き出しますか。

「ええ、確かにIT革命の時も1つのチャンスがあったんですけど、その時も中小企業はなかなか動かなかった。その背景には先ほどちょっとご説明したように、非正規雇用が増えているとかいうことがあったんですが、いまは逆に人手不足が深刻化してきて、なかなか人が採れなくなってきている。それでお店を閉めるよりは、むしろITを導入して、それによって手軽に効果を上げるといういいチャンスだと思うんですね。」

--そういう意味では、今回は、人手不足という必要に迫られた状態になっていると・・・。ピンチをチャンスに変えるとはまさにこのことかもしれませんね。


2017.2.13 Newsモーニングサテライト

2017年02月13日 17時00分37秒 | MS
■マーケット

注目はFRBイエレン議長の議会証言
週末は3指数揃って連日の高値更新でした。しばらくボックス圏が続いていた株価が上抜けるのではとの期待も高まっています。先週トランプ大統領が税制改正について言及をした事をきっかけに市場に活気が戻り、本当のトランプラリーはここからとの楽観的な声も聞かれます。OPECの減産が合意内容に向かって順調に進み原油価格が回復してきている事も好材料でした。一方、14日からの議会証言でのイエレン議長の発言や、さらに入国に関する新たな大統領令の観測など攪乱要因が控えている事には注意が必要のようです。金曜日の株価です。揃って続伸でした。ダウは96ドル高の2万269ドル。ナスダックは4日続伸、18ポイント上昇の5,734。S&P500も4日続伸、8ポイントプラスの2,316でした。
 
【アメリカの専門家インタビュー】
《BNPパリバ・インベストメント・パートナーズ/ステーィブン・フリードマン氏》
(1) 議会証言“政治的議題”に注目
今週、FRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長が議会証言を行います。トランプ政権発足後、初めてとなる議会証言で新政権について議長はどのように証言するのか注目が集まります。
「今回の議会証言は、政治的課題が非常に重要だ。FRBはこれまでになく、大きな政治的リスクを負っている。FRBの独立性や政策決定の権限などが脅かされている。トランプ大統領のFRB理事指名によって、理事会メンバーの構図が根本的に変わってしまう。トランプ大統領は独立性を保ってきたFRBの政策決定に多大な影響を与えるだろう。また民主党・共和党は政策が自分たちに有利に傾くよう議長に圧力をかけるだろう。」
(2) 利上げは6月以降
一方、次の利上げの時期について、フリードマン氏は6月だと見ています。
「アメリカ経済は良好だが、インフレ率は非常に低いままだ。そのためFRBは利上げにはとても慎重だ。3月の会合では利上げは見送るだろう。景気拡大が続くとともに、景気に打撃を与える保護主義政策が実施されなければ、利上げは6月と年後半に1回か2回行われるだろう。」
 
【為替見通し】注目ポイントは「日米経済対話」
解説は三菱UFJ信託銀行の酒井聡彦氏

--まず先週末の為替市場はいかがでしたか。
アメリカにおいて法人税減税に関する驚異的な関するプランが近日中に発表されるとの思惑から、株価高、債券安、ドル高の展開。前週比では今年に入って初の上昇となりました。

--今日の予想レンジは、113.00-114.80円です。日米首脳会談を受けて、ドル高が進むと予想されていますね。
はい、先週から続くアメリカの減税期待と日米首脳会談を無事に終えたことで警戒感が薄れ、テクニカル的には抵抗感が強いと思われる115円のラインを再びトライするものと想定しています。

--注目ポイントは「日米経済対話」です。
はい、トランプ氏のインフラ投資拡大構想を自国の財政赤字拡大を招かずに早期実現化するカギが、日本をはじめとする域外諸国の官民マネーでファイナンスすることです。日米首脳会談では安倍総理大臣がこれ提案し、トランプ大統領も大筋で合意したのではないでしょうか。今回、新設されることになった日米経済対話は、その計画策定並びに進ちょく確認のためのツールであり、為替は当面政治的に取り扱わないことを確認したとみています。マクロ政策の方向性が明確になるに連れて、ドル高圧力が強まると見ており、グローバルの資産市場では比較的早期に株高、ドル高基調が鮮明になるものと想定しております。

