箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

森の春と猿の群れ・・・

2021-03-26 | *編集・春/3月

森の春と猿の群れ・・・

 桜の便りがあちこちで聞かれ始める季節となりましたね・・・

今日(23日)は、昨日の抜けるような青空から一転、どんよりとした花曇りの

お天気です。

 

あと2週間はスギ花粉が飛び交うとのTV予報に、しっかりとマスクをつけ、

万全の服装でリュックを肩に出発しました・・・

ウインドに映るわが姿に、これは誰?   自分の姿にガックリです。(笑)

 

 

箕面ビジターセンターの脇には寒緋桜が美しく花開いていて、つい見とれて

しまいました。

カメラマンの方が大きな三脚を担いで、春の箕面の森の風景写真を撮るべく、

回りを見渡しています。

耳を澄ますとウグイスの鳴き声・・・ やがて完璧な 正調 ホーホケキョ!

朝から嬉しい歓迎に一人ニコニコ顔です。

 

気持ちのいい雑木林の中を自然3号路に入ります・・・

やがて、右へ行くと箕面川ダム湖から豊能自然歩道への分岐にでますが、

そのまままっすぐ登ります。

 

登りになると途端にマスクが邪魔で酸素不足になりハーハーハー・・・

そこで仕方なくマスクをはずして思いっきり深呼吸・・・

見上げるとそこはスギ林のど真ん中・・・ しまった!

でも今更遅いや・・・

ヤケクソの心境で再び深呼吸・・・(笑)

 

不思議と今日はクシャミがでないではないか・・・  

これ幸い・・・ と、それからはマスクを取り、いつもの通りゆっくりと春の森に

浸りながら、森の散策を楽しみました。

春の芽吹きの季節は前向きで、期待があって、希望があっていいものですね。

 

コバノミツバツツジの小枝には小さな蕾がいっぱいです・・・

もうすぐあのピンクの可憐な花を森いっぱいに咲かせる事でしょう。

ケヤキの大木の小枝の先にも、小さな新芽が顔を出してきましたよ・・・

この木一本に何万枚という葉を繁らせるのですね・・・

この太い幹の中では、今頃は沢山の水脈がすでに大地に張り巡らせた根を

通して水を吸い上げ、小枝の先々まで行き渡らせる為に奮闘しているところ

でしょう。

聴診器を木の幹にあててみると、その水流が聞こえる事でしょうね。

 

 

尾根道にでてしばらくの事でした・・・

前方の切り株の上に、ひときわ大きい堂々たる猿(ボス猿かな?)が目

に入りました。

その回りには家来というか、親衛隊というか? 何匹かの猿が控えていて

こちらをにらんでいます・・・

 

恐いな!  どうしよう・・・

迷っていたら、見るとすでに私の後ろも前も 右の長谷(ながたに)方面から

ものすごい数のお猿群が通りはじめたではありませんか・・・。

この尾根道を越えて左側の天上ケ谷への移動中のようです・・・

その数、約100数十匹~

 

私はそこから身動きできずに直立不動の お地蔵さんの心境で、じっと黙って

立っているだけでした。(笑)

前を通り過ぎるお猿さんは チラチラと私を見上げるものもいますが、殆どは

知らん顔です・・・

 

私も少し慣れてきて改めて群れを見ると、繁殖の季節なのか、お母さんに

抱かれた小猿の多いこと・・・

母ザルのお腹の下で子ザルがおっぱいを離さないのか、そのままぶら下げ

ながら歩いているもの・・・

歩く母ザルのお尻の上に乗って、揺れるのを喜んでいる小ザル・・・

小ザルどうしが喧嘩したり、じゃれあったり、遊んでいてじっとしていない

ヤンチャ坊主やオテンバ娘ザル達を、回りの大人ザル達が囲むようにして

進んでいます。

 

箕面の森の中でこのような数の猿群の中に入ってしまった事はこれまでも

何回かあって慣れているつもりでしたが、あのボス猿の存在を意識した事は

初めてでした。

睨みをきかせ、警戒を怠らず、群れを守るという大将の気迫、迫力、威光、

貫禄はさすがです。

最後の若い猿達の10数匹が通り過ぎるまで約15分位でしたが、見るといつの

間にかボス猿の姿はありませんでした。

 

 

その時、後方から同年輩のハイカーの方が来られて・・・

「・・・今日は白っぽい毛のサルが多いように見えましたが・・・」 と、私もそう

思っていたので、サルも冬毛から夏毛へと生え変わるのでしょうかね?

それとも朝陽のせいか?

そんな事を話題にしてしばしおサル談義をしました。

 

 

修験道を登り、天上ケ岳(499.2m)に到着・・・

役行者(えんのぎょうじゃ)が大宝元年(今から1307年前)に入寂の地、

その山伏姿の銅像と石碑がある岳で一休みです。

いつもここからの眺望が楽しみですが、今日は春霞で 大阪湾も 関空島も

全く見えません。

 

 

堂屋敷山(553.4m)向かっていったん下り、再び登りに差し掛かったとき

でした・・・

前方の岩の上に大きなサルが一匹・・・ またか!

しかし、そのサルは置物のように動かず、じっと前を見詰めたままです・・・

どうかしたのかな?

私が前を通っても動かずに前を見つめたままです・・・

大きなサルですが、勿論取り巻きがいるわけではありません・・・

その寂しさが漂う雰囲気には秋風を感じました。

 

集団生活を基本とする猿社会にあって権力闘争に敗れて群れを追い

出されたのか?   何があったのか窺い知れませんが・・・

人間社会の栄枯盛衰、挫折、敗北、孤独感と共通するものを感じて 人ごと、

いや 猿ごとながら同情せずにはおれませんでした。(笑)

気になって遠くから振り返ってみるとまだ前を見つめています・・・

春だというのに 相当 深刻 のようですよ・・・。

 

 

その時でした・・・

大きなクシャミが一発!

それから立て続けに10数発の連発・・・鼻水タラタラ・・・目は涙で前が

見えず・・・  シッチャカ メッチャカ の アメアラレ・・・?

ここへ来てスギ花粉の突然の大嵐でハチャメチャ状態です。(笑)

 

 

 

少し落ち着いてから後ろをみると、あの置物スタイルの猿が初めてこっちを

見ているではありませんか・・・

更に、お尻を掻いて、気の毒にな~  と 言った顔で森の中に去っていき

ました・・・

しかも、あの寂しザル? に・・・ 

「あの人間は、相当 深刻 ・・・」 と 逆に同情されてしまったようですよ。 

(笑)  

  08-3・24 (完)

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