ゴダールよりもデ・パルマが好き(別館)

ホンも書ける映画監督を目指す大学生monteによる映画批評。

ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー

2009-01-31 10:39:51 | 映画(は行)
2008年・アメリカ・Hellboy II: The Golden Army
監督:ギレルモ・デル・トロ
(IMDb:7.5 Metacritic:78 Rotten:88)
公式HP

アメコミ映画の傑作「ヘルボーイ」の続編。



大学の後期レポートもすべて終わったので、楽しみにしていた
「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」を見に行くことにした。
が、余程、ヘルボーイは日本で人気がないのか、まだ公開3週目だというのに
ほとんどの劇場でレイトショーのみになっていた。残念なことだ。

レイトショーに行くのも面倒だったので、少し足を伸ばして難波まで行き、敷島シネポップで見ることにした。
やはりこの劇場はわかっている。なんと一日中やっているのだ。
しかもこのような劇場のステータス(!?)であるボロボロ感がなく、きれいだし、音も良く、見やすい。
なぜか天井がミシミシいっているのは気になるが、そんなこと補って余りある良い劇場だ。



デル・トロ作品といえば、やはり独特のビジュアルが目玉だ。
美術や造形、装飾、視覚効果にいたるまで監督ならではのビジュアルセンスが貫き通されている。
今回も魅力あるクリーチャーが多数登場する。
トロールや森の精エレメンタル、トゥースフェアリーなど前作とは比べ物にならない量のクリーチャーだ。
特に「パンズ・ラビリンス」に登場する目のない男ペイル・マンとも似た
死の天使(↓)の造形は素晴らしい。ちなみに水棲人のエイブと同じダグ・ジョーンズが演じているらしい。



「ヘルボーイ」の大きな魅力のもう一つはキャラクター設定にある。
レッドがただのおっさんにしか思えず、愚痴や嫌味を言いまくるのが、このシリーズをさらに面白いものにしている。
ただ、今作のレッドとリズの関係ははっきりいってどうでも良く、勝手にしてくれと言いたくなる。
男女の間によくあるすれ違いを映画で見せられても困る。
もっと本筋としっかりと絡む内容での喧嘩であればよかったかもしれない。

一方でエイブは今回の主役ともいえるほどのドラマを見せる。
エイブと王女の関係はアメコミ映画だとは思えないほど切なく、
レッドと二人で歌いながらビールを飲む素敵なシーンがあるために、
よりいっそう切なさが引き立てられている。



新キャラクターのヨハン・クラウスもいい味を出している。レッドとは好対照だ。
また、小さなキャラクターにも魅力があり、エルフの国に案内してくれるカニだらけのゴブリンも少しの登場だが印象に残る。



ラストのゴールデン・アーミーやヌアダ王子との戦いにはもう一工夫が欲しかったが、
舞台となる巨大歯車を基調とした美術は作品内でも圧倒的に素晴らしい。
(ラストの物足りなさは前作のほうが上かもしれない。)

総合的に前作のほうが面白いと思うが、世間的な評判は今作が上のようだ。

〈70点〉


個人的ワースト・アワード2008

2009-01-29 17:25:48 | ベスト&ワースト
遅ればせながら、2008年版の個人的最低映画賞です。
★は最低賞。

【邦画】

ワースト5(作品賞)
★1、夕映え少女
 2、ひぐらしのなく頃に
 3、Sweet Rain 死神の精度
 4、崖の上のポニョ
 5、銀幕版 スシ王子!~ニューヨークへ行く~

監督賞
★及川中「ひぐらしのなく頃に」
 筧昌也「Sweet Rain 死神の精度」
 田中誠「うた魂(たま)♪」
 四人の新人監督たち「夕映え少女」
 渡辺謙作「フレフレ少女」
 
主演男優賞
 伊藤英明「252生存者あり」
 金城武「Sweet Rain 死神の精度」
 宗介「崖の上のポニョ」
★前田公輝「ひぐらしのなく頃に」
 永山絢斗「フレフレ少女」

主演女優賞
★新垣結衣「フレフレ少女」
 石原さとみ「フライング☆ラビッツ」
 常盤貴子「20世紀少年」
 ポニョ「崖の上のポニョ」
 吉永小百合「母べえ」

助演男優賞
 柄本時生「フレフレ少女」
 耕一「崖の上のポニョ」
 助演男優全員「夕映え少女」
 中丸雄一「銀幕版 スシ王子!~ニューヨークへ行く~」
★南原清隆「L change the worLd」

助演女優賞
 飛鳥凛「ひぐらしのなく頃に」
 大竹しのぶ「石内尋常高等小学校 花は散れども」
 グランマンマーレ「崖の上のポニョ」
★松山愛里「ひぐらしのなく頃に」
 リサ「崖の上のポニョ」

