Die Mondsonde -イギリス航海日誌-

2011年春よりLondon勤務。WEのミュージカルと日々の生活を綴ります。
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ワーグナーの足跡 -イタリア旅行(3) ヴェネツィア編 2013.08.24-

2013-10-25 00:11:46 | イギリス国外旅行
さて、ムラーノ島を見学したあとは本島に。


船からみたドゥカーレ宮殿、サン・マルコ広場周辺。
ムラーノ島へ行くときは、サン・ミケーレ島が見えましたけど、帰ってくるときは反対方向から回り込んだので、今度はリド島がよく見えました。そう、「ヴェニスに死す」の舞台となったリド島(といっても、それほど思い入れのある映画でもないので、今回はパス)。


それよりも、来たかったのがここ、Cafe Lavena。ヴェネツィアの中心ともいうべきサン・マルコ広場の寺院にほど近いところに位置するこのカフェ、ヴェネツィアを何度か訪れていたワグナーのお気に入りのカフェだったとか。暑さに負けて休みたい私、ジェラートの味よりなにより、とりあえずこのカフェで休憩(笑)お店の中にはこれまたヴェネツィアンガラスだろうと思われるシャンデリアも。



Cafe Lavena
右下がシャンデリア。よくよくみると黒人の人の頭のシャンデリアで、これがワグナーの時代からのものかしりませんが、あんまり趣味がいいとは言い難い。ワグナーにあやかって、ワグナーパフェなるものもありました。如何にも、と思いつつ、ついつい注文しちゃうわたし。ワグナーはジェラート食べたのかしら??(ドイツ人は結構Eiskafeとか好きだからなあ)


今回、サン・マルコ寺院も見学しましたけれど(入るのに並ぶ・・・これが暑い。。。)、外観が修復中だったのがちょっと残念。よって、写真はなし。サン・マルコ(聖マルコ)は、ヴェネツィアの守護聖人で、寺院も広場も彼の名を冠したものですが、ヴェネツィアは元はエジプトに埋葬されていた聖マルコの遺骸をヴェネツィアに運び去り、それから彼を都市の守護聖人としたのだとか。それって本当に守護してくれるのかしらん・・・?と俄かに首を縦に振りがたい話でした。しかし、サン・マルコ寺院はかつてのヴェネツィアの栄華を示すがごとく、豪華絢爛。修復が終わった、金箔がふんだんに使われた外廊の天井は当時の栄光(と裕福さ)を正しくつたえているのでありました。



サン・マルコ寺院
修復中なので、一部だけ。修復すると、こんなにまばゆく、明晰になるんですね。。。
このあと行ったフィレンツェもそうだったけれど、大理石の使い方がとにかく贅沢。


それから、ヴェネツィアの栄華をつたえるもう一つの場所、共和国政府の政庁でもあった、ドゥカーレ宮殿。
ドゥカーレ宮殿
ここも、内部は写真撮影禁止なので写真はありませんが、とにかくひたすら絵で埋め尽くされた建物でした。壁のみならず、天井にもこれでもかと描かれた絵の数々、そしてその絵を飾る金の額縁(というか枠・・・?枠の中に絵があるのか、絵を枠が縁取っているのかわからないくらい。)。広間という広間にテーブルや椅子などが置いていないせいか、とにかくひろい空間の中に圧倒されんばかりのヴェネツィア派の巨匠たちの絵を堪能できます。天井の絵も素晴らしいし、壁にかかっている絵も天井が高いせいで見上げるばかりなので、首が痛くなりますが。大広間のティントレットの天国図にはじまり、所せましという表現でしか表せないほどに天井と壁を埋め尽くしたヴェロネーゼ、ティツイアーノの絵・・・・。ものすごい数のヴェロネーゼの絵を見た。。。


そして、ドゥカーレ宮殿でもう一つ有名なのが、これ、「ため息の橋」。
私は何を勘違いしていたか、ため息の橋とはヴェネツィアのカナルにかかる幾多の橋と同様、屋根のない橋だと思っていたのですけれど、ドゥカーレ宮殿と運河を挟んだ反対側に建てられた牢獄を結ぶ、屋根のある橋です。


ため息の橋。
その昔、牢獄行きを言い渡された囚人が、この橋から入獄前に最後の景色を見てため息をついたので、ため息の橋と呼ばれるのだとか。写真の、網がかかっているようにみえる窓から、外界が見えます。ドゥカーレ宮殿に入ると牢獄へも行けるので、牢獄にも行きましたが、全三階建ての石造りの堅牢な牢獄、高潮の時はどうしてたのでしょう・・・?ため息の橋は絶好の観光スポットでもあるので、ゴンドラも大渋滞(笑)


さて、もうひとつ、ワグナーを感じられる場所、それがここ、フェニーチェ劇場(他にもワグナーが滞在した家とかあると思うのですが。ヴェネツィアで亡くなったけれど、ワグナーはヴェネツィアには埋葬されていないので、墓所はありません)。リゴレットをはじめとしていくつものイタリアオペラの初演の舞台となったオペラ劇場です。もちろん、ワグナーというよりイタリアオペラの真髄たる場所なのですけど、ここにワグナーも来たんだよね、むふふ、と勝手に妄想する分には自由、というか(笑)しっかり、フェニーチェが見えるカフェでもまたジェラート食べました。一体一日何個食べれば満足するのか。



これがフェニーチェ劇場
外見は結構ちいちゃい。ヴェネツィア特有の細い路地を抜けると、これまたなんの変哲もない広場に建っています。フェニーチェ目指して来てなければ通り過ぎてしまうかもしれないような感じ(パリのオペラ座との落差が激しい!)。この日は何もかかっていなかったので見れませんでしたが、それにしても、車で機材を運びいれることができないヴェネツィア、どうやって運びいれるんでしょう?やっぱり船!?



そして忘れてはいけない、イタリア美食の旅。ワインもおいしかったし(この日は白)、普段あまり好んで食べないのだけれど、ニョッキも絶品。



夜のヴェネツィア。
また、夜は夜で水の色が翡翠のようで綺麗。石灰かなにか含まれているような色にも見えます。ヴェネツィアは、船がとまるように(だと思いますけど)木の杭がいたるところに海に差し込まれているのだけれど、これが情緒があってとても素敵。街も、見る角度によっては石の建物、木の杭、その間をゆっくりと進むゴンドラに、時の流れを感じるような、感じないような。

ゴンドラは、結構値段が張りますが、折角ヴェネツィアに来たのだったら試した方がよいと思います。昼もいいけど、おススメは日没から夜にかけて。リアルト橋だけでなく、普通の橋もとても素敵に見えますし、なによりやっぱりヴェネツィアンらしく、水の上からの視点で街を見てみたいですよね。



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