モンゴルの日本語教育機関

日本へ向けて、モンゴルの日本語教育事情、特に、教育機関について発信していきます。

モンゴル人JDS留学生が急性腎不全で人工透析

2007年07月26日 | Weblog
ちょっとショッキングなニュースが入ってきました。
僕の教え子でもあったJDS留学生のバドラルザヤーさん(通称ザヤー)が、病気で倒れてしまったというのです。

彼女は、僕がモンゴル日本センターというところで日本語コースの立ち上げに関わっていたころ、かなり初期のコースに出席していました。その後、国費の日本語日本文化研究生の枠に合格し、一年間日本で勉強してきました。帰国後、ずいぶんしっかりしたなあと成長ぶりを見せてくれて、嬉しく思ったものです。

その後、数年働きながらも日本センターのイベントには時々顔を出してくれていました。とてもエネルギッシュな話し方をよく覚えています。

その彼女が急性腎炎に倒れ、五時間の人工透析を週に三回も受けなくてはならないという状況になってしまったのです。人工透析を受ける機会がほとんどないモンゴルだったら、彼女はもうこの世にいなかったかもしれません。

彼女は今、腎臓移植を受ける必要があるとのことです。幸いなことに健康保険に加入しているとのことですが、手術代以外にも支援が必要だということで、小野澤正喜さん(筑波大学地域研究研究科教授)らが中心になって、腎臓移植のための募金活動を行っています。

常陽銀行 研究学園都市支店 104
口座名: ザヤさんを救う会
口座番号(普): 3416309
E-mail: zayasukue@gmail.com
HP: http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~i0312261/kai/index.html

個人的な意見としては「~を救う会」という名称は、インターネットを使って募金をする場合にかなりマイナスイメージがあるのではないかと危惧しています。

なお、モンゴルからは多数の私費留学生が来日していて、その人たちの中には経済的に豊かな両親の支援を受けている人もいますが、ザヤーさんは私費留学生ではありません。厳正な試験(受験資格だけでもハードルが高い上に、競争率もかなり高い試験です)に合格した結果の、公費による来日です。




モンゴルでの生活費

2007年02月23日 | Weblog
モンゴルでの生活費について、「モンゴルまるかじり」のMongolさん(ちょとネーミングがアレな感じがしますが)が計算してくれていますので、ご紹介します。
大体45,000tg(およそ5000円くらい)が、なーんにもしなかったときの最低基本料金であることがわかりました。

http://ameblo.jp/mongol/entry-10026315915.html
これは、食費も何も入っていない額です。生活費は以下の通り。
おおざっぱに考えると、1ヶ月あたりの生活費は、日本円だと、大体25,000円あれば間に合う感じです。

http://ameblo.jp/mongol/entry-10026315915.html

日本語教師に関しては、以下のように計算しています。
25,000円分をモンゴルで稼ぐとなると、、、在留邦人の方の中でわりとメジャーな職業である日本語教師だと、住居とビザ取得費用が雇用側負担で、1時間(45分)あたり2,500-3,000tgで90分授業が主流の大学だと、1コマで5,000-6000tg。週10コマくらいだと、1ヶ月=4週間で、200,000t-240,000g。税金や厚生年金、健康保険分などを引かれると、この給料から20-39%が天引きされてしまいますが、外国人の場合だと、経理のほうでうまいことやってくれるから、大体、手取りで前述の額はもらえます。

でも、日本人だとネイティブプレミアムがつくからもうちょっと高いみたいな感じ。
学校の校長先生たちの話だと、大体1ヶ月$300あまりの給料を日本人教師には支払っているとのこと。

もっと詳しいことは、リンク先の明細をご覧ください。

このエントリーは以下のように終わっていて、なかなか考えさせられます。
つつましく暮らすこと。貧乏にあえぐこと。

この違いを、私は一生懸命考えながら、モンゴルで暮らすことの豊かさについて考えて生きたいな、と思いました。


私もモンゴルは八年ほど暮らしていたんですが、ずっと街暮らしだったので、ご紹介したブログの方はほんとスゴイです。伴侶の方のご親戚にシャーマンがいて酔っぱらって「呪い殺してやる」とか言われたなんていうエピソードも同じエントリーに出てきます。

採点ボランティア募集

2007年01月05日 | Weblog
ただいまJOCAのモンゴル関係のプロジェクトをアドバイザーとしてお手伝いしているのですが、エッセーコンテストの採点・評価をしてくださるボランティアを募集中です。

プロジェクトについてはこちらをご参照ください。
http://www.joca.or.jp/content/activites/itnl_collabo/mongolia.html

期日:2月4日から8日
内容:モンゴルから送られてくる日本語エッセーを読んで、評価枠(文法的な正確さ、採用の独創性、など)にそった点数をつける。同時に行われる日本語テスト(四択)の採点。エッセーの評価枠はJOCA側で作成します。

期日:2月15日から25日
内容:上記エッセーの文集づくり。(パソコン入力など)

