箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

仲春の清水谷から自然路へ・・・

2021-03-26 | *編集・春/3月

仲春の清水谷から自然路へ・・・

 今日は水ぬるむ箕面川のダム湖を周遊してから、清水谷に向い

ました。

ぽかぽかと暖かい日差しが気持ち良く、ヤマザクラの蕾も大きく膨らん

います。

谷の入り口で出迎えてくれたのは独特の垂れ花、多数の黄色花をつけ

キブシです・・・  きれいな花ですが、キブシは昔は婦人のお歯黒用

など染料として使われたようで、私が子供の頃には、その黒い歯姿

おばさんがお化けのようで、恐怖だった事を思い出しました(笑) 

 

そのすぐ後にはケヤキの大木が聳え立っています・・・

いつもここを通る時、その根元が気になって仕方がありません・・・ と

言うのも、その根の下は大きな岩なので、ケヤキの根は大タコの足の

ように左右に広がり、その大岩を包み込むようにして更に地中に根を

伸ばしているのです。

風の強い日などは上空で大きく揺れ動く枝葉に対して、根元は

がっちりと足を固め、びくともしないのです・・・ 

でも今日は、その山道に頭大の岩が数個落ちていて、小岩もバラバラ

落ちているので、この春の嵐の強風雨で少し崩れてきたようです・・・

倒木しないかと、ヒヤヒヤものです。

腰をそらしてケヤキの木を見上げ、更に双眼鏡で10数M位先の木の

てっぺんをのぞいてみると、その枝先には小さな新芽が顔を出して

います・・・  しっかりと堂々と生きていてホッ とします。

 

清水谷をゆっくりと勝尾寺北山の方へ上っていきます・・・

穏やかな春の日差しが林道を照らしています・・・

私は気持ちのいいひだまりに腰を下ろして一休みです・・・ 

温かいコーヒーが、更に気持ちを穏やかにしてくれます・・・

すると目の前を蚊を数倍大きくしたような虫が、集団で飛んでいす。

しかも尾羽が体の3倍以上もあり、初めて見る昆虫です・・・ 

カゲロウかな・・・?

面白い格好です。

 

次に目の前の茂みの中で何かが バタ バタ としているので、双眼鏡

でのぞいて見ました・・・  すると大きな蝶々が羽根を震わせてる。

大きな羽根をゆっくりと上下に広げていたり・・・ 紫と黒の羽根に白い

入っている大アゲハのスタイルです・・・  ルリタテハ? 

しかし胴体が少し太いのが気になるが・・・ でもルリタテハなら成虫の

まま越冬していてもおかしくないし、これから卵を生むのかもしれない

し?

 

でも面白いのはその横で、青銀色したトカゲがその蝶々にちょっかい

だしているのです・・・  

そのたびに蝶はいったん飛び上がるものの、また同じ所へ舞い降りて

くるのです・・・

遊んでいるのか、トカゲが狩りをしているのか分かりませんが、思わず

見とれてしまいました。 (笑)

 

谷川べりの湿地にはネコノメソウ(猫の眼草)がみえます・・・ 

面白い名前ですが、言われてみれば似ていなくもありませんね?

それにコバルトブルー色の清楚で可憐な花・・・イヌフグリも群生して

います・・・

しかし犬のふぐり(陰のう)とはひどい名前ですね・・・  

この清楚な花が可哀想だとは思いませんか? (笑)  

私は英名のバードアイ(星の瞳)の方が、どんなにきれいでふさわしい

思いますが・・・ 

たまたまネコとイヌの名のついた花を見かけて クスッ! と笑って

しまいました。

谷川べりにいつも咲くきれいな胡蝶花は、まだこれからといったところ

です。

 

またゆっくりと浸り歩きをしながら林道を進むと、伐採された大きな

杉の根株があり、よく見るとコケが生え、その中から5cmぐらいの

小さな杉の子が芽をだしています・・・ 

可愛いな!   ガンバレ!   思わずエールを送りました・・・

数年前からこの杉林は間伐が行われてきたので、もうすっかりと

明るいいい森になってきました・・・

 

