2008年・アメリカ・Hellboy II: The Golden Army
監督:ギレルモ・デル・トロ
(IMDb:7.5 Metacritic:78 Rotten:88)
公式HP
アメコミ映画の傑作「ヘルボーイ」の続編。
大学の後期レポートもすべて終わったので、楽しみにしていた
「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」を見に行くことにした。
が、余程、ヘルボーイは日本で人気がないのか、まだ公開3週目だというのに
ほとんどの劇場でレイトショーのみになっていた。残念なことだ。
レイトショーに行くのも面倒だったので、少し足を伸ばして難波まで行き、敷島シネポップで見ることにした。
やはりこの劇場はわかっている。なんと一日中やっているのだ。
しかもこのような劇場のステータス(!?)であるボロボロ感がなく、きれいだし、音も良く、見やすい。
なぜか天井がミシミシいっているのは気になるが、そんなこと補って余りある良い劇場だ。
デル・トロ作品といえば、やはり独特のビジュアルが目玉だ。
美術や造形、装飾、視覚効果にいたるまで監督ならではのビジュアルセンスが貫き通されている。
今回も魅力あるクリーチャーが多数登場する。
トロールや森の精エレメンタル、トゥースフェアリーなど前作とは比べ物にならない量のクリーチャーだ。
特に「パンズ・ラビリンス」に登場する目のない男ペイル・マンとも似た
死の天使(↓)の造形は素晴らしい。ちなみに水棲人のエイブと同じダグ・ジョーンズが演じているらしい。
「ヘルボーイ」の大きな魅力のもう一つはキャラクター設定にある。
レッドがただのおっさんにしか思えず、愚痴や嫌味を言いまくるのが、このシリーズをさらに面白いものにしている。
ただ、今作のレッドとリズの関係ははっきりいってどうでも良く、勝手にしてくれと言いたくなる。
男女の間によくあるすれ違いを映画で見せられても困る。
もっと本筋としっかりと絡む内容での喧嘩であればよかったかもしれない。
一方でエイブは今回の主役ともいえるほどのドラマを見せる。
エイブと王女の関係はアメコミ映画だとは思えないほど切なく、
レッドと二人で歌いながらビールを飲む素敵なシーンがあるために、
よりいっそう切なさが引き立てられている。
新キャラクターのヨハン・クラウスもいい味を出している。レッドとは好対照だ。
また、小さなキャラクターにも魅力があり、エルフの国に案内してくれるカニだらけのゴブリンも少しの登場だが印象に残る。
ラストのゴールデン・アーミーやヌアダ王子との戦いにはもう一工夫が欲しかったが、
舞台となる巨大歯車を基調とした美術は作品内でも圧倒的に素晴らしい。
(ラストの物足りなさは前作のほうが上かもしれない。)
総合的に前作のほうが面白いと思うが、世間的な評判は今作が上のようだ。
〈70点〉
監督:ギレルモ・デル・トロ
(IMDb:7.5 Metacritic:78 Rotten:88)
公式HP
アメコミ映画の傑作「ヘルボーイ」の続編。
大学の後期レポートもすべて終わったので、楽しみにしていた
「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」を見に行くことにした。
が、余程、ヘルボーイは日本で人気がないのか、まだ公開3週目だというのに
ほとんどの劇場でレイトショーのみになっていた。残念なことだ。
レイトショーに行くのも面倒だったので、少し足を伸ばして難波まで行き、敷島シネポップで見ることにした。
やはりこの劇場はわかっている。なんと一日中やっているのだ。
しかもこのような劇場のステータス(!?)であるボロボロ感がなく、きれいだし、音も良く、見やすい。
なぜか天井がミシミシいっているのは気になるが、そんなこと補って余りある良い劇場だ。
デル・トロ作品といえば、やはり独特のビジュアルが目玉だ。
美術や造形、装飾、視覚効果にいたるまで監督ならではのビジュアルセンスが貫き通されている。
今回も魅力あるクリーチャーが多数登場する。
トロールや森の精エレメンタル、トゥースフェアリーなど前作とは比べ物にならない量のクリーチャーだ。
特に「パンズ・ラビリンス」に登場する目のない男ペイル・マンとも似た
死の天使(↓)の造形は素晴らしい。ちなみに水棲人のエイブと同じダグ・ジョーンズが演じているらしい。
「ヘルボーイ」の大きな魅力のもう一つはキャラクター設定にある。
レッドがただのおっさんにしか思えず、愚痴や嫌味を言いまくるのが、このシリーズをさらに面白いものにしている。
ただ、今作のレッドとリズの関係ははっきりいってどうでも良く、勝手にしてくれと言いたくなる。
男女の間によくあるすれ違いを映画で見せられても困る。
もっと本筋としっかりと絡む内容での喧嘩であればよかったかもしれない。
一方でエイブは今回の主役ともいえるほどのドラマを見せる。
エイブと王女の関係はアメコミ映画だとは思えないほど切なく、
レッドと二人で歌いながらビールを飲む素敵なシーンがあるために、
よりいっそう切なさが引き立てられている。
新キャラクターのヨハン・クラウスもいい味を出している。レッドとは好対照だ。
また、小さなキャラクターにも魅力があり、エルフの国に案内してくれるカニだらけのゴブリンも少しの登場だが印象に残る。
ラストのゴールデン・アーミーやヌアダ王子との戦いにはもう一工夫が欲しかったが、
舞台となる巨大歯車を基調とした美術は作品内でも圧倒的に素晴らしい。
(ラストの物足りなさは前作のほうが上かもしれない。)
総合的に前作のほうが面白いと思うが、世間的な評判は今作が上のようだ。
〈70点〉