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モナリザの背中よりも



昨日はうちの会社が幹事の大会。


そしてうちの剣道部の部長(会社の中でも相当えらい人です)が翌日からニューヨークに赴任される予定になっていたので何としても勝ちたい試合だった。当然大会会長でもあるし。


うちの会社は毎年3チームが出場。

Aチームは当然レギュラーメンバー。ちなみに前年度優勝。


Cチームは平均年齢が40近いベテランチーム。実力的にも強くて3年前に優勝。


そしてBチームは若手主体のチーム。

ちなみにBチームは例年若手主体ではあるんだけど2年前までは「とりあえず稽古参加してる若手を並べてみました」みたいなチームで正直勝てる気が全くしないチームでした。

他のメンバーから見た俺もそう思えたはず。



でも去年からは方針が「レギュラーメンバーじゃないけど勝てるチーム」にコンセプトが転換。


結果俺は去年はメンバーを外されました。(ちなみに去年のBチームメンバーのうち2人は今年はAチーム)



このブログには書かなかったかも知れないけど相当悔しかった。

でも文句を言えるほどの結果も残していなかったので仕方ない。



今年はある程度結果を残してメンバーには入れてもらえました。

そして他のメンバーがかなり若かった結果副将を任された。会社に入ってからは初めてです。



今年は特にメンバーが若くて先鋒、次鋒が高卒入社の20歳と21歳。中堅が大卒で今年入社の23歳。

大将は俺と同い年で全員が20代。




俺と同じ東京勤務なのは中堅だけで、特に先鋒と大将は会うのが2回目くらい。剣を交えるのはアップの時が初めてという、いわば寄せ集めのようなチーム。


それでも個々の力はあるので勝てそうな気がするチーム。


1回戦は先鋒次鋒が共に勝ってくる。

中堅が1本負けで俺に回ってきた。


ちなみに俺の相手は大学の後輩。俺が大学院2年の時の1年生で5個も下なので顔は知ってるけど剣を交えるのは初めて。

何としてもチームで勝ちたかったので完全に引き分け狙いで行きました。

後輩相手に大人げなくのらりくらりとかわし続けてそのまま引き分け。大将も引き分けて1回戦勝利。


実を言うと会社に入ってから大会の団体戦で勝ったのは初めて。前述の理由もあり俺個人は勝ってもチームは勝てなかったので。



かなり嬉しかった。チームに徹した甲斐があった。正直試合そのものはちっとも楽しくなかった。


1週間前の試合が試合自体が楽しくて打ち合いをしてしまって結果負けてしまったので、今回の試合は「我慢」がテーマでした。


試合そのものは楽しくなくてもそれによって達成できるものがあればそれでいい。



そして2回戦。相手は前年度の3位チーム。そしてその時の大将の人が今年は副将で俺の相手。

副将大将が共に七段という、普通に考えたら勝てそうもないチーム。


でも若い先鋒と次鋒が共に2本勝ちしてくる。中堅が1本取り返すも結果は2-1で負け。

七段相手に連敗したら逆転負けという、リードしているとはいえ決して楽ではない状態。


試合前には助監督であり大学の17個上の先輩でもある人に

「絶対に引くな。さっきみたいなやり方で逃げ切れる相手じゃない。面は打たなくてもいい。相手は絶対に出てくるから小手は常に狙っておけ」

とアドバイスを頂いた。正直このアドバイスが一番大きかった。



正直この試合はあまりに必死で何分間試合をしていたかも覚えてない。

とにかく早い時間に小手を取られた。


本当に後のない状況になってしまった。


それでも相手が打って抜けたところを追いかけて面を打ったらこれが決まり追いついた。この時点で奇跡的。


残りが何分かさえ分かってなかったけど、頭の中にあったのは助監督のアドバイスのみ。



「絶対に引くな」



相手が面に飛ぶ瞬間に小手を打ち抜く。


完璧な小手が決まり奇跡的な逆転勝ちでチームの勝利も確定。ちなみに大将も七段相手に逆転勝ちして終わってみれば4-1の勝利でした。


ものすごい苦しい試合で結果で見るような圧勝では決してなかった。でも本当に熱い試合だった。



俺の打った小手は今までの剣道人生で最高の1本でした。そしてこの試合も最高の試合だったし、団体戦としても最高だった。



ついでに言うと、この日一番会場を沸かせたのも俺の1本でした。

初めはうちの会社の応援が沸いただけかと思ったけど、後から聞くと相手は元々有名な人で若くして最近七段を取ったばかりだったので、審判の先生方も注目していたらしい。


うちの会社の師範である警視庁の八段の先生も身を乗り出して驚いていたらしい。

夜の剣道部部長の壮行会でも先生に褒められた。



今日はBチームが一番良かったと言われたし、俺自身も名指しで褒められた。

先生に褒められることなんて滅多にないのでうれしかった。それにチームを褒められたことがうれしかった。


寄せ集めではあるけど本当にいいチームだった。また同じメンバーで試合をすることはおそらくないけどまたやりたいな。



ちなみにベスト4をかけた試合では0-4でぼこぼこにやられました。(相手チームは代表戦の末準優勝)


俺自身も2本負け。やはり追う展開では実力で勝る相手には勝てません。

勝てばうちのCチームとの試合だったのに。


団体戦の時は試合が終わったチームと、次に試合するチーム計4チームが両方並んで礼をするんだけど、試合が終わった時の礼はうちと相手の2チームだけだった。

次がコート決勝だからなんだけど、礼をした時に後1歩だったんだなと実感しました。

それでも3チーム全部がベスト8に残ったのは快挙だと思います。(AとCは3位)

会社にはもう一人さらに上の大学の先輩(共に七段)がいて、宇都宮から審判で来てたんだけど

「わざわざ審判しに来たのにみんな勝ち残るからちっとも審判やらせてもらえなかった」

と言っていた。




試合の後に相手だった七段の方にも呼び止められて(本当はこちらから挨拶に行くべきだけど次の試合がすぐだったので余裕がなかった)話をしたけど「あそこでよく引かなかったな」と言われた。相手に褒められるのもうれしいものです。

たぶん剣道以外の競技してる人から見たら、勝った相手に指導してもらうなんて理解できないのかもしれないけど剣道ってそういうもん。

そもそもあの状況だったから出た1本であり、個人戦でやったら10回やったら10回負ける相手。

団体戦だとその通りにならないのが剣道の面白いところ。


それにしてもあれを超える1本は一生出せないかもしれない。

団体戦の状況、先輩のアドバイス、部長の海外赴任前の最後の試合だという思い・・・


同じような状況がまずなかなかないだろうし、同じ状況でもそんな簡単に出せるものではない。


この日ほど剣道をしていて良かったと思ったことはない。





ちなみにこの話をすると「はいはい、わかった」とか「調子に乗るな」と言われるが、あの小手を打った瞬間は本当に相手の手元が上がるのが見えて狙い澄まして小手を打ちぬけた。


普段はほとんどタイミングと勘だけで打ってるんで、確信を持って打てたのは初めてです。


まあ強い人だとそれが普通なんだろうけど、俺はそれほどの反射神経は持ち合わせていないので。


なぜ今回だけそれが出来たのかはわからないけどやっぱ極限状態の集中力なのかな?



本当に剣道とは不思議なものです。




部長にもすごい喜んでもらえたし、壮行試合でいい試合が出来て本当によかった。



次は四段審査だな・・・

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