ゴダールよりもデ・パルマが好き(別館)

ホンも書ける映画監督を目指す大学生monteによる映画批評。

1408号室

2009-08-15 14:05:07 | 映画(数字・アルファベット)
2007年・アメリカ・1408
監督:ミカエル・ハフストローム
(IMDb:6.9 Metacritic:64 Rotten:78)
公式HP

評判が良かったので、劇場で見逃したことを後悔していたが、
実際、蓋を開けてみると、いつものスティーブン・キング作品以外の何者でもなかった。



後半の有り得なさが何とか許容できるのは最初の30分でしつこすぎるぐらいに
現実味が積み重ねられているからだろう。
少し1408号室に着くまでが長すぎる気も見ている間はしていたが、
このセットアップがなければ、部屋に入ってからのの怖さは生まれなかっただろう。
1408号室には行ってからのしばらくは結構怖い。
サミュエル・ジャクソンがいつもながらの胡散臭さを醸し出していたのもここでの不安感につながる。
ハリウッド製ホラーにありがちなビクッとさせられる怖さはラジオが突然鳴り出すばかりで物足りないが、
向かいのビルに映る人影の怖さなどJホラー的な怖さは存分に楽しめる。
トイレット・ペーパーが折りたたまれるのも面白い。
その分、流血などのバイオレンス描写は皆無だ。
最近のホラー映画にしては珍しい。



問題は(評判のなぜか良い)隣の部屋に行こうとして窓がなくなる所からだろう。
余りにも有り得なさ過ぎる。
特にロング・ショットで窓がないことを見せたのは良くない。
誰の視点なんだ。
見る者が主人公と共に恐怖に立ち向かうというよりも、
主人公が恐怖によってどのような反応をするのかを
外から見るという視点が用いられているため恐怖が半減した。

また、中盤からお得意の家族ドラマが出てくるのも今ひとつだ。
サイン会のシーンで読めたのは深読みのし過ぎか。

最後のインパクトのあまりないオチは個人的に好きだった。

〈60点〉