脚本賞
 「崖の上のポニョ」
★「Sweet Rain 死神の精度」
 「ひぐらしのなく頃に」
 「フレフレ少女」
 「石内尋常高等小学校 花は散れども」

【洋画】

ワースト5(作品賞)
★1、紀元前一万年
 2、パルス
 3、いのちの食べかた
 4、イースタン・プロミス
 5、ハンコック

監督賞
 ジム・ソンゼロ「パルス」
 ニコラウス・ゲイハルター「いのちの食べかた」
 ニール・バーガー「幻影師アイゼンハイム」
 ピーター・バーグ「ハンコック」
★ローランドエメリッヒ「紀元前一万年」

該当者が少なかったため、主演男優賞と主演女優賞は3枠とし、
また助演男優賞、助演女優賞は設けないことにした。


主演男優賞
 イアン・サマーハルダー「パルス」
 ウィル・スミス「ハンコック」
★スティーブン・ストレイト「紀元前一万年」

主演女優賞
★カミーラ・ベル「紀元前一万年」
 クリステン・ベル「パルス」
 シャーリーズ・セロン「ハンコック」

脚本賞
 ウェス・クレイヴン「パルス」
 レイ・ライト
 ヴィー・ヴィンセント・ノー「ハンコック」
 ヴィンス・ギリガン
 スティーヴ・ナイト「イースタン・プロミス」
 トッド・へインズ「アイム・ノット・ゼア」
 オーレン・ムヴァーマン
★ハラルド・クローサー「紀元前一万年」
 ローランド・エメリッヒ
 





アカデミー賞 ノミネート結果2009

2009-01-25 18:58:59 | 映画全般
アカデミー賞ノミネートの予想と結果の比較です。
青色太字が最優秀賞受賞の予想。

作品賞
スラムドッグ$ミリオネア
×ダークナイト
 →愛を読むひと
○ミルク
○ベンジャミン・バトン 数奇な人生
○フロント×ニクソン
「ダークナイト」が落選したのは残念。作品賞以外にも主要部門ではヒース以外が全て落選。
アカデミー会員はアメコミがお嫌いなようです。
代わりに入ったのが派手な宣伝で有名なワインスタイン兄弟の「愛を読むひと」でいかにもオスカーらしい。


監督賞
ダニー・ボイル(スラムドッグ$ミリオネア)
×クリストファー・ノーラン(ダークナイト)
 →スティーヴン・ダルドリー(愛を読むひと)
×ダーレン・アロノフスキー(The Wrestler)
 →ロン・ハワード(フロスト×ニクソン)
○ガス・ヴァン・サント(ミルク)
○デヴィッド・フィンチャー(ベンジャミン・バトン 数奇な人生)
意外性もなく作品賞候補が順当にノミネート。
会員が大好きなスティーヴン・ダルドリーとロン・ハワード、
あまり好かれていないダニー・ボイルとガス・ヴァン・サント、デヴィッド・フィンチャー
と見事に二極化。オスカーはどちらに?


主演男優賞
ミッキー・ローク(The Wrestler)
○ショーン・ペン(ミルク)
×クリント・イーストウッド(グラン・トリノ)
 →ブラッド・ピット(ベンンジャミン・バトン 数奇な人生)
○フランク・ランジェラ(フロスト×ニクソン)
○リチャード・ジェンキンス(The Visitor)
クリント・イーストウッドが落ちたのは意外。ここ数年、持ち上げ過ぎた反動か。

主演女優賞
アン・ハサウェイ(レイチェルの結婚)
×ケイト・ウィンスレット(レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで)
 →ケイト・ウィンスレット(愛を読むひと)
×サリー・ホーキンス(Happy-Go-Lucky)
 →アンジェリーナ・ジョリー(チェンジリング)
○メリル・ストリープ(ダウト あるカトリック学校で)
○メリッサ・レオ(Frozen River)
ケイト・ウィンスレットが「愛を読むひと」でノミネート。
ゴールデン・グローブのような住み分けはなされず。
アンジーは夫婦そろってノミネート。恐るべし。


助演男優賞
ヒース・レジャー(ダークナイト)
○ジョシュ・ブローリン(ミルク)
×デヴ・パテル(スラムドッグ$ミリオネア)
 →ロバート・ダウニー・ジュニア(トロピック・サンダー 史上最低の作戦)
○フィリップ・シーモア・ホフマン(ダウト あるカトリック学校で)
×エディ・マーサン(Happy-Go-Lucky)
 →マイケル・シャノン(レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで)
ヒースを除けば、本命不在。
「トロピック・サンダー」でのノミネートはある意味歴史的なことではないか。
調子に乗ってトム・クルーズも入れて欲しかった。