【日本株見通し】注目ポイントは「相場のリード役」
解説は岩井コスモ証券の林卓郎氏

--今日の予想レンジは、19200~19500円です。
注目されていた日米首脳会談は無事通過と言えるかと思います。本日の日経平均は週末の大幅高に対する利益確定の動きが想定されますが、円相場の落ち着きやトランプ警戒の緩和を背景にしっかりした展開を予想します。足下の決算発表を通じて企業業績の持ち直しがしっかりと確認されていますし、また季節的に2月半ばごろに株価が反転上昇に向かう傾向があることも支援材料と言えます。

--注目ポイントは「相場のリード役」 です。
(フリップ:相場のリード役、依然堅調)
11月以降のトランプラリーを主導したリード役の動向に注目しています。業種別TOPIX17分類で、大統領選直後の1ヵ月間、上昇率の高かった銀行・金融・エネルギー・鉄鋼の4業種について、平均推移を見てみますと、急騰後の一服症状から1月半ば以降は直近まで再度上向きの傾向を保っています。全体相場が冴えない中でも、堅調な足取りを保ったということで、トランプラリーがさらに持続する可能性を感じさせます。

--しかし今後もマーケットに大きな影響を与えるトランプ大統領の動きというのが注目ですね。
はい、これらのリード役は金融など景気敏感株ということで、今後を見通す上ではやはり金利等を含む米国景気の見方がカギを握ると言えます。先週前半のようにトランプ氏の政策停滞感が強まれば、株価ももたつくということになりますけれども、この首脳会談を経て、経済政策への注目度も再度高まるのではないかと見ています。
 
■【エマトピ】フィリピン ドゥテルテ政権 積極外交続く

フィリピンではドゥテルテ大統領就任から半年を超えたが、いまだ人気の衰えはないといいます。また日本と中国に対する積極外交も続き着実に海外から投資資金を集めているといいます。解説はBDOノムラ・セキュリティーズの片川弘一氏

(フリップ1:フィリピン・中国を上回る成長)
--まずは経済状況を見てみましょう。先月末に発表された16年通期のGDP成長率は前年比6.8%と高い成長を達成しました。出稼ぎ労働者からの送金が増え、GDPの7割を占める消費が好調でした。数年間減速が続いている中国を初めて上回りました。そして最新の失業率も4.7%とここ10年で最低値を更新しています。

《BDOノムラ・セキュリティーズ/片川弘一氏》
--さてドゥテルテ大統領が就任して半年が過ぎましたが、人気の衰えというのはないのでしょうか。
「はい、支持率は83%と、まれに見る高い数字を維持しています。その背景には大統領が推し進める政策にあります。例えばフィリピンから貧困をなくすことを重要政策に掲げていますが、これに政策に沿ってドゥテルテのレストランという施設を去年10月に作りました。このレストランでは貧しい人々に食事を無料で提供していて、フィリピン国内のテレビ各局で頻繁に報道され、弱者の見方である大統領というイメージに大きく貢献しています。」

--国内の基盤というのをしっかり固めていますよね。一方で、外交もかなり積極的ですよね。
「はい、特に日本と中国にターゲットを絞って、積極外交を繰り返しています。先月、ドミンゲス財務相が中国を訪問、貧困対策を中心に総額37億ドルの投資について詳細を決めました。これは去年、中国から取り付けた150億ドルの投資の一部をさっそく具体化させた形です。また先月、安倍総理との間で決まった1兆円規模の支援について、今月中旬にも詳細を詰めるため財務相が訪日すると、こちらの一部報道が伝えていて、具体的には交通渋滞が慢性化しているマニラ首都圏の交通システムの投資などを日本が検討しているということです。」

--着実に投資資金を集めているようですね。
「そうですね。フィリピンが海外から投資を増やすためには、治安・安全問題、汚職問題、交通・道路など社会インフラの充実が重要と考えられます。ドゥテルテ政権は特に治安・安全問題、汚職においては、過激的とも思われる超法規的な方法までも使ってでも早く社会を変えようとしています。社会インフラの充実に関しても、日本・中国の支援を早々に実現させていければ、フィリピンのビジネス環境を大きく改善させ、海外からのビジネス投資がさらに伸びるのではないでしょうか。」

