我が心 抱きしめて

理由さえも　きけぬまま　　怒りだけが　通り過ぎ　

ため息が　聞えた夜　わけもなく　哀しくて


人の情け　身に沁みて　別れ道で　立ち止まる

迷いながら　歩いてゆく　遠く霞む　天の川


人生語れば　頼りなく　心の欠片が　ハラハラと

思い出ばかりが　優しくて　我が心　抱きしめて




命の灯　消える瞬間　人は何が　見えるのだろう

蒼い星が　突き刺さる　苦しみは　誰が知る


月の明かりに　照らされて　十六夜　路地裏　ホロホロと

最後の唄が　ぐるぐると　身体　　巡り巡る



人生語れば　頼りなく　心の欠片が　ハラハラと

思い出ばかりが　優しくて　我が心　抱きしめて

蛍

蛍

風にゆらゆら　揺れながら　蛍が　河を渡ってゆきます

暑すぎた夏をくぐりぬけ　焦がした肌が　照れくさそうに

あなたは　どこから　来たのですか

これから　どこへ　ゆくのですか



線香花火が　弾けて落ちて　浴衣の裾を　かすめて消えた

それでもチリチリ　残り火抱いて　わずかな命　燃え尽きるまで

あなたは　どこまで　ゆくのですか

ここには　もどって　来ないのですか




１番大事な一言が

思い出せずに　落ちつかなくて

風にゆらゆら　揺れながら　蛍が　河を渡ってゆきます

小さく小さく小さくなって　蛍が　河を渡ってゆきます