Die Mondsonde -イギリス航海日誌-

2011年春よりLondon勤務。WEのミュージカルと日々の生活を綴ります。
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花の都-イタリア旅行(4) フィレンツェ編 2013.08.25-

2013-11-11 00:19:06 | イギリス国外旅行
イタリア旅行、最後の都市はフィレンツェ。だいぶ間開きましたね、ヴェネツィアから。


ドゥオーモから見るフィレンツェの街並み。

フィレンツェは、とにかく美食と美術の街。名だたるイタリアの都市はみなそうだろう、と言われてしまえばそれまでですが。何しろ、予約しないと大層並ぶ美術館がまちのそこここにあります。今回の目的は、もちろんウフッツイ美術館(いつも舌かみそうになる)、そしてアカデミア美術館。でも、それよりも楽しみにしていたのはメディチ家の墓所となっている



サンタ・マリア・ノヴェッラ教会

まずは、ホテルをこのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会を望むところにとったので、ここからスタート。この教会は入場時間と曜日が限られているので、同行者も中には入ったことがなかったということで、教会の門があくまで、広場でエスプレッソ。大理石のファサードがとても綺麗な教会。フィレンツェの教会は教会正面のファサードが特に豪華。白、緑、ピンクの大理石の使い方がまた幾何学的で他の都市の大理石の使い方と一味違うな、と思います。しかし、全面大理石のドゥオーモは別として、横の石積みとファサードの差が激しかったりして、正面だけか!と思うこともあり。

この教会にも、後世に名を残した有名な画家の絵画があったり、ブルネレスキやジオットの十字架があったり、宗教と芸術の一体性を非常に感じます。中は落ち付いた雰囲気で表のファサードからは想像できない大きい教会でした。


内回廊。
くっきりした影ができるような日差しが羨ましい。。。


お次は、フィレンツェといったら、のサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂


Cattedrale di Santa Maria del Fiore

偉容すぎてカメラに収まりきれません。この写真は正面ファサード方向から撮ったものですが、後ろのクーポラがちょっとしか写っていないし。ドゥオーモの名で親しまれる(?)サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂、この教会部分と、横の鐘楼、手前の八角のサン・ジョバンニ洗礼堂、それから奥の付属美術館からなります。大聖堂内部への立ち入りは無料だけど(でも、なぜか並ぶ。なぜ?入り口が狭かったのか?)、クーポラ含むその他の施設へは有料(共通券あり)。大聖堂内部は3万人入るとかで(本当・・・?)本当に広いので、観光客がいてもそれほど混んでいる感じはありません。床にも大理石が嵌められていて、どれだけ大理石使ってるんだ、という感じ。しかし、この緑の大理石、いい感じ。大理石というとなんか白か茶色かマーブルか、というイメージだったのですけど、今見てもこのドゥオーモの配色はモダン。しかも、こんなに大きい大聖堂なのに、壁面360度大理石、一本一本の柱のねじれ方、装飾の形が違っていて、圧巻。



縦にしたら今度クーポラが入らない。


これがサン・ジョバンニ洗礼堂。
この角度だと教会も隠れてしまう。柱のよこしましまが素敵。東側の扉には有名な天国の扉がありますが、現在洗礼堂にあるものはレプリカで、本物はミケランジェロの未完のピエタとともに付属美術館にあります。付属美術館は、見逃しがちですけれど、天国の扉の1枚1枚の解説がついていたり、未完のピエタを間近でみれて訪れる価値あると思います。未完の作品というのは、美術品の場合、「どこから手をつけるのか」が知れて面白いですよね。絵だったら顔から行くのか、おおざっぱに描いてから細かく入れ込んでいくのかとか、彫刻にしても未完の部分には鑿の後がしっかり残っていたり。(音楽の場合はまた別だけど)


実は、時間のやりくりの関係からクーポラは次の日の朝に登りました。同行者が閉所恐怖症でクーポラに至る階段を登ることを拒否したので、別行動(笑)クーポラは入場制限しているので、余裕見ていった方がいいですね。おススメは朝イチ。他の美術館とかが開く前だと時間節約できますし。


ということで、この日は、ヴェネツィアから朝車で来て、サンタ・マリア・ノヴェッラ、サンタ・マリア・デル・フィオーレ、アカデミア美術館、ポンテ・ヴェッキオ、ウフィッツィ、ダンテの家とめぐりました。この間にジェラート2回は食べたな。あれ、3回?