■【モーサテ・サーベイ】今週のマーケットを出演者が予想
マーケットや世界経済の先行きを番組のレギュラー出演者へのアンケートから独自に予想します。
(調査期間:2月10日~12日、対象:番組出演者33人)

(1) 今週末の日経平均予想
予想中央値(19600円)、先週の終値(19378円)
《マネックス証券/広木隆氏》(19800円予想)
「日米首脳会談が無事に通過したことで、あらためて好決算を評価する動きになる。」
《DZHフィナンシャルリサーチ/東野幸利氏》(19200円予想)
「ドル円が伸び悩み、輸出株に戻り売りが出る。」
 
(2) 今週末のドル/円予想
予想中央値(114.00円)、先週終値(113.24円)
《三菱UFJモルガンスタンレー証券/植野大作氏》(114.50円予想)
「日米首脳会談で日本名指しの通貨安批判への警戒感が一旦ほぐれ、アメリカの減税策発表への期待で円安ドル高気味の展開になる。」
《東海東京証券/佐野一彦氏》(112.50円予想)
「アメリカの減税策の内容ははっきりせず、引き続き具体化待ちの状況。ドル円はレンジ内で動くと見る。」

3) 米利上げ次期予想
3月(6%)、5月(12%)、6月(76%)、9月(3%)、18年以降(3%)、最も多かったのは6月の76%、先週から17ポイント上昇。一方、来月の利上げ予想は12ポイント低下し、6%にとどまった。

(4) モーサテ景気先行指数
47(改善)

■【特集】日米経済対話 鍵を握る人物は
安倍総理大臣は10日、アメリカのトランプ大統領と会談し日米同盟と経済関係を一層強化することを確認しました。さらに、麻生副総理とペンス副大統領が主導する経済対話の枠組み新設することも決めました。今後の日米対話の行方と重要人物について、双日総研の吉崎達彦氏が解説します。
 
--まず会談が終了して、率直にどんな印象を受けましたか。
「すごく予見可能性が高まったと思います。先週の金曜日の夕方までは、これは来週どんなことのになるのか、全然想像がつかなかったんですけれども、終わってみれば非常に良かった。特に19秒間の握手は、どう見てもこの2人の関係は良いなということを世界中に印象付けたと思います。それから経済のことで言うと、麻生副総理とペンス副大統領、お互いナンバー2同士の枠組みというのができた。これができたことによって、このあと例えばトランプさんが不規則発言をしても、『いや、それはもうナンバー2同士でやっていますから』ということで、余計なことにならない、それが非常に良い仕組みができたと思います。」

--日本にとっては満額回答と言ってもよさそうですか。
「いいんじゃないでしょうかね。」

(フリップ1:日米経済対話、枠組み)
--そしてやはり注目なのは新たな経済対話の枠組みというところですけれども、「マクロ経済政策」、「インフラなどの経済協力」、「2国間の貿易」、この3つの分野を話し合うということですね。
「ペンス副大統領というのは、元インディアナ州知事なんですね。インディアナ州というのはご案内の通りラストベルトの真ん中にあるんですけれども、ここだけは製造業が悪くない。それは何故かというと日本企業がいっぱい工場を作っていて、いわばペンスさんは日本企業の貢献ということを一番よく知っている人なんですね。そういう人が向こう側のヘッドになってくれたということは、日本側としてはすごい安心感があると思います。」

--直前の2月3日に、豊田社長と安倍総理が会ったりしたのも、そういう部分があったのかなと・・・。
「そうなんですね。豊田さんは向こうデトロイトへ行った時にも、ペンス副大統領と会っている。ですから、いざとなったらこの手がありますよ、みたいなことをどうも耳打ちしたのかもしれないなと思いますね。」