助演女優賞
ペネロペ・クルス(それでも恋するバルセロナ)
○マリサ・トメイ(The Wrestler)
○ヴィオラ・デイヴィス(ダウト あるカトリック学校で)
×ケイト・ウィンスレット(愛を読むひと)
 →タラジ・P・ヘンソン(ベンジャミン・バトン 数奇な人生)
×ローズマリー・デウィット(レイチェルの結婚)
 →エイミー・アダムス(ダウト あるカトリック学校で)
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」が思っていたよりも息巻いている。
「ダウト」は演技面で4人がノミネートする高評価。


脚本賞
×レイチェルの結婚
 →In Bruges
×それでも恋するバルセロナ
 →Frozen River
○ミルク
Happy-Go-Lucky
○WALL・E/ウォーリー
「レイチェル」「バルセロナ」が有力だと予想していたが、落選。
「レイチェル」は全体的にも冷遇。
「In Bruges」はなんと脚本賞のみのノミネート。ある意味すごい!



脚色賞
スラムドッグ$ミリオネア
×ダークナイト
 →ダウト あるカトリック学校で
○フロスト×ニクソン
○ベンジャミン・バトン 数奇な人生
○愛を読むひと
「ダークナイト」の脚本は恐ろしく良い出来なのに・・・。

長編アニメーション賞
WALL・E/ウォーリー
○カンフー・パンダ
×バシールとワルツを
→ボルト
「バシールとワルツ」が外国語作品賞に一本化。
「ウォーリー」で間違いなし。


長編ドキュメンタリー賞
Man on Wire
○Trouble the Water
×I.O.U.S.A.
 →The Garden
×Pray the Devil Back to Hell
 →The Betrayal (Nerakhoon)
○世界の果ての出会い
「Man on Wire」が確定といえるほどの高評価。


外国語映画賞
バシールとワルツを
○Revanche
×The Necessities of Life
 →The Baader Meinhof Complex
×Everlasting Moments
 →The Class
○おくりびと
「おくりびと」に受賞して欲しいが、「バシールとワルツを」「The Class」は強敵。

予想的中は35/53で66%の的中率。7割行きたかった・・・。

その他のノミネートはこちら

撮影賞
チェンジリング
ベンジャミン・バトン 数奇な人生
ダークナイト
愛を読むひと
スラムドッグ$ミリオネア

編集賞
ベンジャミン・バトン 数奇な人生
ダークナイト
フロスト×ニクソン
ミルク
スラムドッグ$ミリオネア

美術賞
チェンジリング
ベンジャミン・バトン 数奇な人生
ダークナイト
ある公爵夫人の生涯
レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで

衣装デザイン賞
オーストラリア
ベンジャミン・バトン 数奇な人生
ある公爵夫人の生涯
ミルク
レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで

メイキャップ賞
ベンジャミン・バトン 数奇な人生
ダークナイト
ヘルボーイ ゴールデン・アーミー

視覚効果賞
ベンジャミン・バトン 数奇な人生
ダークナイト
アイアンマン

録音賞
ベンジャミン・バトン 数奇な人生
ダークナイト
スラムドッグ$ミリオネア
WALL・E/ウォーリー
ウォンテッド

音響効果賞
ダークナイト
アイアンマン
スラムドッグ$ミリオネア
WALL・E/ウォーリー
ウォンテッド

作曲賞
ベンジャミン・バトン 数奇な人生
ディファイアンス
ミルク
スラムドッグ$ミリオネア
WALL・E/ウォーリー

主題歌賞
「Down to Earth」(WALL・E/ウォーリー)
「Jai Ho」(スラムドッグ$ミリオネア)
「O Saya」(スラムドッグ$ミリオネア)

ドキュメンタリー映画賞(短編)
The Conscience of Nhem En
The Final Inch
Smile Pinki
The Witness - From the Balcony of Room 306

短編賞(実写)
Auf der Strecke (On the Line)
Manon on the Asphalt
New Boy
The Pig
Spielzeugland (Toyland)

短編賞(アニメーション)
つみきのいえ
Lavatory - Lovestory
Oktapodi
マジシャン・プレスト
This Way Up

アカデミー賞 ノミネート予想2009

2009-01-17 11:46:13 | 映画全般


アカデミー賞発表まで約一ヶ月となりました。
評価も出揃ってきたところで、ノミネート予想です。
それぞれ一段目が最優秀賞受賞と予想。
最下段は賭けに出た予想。





作品賞
・スラムドッグ$ミリオネア
・ダークナイト
・ミルク
・ベンジャミン・バトン 数奇な人生
・フロント×ニクソン
個人的には「ダークナイト」に受賞して欲しいが、「スラムドッグ$ミリオネア」の強さは圧倒的。
「フロント×ニクソン」ではなく、まさかの「WALL・E/ウォーリー」?