ポンテ・ヴェキオ
なんか、外見は思っていたよりずっと汚らしい橋だった。「フィレンツェに来たらポンテ・ヴェキオでお買いもの!」という人もいるみたいですが、私は全く思い入れがなかったので、正直このレベルならパスしてジェラート食べてた方がいいな、という感じ(まだ食べるのか!という意見はさておき)


橋の上は、金や貴石のお店が立ち並んで綺麗でしたが。橋自体は普通(笑)


さて、ウフィッツイとかアカデミアとかは内部の撮影が禁止なので写真はありませんが、アカデミアではダヴィデ像の大きさにびっくりし(笑)、教会の金箔の祭壇画の作り方特集に夢中になり、ウフィッツイでは足が棒になる思いをし、ミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、ボッティチェッリ、(またも)ティツイアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼ、の絵を堪能し、思いがけずレンブラントの自画像(好き)に遭遇し、ルーベンスの巨大な絵も見れて大満足でした。ウフィッツイの3階かなんかにあるテラス、ここからクーポラと共和国広場?が綺麗に見えて、意外といいスポットでした。



夜は、絶対食べなきゃ、と決めていた右下のTボーンステーキ、フィオレンティーナ。
右上からカラスミのカルパッチョサラダ、パスタ2種類(なんだったかしら?クリーム系のパスタがちょっとかわったパスタだった気がするのですけれど、すでに覚えていない。これもカラスミだった?)、メインのフィオレンティーナ。このステーキ、見て分かるように怖ろしい量でしたけれど(2人前)、オリーブオイルをかけていただくと絶品。あっという間に食べてしまいました。うー、おいしかった。


次の日はメディチ家の教会でもあるサン・ロレンツォ聖堂とメディチ家の礼拝堂、メディチ・リッカルディ宮、クーポラとメディチ家特集(クーポラ違うけど)。メディチ・リッカルディ宮はルカ・ジョルダーノ好きの私には外せない・・・(笑)しかし、大好きなルカの絵といえど、天井のフレスコ画はじっくり見るには首が痛い!



サン・ロレンツオ聖堂と後ろのメディチ家の礼拝堂。
この教会は、ファサードの建設が諸事情により中止になったので、なんだか他のフィレンツェの教会に比べると外見が劣る(笑)しかし、内部はメディチ家の総力を挙げてとても豪華。特に、礼拝堂の内部は写真禁止なのが残念、というくらいの豪華さ。というか大理石の概念が覆る(笑)といってもいいほどに、一面大理石。壁の一部に大理石が使われている、のではなく、壁の紋章から床、文字に至るまで全て大理石が嵌めこまれているんです。わー・・・・。とにかく、息を飲むというか、礼拝堂の階段を上がって吹き抜けの本堂にたどりついた瞬間に言葉を失うくらいの、豪華さです。これが全て大理石とは。(ポンテ・ヴェキオにいくくらいならここに行った方がよっぽどいいと思う。)聖具室にはミケランジェロの彫刻もあるし。


と、美食と芸術の旅となった今回のイタリア旅行。やはり車があると違うなーと思ったのでした。自分で運転してないくせに。

ワーグナーの足跡 -イタリア旅行(3) ヴェネツィア編 2013.08.24-

2013-10-25 00:11:46 | イギリス国外旅行
さて、ムラーノ島を見学したあとは本島に。


船からみたドゥカーレ宮殿、サン・マルコ広場周辺。
ムラーノ島へ行くときは、サン・ミケーレ島が見えましたけど、帰ってくるときは反対方向から回り込んだので、今度はリド島がよく見えました。そう、「ヴェニスに死す」の舞台となったリド島(といっても、それほど思い入れのある映画でもないので、今回はパス)。