--麻生副総理とペンス副大統領、ナンバー2による枠組みですけれども、大統領抜きというのが1つのポイントなんですよね。過去にもそういう例というのは他にもあるんですか。
「えーと、これはちょっと国は違うんですけど、米中戦略経済対話というのが、考えてみるとよく似ているんですね。つまり中国のというのはとにかくトップのメンツが何よりも重い国なので、そこで外交安保と経済担当の、お互い閣僚同士で対話をやって、トップを絡めないという仕組みを作ったことによって、米中が決定的な対立に陥ることを避けた、というのがあるわけです。今回の場合も、1番守らなければいけないのが、アメリカ大統領であって、それがなるべくなら、ちょっと傷がつかないようにしておくという仕組みを作ったというのは非常に良かったと思います。」

(フリップ2:日米首脳会談、アメリカ側出席者)
--今回トランプさん抜きというのがポイントとあるわけなんですけど、ただペンス副大統領さえ押さえておけば大丈夫というわけでもないということで、こちらは日米首脳会談の出席者なんですけれども、どうでしょうか。
「これが大統領、副大統領、それから(フリーバス)首席補佐官は秘書室長みたいなもんですからこれは当然ですね。それから(フリン)NSCの担当補佐官もマストです。そうするこの2人(バノン・クシュナー)は何なんだ。特にクシュナーさん(36歳)は若いですよね。この人は一体何をやっているんだろう。ただ今はこの人が事実上もう官房長官みたいになっていて、みんながトランプさんのところへ話をつけようとすると、みんなこのクシュナーさんを通すという役割になっているみたいですね。」

--なるほど、そしてクシュナーさんとバノンさん、この2人がこの出席者から見ると、トランプ政権の重要なカギを握っているのではないかと・・・。
「時々、歴代政権でもこういうことがあるんですが、この人は大事だからどんな会議でも参加していいという、お墨付きをもらっている、それがどうもこのスティーブ・バノンさんらしいということなんですね。」

(フリップ3:ホワイトハウス内、力関係は)
--この中での力関係というが、ホワイトハウス内の執務室の配置を見ると、また見えてくるというので、それがコチラです。これはどう見たらいいでしょうか。
「これはもう公開情報を総合したものなんですが、これがウエスト・ウィング、ホワイトハウス内の執務棟です。大統領執務室があって、重要人物というのはみんな角部屋とかにあって、誰にも見られずに直接大統領の部屋に行ける人が2人(バノン・クシュナー)いるんです。ほかの人はみんな通路を通らないと行けないんですけど、それは当然みんなカメラで見られているんですが、ここの2人だけは腹心なのでトランプさんに直に会える。これが歴代の腹心を置く部屋に入っているということなんです。」

--そしてこのクシュナーさんとバノンさんというのは、トランプ政権の大統領選挙の時から支えてきたポピュリストとも言われていますね。
「特にバノンさんが選挙公約で言ったことは全部やれという方向で誘導している。逆にこっち側(左側)の共和党の人たちから見ると、もうちょっと現実路線で行ってほしいと・・・。力関係でいうと、今はバノンさんを中心に、トランプさんを過激な路線に誘導しているというふうに見ることができると思います。」

--今回の日米経済対話の中で、ペンス副大統領から切り崩しにかかったということは、この先この2人(バノン・クシュナー)がそれを邪魔してくるという可能性というのはどうでしょうか。
「どうですかね。これはまだあくまで序盤戦なんですが、日本側としてはこっち側(共和党)の路線に流れができてくるといいなということなんだと思います。」

--今のところは「希望」ということですね。ではその貿易摩擦再燃の懸念について、どういう見立てがいいのでしょうか。モーサテサーベイで聞いてみました。
(フリップ4:日米貿易摩擦の再燃は)
ある(27%)、ない(30%)、どちらとも言えない(42%)

--意見が分かれているということは、まだ不透明感が少し残っているのかなという・・・。
「私もこれは『どちらとも言えない』に入れちゃいましたけれども、まだ難しいですね。ただかなり不透明性が消えたということは素直に評価していいと思います。」

■【NY便り】トランプ大型減税の効果を占う
公約を次々に実行しているトランプ大統領ですが、市場も待ち望んでいる政策の1つが減税です。具体的にどのくらいの効果があるのか大和総研NYのエコノミスト、橋本政彦氏による解説です。
 
