地理総合の研究 付2018年センター地理AB本試・追試解説 

「地理講義」の続き。「地理総合」に「2018年センター試験地理AB本試・追試の問題と解答解説」を追加。

35. 静岡市の人口減少 地理総合

2019-04-24 18:09:56 | 地理講義

 都道府県別の人口増減

人口増加の著しいのは出生率の高い沖縄県である。大都市圏では人口が増加してはいるが、大阪府・兵庫県は人口が減少している。住みよいはずの静岡県も人口が減少している。浜松市の人口は78万4千人、静岡市の人口は69万7千人、いずれも年3,000人以上は減少している。県庁所在都市で、住みよさが売り物の静岡市の人口減少は、明確な理由のない減少である。

県庁所在地の人口減少

 

浜松市と静岡市は、ともに政令指定都市である。浜松市の製造業は人減らしが続いている。しかし、静岡市には雇用能力の大きな、それだけ人減らしのできる大企業はない。人の減る明確な理由がないにもかかわらず、人口の減少が続いている。

静岡市の人口減少

静岡市の人口減少の原因は、仕事による首都圏への転出つまり東京への転勤である。もう一つは静岡市出身で県外の大学に進学した者が、静岡市に戻らないことである。転勤と就職による人材流出が続き、静岡市は高齢化が急速に進んでいる。
人材流出をおさえるためには、雇用能力の大きな企業の誘致を進めることと、地元大学の一層の充実を図ることが、有効な対策ではある。しかし、大企業は多少住みにくさはあっても、低賃金の得られる東北・九州あるいは海外に進出するばかりであり、静岡市に人材を呼び戻すことは難しい。大学も首都圏どころか、人気の高い東京都心への集中が続いている。静岡市内への大学入学者数を増やすことは難しい。静岡市の人口流出をとめるのは困難かもしれない。


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