地理総合の研究 付2018年センター地理AB本試・追試解説 

「地理講義」の続き。「地理総合」に「2018年センター試験地理AB本試・追試の問題と解答解説」を追加。

2018年地理A第3問解答解説 オーストラリア

2019-01-10 15:09:34 | 地理講義

解答
【16】①
解説 オーストラリアの気候
①◯ パース。夏は乾季、冬は雨季の地中海性気候Csである。
②× カルグーリー。降水量の少ない気候である。ステップ気候BSである。
③× シドニー。年中多雨である。温暖湿潤気候Cfaである。
④× ダーウィン。赤道に近いが、雨季・乾季のある熱帯気候。サバナ気候Awである。
詳細な解説
オーストラリアは南半球であり、7月は冬、1月は夏である。夏に乾季になるのは地中海性気候であり、冬に乾季になるのはサバナ気候である。


 

  

解答
【17】④
解説 アボリジニー
①◯ オーストラリア先住民アボリジニーは、古くから狩猟生活を続けてきた。
②◯ オーストラリア固有のヘビが描かれている(写真入れ替え)。
③◯ 1992年に、白人と同等の権利を持つ先住民と認められた。
④× アボリジニー65万人は、白人と同じ居住地域であり、都市部に多い。
詳細な解説
18世紀にイギリスから白人が移住するまで、オーストラリアはアボリジニーの土地であった。固有の言語や生活つまり文化があったが、白人に居住地を追われたり、都市に強制移住させられ、人口が減った。19世紀末には7万人であった。20世紀に、先住民としての権利が認められ、現在の人口は65万人と推定される。社会的地位が高まり、白人と同等の職業・収入を得ているアボリジニーが少なくない。


解答
【18】⑤
解説 オーストラリアの都市
(A) -イ:ケアンズ。グレートバリアリーフの観光拠点。弱い乾季のある熱帯雨林気候である。
(B) -ウ:キャンベラ。1927年からの首都。都市の設計はアメリカ人グリフィンによる。
(C) -ア:メルボルン。人口は430万人。シドニーは人口450万人の国際金融都市。
詳細な解説
ケアンズ
グレートバリアリーフと熱帯雨林観光で賑わっている。熱帯雨林には鉄道かケーブルカーの観光客が多い。


 
キャンベラ
キャンベラははオーストラリアの首都であり、人工的につくられた政治都市である。首都をメルボルンとシドニーが争ったが決着がつかず、中間にあるキャンベラが首都となった。



メルボルン
19世紀にイギリスからの移民が、オーストラリア国内とイギリスから集まり、宗主国イギリス風の都市がつくられた。

 

 

解答
【19】④
解説 オーストラリアへの移住
①× イギリス:オーストラリアはイギリスの植民地であり、イギリスからの移住者が多かった。
②× イギリス以外のヨーロッパ:イギリス人ほど多くはないが、イギリス人と同じ傾向である。
③× ニュージーランド:隣国からの移住。農地拡大や商業への挑戦のための移住。
④◯ アジア:1901年~1973年は白人以外のオーストラリア移住が禁止された。白豪主義。
詳細な解説
白豪主義とはオーストラリアを白人国家とする考え方であり、1901年に始まり、イギリスがEUに加盟してオーストラリアを切り捨てた1973年まで続いた。アボリジニーは人種的分類は明確ではないが、非白人とされ、白豪主義以前から迫害されていた。中国人・日本人が移住し、土地取得に乗り出したため、有色人種を対象とした移住制限法ができ、白豪主義が始まった。1973年に、イギリスがオーストラリアとの経済関係を弱め、EUに加盟したため、オーストラリアは日本・中国などとの経済関係を強めた。そのため、オーストラリアは白豪主義を撤廃し、アジアとの交流を強めた。以後、アジアからの移民が急増した。


 

 

 

解答
【20】②
解説 オーストラリアの資源分布
①× 石炭:東部のグレーテデヴァイディング山脈が古期造山帯で、石炭が豊富。
②◯ 鉄鉱石:北西部のピルバラ地区では、日本が鉄鉱石を開発輸入し。安定大陸。
③× 石油:石油の輸入国だが、天然ガスは輸出国。メルボルン沖合が大生産地である。
④× 鉛・亜鉛:南西部ブロークンヒルが大産地である。
詳細な解説
① 石炭は東部の古期造山帯で産出する。最大の輸出先は日本である。石炭を輸出するだけではなく、石炭火力発電所を建設し、アルミニウムを製造している。
② ピルバラ地区から、日本は開発輸入の形で安く大量に鉄鉱石を輸入していた。20世紀中は日本が最大の輸入国であった。21世紀には中国が最大の輸入国になった。
③ 石油はメルボルン沖合やダンピア沖合で採掘されるが、採掘量は少なく、原油・石油製品を輸入している。なお、天然ガスは日本などに輸出している。
④ 鉛・亜鉛は重量物なので、鉄道で輸送される。ブロークンヒルが最大産地である。

 

 

 

 解答
【21】①
解説 土壌の塩性化
①◯ 大陸中央から東にかけての大鑽井盆地では、自噴井に依存する牧羊が盛んである。
②× 大陸西北部がグレートサンディ砂漠北部である。塩性化は進んでいない。
③× 大陸東部が人口集中地域だが、塩性化は進んでいない。
④× 灌漑農業による毛細管現象が起こり、土壌の塩性化が進む。
詳細な解説
① 大鑽井盆地(グレートアーテジアンベイスン):自噴するが、塩分が含まれ、農業や肉牛飼育には適していない。人間の飲用には不適当である。塩分に強い牧羊は可能である。
② 砂砂漠の砂丘移動が激しく、わずかの雨による毛細管現象は起こりにくい。土中の塩分が、地表面に集積しない。
③ 都市の集中する大陸東部は温暖湿潤気候か西岸海洋性であり、年中雨の多い気候である。雨が多いために毛細管現象は起こらない。塩分が地表面に集積しても、雨によって洗い流される。
④ 雨の少ない砂漠気候・ステップ気候などで灌漑農業を行うと、土中の塩分が毛細管現象による塩分が地表面に集積する。最新のセンターピボット農法でも塩性化は起こる。
 

解答
【21】④
解説 オーストラリアの文化遺産
①◯ APECは1989年にオーストラリアの提唱で発足した。21国で構成するが、中国と香港・台湾がともに参加しているので、APECは非公式なフォーラムとされた。経済協力をめざす。
②◯ 1980年に始まった。18歳~30歳の外国籍の若者が、オーストラリアでアルバイトをしながら、カネがなくても留学や旅行をできるようにした。
③◯ エコツーリズムのエコは生態系エコロジーのエコである。オーストラリアの自然を学び、体験する旅行のことである。
④× オーストラリアの先住民の文化遺産は少ない。また白人の歴史は17世紀以降であり、白人の文化遺産も少ない。オーストラリアの文化遺産は3件である。
詳細な解説
APECの参加国(23国・地域)
1989年
オーストラリア、ブルネイ、カナダ、インドネシア、日本、アメリカ、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、韓国
1991年
台湾、中国、香港、
1993年
メキシコ、パプアニューギニア
1994年
チリ
1998年
ペルー、ロシア、ベトナム 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。