監督賞
・ダニー・ボイル(スラムドッグ$ミリオネア)
・クリストファー・ノーラン(ダークナイト)
・ダーレン・アロノフスキー(The Wrestler)
・ガス・ヴァン・サント(ミルク)
・デヴィッド・フィンチャー(ベンジャミン・バトン 数奇な人生)
作品賞とかぶりやすいので「スラムドッグ$ミリオネア」

主演男優賞
・ミッキー・ローク(The Wrestler)
・ショーン・ペン(ミルク)
・クリント・イーストウッド(グラン・トリノ)
・フランク・ランジェラ(フロスト×ニクソン)
・リチャード・ジェンキンス(The Visitor)

主演女優賞
・アン・ハサウェイ(レイチェルの結婚)
・ケイト・ウィンスレット(レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで)
・サリー・ホーキンス(Happy-Go-Lucky)
・メリル・ストリープ(ダウト あるカトリック学校で)
・メリッサ・レオ(Frozen River)

助演男優賞
・ヒース・レジャー(ダークナイト)
・ジョシュ・ブローリン(ミルク)
・デヴ・パテル(スラムドッグ$ミリオネア)
・フィリップ・シーモア・ホフマン(ダウト あるカトリック学校で)
・エディ・マーサン(Happy-Go-Lucky)

助演女優賞
・ペネロペ・クルス(それでも恋するバルセロナ)
・マリサ・トメイ(The Wrestler)
・ヴィオラ・デイヴィス(ダウト あるカトリック学校で)
・ケイト・ウィンスレット(愛を読むひと)
・ローズマリー・デウィット(レイチェルの結婚)
「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」と「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」は
蓋を開けてみれば総スカンな気がするため、演技賞では除外。
地味ながら、演技で魅せる作品を中心に選んだ。
最下段の4人は大穴。


脚本賞
・レイチェルの結婚
・それでも恋するバルセロナ
・ミルク
・Happy-Go-Lucky
・WALL・E/ウォーリー

脚色賞
・スラムドッグ$ミリオネア
・ダークナイト
・フロスト×ニクソン
・ベンジャミン・バトン 数奇な人生
・愛を読むひと
両賞とも玄人好みの作品が選ばれる傾向。脚本賞が本命不在。

長編アニメーション賞
・WALL・E/ウォーリー
・カンフー・パンダ
・バシールとワルツを
おそらくこの予想ははずさない。「バシールとワルツ」が嫌われる可能性もあるが、
嫌われたとしても、それ以外に作品がない。


長編ドキュメンタリー賞
・Man on Wire
・Trouble the Water
・I.O.U.S.A.
・Pray the Devil Back to Hell
・世界の果ての出会い
「Man on Wire」が確定といえるほどの高評価。


外国語映画賞
・バシールとワルツを
・Revanche
・The Necessities of Life
・Everlasting Moments
・おくりびと
去年と同じように映画祭組は門前払いと大胆予想。
「おくりびと」の可能性も捨てられない。


シナリオS1グランプリ

2009-01-15 19:06:32 | シナリオ
シナリオセンターとやらのシナリオS1グランプリに応募するためのシナリオの
構想がだいぶできあがってきたので、そろそろ書き始めようかと思っています。
(遅い・・・)
応募するのは2時間の方(なんてったって映画です!)で大変。

ちなみにシナリオセンターには通っていません。
圧力で落とされたりしないですよねぇ・・・!?

応募規定
200字詰原稿用紙に縦書きで、
 部門(1)の場合は100枚から120枚。部門(2)は200枚から230枚。
 手書きの場合ペン書き、鉛筆は不可。
 パソコン・ワープロの場合はB5サイズの用紙を横に使い、
 縦書きで20字×20行で打ってください。
・表紙に第16回「シナリオS1グランプリ」と朱書きし、
 部門の番号(1)か(2)を選び、題名、氏名を書く。
 部門(2)の場合はドラマ用か映画用か、どちらかを明記する。
・2枚目に氏名(ペンネームの場合は本名を明記)、住所、
 電話番号(携帯等昼間の連絡先も)、eメールアドレス、職業、生年月日、
 略歴、シナリオ・センター生は所属を明記する。
・3枚目に1000字以内のあらすじをつけてください。
・あらすじのあとには登場人物名一覧表をつけ、原稿には本文から通しの
 ページナンバーをつけ、バラバラにならないように、2箇所以上をひもで
 きっちりと綴じてください。
・ 応募原稿は一切返却できません。