それよりも、来たかったのがここ、Cafe Lavena。ヴェネツィアの中心ともいうべきサン・マルコ広場の寺院にほど近いところに位置するこのカフェ、ヴェネツィアを何度か訪れていたワグナーのお気に入りのカフェだったとか。暑さに負けて休みたい私、ジェラートの味よりなにより、とりあえずこのカフェで休憩(笑)お店の中にはこれまたヴェネツィアンガラスだろうと思われるシャンデリアも。



Cafe Lavena
右下がシャンデリア。よくよくみると黒人の人の頭のシャンデリアで、これがワグナーの時代からのものかしりませんが、あんまり趣味がいいとは言い難い。ワグナーにあやかって、ワグナーパフェなるものもありました。如何にも、と思いつつ、ついつい注文しちゃうわたし。ワグナーはジェラート食べたのかしら??(ドイツ人は結構Eiskafeとか好きだからなあ)


今回、サン・マルコ寺院も見学しましたけれど(入るのに並ぶ・・・これが暑い。。。)、外観が修復中だったのがちょっと残念。よって、写真はなし。サン・マルコ(聖マルコ)は、ヴェネツィアの守護聖人で、寺院も広場も彼の名を冠したものですが、ヴェネツィアは元はエジプトに埋葬されていた聖マルコの遺骸をヴェネツィアに運び去り、それから彼を都市の守護聖人としたのだとか。それって本当に守護してくれるのかしらん・・・?と俄かに首を縦に振りがたい話でした。しかし、サン・マルコ寺院はかつてのヴェネツィアの栄華を示すがごとく、豪華絢爛。修復が終わった、金箔がふんだんに使われた外廊の天井は当時の栄光(と裕福さ)を正しくつたえているのでありました。



サン・マルコ寺院
修復中なので、一部だけ。修復すると、こんなにまばゆく、明晰になるんですね。。。
このあと行ったフィレンツェもそうだったけれど、大理石の使い方がとにかく贅沢。


それから、ヴェネツィアの栄華をつたえるもう一つの場所、共和国政府の政庁でもあった、ドゥカーレ宮殿。
ドゥカーレ宮殿
ここも、内部は写真撮影禁止なので写真はありませんが、とにかくひたすら絵で埋め尽くされた建物でした。壁のみならず、天井にもこれでもかと描かれた絵の数々、そしてその絵を飾る金の額縁(というか枠・・・?枠の中に絵があるのか、絵を枠が縁取っているのかわからないくらい。)。広間という広間にテーブルや椅子などが置いていないせいか、とにかくひろい空間の中に圧倒されんばかりのヴェネツィア派の巨匠たちの絵を堪能できます。天井の絵も素晴らしいし、壁にかかっている絵も天井が高いせいで見上げるばかりなので、首が痛くなりますが。大広間のティントレットの天国図にはじまり、所せましという表現でしか表せないほどに天井と壁を埋め尽くしたヴェロネーゼ、ティツイアーノの絵・・・・。ものすごい数のヴェロネーゼの絵を見た。。。


そして、ドゥカーレ宮殿でもう一つ有名なのが、これ、「ため息の橋」。
私は何を勘違いしていたか、ため息の橋とはヴェネツィアのカナルにかかる幾多の橋と同様、屋根のない橋だと思っていたのですけれど、ドゥカーレ宮殿と運河を挟んだ反対側に建てられた牢獄を結ぶ、屋根のある橋です。


ため息の橋。
その昔、牢獄行きを言い渡された囚人が、この橋から入獄前に最後の景色を見てため息をついたので、ため息の橋と呼ばれるのだとか。写真の、網がかかっているようにみえる窓から、外界が見えます。ドゥカーレ宮殿に入ると牢獄へも行けるので、牢獄にも行きましたが、全三階建ての石造りの堅牢な牢獄、高潮の時はどうしてたのでしょう・・・?ため息の橋は絶好の観光スポットでもあるので、ゴンドラも大渋滞(笑)