谷川の水量も一昨日の大雨の影響なのか?  いつになくサラ サラ 

、気持ちのいい音をたてて流れています・・・

木漏れ日が水面を照らすと キラリ! と反射して眩しいぐらいす。

川辺に下りて手を浸してみると気持ち良く、まさに水ぬるむ春の流れ

です。

ヤマガラ、シジュウガラ、ミソサザイなどの鳥たちが、美しい鳴き声を

披露しています・・・

 

やがて東海自然歩道にでて西に登り、最勝ケ峰の岩場でお昼に

しました。  ここからの眺めは最高です・・・ 

春霞のかかった大阪を一望しながらのコーヒーも格別です・・・  

今日は自分で作った特製のサンドイッチ・・・  美味い! (笑)

目の前に、杉木立に囲まれるようにして一本のこぶしの花が咲いて

います・・・

優雅な芳香のある白い花、モクレンに似た花です。

食後に松の木に寄りかかりながら、頭上でさえずるシジュウガラの歌を

聞いていると、ついウトウトとしてしまいます・・・

ひねもすのたり のたりかな・・・?  いい気分です!

 

帰路につきました・・・

勝尾寺からの自然4号路を下っていると、山椿(ヤブツバキ)の赤い花

が沢山山道に落ちていました・・・

しばらく歩いていくと、山道沿いの枯れ小枝の先に、その椿の花柄が

所々で差し込んであります・・・ 誰かのイタズラにしろつい クスッ!

笑ってしまいました・・・ 

「花の命は短くて・・・ 」 ですから、落花してまだ美しい椿の花を、

もっと見てやってください・・・ と言う、どなたかの親心かも・・・?

 

リョウブの木にも、白い春の若芽が顔を出しました・・・

御岳の行者の食べ物として有名ですが、この若芽をご飯に炊き込んだ

リョウブご飯は美味しいですよ。

この路沿いに多いつつじ(コバノミツバツツジ)も、もうすぐ開花しそうな

蕾のふくらみです。

森の生き物や樹木が春を迎えて躍動しているのが実感できます。

  

しばらくすると近くでゴソ ゴソ ゴソ・・・ と、枯れ葉を掻き分ける音が

します・・・

何だろうか? 

するとすぐ下でヤマドリが五羽、メスのようですが枯れ葉の間を

つついて採食しているようです・・・

そう言えば何年か前に、この上の自然3号路を歩いていると、急に前に

尾羽が120cm以上もある鳥がゆっくりと横切ったことがあります・・・

孔雀や雉などは動物園で見たことがあっても、こんなに長い尾をもった

鳥を見たのは初めてなのでビックリしたものです・・・

後で箕面ビジターセンターの森の資料館で、それがヤマドリのオスだと

知りましたが・・・  この辺はどうやらヤマドリの生息地のようです・・・

 

再び箕面川に下りてくると、岩と岩の間を黄色い下面のキセキレイが、

お尻をピョコ ピョコさせながら飛んでいます・・・

その先の渓流の早い浅瀬では、ピッツ、ピッツと鳴きながらカワガラス

が、水に潜りながら遊んでいます・・・

川べりには馬酔木と書く、どこかスズランに似た白いアシビの花も咲き

始めました。

 

仲春の自然路にも、いい季節がやってきましたね・・・

 09-3.24 (完)


新稲(にいな)の山里  ” もう~たまらん・・・ ” 
 今日は、花粉対策をしっかりしました。 
帽子も深くかぶり、大きなマスクをして、メガネをして、服もサラサラの花粉が
滑り落ちるように・・・と、雨用の防寒具です。
車のガラスにうつる自分を姿に一瞬、ドッキリ! 
今からドロボウに入ります・・・と、言う恰好じゃないですか? 
しかし、先週はウツギ谷でひどい目にあいましたから、そんな恰好は言って
おれないのです・・・
 
家で絵でも描いていようかな ? と、思いましたが・・・
何とも温かい春のきざしを肌で感じるともうダメですね・・・
近くでもいいから、春の息吹を感じたい・・・と出かける事にしました。
 