締 切
平成21年3月27日(金)午後8時30分必着。

宛 先
〒107-0061 東京都港区北青山3-15-14  シナリオ・センター
 第16回「シナリオS1グランプリ」係まで持参するか送付する。

ミラーズ

2009-01-10 12:30:40 | 映画(ま行)
2008年・アメリカ・MIRRORS
監督:アレクサンドル・アジャ
(IMDb:6.2 Metacritic:35 Rotten:14)
公式HP


ジャック・バウワーが鏡の中の恐怖と戦う「24」シリーズ最新作!
ではなく・・・
元ニューヨーク市警刑事のベン・カーソン。彼は1年前に同僚を誤って射殺したことから停職処分となり、アルコールに溺れながら妹のアパートに居候する身となっていた。それでも別居中の妻エイミーや子供たちのため、社会復帰して信頼と幸せな家庭生活を取り戻そうともがいていたのだった。そんなベンはある日、5年前の大火災で閉鎖されるも保険関係で現状維持されているメイフラワー・デパートの焼け跡を巡回する夜警の仕事へ就くことに。そして、その不気味な現場へ足を踏み入れたベンは、そこに美しい光沢のまま残された巨大な鏡に引き込まれていく。すると突然激痛に襲れ、鏡の中に焼けただれた女性の姿を見るなど怒濤の恐怖に見舞われてしまう。またそれ以来、ベンの周囲では、奇怪で凄惨な出来事が起こり始め…。というスプラッター・ホラー。

「ハイテンション」「ヒルズ・ハブ・アイズ」のアレクサンドル・アジャ監督の新作は
03年製作の韓国映画「Mirror 鏡の中」のリメイク。オリジナルは未見での鑑賞。
キーファー・サザーランドが出ているからか普段はホラー映画を見そうにない客層の人たちが多くて驚いた。
血みどろスプラッターでおなじみのアジャ監督ですよ~と教えてあげた方が良かったのかもしれない。


映画の序盤は良かった。プレ・クレジット・シークエンスの前任者が殺されるシーンからいきなり血みどろで、
劇場内では「これは考えてたのとは違ぞ・・・」というざわめきが起こった。
しかし、残酷なのはこのシーンと中盤のバスルームでの顎パックリ(←苦手な人は注意!!)
(このシーンは他のシーンとの差が激しすぎるぐらいエグイ、ホラーは得意なはずなのに、思わず顔をそむけてしまった)
ぐらいでそれ以外は映画全体でたいしたことがなかった。
また、タイトル・バックが最近見た映画の中で一、二を争うほど素晴らしかったのは全くの意外だった。



中盤の中だるみは激しかった。
上記のバス・ルームを除いたホラー・シーンは全てコケおどしで
鏡に死体が映るとか、犬が飛び出して来るとか、たいした事が起こらないのに爆音が鳴り響くためイライラさせられる。
しかも、恐怖が絶頂の(そのつもりの)ところで次のシーンに変わってしまい、その後どうなったのか、どうしたのかといったリアクションがほとんど描写されずにカットされているため、さらにコケおどし感を高めている。スプラッターをもっと見せろと言っているのではない、怖いシーンを怖く見せて欲しい。この映画ではただ、驚くだけだ。



だが、終盤になるとまた盛り返す。
息子が鏡に心奪われるところや家の中を浸した水が鏡となって襲ってくるなどアイデアが面白い。
その分、整合性がどんどん失われていく・・・。
「家族の絆」のドラマはいかにもアメリカ的であざとかったが、物語を動かす原動力として後半に上手く機能していたと思う。

精神病院でのラスト・シークエンス、映画のテンションが妙に高くなる。
鏡とアンナの爆破をスローモーションで何度も映し出したり、
アンナが進化(?)して大暴走したり、
それをジャック・バウワーが倒したり、
そして、定番の最後のどんでん返し。
(どんでん返しなのに定番なのは問題だが)

クレジットの後の反転した「MIRRORS」も不気味で秀逸。

〈65点〉


2009年 注目!の作品 vol.4

2009-01-04 18:02:11 | 映画全般
2009年の注目作品を期待度とともに。
(期待度★~★★★★★)

「ホラー映画編」
去年は「28週後…」「ミスト」「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」など
傑作が多かったホラー映画。
「映画を学ぶならホラー映画を見よ!」(偉い人の言葉)

「グロテスク」(1/17)★★
映画館でチケットを買うとき神経を疑われそうなタイトルです。
が、実は「ノロイ」「口裂け女」の白石晃士監督の新作です。
基本はDVDスルーで、一部で劇場公開されるそうです。
気付かれないようにこっそりと公開されるところを見ると、
駄作のようです。
こんなこと言ってます。
要注意事項
●とてつもなく残虐映画。です
●嘔吐覚悟でご覧ください。
●モラルはお捨てください。
●カップルではご覧になられないでください。
●この映画に救いを求めてはいけません。
※あまりに過激なため20歳未満の方のご入場は固くお断りします。

