Die Mondsonde -イギリス航海日誌-

2011年春よりLondon勤務。WEのミュージカルと日々の生活を綴ります。
Twitterはmondsonde。

Come on Boys, Come on Wales!

2012-12-04 23:22:21 | イギリス旅行
週末にCardiffまでラグビーのInternational matchを見に行ってきました。本当に何年ぶりかののラグビー生観戦。その昔、アメリカ代表も務めたSOマイク・ハーカス(かっこよかったんですよね~)が好きだったときには秩父宮とかまで観に行っていましたが、こちらにきてからはとんと御無沙汰で、もっぱらテレビ観戦ばかり。テレビでは結構みてたんですけれど、ジョニー・ウィルキンソン(England)も引退しちゃったしねえ、と思っていたらラグビー部の先輩が行けなくなったチケットをくれたので、友達集めて行ってきました。Welsh Rugby Unionのインターナショナル戦シリーズ。アルゼンチン、サモア、ニュージー、オーストラリアと本拠地カーディフのミレニアムスタジアムで闘うDove Men Seriesの最終戦、オーストラリア戦。


カーディフは、実はロンドンのパディントン駅からたったの2時間。First Great Westernです。パディントン駅ですでにWalesの赤のジャージを着た人、オーストラリアの黄色のジャージを着た人で満員な電車(笑)



Cardiffにつくと、街中はラグビー一色。ラグビーの国際試合に合わせて、Walesの国旗だけでなく、対戦相手の国旗も飾ってあります。大通りのホテルやパブも、Walesとオーストラリアの旗を両方掲げていました。これは、ラグビーが「紳士のスポーツ」で、ノーサイドの精神からくるものだそうで、サッカーだと絶対相手チームの国旗を掲げるなんてことにはならないんだそう。


普段はどうか知りませんが、大きい通りは全て歩行者天国に切り替わっていて(大体駅も国際試合仕様で切符とかノーチェックだし)、露天ではWalesのRed Dragonの旗やマフラー、かぶり物を売っていたり、Face Paintingするよーというお兄ちゃんがいたりで、大変なことになっていました。せっかくなのでWalesのRed Dragonのフェイスペインティングをしてもらう我々。



すでに試合開始何時間も前からパブで飲み始める人々。
我々もまずは一杯。
パブの天井にもWales国旗をはじめとして、Six Nations参加国の国旗が飾られています。Walesではサッカーよりも人気が高いといいますが、本当に国民的スポーツなんですね。パブの外でビール飲んでると、ウェールズの赤のジャージをきたおじいちゃん達に交じって黄色のジャージのオーストラリアファンも。おとなですねえ。みんな。それでもフェイスペインティングしてるせいか、ウェールズのおじいちゃんたちは心もち我々にやさしい対応。「試合楽しんでね、Wales応援よろしく!」って言ってくれたちいちゃいおじいちゃんに、友達(ラグビー部出身)は「あのおじいちゃん絶対昔逆ヘッドやって首埋まっちゃったんだよ」なんてひどいこと言っていましたが。


普段がどうかはしりませんが、なんとこの日はどのパブでもビールを出すコップがプラスチック(笑)会場内の客席でもビールは飲めますが、大体みんな開場前から飲んで、試合中も飲んで(サッカーと違って、結構休憩時間でない試合中に買いにいったりします)、試合後なんてパブに入りきらないほどの人で、という感じ。いくら争いにならないからといっても、酔っ払いは酔っ払いですからね、ガラスのコップ割られるくらいならプラスチックのコップで、というところなんでしょう。


14:30キックオフのところ、11:30にはついてしまったのでちょっとだけカーディフ観光。といっても、いくところがない・・(笑)ということでちょっとだけ。


Cardiff Indoor Market
その名のとおり、全天候型のマーケットです。カーディフは、結構アーケードが多くて、其々のアーケードがクリスマス仕様になっていて綺麗でした。マーケットの魚屋は流石港町、ロンドンより品ぞろえ良かったし、ヒラメとか格段に安かったです。

写真はWelsh cakeというウェールズ名物。柔らかいクッキーみたいな、膨らまなかったケーキみたいな(笑)レーズンが入っていておいしかったです。



ついで、カーディフ城。Castleなので、城といっても居住のためのものではなく要塞ですね。元々はローマ人が築いた要塞をノルマン人が補強したものらしいです。城塞の中のNorman Keepと呼ばれるみはり台部分。この築山は人工的なものだそうですが、上に上るとカーディフの街並み、ミレニアムスタジアム、遠くに山々と見渡せます。