近くの「武道館」から5~6分も歩くと、箕面の新稲(にいな)の山里が見えて
きます。 
この山里は六箇山(395.5m)、教学の森の麓に位置し、市街化調整区域とか
で、まだ多くの田畑が残り、田園風景を愉しむ事ができます。
多くと言っても 田舎の風情とは違い、ギリギリまで家屋は迫り,真中を東西に
山麓道路が走り、北側の山麓を見ると、大阪青山大学の校舎・・・
続いて箕面市立の第一総合運動場の体育館(スカイアリーナ)の施設が見え
、反対の南側には、遠く大阪のビル群が林立している光景を目にして、
とうてい田舎の風情などではないのですが・・・
しかし、この東西南北 約1km2の 狭い山里にも、私をいつも愉しませて
くれる風情があるのです。
 
牛舎が見える! 
 
あるんですよ  何とものどかな光景です。
今日は田畑の あぜ道を歩きながら、牛舎の前に、紅梅が見事に満開なの
遠くからでも見えたので・・・早速見に行きました。
こんな都市近郊に牛舎なんて? と、 時々のぞきに行ったものですが・・・
なにしろ、風の向きによっては何ともローカルな香り ? 
いやこの 匂いに参ってしまうものですから余り長居しないんであります。
しかし、この回りの田畑はこの有機肥料にはだいぶ恩恵を受けているようで
、あぜ道を歩いていると ほんのり~ と、この何とも言えない懐かしい
雰囲気 ? を味わえるのでありますが・・・。
 
今日はその牛舎の前の 紅梅が目的であります。  
きれいに満開です。
”匂いくる梅に吾よりよっていく” (景太郎)
”僧とても心ときめく紅梅花” (誓子) の心境です。
 
せっかくですから花の香りも嗅いでみようか・・・と木に近づいていると・・・
運悪く、風向きが変わったのか? 
牛の大きな ” もう~ ” と いう なきごえとともにあの香りが 存分に
漂ってきましたよ。
私も思わず ”もう~たまらんな!” と なきました。
 
牛舎の中を見ると 10数頭の乳牛でしょうか ? 
大きなミルク缶がありましたから・・・
お尻をおのおの通路がわに向けて並んでいましたが・・・なんとも・・・
はっきり言って ! 汚い !  当たり前でしょうがね 
乳牛が匂いの塊の真中にいるものですから・・・一瞬ミルク大丈夫?と思い
ましたがこんなものなんでしょうね・・・
でも、私が少し我慢してさらに牛舎を覗いていましたら、何とも心地いい
音楽が流れてくるではありませんか・・・なに?  まさか・・・まさかでしたよ・・・
あれは確かにクラシックのイタリアオペラでしたね。
何と言う不釣合いな・・・アンバランス?・・・に 苦笑!
 
しかし、いつだったかTVでやっていましたね・・・
北海道の牧場では乳牛に 「モーツアルト」 を終日聞かせている・・・と
生産量が見違えるように改善できている・・・とね。 
人間様にも 「モーツアルト」 の曲が心の癒しに繋がる・・・と、
科学的データが出ているとの事でしたね。
今度、牛舎の方に聞いてみよう・・・と思います。  
 
牛舎の前の空き地は 小さな「市民農園」になっています。
区切られた耕作地では、一人のおじいさんがクワを横において一休みを
していました。これから新しい種をまくのでしょうか・・・隣では収穫残りの
伸びすぎた大根や,しおれた白菜、キャベツや葉だけ残ったブロッコリー
などが混在しています。
菜の花が黄色い花を咲かせ、風に揺れる花々を追いかけるように 沢山の
蝶々が舞っています。
空にはひばりのピーチクパーチクの鳴き声がきこえ、ときおり ヒヨドリが
飛んでいきます。
あぜ道にもいろんな野草が咲き始めました・・・春ののどかで、穏やかで、
息吹を感じるひととき・・・私は深呼吸をして春を満喫しましたよ・・・
 
その時、ひときわ大きな 牛の ”もう~” のなきごえ・・・、
振り向くと見事な紅梅の木にウグイスが一羽とまってホーホケキョ・・・
なんともいえないこのノンビリした風情は 私の ”幸せを実感する至福の
一時” です。 
 
もうたまらんな・・・・!
新稲(にいな)の山里は~ いいな・・・!
 
07-3 (完)
 
 
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