(フリップ1:トランプ大統領の減税策は?)
--公約を次々実行しているトランプ大統領なんですが、市場が最も期待している内の1つが減税です。具体的にどのぐらいの影響があるんでしょうか。まずはおさらいも含めてですが、その減税には企業向けと個人向けがあります。どのぐらいの減税が想定されているかというと、所得税の最高税率が39.6%から33%に下がる、法人税の最高税率も35%から15~20%に下がると、検討されています。こういう数字が出ているということは、経済効果も計算しやすいんですか。
「法人税に関しては減税されたとしても、企業が給与に回すのか、設備投資に回すのか、株主還元に回すのか、というところで使い道が分かりづらいので、経済効果というのは考えづらくなります。一方の所得税に関しては個人は消費に回すか貯蓄に回すかということになりますので、効果はある程度、試算しやすくなります。」

--ということで今日は個人向けの税制改正について、的を絞って見ていきたいと思います。ちょっと説明していただけますか。
(フリップ2:減税の好影響、高所得者に大)
「所得水準ごとの減税のインパクトをわかりやすくするために、5つの区分に分けて表示しています。それぞれに関して、税引き後所得の増加分というのを、トランプ案と共和党案を示しています。一番右が全体に対する影響ということになります。」

--これを見てアッと思うのは、高所得者のほうが減税の影響が大きいんですね。
「トランプも共和党も全ての人に対して損にならないように税制変更をするというふうに言っていますけれども、現在の累進課税制度自体が、富裕層に厳しく低所得者層に優しい制度になってますので、それを是正するという意図があるようです。」

--もう1つなんですが、緑と青で、緑(トランプ案)のほうが軒並み効果があるんですね。これはどうしてですか。
「これは税控除の範囲など、税率以外の変更の違いになります。共和党案のほうが控除できない額が多くなりますので、トランプ案よりもメリットが小さくなるということになります。」

--ただ所得が増えたからと言って、すぐに消費に回すかどうかというのは問題がありますよね。
(フリップ3:低所得者は消費拡大)
「そこで増加した所得というのを、どれだけ消費に回すかというのを示した限界消費性向というものを見ていきたいと思います。コチラを見ていきますと、高所得者のほうが低くなっています。高所得者に関しては普段から余暇消費も含めて十分に消費していますので、追加的に所得が増えたとしても消費に回す割合は低くなるということになります。逆に言いますと、減税規模が大きい高所得者の所得の増加というのがGDP等に与える影響に関しては、若干割り引いてみる必要があるかと思います。」

--そうなんですね。じゃあ具体的に全体としてGDPにどれぐらいインパクトがあるんですか。
「トランプ案のほうを元にしますと、全体の変化幅、所得が4%増えるということになりますので、そのうち半分が消費に回るというふうに考えれば、2%程度消費が増えることになります。GDPに占める個人消費の割合は7割程度になりますので、GDPは1.4%程度押し上げられるという計算になります。」

--となると経済全体へのインパクトは、どう考えたらいいんですか。
「足下、去年の10-12月期のGDP成長率は前期比、年率で1.9%。2016年通年で1.6%でしたので、1.4%の押上となるとかなり大きな効果と言えるかと思います。」

--ほんとにかなりですよね。それで今トランプ案で計算しましたが、共和党案は半分ぐらいですから、そうすると数字的には・・・。
「(共和党案では)所得が2%程度増えますので、GDPに対しては0.7%程度と、コチラでもインパクトは決して小さくはないと言えるかと思います。」

--だから市場も案外待っているということがあるんだと思うんですよ。これは法案が通れば、すぐに効果が出てくるものと考えていいんですか。
「税制変更に関しては1月1日付で行われることが多いため、今回は2018年1月からではないかと思われます。」

--つまりほぼ1年後。そのタイムラグも市場は織り込んでいると考えていいんですか。
「経済効果に関しては2018年からと見る向きが多くなっていますので、おおよそ織り込まれているということになるかと思います。」

--そこはあまり失望ではないということですね。それで市場では、やるのはいいんですけど、財源をどうするんでしょうか、というのが大きな疑問点だと思うんですが、それをまとめて頂きました。ちょっと解説してください。
(フリップ4:トランプ大統領は楽観的?)
「共和党案・トランプ案、両方とも共通して減税による景気加速。景気が良くなることで税収が増える効果というのを見込んでまして、それで減税分を補うということを言っています。」