ご興味のある方は以下までご連絡ください。
社団法人 青年海外協力協会
村田亜奈美さん kokusai@joca.or.jp



モンゴルの日本語教師支援

2006年10月14日 | Weblog
モンゴルでは、現地の日本語教師支援も活発で、来週はこんな公開講座も開催されます。これは毎年行われているもので、今までは年に二回、開かれていました。以下に引用します。このブログの管理人である村上は、この公開講座の主催者ではありませんが、講師の桜井さんは親しくさせていただいております。

以下引用

★公開講座「日本語教授法」
日時:2006年10月16日(月)および10月18日(水)
午後6時~8時 全2回 (どちらか1回の受講も可。)
対象:日本語教師、日本語専攻の大学生および日本語教師をめざす人
内容:初級の授業の教え方について
料金:無料
講師:桜井ちよこ
場所:モンゴル日本センター セミナー室1
お申し込み:不要です。当日、直接おこしください。(来場順、先着32名まで。)

日本語教師の収入 アドセンス

2006年10月06日 | Weblog
さっそくkenさんからTBをいただきました。
http://nihongo-kyooshi.seesaa.net/article/17666463.html
ありがとうございます。日本語教師では食っていけないから副業を持とうとのご意見でした。

今はアドセンスについて調べていますが、効果が出てくるまでは半年程度かかるとのことで、そこまでモンゴルの日本語教師に書いてもらえるかどうかが成功のカギとなりそうです。

しかし、たとえ数千円でもモンゴルの日本語教師にとっては大きな意味のある額で、それによって学習者が良質な環境を維持できるのだとしたら、頑張ってみたいと思っています。

もちろんその前に自分が食っていかなければならないんですけど。

日本語教師と収入

2006年10月05日 | Weblog
梅田望夫さんの「ウェブ進化論」を読みました。とても勉強になったことは、「テクノロジーによる富の再分配システム」です。ブログでアフィリエイトなどの仕組みを作ると、物価の安い途上国ではそれだけで充分に生活できるだけの収入が得られるとのことで、梅田さんはそれを富の再分配と呼んでいます。

モンゴルの熱心な日本語教師たちを支援するには、教授法の知識などだけでは絶対的な限界があって、まず第一にその待遇を改善しなくてはならないのですが、今まではモンゴルの高金利などを利用した給与助成などを考えていました。しかし、そんな他力本願の方法よりも、希望する人にブログを開設してもらって、そこから自力で広告収入を得るための支援をするという方が、よほど経済的自立には近道なのではないかと思います。

また、モンゴルでは日本語学習者の数に比べて就職口が少ないという問題もあり、「日本語を勉強しても生活できない」という人がいますが、アフィリエイトなどで収入を得る道があれば、日本語力が経済力に直結することになります。日本語学習者へのアピールという意味でも、有効なのではないでしょうか。

さて、モンゴルへの出張も終わり、また新しい情報などを公開して行こうと思っております。ご期待ください。



行って来ます!

2006年09月09日 | Weblog
11日から16日までモンゴルへ行って来ます。
今のところ守秘義務であまり書けないのですが、地方の日本語教育機関なども行って来ますので、またご報告できるのではないかと思っております。

では、行って来ます!

一時滞っております。

2006年04月19日 | Weblog
更新が滞っております。大変申し訳ありません。

村上は日本に帰国します。これからはモンゴルの日本語教師支援のために日本でいろいろ準備したいことがあります。

モンゴルからは、引き続き新しい情報も更新されますので、今後ともよろしくお願いいたします。

日本語学校求人アンケート

2006年04月08日 | Weblog
今回は、日本人教員が必要ではないという回答をした学校の連絡先をまとめてご紹介します。この中のウランバートル市立第18番学校は、日本語教育の伝統もある、かなりしっかりした学校です。青年海外協力隊の日本語教師を受け入れているため、ここでの求人は必要ないというだけで、日本語の母語話者教員の役割自体を否定しているわけではありません。残りの学校はあまり有名ではないものが多く、受け入れ態勢が取れないといった理由によるものかもしれません。

今回のアンケートの中で求人をしないのは、ただ今ご紹介してる膨大な数の中で、以下のわずか五校です。

学校名:私立トゥグスジャルガラント中学校
担当者:ボロルトヤー(日本語教師)
電話番号:+976 99862654
e-mail:bolortuya_n@yahoo.com

学校名:ウランバートル市立スフバータル地区58学校
担当者:M.ガンチメグ(日本語教師)
電話番号:+976 99276826
e-mail:ganchimeg_mijee@yahoo.com

学校名:私立セルーレグ中学校
担当者:アルサランバータルのツエレンドロゴル(日本語教師)
電話番号:+976 99233711
e-mail:enkh_narantse@yahoo.com

学校名:ウランバートル市立18学校
担当者:D.ルハガワ(日本語教師)
電話番号:+976 99270708
e-mail:tsetsegl@yahoo.com

学校名:私立ナラン中学校
担当者:D.ルハガワ(日本語教師)
電話番号:+976 99270708、+976(11)321826
e-mail:tsetsegl@yahoo.com