さて、もうひとつ、ワグナーを感じられる場所、それがここ、フェニーチェ劇場(他にもワグナーが滞在した家とかあると思うのですが。ヴェネツィアで亡くなったけれど、ワグナーはヴェネツィアには埋葬されていないので、墓所はありません)。リゴレットをはじめとしていくつものイタリアオペラの初演の舞台となったオペラ劇場です。もちろん、ワグナーというよりイタリアオペラの真髄たる場所なのですけど、ここにワグナーも来たんだよね、むふふ、と勝手に妄想する分には自由、というか(笑)しっかり、フェニーチェが見えるカフェでもまたジェラート食べました。一体一日何個食べれば満足するのか。



これがフェニーチェ劇場
外見は結構ちいちゃい。ヴェネツィア特有の細い路地を抜けると、これまたなんの変哲もない広場に建っています。フェニーチェ目指して来てなければ通り過ぎてしまうかもしれないような感じ(パリのオペラ座との落差が激しい!)。この日は何もかかっていなかったので見れませんでしたが、それにしても、車で機材を運びいれることができないヴェネツィア、どうやって運びいれるんでしょう?やっぱり船!?



そして忘れてはいけない、イタリア美食の旅。ワインもおいしかったし(この日は白)、普段あまり好んで食べないのだけれど、ニョッキも絶品。



夜のヴェネツィア。
また、夜は夜で水の色が翡翠のようで綺麗。石灰かなにか含まれているような色にも見えます。ヴェネツィアは、船がとまるように(だと思いますけど)木の杭がいたるところに海に差し込まれているのだけれど、これが情緒があってとても素敵。街も、見る角度によっては石の建物、木の杭、その間をゆっくりと進むゴンドラに、時の流れを感じるような、感じないような。

ゴンドラは、結構値段が張りますが、折角ヴェネツィアに来たのだったら試した方がよいと思います。昼もいいけど、おススメは日没から夜にかけて。リアルト橋だけでなく、普通の橋もとても素敵に見えますし、なによりやっぱりヴェネツィアンらしく、水の上からの視点で街を見てみたいですよね。


水の都、ヴェネツィア -イタリア旅行(2) ヴェネツィア編 2013.08.24-

2013-10-22 23:57:36 | イギリス国外旅行
次の日は、車でヴェネツィアに移動。ヴェネツィアの島にはいかなる車両も入れませんので、島の入口の駐車場に車を停めてそこからは徒歩で移動です。本当に、移動手段は徒歩か水上の乗り物なんだねーと感動。百聞は一見にしかず、とはよういったもので、ヴェネツィアのそこかしこに、というか5mおきくらいに運河に橋がかかり、道端の階段は海へと続き、そこから出たゴンドラや水上タクシーがそこかしこで交差しているという風景は、想像していたヴェネツィアをはるかに超えるものでした。



ヴェネツィアの水路。本当に玄関は水路に面してる・・・。



陸路でヴェネツィアに入るには、入り口まで車か、バスか、電車。水上を颯爽とはしる電車は規模の大きい千と千尋みたい。


さて、ヴェネツィアでやりたいこと、みたいところはたくさんあるのだけれど、今回は時間も限られているので、まずはヴェネツィアンガラスのムラーノ島へ。



ムラーノ島へは、定期の水上バス(響きがかっこいい)も出ていますが、ホテルのフロントで「ムラーノ島へ行きたい」と言えば、大抵ホテルと通じてる(響きがいけない)ムラーノのガラス工房が行きの水上タクシーはただで手配してくれます。ガラスを買えば帰りのタクシーも手配してくれます。ただで。ガラスを見るだけでちっとも買いたくない人は、買わないように頑張れば、行きはただ、帰りは定期の水上バスで帰ってこれるのではないでしょうか。

その昔、ヴェネツィアのガラス職人たちはガラス技術の流出を防ぐために島に閉じ込められたのだとか。想像していたより、大きな島で、ちょっと安心しました(笑)



我々が見学した工房のグラス。
綺麗。地震のまったくない国に生まれたら、是非ともこういうグラスを集めて飾っておきたい。。。お皿にしても、グラスにしてもそうだけど、飾るというところまでは意識がまわらないものねー、日本だと。工房には、一体いくらするのだろう、と思うような全てヴェネツィアンガラスのシャンデリアや、置物なども置いてありました。アクセサリーやグラスのイメージしかなかったのですけど、あたりまえですよね。ヴェネツィアンガラスのシャンデリアは、泊ったホテルの天井も飾っていて、壊れない環境にあっては何十年も使えるものなんだなー、と感心。