--よく言われる上げ潮派とか、そういう感じですね。
「プラスαでトランプ案に関しては、国防費以外の歳出を1%以上減らすというふうに言っていますが、この規模自体はさほど大きくはありませんし、減税による減収分が共和党案のほうが小さくなってますので、共和党案のほうがどちらかというと財政規律的で、トランプ案のほうが楽観的と言えるかと思います。」

--この両者を比べると、確かに共和党案のほうが規律的なんでしょうけど、このフリップを見ると、先ほど上げ潮派とか言いましたけど、どっちにしてもすごい緩いなというと失礼なんですけど、そう思ってしまうんですけど実際問題はどうなんでしょうか。
「仰る通り共和党案にせよ、トランプ案にせよ、経済成長に財源を依存するということになりますので、不確実性がかなり高いということになるかと思います。特にトランプ氏に関しては、インフラ投資など財政支出に関しても前向きですので、財政収支の悪化というのが大きな問題になる可能性があるかと思います。」

--実はこの税制に関しては、先週驚くべき税制改正の発表が2~3週間のうちに・・・。ということは今月中ぐらいに出てくるのかもしれません。エコノミストから見ると何がどうなると、驚くべきことになるんでしょうか。
「やはり一番は、減税の規模が大きくなればなるほど、サプライズということになるかと思います。」

--両方ともその可能性がありますか。
(再びフリップ1:トランプ大統領の減税策は?)
「そうですね。特に法人税に関しては、15~20%というふうに書いてますが、共和党とトランプのほうで意見が分かれているというところで、これがトランプの主張している15%というところに寄ってくると、やはりサプライズということになるかと思います。」

--もしかしたら、これが10%とかいうことにはならないんですね。
「そうなってきた場合にはより大きなサプライズになります。」

--でもこの5%って、小さくないと思うんです。この詰めというのはうまくいくんでしょうか。
「そうですね、最終的に予算ですとか、法案に関しては、議会が権限を持っているというのがアメリカの制度の特徴になりますので、今後トランプ氏がいろんな主張を出して来るわけですけれども、最終的にそれが議会でどのように調整されていくかというところがポイントになるかと思います。」

--落としどころになるということなんですね。
 
■日刊モーサテジャーナル

欧米新聞が注目、日米首脳の“親密さ”
日米首脳会談について、欧米の新聞各紙は大きく報道している。ウォールストリートジャーナルは、2人の握手するアップの写真を掲載、この2人は様々な利害関係が一致することから、親密な関係を築けるのではと伝えている。記事は、外国の首脳が移民政策を理由に、トランプ大統領との個人的関係構築に二の足を踏む中、ほとんど移民を受け入れていない日本にとって、アメリカの移民政策はそれほど大きな障害にならないと分析。また安倍総理とトランプ大統領は同じようにロシアのプーチン大統領と親交を深めようと模索している他、在日アメリカ軍の駐留経費について、トランプ大統領が日本側の負担増額を求めていることについても、安倍総理が目指す戦後の平和主義からの脱却と一致している面もある、と見ている。一方、NYタイムズは、2人がゴルフをする様子を取材できなかったことに反発、トランプ大統領が所有するリゾート施設「マー・ア・ラゴ」にとって宣伝効果は抜群だった、と利益相反を懸念している。

米FRBタルーロ理事は辞任、金融規制で大きな変化(ウォールストリートジャーナル)
FRBのタルーロ理事が4月に辞任する意向を明らかにしたことについて、金融規制を巡り大きな変化が訪れようとしている、と報じている。タルーロ理事は金融危機の後、オバマ大統領に指名され、ストレステストの強化など銀行に対する規制に進めてきた。ウォール街では不思議なほど強い推進力から、オズの魔法使いと恐れられていたという。FRBの理事のポストは、今回のタルーロ理事の辞任で3人が空席になり、トランプ大統領が指名できるFRBの理事が増えたため、規制緩和が加速するのではないか、と伝えている。