ガンガン行きます!・・・が。

2006年03月30日 | Weblog
また新たにアンケートが集まってきています。
今、紙の資料を日本語に翻訳してパソコンに入力する作業をしているんですが、なぜか入力してもらったものがすべて文字化けしてしまい、アップロードできません。
うーん、別のパソコンで一からやり直しです。明日からは、また大量に求人情報をアップしていけると思いますので、よろしくお願いいたします。


子供たちの発展と保護の公共センターへ行ってきました。

2006年02月23日 | Weblog
このブログを立ち上げようと思ったきっかけが子供たちの発展と保護の公共センターとのおつきあいだったのですが、今日は久しぶりに現場へ行ってみました。

ここは、光熱費や人件費なども全部含めて年間六百万トゥグルグの予算しかなく、日本語の教員もみんなボランティアです。以前は大使館のご家族が協力していましたし、今はJICAの関係者のご家族が日本語と手芸を教えています。

そういう人たちですから、日本語教育に関しては、特に専門的な訓練を受けてきたわけではありません。

しかし、ここに来るたびに、日本語教育の原点とはこういうものだったはずだという思いを新たにします。初志に返るというような感じですね。教授法がどうのとか、文型の提出順がどうのとか言う前に、言葉が通じなかった者同士がその障壁を乗り越えようとするエネルギーとか情熱があるんですよね。それにほんの少しでも力を貸すことができれば、それが私たちの存在意義のはず。そういう気持ちを忘れていてはいけませんよね。

前にも書いたとおり、ここでは給与は出ませんから金銭的なリターンはまったく得られませんが、自分とは違う文化的背景の人たちとふれあう興奮とか、学習機会のない子供たちの成長に少しでも役立てる喜びといった、精神的なリターンはたっぷりと受け取ることができると思います。

ご興味のある人は、duya_ds@yahoo.comまでご連絡ください。



月刊日本語に出ています。

2006年01月23日 | Weblog
モンゴルの日本語教育の全般的なことをアルクの月刊日本語の今月の特集に一ページだけですが書いていますので、ご興味のある方はぜひご一読ください。(なお、このURLはおそらく毎月内容が変わると思いますので、2月号の特集は来月にはバックナンバーに移ると思います。

今年は同じくアルクからもう少し詳しい解説の単行本が出る予定で、それにもモンゴルのことをもっと詳しく書いていますので、詳細が分かりましたら、またここでご紹介します。

ここではこれまで個々の教育機関しか取り上げてきませんでしたが、先日の記事のようなことも少しずつ書いていきたいと思います。

モンゴルに帰ってきたんだなあ。

2006年01月21日 | Weblog
年末年始は日本に一時帰国しておりました。
昨年はいろいろな方にお世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。

さて、モンゴルに戻ってきて一週間目だった昨日、日本語の先生を募集している人が私を訪ねてきました。

お客様:日本語学校を作るんで、あんたんとこのサイトで先生の求人を出してくれんかね。
村上 :もちろんですよ。どんな人材が必要なんですか。
お客様:先生には教科書の選定やらコースデザインもやってほしいんだ。
村上 :そうですか。なるほど。では開校前に準備期間が必要ですね。開校予定はいつごろですか。
お客様:来週の月曜日じゃ。
村上 :すみません、来年ですか。
お客様:来週の月曜日じゃ。
村上 :すみません、来年ですか。
お客様:来週の月曜日じゃ。もう教室も机も椅子も、立派なのがそろえてある。
村上 :・・・・・・。

こういう人はごく一部、というより、ここまでスゴイ例は初めてなんですが、こういう経営者がこの国では皆無とは言えないのも、事実なんですよねー。先生がいなくて、シラバス(教える内容)も決まっていなくて教材もない状態で、三日後に開校できるわけないんですが。そういえば聞き忘れたけど、学習者はいるのだろうか。

私は日本人としてはかなりアバウトな人間なんですが、あまり細かいことにこだわりすぎる人は、正直この国では苦労すると思います。モンゴルにいらっしゃる方は、こういう現実も一部にはあるのだということを、頭の片隅に入れておいてほしいと思います。こういう状況を楽しめるような人なら、いうまでもなく大歓迎です。


ついに世界一!

2005年12月13日 | Weblog
昨日、今年度の日本の留学生受入れについての概況がJASSOより発表されました。
皆様のおかげを持ちまして、単位人口あたりの日本への留学生数において、モンゴルが世界一となりました。
【参考URL】http://www.jasso.go.jp/kikaku_chosa/ryugaku_chosa/gaiyou_17.html

民主化直後より日本語教育に関わっているものの一人として、感慨深いものがあります。

人口一万人あたりの留学生の国別比較ですが、上位五カ国のデータは以下のようになっています。

モンゴル  3.69人
大韓民国  3.24人
台湾    1.82人
マレーシア 0.83人
中国    0.62人

なお、各国の人口は外務省の「各国・地域情勢」を参考にしています。
【参考URL】http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/


こんなに日本語教育に熱心なのに、日本人の側がモンゴルで教えることに躊躇している現状は、なんとも歯がゆいものです。日本語教師を目指す皆さん、どうかこのサイトの求人データを有効にご利用ください!