ムラーノ島

この海の色の綺麗なこと。ヴェネツィアの海はなんとも言えない碧。イギリスの海とも、日本の海とも色が違うんですよね。もちろん、ニースの海とも。同じ水なはずなのに。空の青と海の碧、この二つに挟まれたイタリアの赤褐色のレンガの街並みと白いボートがとても映えます。やっぱりイギリスにもこの空の青さが欲しいわー。


とはいえ、この日は、快晴。暑くて暑くて、普段それほど気温の上がらないロンドンから来た私はもうじりじり焼かれてへとへとになっていました。あつーいー、あつーいー、といっては日陰を選んで歩き、すぐジェラートに目を奪われ(目だけでなくお金もジェラートに奪われて行きましたけど)・・・・。このイタリア旅行で一体いくらジェラートとグラニテに散財したことか。かなりの味を食べつくしました。グラニテもつめたくって、まるで日本のかき氷のようで、すっかりお気に入りに。。。


そうそう、ヴェネツィアからムラーノ島へ行く時に、ちょうど右手に墓地の島、サン・ミケーレ島が見えました。水の都、ヴェネツィア。墓地もミスの上です。ここに眠る音楽家はロシアのストラヴィンスキー(ヴェネツィアで死んでないけれど)。それから、ストラヴィンスキーと懇意にしていたバレエプロデューサーのディアギレフ。高潮の度に浸水し、いつの日か水没するのじゃないかと思ってしまうヴェネツィア。水没の日がきたら、ディアギレフもストラヴィンスキーも海へと旅にでるのでしょうか。それはそれで、ちょっと素敵だな、と思わないでもないです。

Arena di Veronaで見るリゴレット -イタリア旅行(1) ヴェローナ編2013.08.23-

2013-10-19 20:45:50 | イギリス国外旅行
夏休み、4連休を取ってイタリアまで行ってきました。8月のはなしですが。3泊4日でヴェローナ、ベネチア、フィレンツェをめぐる、結構強行軍(笑)都市間の移動が車だったので、タイムロスが少なかったのが幸いです。


ヴェローナ。
弧をえがくようにヴェローナを囲むアディジェ側からみた風景。市街地は右側。


今回のイタリア旅行、メインイベントは実は初日の夜、ヴェローナでのオペラ鑑賞。Proms同様、ヴェローナでも夏に音楽の祭典(というかオペラなんだけども)が開かれるのですが、それがなんとローマ時代の遺跡のアリーナを使って上演されるんですね。開演は9時、アリーナの1/3くらいを舞台にして行いますから、大げさな仕掛けができることでも有名で、アイーダとか本物の象がでてきたりするそうです。
http://www.arena.it/en-US/arena/opera-festival-2013.html#.UizJtr6OLFg

朝7時の飛行機だったので、ヴェローナについたのはまだ午前中、オペラが始まる9時までたっぷり街を観光できました。


これが、オペラを上演する舞台となるアリーナ、Arena di Verona。2万人以上入るんだとか。見た目もっと入りそうでしたので、舞台でつぶさなければもっと収容人数上がるのかもしれません。左側の方に、一部外壁が残ってますが、本当に2000年この形を保っていて、使用に耐えうるのは単純に、凄い。野外アリーナだから、2000年間もの間雨も降れば強い日差しのときもあったわけで。。。街の中心に、このアリーナがどっしり構えているのは凄く新鮮でした。他のヨーロッパの都市、って、やっぱりマーケットだったり教会だったり市庁舎だったりが中心になってますし。ヴェローナにももちろんそういった場所はあるのだけれど、それ以上にこのアリーナの威容に圧倒されます。


ヴェローナは、このArena di Veronaの他にもロミオとジュリエットの舞台となった街として名を馳せていて、ジュリエッタの家、とかジュリエッタの墓とか観光名所になっています。


