地理総合の研究 付2018年センター地理AB本試・追試解説 

「地理講義」の続き。「地理総合」に「2018年センター試験地理AB本試・追試の問題と解答解説」を追加。

2018年地理A第1問解答解説  自然

2019-01-05 13:07:22 | 地理講義

 

解答
【1】④
解説 陸地と海底の高度差
D ① ギニア湾。特に深い海底はなく、大西洋中央海嶺山麓までゆるやかな傾斜が続く。 
E ② 地中海の平均水深1,502m。アルプスの最高地点はモンブラン4,811m。 
F ④ 伊豆小笠原海溝の水深は約9,700m。最高点は富士山の3,776m。 
G ③ 太平洋の平均水深4,188mよりもい。ハワイ諸島の最高点はマウナロア4,205m。
詳細な解説
伊豆小笠原海溝の最深部は9,780mである。9,700m程度の深さの海溝は、フィリピン海溝の下に日本海溝がもぐりこんででき、日本近海まで延びている。下図は、伊豆小笠原海溝の水深。


 

 

解答
【2】①
解説 気候と栽培作物
(ア)リビアのトリポリ。砂漠気候と地中海性気候の中間、ステップ気候である。景観は砂漠であり、ナツメヤシが栽培される。
(イ)コスタリカのサンホセ。雨季と乾季の明瞭なサバナ気候である。バナナが栽培される。
詳細な解説
ナツメヤシ
砂漠のオアシスで栽培される。原産地は不明である。ヤシ科植物は一般に多雨気候に適するが、ナツメヤシだけは乾燥気候の作物である。自然の状態では生育せず、古代エジプトでも見られた栽培作物である。遊牧民はナツメヤシの乾燥果実デーツを持参する。ナツメヤシの生産量が多いのは、エジプト、イラン、サウジアラビア、アルジェリアなどである。
バナナ
熱帯・亜熱帯の多雨気候が栽培に適する。インド・中国の生産量が多いが、輸出用バナナはエクアドル、フィリピン、コスタリカなどであり、アメリカ資本のプランテーション農業である。輸出用バナナは広大な農園で、現地の安価な土地と労働力、それに高温多雨の気候を利用して栽培される。


解答
【3】①
解説 偏西風
① J:北緯45度の西向き。偏西風に向かう飛行のために速度が落ち、所要時間が長くなる。
② K:北緯45度の東向き。偏西風が追い風になって速度が上がり、所要時間が短くなる。
③ L:南緯5度の西向き。赤道無風帯。風はあっても弱い南東貿易風であり、飛行への影響は小さい。所要時間の短縮にはならない。
④ M:赤道の西向き。赤道無風帯。夏は南東貿易風、冬は北東貿易風があるが弱い風であり、飛行への影響は小さい。
詳細な解説
中緯度では年中偏西風が吹き、西から東に向かう航空機は偏西風に乗って速度が上がり、飛行時間が短縮される。例えば、成田-ホノルル(ハワイ)間では行きは偏西風の追い風で7時間もかからないが、帰りは偏西風が向かい風になるので8時間はかかる。



赤道付近では弱い東風が吹く。南東貿易風あるいは北東貿易風だが、風は弱い。偏東風と言われることもある。大気の渦を巻いて台風を作ることがある。




 

 

解答
【4】⑥
解説 地形図
P(ク)一つの尾根を進んでから、大小の沢を越え、山頂に続く尾根に到達した。
Q(キ)尾根伝いに歩き、沢を越えていない。
R(カ)尾根-斜面-沢-尾根の順に進んだ。斜面は等高線に沿って進んだ。
詳細な解説
尾根線と尾根線の間には谷線が入る。尾根線は山頂から続く。谷線は沢・小川・川である。

 

 

 


解答
【5】④
解説 標準時
①◯ ロンドンの旧グリニジ天文台を通る経線(子午線)は西経・東経0度である。
②◯ ロシアには2時から12時まで、11の標準時がある。
③◯ 明石は東経135度で、時差は9時間。
④× 日付変更線は東経・西経180度の線ではあるが、陸地部分では180度を避けている。
詳細な解説
問題の図4は正距方位図法の一部である。標準時は中国は1つである。中国は60度の経度差があり、標準時4つ分の差がある。新疆で朝になった時は、国営TVで昼のニュースを見ることになる。

  

 

 解答
【6】①
解説 災害への備え
(タ)正しい:地震が起これば、避難指示を待っていては遅い。各人の判断が重要。
(チ)正しい:ハザードマップには災害時の危険予想地図である。
詳細な解説
地理情報システムとは、地図に表示できるコンピュータデータの総体である。具体的にはハザードマップの浸水地域や土砂崩れの予想地域のことである。



解答
【7】①
解説 海溝型地震と直下型地震
①◯ 相模トラフにフィリピン海プレートが沈み込んで起こった、海溝型地震。
②× 南海トラフにフィリピン海プレートが沈み込んで起こった、海溝型地震。
③× 広がるプレート境界が誤り。海溝型地震は、大陸プレートと海洋プレートの狭くなるプレート境界付近に震源がある。
④× 内陸直下型地震は断層の活動による地震であり、地震発生の時刻・場所の予測はできない。
詳しい解説
日本の地震は海溝型ならば、日本海溝には太平洋プレートが沈み込み、相模トラフ・南海トラフにはフィリピン海プレートが沈み込んで、発生する。沈み込んでいるプレートが日本列島に斜めに入り込んでいるため、内陸を震源とすることが多い。また、内陸直下型地震は断層の活動にともない、震源が浅いために、地震のエネルギーは小さくても震度が大きくなって、被害も大きい。海溝型地震も直下型(断層型)地震も、精密な予知はできない。
 

 

 

 

解答
【1】④
解説 沖積平野の災害
①ナ◯ 台地(洪積台地)は地盤が安定していて、地震の揺れは小さい。
②ニ◯ 旧河道の埋立地であり、地震の時には地下水が噴出し、液状化が起こる。
③ヌ◯ 旧河道であり、洪水時には河川は旧河道を流れる恐れが強い。
④ネ× 河川にはさまれた低地(沖積平野)であり、洪水は起こりやすい。
詳細な解説
台地(洪積台地)と平野(沖積平野)を比較すると、地震被害は地盤の硬い台地では揺れが小さく、被害も小さい。平野では揺れが大きいし、地下水が噴き出て液状化による被害も大きい。
洪水は台地では被害が小さい。台地の被害は急崖の崩壊や沢埋立地の土砂崩れが目立つが、いずれも人為的な地形改変によるものである。
沖積平野はもともと河川と同標高だから水田の利用が多いが、人工堤防によって水位がコントロールされている。洪水によって堤防が破れると、平野は洪水の被害が発生する。
自然堤防は洪水時に運ばれた砂礫堆積地であり、周囲の水田よりは数mほど高いので集落・畑などに利用されてきた。大洪水の時には自然堤防上の集落も浸水する。

 

 

  

 


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