米ハイテク企業、目指すはカナダ/バンクーバー(ワシントンポスト)
多くの移民を従業員として抱えるシリコンバレーのIT企業。トランプ大統領の移民政策に嫌気が差して、お隣のカナダのバンクーバーに拠点を移す動きが出ている、と報じている。バンクーバーは移民に寛容な政策を掲げるほか、飛行機で約2時間とシリコンバレーから比較的近くに位置している。またハイテク企業の社員が好むと言われるスキーやバイキングなどのレジャーも充実。実際、カナダの法律事務所では、アメリカからの移転に関する問い合わせが増えているという。記事は、「トランプ大統領の移民政策の影響で、世界でもトップクラスの頭脳をアメリカにつなぎ留めておくことが難しくなっている」、という懸念の声を伝えている。
 
・ 「米FRBタルーロ理事は辞任、金融規制で大きな変化」について
--タルーロ理事辞任のニュース、FRBは規制緩和を加速していく流れになりそうですか。
「そうですね。理事の空席が3人ということですが、これはこの後、来年になると、たぶんイエレン議長も再任を求めず、フィッシャー副議長もひょっとすると同じ。ということは相当FRBのメンバーが変わるということですよね。」

--そうなると規制緩和が加速していく。あと利上げについては見通しとしてはどうなっていくのですか。
「そこのところはちょっと見えにくいのですが、この後、トランプ大統領がどういうメンバーを新たに加えていくか、それによって来年以降の金融政策が相当変わっていくんじゃないかと思います。」

--どんなメンバーが来そうですか。
「これは本当にただの推測ですけども、トランプさんというのはただの学者を指名することは無いんじゃないか。そうするとむしろ実務家が選ばれる。そうするとここまで約10年ぐらいやった流れと相当変わっていくんじゃないかという気がしますね。」

--そうなると経済が温まって温まり過ぎたときに、歯止めが利かなくなるんじゃないかという懸念も出てくる・・・。
「そっちのほうのリスクが出てくるかもしれないですね。」
 
■今週の予定
2月13日(月) 10-12月期GDP(速報値)
2月14日(火) 決算(東芝、郵政3社)、中国1月消費者物価指数
2月15日(水) 米1月消費者物価指数・小売売上高、米FRBイエレン議長議会証言(~16日)
2月16日(木) ECB理事会議事要旨、G20外相会合(ドイツ~17日)、米1月住宅着工件数、米1月フィラデルフィア連銀景気指数
2月17日(金) 英1月小売売上高

■今日の予定
10-12月期GDP(速報値)
決算(サッポロHD、キリンHD)
インド1月消費者物価指数
 
■ニュース

米FRBフィッシャー副議長 「トランプ政権の財政政策に不確実性」
FRBのフィッシャー副議長は11日、イギリス中部のコベントリーで講演し、トランプ政権の財政政策について「不確実性が大きい」と指摘しました。今後の推移を注視する構えです。フィッシャー副議長は財政政策のほか、トランプ政権が目指す金融規制の緩和に関し「金融機関に対する資本基準を大幅に引き下げれば金融システムの安全性を大きく低下させる。そうならないよう強く望む」と釘を刺しました。

独大統領にシュタインマイヤー前外相
ドイツ連邦大会議は12日、シュタインマイヤー前外相を新大統領に選びました。登壇したシュタインマイヤー氏は「統合したヨーロッパの自由と民主主義を守らなければならない」と訴えました。シュタインマイヤー氏はメルケル首相率いる「キリスト教民主・社会同盟」と中道左派、社会民主党の連立与党の統一候補で、他の候補に大差をつけ、新大統領に選ばれました。
シュタインマイヤー氏(931票)ブッターウェッゲ氏(128票)グラーザー氏(42票)