「ホステル」の時もそんなこと言いながら、大した事なかったので信じてません。

「13日の金曜日」追加
こんなの発見しました。

あなたもこれでジェイソン君になれる!お面です。

「ブラッディ・バレンタイン 3D」(2/14)★★★★
今年のバレンタインはなんと土曜。
宣伝しやすそうです。
何とかして成功させようと、配給会社の人たちは頭をひねったのでしょう。
アメリカ版ポスターは

と思いっきりホラーなのに対し、日本版は

なんかオシャレです。
当然でしょう。だってこの映画、新体感ラブホラーですから!

この大量殺人ツルハシ男のどこに“ラブ”な要素があるのでしょうか。
配給会社の人、教えてください!

「サスペリア・テルザ/最後の魔女」(春)★★★
イタリアン・ホラーの帝王、ダリオ・アルジェントによる魔女三部作の最終章が
やっとのことで日本公開。DVDスルーにならなくて良かった。
「サスペリア」はホラー映画の中では一、二を争う出来だと思う。
ただ、最近、不調な帝王だけに過度な期待は控えておくことする。

原題は「涙の母」。そのままで良いのに・・・。
「サスペリア」との関連性はないようです。

「ドゥームズデイ(原題)」(年内)★★★★★
待ってましたよ!アメリカ公開から一年は長い。
傑作だった「ディセント」が記憶に新しいニール・マーシャル監督が
描く近未来バイオレンス・アクション。
気楽に楽しめるこういう映画は大好きです。


「ウルフマン(原題)」(年内)★★
今更感が漂う「狼男」のリメイク。
出演は女性を瞳で落とす男(本当かよ)のベニチオ・デル・トロほか、
アンソニー・ホプキンス、ヒューゴ・ウィーヴィング、エミリー・ブラントら豪華。
一部タブロイド紙にはベニチオ・デル・トロはノーメイクで
狼男を演じれるのではないかと嫌味を書かれたらしい。

「ピラニア3D」(年内)★★★
「ミラーズ」が公開中の映倫に嫌われる男
アレクサンドル・アジャ監督による3Dリメイク。
アジャいわく、「ブレイン・デッド」に匹敵するぐらい
血まみれな作品にしたいとのこと。

こんなやつが飛び出してくる!

「ミッドナイト・ミート・トレイン」(年内)★★★★
ライオンズゲート社の契約処理のために利用され、
週末の興行成績はたった32000ドル(約340万円!)と
不遇のハリウッド・デビューとなった北村龍平。
作品自体の評価は高かっただけに残念。
日本でヒット・・・しないよなぁ~。


「REPO!レポ」(年内)★★
「ソウ」を駄作にした罪深き男ダーレン・リン・バウズマンによる
ロック・ホラー・ミュージカル。(「ロッキー・ホラー・ショー」?)
あのパリス・ヒルトンも出演。
音楽総指揮はなぜかYOSHIKI。
衣装・美術など全体の雰囲気の胡散臭さがなんともいえない。


「ハロウィン2(原題)」(未定)★★★
アメリカでは今年公開。
前作の公開の遅さを考えると、日本では来年?


2009年 注目!の作品 vol.3

2009-01-03 16:01:33 | 映画全般
2009年の注目作品を期待度とともに。
(期待度★~★★★★★)

「邦画・ミニシアター編」

「クローンは故郷をめざす」(1/10)★★
スチール(↓)に惹かれました。
ヴィム・ヴェンダースがプロデュースしたらしいです。
たぶん、お金を出しただけで、実際はほとんど絡んでいないのでしょう。


「愛のむき出し」(1/31)★★★★
「自転車吐息」「紀子の食卓」の鬼才・園子温が237分の長尺で描く
奇想天外なラブストーリー。
なんかもう237分っていうだけで期待してしまいます。
それだけで監督の思いが詰まっている力作だといえるのではないでしょうか。

それより、AAAって誰?