Casa di Giulietta

これは、ジュリエッタの家にある、ジュリエッタのバルコニー。中に入るのにはお金取られます(笑)(6ユーロ)カプレッティ家、ではなくジュリエッタの家になっているところがちょっと悲しい(笑)バルコニーに上がっても、誰か下でまっててもらわないと写真とれないし、ロミオとジュリエットごっこをするには観光客であふれかえっているので、ちょっと恥ずかしいにもほどがある・・・(笑)ちなみに、シェイクスピアはヴェローナを訪れたことはないそうですが。ジュリエッタの家自体は、結構奥行きが深く、ジュリエッタのバルコニー以外にもいくつもの部屋を見ることができるので、まあ、よかったかも。壁や天井の装飾が綺麗でした。バルコニーに面したところは中庭になっていて、そこにジュリエッタの銅像があるのですけど、なんだか観光客がみんなお触りしていて微妙だったわ。ロミオ以外触るの禁止、とジュリエットも言いたいことでしょう。余談ですが、ヴェローナに行く前日のPromsのプログラムが奇しくもロミオとジュリエットの序曲でした。ロッテルダム管の演奏は、個人的にはかなりイマイチで、面白味と緊張感に欠ける序曲だったのが難点でした。



他にも、エルベ広場付近にある綺麗な階段、ダンテの考える人(笑、招かれてこの都市で神曲を書いたのだとか)、スカラ家の墓(ミラノじゃないよ)時計塔など。小さいながらに街の中心地にぎゅっと凝縮されてます。ちなみに、エルベ広場は元々集会や処刑(!)等に使われていたそうで、広場の真ん中のランドマークには鎖がついてるんですよ。こわ・・・。交通の要衝としてローマ時代から栄えたこのヴェローナ、アリーナだけでなく道の名前にも「ローマに至る道」なんてついていたり、地面の下にローマ時代の遺跡があったり、ローマ時代からの城壁が残っていたりします。


街の中心部からちょっと外れると、カステル・ヴェッキオという、川に面した12世紀の古いお城(現在は美術館で、宗教画がこれでもかとあります)があったり、サン・ゼーノ・マッジョーレ教会という素敵な教会があったりします。カステル・ヴェッキオは中に入らずともスカリジェッロ橋を渡ってみると中世の雰囲気が感じられるかも(笑)


Basilica di San Zeno Maggiore

ヴェローナの守護聖人である聖ゼーノの名を冠するロマネスク様式の教会。観光客も少なく、静かな教会でした。写真の通り、外は晴天、28度の予報でしたけど日差しが強くて強くて。ひいひいいいながらたどりついた教会の中は光と影のバランスが美しく、そしてとても涼やかな空間でした。気にいった。この正面の写真、一番上の三角形のファサード部分は真っ白に見えますが、実は薄く彫ってあるらしく、特殊な光線をあてないと見えないのだとか。これは、ずっとヴェローナ市民も知らず、つい何年か前の修復作業中に偶然発見されたのだとか。色々な角度からみましたけど、やっぱりみえず(笑)しかし、教会という、昔の時代は文字が読めない市民のために絵やレリーフなどで信仰を表現していた場にあってなぜ正面に見えないものを浮き彫ったのでしょう?心の目で見よ、ということ???


教会内部。ファサード裏には銅でできたサン・ゼーノの生涯を表す巨大な扉がありました。それからファサードのバラ窓。ステンドグラスもなにもない窓ですが、それがかえって教会内部にこんな美しい光を生み出すことに。


そんなこんなでアリーナ脇のイタリアレストランでヴェローナの甘口ワインであるアマローネをいただきながら夕食を食べ(それまでにジェラート2回、グラニテ1回たべてしまた。暑くて)、時間も潰れたところで9時の開演を待ちます。レストランは、オーナーがいきなりアリアを歌いだしちゃったり(無駄にいいテノールだった!)、ご飯もとてもおいしかったりで大満足。みんなオペラを見に行くので、きちんと間に合うようにサーブしてくれます。