安倍総理が帰国の途 日米ゴルフ外交の成果は
安倍総理大臣は12日、アメリカのトランプ大統領との会談など一連の日程を終え、帰国の途につきました。およそ5時間にわたった「ゴルフ外交」の成果について現地から内田記者の報告です。安倍総理とトランプ大統領は11日、フロリダ州にあるトランプ氏所有のコースでゴルフ外交を展開しました。2人のプレー時間は27ホール、およそ5時間に及びました。
こうした中、北朝鮮が弾道ミサイル1発を発射し、約500キロ飛んだあと日本海に落下したとみられることが分りました。両首脳は急きょ、そろって会見に臨みました。日米の結束をいち早く内外に示したことは、安倍総理がトランプ大統領と築いた信頼関係の賜物と言えそうです。ただ一連の日程でトランプ大統領のマイペースぶりが目立ったのも事実で、そんなトランプ大統領に安倍総理が寄り添ってゆく構図が鮮明になりました。

北朝鮮発射のミサイル 「ムスダン」改良型の可能性
北朝鮮がきのう発射したミサイルについて、韓国軍の合同参謀本部は、飛行速度などから新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」の改良型の可能性が高いとの分析を明らかにしました。ムスダンは射程3,000キロ以上で日本全域とグアムを射程に収めることから日米をけん制すると同時に、アメリカのトランプ政権の出方を探る狙いがあるとみられます。

落雪・雪崩に注意 西日本きょうも断続的に雪
西日本の日本海側ではきょうも断続的に雪が降り続く見込みです。鳥取市ではきのうも積雪が平年のおよそ10倍の88センチに達するなど各地で平年を大幅に上回る積雪量となりました。今週半ばには気温が高くなると予想されていて今後は雪どけによる落雪や雪崩などに注意が必要です。

韓国特別検 きょうサムスントップを追加聴取
韓国の朴槿恵大統領の疑惑を調べる特別検察官の捜査チームは、贈賄の疑いなどでの逮捕状請求が棄却されたサムスングループの経営トップ李在鎔・サムスン電子副会長の追加の事情聴取をきょう、行うと発表しました。捜査チームは、サムスンが朴大統領とその友人に40億円以上の賄賂を贈った疑惑について「新たに確認された事項を聞く」とし、近く逮捕状の再請求の可否を判断する可能性があると説明しています。

■【コメンテーター】双日総研/吉崎達彦氏

・ 米中電話会談、トランプ大統領の真意
--日米首脳会談が行われましたけれども、その直前に米中関係にちょっと変化の兆しがありましたね。
「ええ、電話会談を行わって『一つの中国』の原則も認めるという、結構、衝撃的なニュースが入って、その時に日本の一行はもう既に飛行機に乗っているわけなんですね。ではこれは事前に報告があったのかというと、たぶん無くって結構、日本側としてはドキっとという感じだったかと思います。」

--ただ習近平さんに対して『一つの中国』を尊重するというのは、ある意味、接近とも取れますけれども、この関係の変化というのはどう影響してきそうですか。
「おそらく日本の首相と会う前に、一度中国に仁義を切っておく。そうしないと中国が敏感にいろいろと慌てるだろうという配慮だと思います。それはどうもティラーソン国務長官が進言して、それをどうも受け入れたいうふうに言われてますので、最近のトランプさんは結構、部下の言うことを聞くようになっている。それが今回の日米首脳会談でも発揮されているのではないかなと思いますね。」
 
・ 今日の経済視点 「日米ゴルフ」
「おそらく安倍さんから見ると、長年の宿願がやっと実現したという感じじゃないかと思うんですね。(この写真は)1957年6月19日、今から60年前、当時の岸信介総理が訪米して、アイゼンハワー大統領と一緒にゴルフをしたときのもの。その右側にはブッシュお祖父さん、つまりプレスコット・ブッシュ上院議員もいた。安倍さんはこの写真を、自分が2006年秋に首相になった時に、ブッシュ大統領に手渡しているんです。できれば孫同士でやりたいと思っていたらしいんですが、それは自分がすぐに辞められたので出来なかった。オバマ大統領ともできなかった。とうとう実現した。しかもこの時アイゼンハワー大統領は、記者団に対してこんなことを言っているんです。『時には大統領は嫌な奴ともなんかにこやかにやらなきゃいけないけども、ゴルフは好きな奴とでないとね。』と言ってるんです。」

--そういう意味では今回ゴルフを27ホール回った。非常に関係は良いと見ていいですね。ただ今後はまだ不透明な部分も少し残っているということですね。