城塞の住居部分。18世紀の富豪が手を入れたそうで、中は豪華絢爛。装飾が遊び心満載で、色々なところに動物が隠れています。ステンドグラス、手すり、絵の中、暖炉の装飾といったところに隠れている動物を探して歩くのも一興かも。写真は、アラブルーム。どっかで似たような部屋をみるのですけど、忘れてしまった。ベルリンの博物館だった・・・?いやもっと 身近だった気がする。



いよいよ試合開始。ミレニアムスタジアムに皆なだれ込みます。大きい!75,000人収容とか。全天候型なので安心。



試合前のフィールド。
手前になんか動物がいるのわかりますかね・・・?


Royal Regiment of Wales(ウェールズ連隊?)のマスコットのヤギ君。その昔、クリミア戦争でロシア軍の動静を知らせたことから、勝利の女神的に代々Royal Regiment of Walesで飼われているヤギだそう。ちゃんと階級もあるんですよー。(実は、カーディフ城に行くまでの道にいて、これも一種の大道芸的なものかと思っていたのですけど、カーディフ城地下の戦争博物館ちっくなもので実は従軍ヤギだということを発見しました。大道芸とか言ってごめんなさい。)



手前はウェールズラグビーユニオンの旗、向こうがウェールズの旗。これだけ大きいのでピンと張るために兵隊さんたちも必死で全体重掛けてます。



肝心の試合展開は、というとお互いトライまでは許さず、前半は完全に反則からのPKの応酬。元ラグビー部フォワードの友達が色々横で解説してくれて助かりました。TVで見ていても、反則の種類まではわかってもあのタックルを食らった時のダメージ、とかなんで今ラインの右側に振ったんだとか、何故今のは走らずにキックを選択したのかとかはわかりませんもんね(これはテニスも一緒で、テニス部と観戦していると何故今この位置から打ったのか、とかClearにわかるので楽しいです。次回はぜひフィギュアスケート経験者とスケート見たい。小塚先生よろしく!)。


後半は、Walesが我々の席のほうに向かって攻めてくる展開だったので、こちらサイドは非常に盛り上がりました。これまた前半同様、トライに行きそうな気配は全くなかったんですけど、目の前でスローインとか行われたり、最後のDefence Lineを割ってWalesが攻めてきたりと、それなりにどよめきに包まれるスタジアム。


後ろのおじいちゃんとか、杖ついてビール片手に観戦してるのにずっと「Common Wales, Common Boys!」って応援してました。Boysって結構選手もいい年なのにね。おじいちゃんたちからしたらまだほんのひよっこなんでしょう。もちろん、行け!とか走れ!とか以外にも引きずり倒せ!とかも叫んでましたけど、タックルでは反則にならないからスポーツ的にはOKなのか・・・?


結局、試合は最後の最後までもつれ、80分を超えてオーストラリアが混戦の中から右サイドを走り、Wales選手をひきずりながらトライ。後からテレビをみるとトライっていうよりスローフォワード(ラグビーはいかなる場合でも前にボールを落とす/パスしてはだめ)のように見えて、ノーカウントなはずだったのに。そうしたらWalesの勝利確定だったのに。結局Wales負けちゃいました。それでも乱闘にならず、さっさと(!)去っていくWales人。


ラグビーは紳士のスポーツと呼ばれ、イギリスは紳士の国と言われますが、イギリスはものすごく階級社会・階級意識の強い国ですから、なんでもCity(ロンドンの金融街/大手町と兜町のようなもの)のBankerの間ではラグビーの話はしてもいいけどサッカーの話はダメなんだそう。話題にしても良いスポーツは「上流階級が嗜むスポーツ」で、つまりセーリング、ゲーム(ハンティング/狩猟)、ボート、ラグビーまで。サッカーは「労働者階級」のスポーツだから、Bankerが相手にするような顧客との話題に使ってはいけないそうなんです。こういう、純然たる一線を引いてしまえる国なんですね。酷い国だわ。


帰りのロンドンへの電車でべろべろに酔っぱらったオーストラリア人とWales人が交互にWaltzing MathildaとBread of Heavenを歌ってるところなんかをみると(完全にカオス)全然上流階級のスポーツじゃないじゃん、と思いますけどね。試合の観戦態度とその後のパブでの態度を除けば。


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