「恋極星」(3/14)★★★
予告編だけで泣けると前評判の高い戸田恵梨香主演のラブ・ストーリー。
最近、日活が元気なのは気のせい?
すぐに終わりそうなので見逃さないように注意が必要。

「フィッシュ・ストーリー」(3月)★
伊坂幸太郎が大好きです。
ただ、「アヒルと鴨のコインロッカー」で中村義洋監督の底の浅さを
知っただけに期待できない。評価が高かったのも謎。
主演が伊藤淳史なのも納得できない。
公開された予告編もダサい。

「重力ピエロ」(5/23)★★★
伊坂幸太郎が大好きです。
「フィッシュ・ストーリー」よりは期待できそう。
原作が映画化に向いていないと思うのは自分だけ?
もっと面白くなりそうな作品がいくつもあるのに・・・。

「鈍獣」(5月)★★★★
人気脚本家、宮藤官九郎の同名舞台劇を浅野忠信、北村一輝、
ユースケ・サンタマリア、真木よう子、佐津川愛美、南野陽子ら
超強烈個性派俳優たちで映画化する。
これはおもしろそう!


「ウルトラミラクルラブストーリー」(6/6)★★★★
「ジャーマン+雨」の横浜聡子監督が自身の出身地である青森を舞台に
同じく青森出身の松山ケンイチを迎えて全編津軽弁で贈る
“超究極”のラブストーリー。
詳しく知りたい方はこちらが便利。


「インスタント沼」」(初夏)★★★★
「時効警察」「亀は意外と速く泳ぐ」←大好き
「ダメジン」「図鑑に載ってない虫」←大嫌い

上は普通な人がまだ出てくる比較的マイルドな路線。
下は異常な人しか出てこない過激でやりすぎな路線。

本作はどっちに当てはまるのか?

主題歌はYUKIの「ミス・イエスタデイ」

「おと・な・り」(初夏)★★★
熊澤尚人監督作品は結構好みです。
岩井俊二(熊澤監督の師匠らしい)がマイルドになったようなタッチが
程よくて見やすい。岩井監督も嫌いではないが、ちょっとしつこ過ぎるのです。
ただそれだけで選びました。
ストーリーははっきり言ってどうでもよさそうです。
麻生さん(総理じゃない方)の好演に期待。

「色即ぜねれいしょん」(夏)★★★★
何でこれが入っているかと言いますと・・・。
出たんです!エキストラとして。
映っているのか、ワクワクドキドキです。(デジャブ)

鴨川ホルモーのときよりも参加したシーンが3倍ほどあるので、
よほどのことがない限り映っているでしょう・・・期待!
ただ、田口トモロヲ監督の前作「アイデン&ティティ」が全く肌に合わなかったのが不安です。
現場を見る限り、同じような雰囲気だったので。

「山形スクリーム」(年内)★★★
竹中直人が監督として放つ日本初のホラーコメディ。
おそらく、恐ろしくシュールな笑いが待っているのでしょう。
主演が成海璃子なのはどうも映画のイメージと結びつかない。

「わたし出すわ」(年内)★★
最近、絶不調な森田芳光監督の12年ぶりのオリジナル脚本作品。
「間宮兄弟」(06)「サウスバウンド」(07)、「椿三十郎」(07)と
原作もので初期作品ほどの良い評価が得られなかっただけに、今回の
作品には期待と不安の両方を抱いてしまう。


「ディア・ドクター」(年内)★★★★★
この作品に期待しない人は映画ファンだといえるでしょうか。(言い過ぎ?)
「ゆれる」の西川美和監督の新作。
笑福亭鶴瓶と瑛太を主演に僻地医療の実態を描くドラマ。
前評判高し!!

2009年 注目!の作品 vol.2

2009-01-02 20:24:12 | 映画全般
2009年の注目作品を期待度とともに。
(期待度★~★★★★★)

「下半期・大作編」

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(7/17)★★★★
2008年公開の予定が急遽、延期されたハリポタの新作。
劇場で予告まで流していたのに、夏のほうが儲かると決断したそうで・・・。
監督は前作に続きデビッド・イェーツ。
監督が変わりまくってきた本シリーズだが、個性のないデビッド・イェーツは
原作があるハリポタと相性が良いと思うので、うれしい限り。


「スタートレック(2009)」(夏)★★★
昔の映画版シリーズは好きでほとんど見ています。
特に、「4」がなぜかお気に入り。(良い評判を聞いたことはないが)
SFなのにあののんびりした感じがたまりません。
なのに・・・新作はCGガンガンになるようです。
予告編だけで疲れます。

「ナイト・ミュージアム2」(夏)★★
前作はまあまあ楽しめた。アイデアとしては見事!!
ただ、「2」も同じアイデアだけだと飽きそう。


「2012」(8月)★
期待してません。
エメリッヒ監督の前作「紀元前一万年」が記念すべき映画だからです。
映画館で映画を見て初めて爆睡した映画なのです。
また大津波が起こっています。

「BALLAD/名もなき恋のうた」(9月)★★★★
「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの山崎貴監督が草なぎ剛、新垣結衣主演で
「映画クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」を実写映画化する全く未知数のビッグ・プロジェクト。
傑作か駄作、二つに一つになりそうです。

