地理総合の研究 付2018年センター地理AB本試・追試解説 

「地理講義」の続き。「地理総合」に「2018年センター試験地理AB本試・追試の問題と解答解説」を追加。

42.ほうれんそう  地理総合

2019-06-01 17:14:16 | 地理講義

ほうれんそう生産量の都道府県順位
ほうれんそうは収穫後の日持ちの悪い軟弱野菜であり、大消費地周辺の近郊農業の形で生産されることが多い。

 ほうれんそうの全国年間生産量は24万トンである。東京の近郊農業として、千葉県、群馬県、茨城県の生産量が多い。岐阜県は大阪市場へ出荷するが、冷蔵あるいは冷凍の形で、遠距離を運ぶ。

 

 大産地が市場占有率が高いとは限らない
千葉、埼玉、宮崎の大都市市場占有率が低い。これは地方市場への出荷の多いことも一因だが、それ以上に市場外への出荷量の多いことが大きな原因である。市場のセリを通さずに、全国展開の大型スーパーなどに直接出荷する。市場のセリを通すよりも1日早く店頭に並び、ほうれんそうの新鮮さをアピールできる。

千葉県のほうれんそう栽培
気候的にも、大都市圏へも近く、ほうれんそうは年中出荷される。1年に6作が可能である。露地栽培でも通年の出荷はできるが、生育が遅れがちだし、夏の暑さにも弱い。そのためハウス栽培が並行して行われる。ハウス栽培は作業はやりにくいが病害虫は少ないし、夏の暑さにも強い。出荷先は東京市場と大手スーパーなどである。
近年は生産農家の連係を強めた法人化協同化により、大規模栽培が進んでいる。

岐阜県のほうれんそう栽培
岐阜県の年間生産量11,800トンのうち、8,000トンは高山市で生産される。飛騨ほうれんそうのブランドで大阪市場を中心に出荷される。
1960年代にハウス栽培の形で始まったが、現在は露地栽培も盛んである。480の農家が220haのほうれんそう畑を耕し、年8,000トンを出荷する。市町村単位では全国第1位の生産量である。低温流通管理システムが整備されて遠距離輸送の不利を補い、大阪市場に占める割合が高い。出荷時期は3月~12月だが、冷凍ほうれんそうは年中出荷される。

 

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