舞台となる春日城のイメージ

「シャッター・アイランド(原題)」(秋)★★★★
またまた、マーティン・スコセッシ監督&レオナルド・ディカプリオのコンビ。1954年、失踪した女性患者の謎を探るためにボストン沖の孤島に建つ犯罪者用精神病院を訪れた米連邦保安官テディ・ダニエルズ(ディカプリオ)に次々と不可解な出来事が起こる。
ジャンルは何になるのでしょうか? ホラー?
スコセッシというだけで期待。

「ダレン・シャン(仮題)」(年内)★★★★★
ハリー・ポッターよりも面白いと個人的に思うダーク・ファンタジーの映画化。
ミスター・トール役はなんと渡辺謙。想像できません。

「ディストリクト9(原題)」(年内)★★★★
ピーター・ジャクソンが製作するSF大作。
情報がほとんどなく、開設されてるHPもよくわからない。
宇宙人のほうを選んだら警告アラームが鳴ってびっくりした!

「X-MENオリジンズ/ウルヴァリン(原題)」(年内)★★★★
「X-MEN]に登場したウルヴァリン誕生の秘密が明らかに!!
といわれても「2」でほとんどわかるような・・・
「エレクトラ」や「キャットウーマン」のようにならないように祈る。
予告編はこちら


「アバター(原題)」(12月下旬)★★★★★
期待しちゃっても良いんですよね!!キャメロンさん!!
焦らしに焦らしてついに新作が公開。
未知の映像体験が待っているらしい。

2009年 注目!の作品 vol.1

2009-01-02 12:07:14 | 映画全般
2009年の注目作品を期待度とともに。(期待度★~★★★★★)

「上半期・大作編」

「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」(1/9)★★★★★
バットマン・スパイダーマンの次に浮かぶほどヘルボーイはアメコミ作品の中で好きな作品。ギルレモ・デル・トロの世界観とヒーロー映画とが見事に融合していると思う。予告を見る限りでは
「ヘルボーイ」+「パンズ・ラビリンス」÷2という印象。

「007/慰めの報酬」(1/24)★★★★
絶賛された割に、前作はイマイチ面白くなかった。
マーク・フォスターとの相性は良いので、どう料理するのか期待。


「20世紀少年 第2章/最後の希望」(1/31)★★
どこに60億円かかってるんだか・・・3部作。
おもしろいが、これにそんな予算を出すなら10億で6本作れよって言いたい。

「ベンジャミン・バトン/数奇な人生」(2/7)★★★★★
予告だけでも感動・・・。(早すぎ)
昔のフィンチャーよりも最近のフィンチャーのほうが断然良いと思う。
一般的な評価が逆なのは疑問。

「13日の金曜日」(2/13)★★★★
ホラー好きがよだれを垂らして待っていた新作。(自分だけ?)
翌日に公開される「ブラッディ・バレンタイン」も楽しみだが、
そちらはなんと3D!!


「ヤッターマン/YATTERMAN」(3/7)★★
予告編が公開されて毎回がっかりする監督第一位の三池崇史最新作。
今回も期待通りにやってくれました!
あの予告では見る気がまったくしません。
ただ、三池監督は実際見てみると案外いける監督第一位でもあるので注意が必要。

「DRAGONBALL EVOLUTION」(/13)★
ついに出ました!!あの「ドラゴンボール」の映画化。
といっても一度も読んだことありません・・・。
そして、見る気もしません。ただのコスプレじゃないですか!コスプレ!!


「鴨川ホルモー」(GW)★★★
何でこれが入っているかと言いますと・・・。
出たんです!エキストラとして。
映っているのか、ワクワクドキドキです。
ただ、撮影現場のテンションの低さと公開されたポスターやらとのギャップに
唖然としています。もっとまじめな作品かと思ってました。


「天使と悪魔」(5/15)★★★
前作は本を読んでしまっていたので、ただの確認作業になって楽しめなかったので、今回は読んでいません。
といっても、設定が大きく変わり、続編として公開するようなので、
原作を読んでいても楽しめそう。

「ターミネーター4」(6/13)★★★★★
このシリーズこそ僕が映画監督になろうと思ったきっかけなのです!
期待しないはずがありません。
「ターミネーター3」はなかったことになるようで・・・。
(USJの「ターミネーター2 3D」こそ真の続編だと個人的には思っていた)
ただ・・・監督、マックジーかよ。
「1」「2」「2 3D」の世界観を大事にしてほしいです。お願いします。


「トランスフォーマー/リベンジ」(6月中)★★★★
永遠の脳内5歳児マイケル・ベイによる子供の妄想を金を大量にぶち込んで
実現してしまいました第2弾!!(べた褒めです!)


下半期へ続く・・・