レストランのサービスプレート。これ、ヴェルディのお皿なんですよ。有名なオペラのシーンを描いたものですが、いくつわかるかな?ヴェルディよりワーグナーが好きな私としてはワグナーのこういうプレートがあったら速攻買ってるな。指環だけのプレートでもいいし、タンホイザー、トリスタン、マイスタージンガーなどの詰め合わせも素敵(実は、今回の同行者はオペラ仲間なるも元イタリア駐在で、イタリアオペラ至上主義、ワグナーよりよほどヴェルディやドニゼッティの方がすき、という人で、いつもワグナー大好きな私とは言い争いになるのです(笑)。なので、その人は例によってワグナーのお皿だったら買わないよーとか言うし。いいんですよ、私が買うんだから、あったらだけど。


みんな色々なところから見にくるんですね。レストランで一緒になった人はザルツブルクから来たといってたし、ジェラート食べてたときの隣の人はスイスからだった、オペラで後ろに座った人たちはフランス語話してたました。

そして、9時、暗くなっていよいよ本日の大イベント、リゴレット開幕。
・・・と思ったら、小雨がぱらついて舞台は始まらず(笑)。歌手はともかく、オケも野天ですからね、濡れたら一大事です。15分押して、漸く舞台が始まったのですが(幕がないので、幕が上がるという表現はできず)、なんと最初の宮廷の場面で数小節歌ったところでまたも雨がぱらつき、あっという間に一時休演。歌手も、オケも、潔いほどの舞台の去りっぷりでした(笑)。雨はそののち小雨に変わり、15分くらい振りましたが、劇場のプログラム売り子さんたちもなれたもので、雨が降ったらビニールの簡易レインコートを売り始めました。(これが、上がったらプログラム、後半になって冷えてきたらブランケットと、なかなかやりおるのです)2回目の中断のときは、面倒だったので席に着いたままだったのですけれど、アリーナ席ではウェーブが始まり、観客の一人が歌を歌いだし(これまたしっかりした歌声)、なんだかんだで盛り上がってました(笑)こういうお祭り気分も、音楽祭の一つの要素ですね。

水色っぽいの来てる人はレインコート組(笑)

【本日のキャスト】
The Duke of Mantua:Gianluca Terranova
Rigoletto:Leo Nucci
Gilda:Aleksandra Kurzak
Sparafucile:Paolo Battaglia
Maddalena:Anna Malavasi

Conducted by Riccardo Frizza


今回は、平土間に席をとったので、2000年前の観客のようにアリーナ席からの景色ではありません。これは、2幕と3幕の間にとったもの。マッダーレナ達の本拠地のセットを舞台上で組み立てているところです。舞台のセットの出し入れ口に高さ制限があるため、高いものや大きいものは舞台上で大工工事して立てていくんです。面白い。広い舞台を活用すべく、最初の宮廷のシーンではとにかく大人数が出てくるし(笑)ジルダをさらいに行くシーンも。楽団も、宮廷楽団のように衣装を身にまとって一部舞台の上で演奏していました。3幕なんて、舞台下手から中央にかけて川を作り、そこをジルダとリゴレットが小舟で行くというシーンも。そのときにジルダの手をとって小舟から降ろしてあげるリゴレットが、黒マントをしていたこともあり、オペラ座の怪人みたいでした(笑)


さて、オペラそのものは、レベルが高く、マントヴァ公爵、ジルダ、リゴレットの主役3人、全く申し分なかったです。特にジルダのAleksandra Kurzak。3幕は最後死にゆくシーンも含めて圧巻でした。折しも舞台上には月がでてきていて、夜空の下のアリーナに響き渡る見事なコロラトゥーラを堪能しました。。。。ところで、アレクサンドラ、ロベルト・アラーニャの今の奥さん(であってますかね)で、8月の頭に懐妊を発表したばかりでした。夜公演、しかも雨あがりで寒いなか、刺されたり袋につめられたり、地べた(とはいわないけど)で寝かされたりと、体に触らなかったかしら?とちょと心配になっちゃったのでした(実はブログにアップできていませんが、7月にはロベルトの前の奥さんのアンジェラ・ゲオルギューのつばめも見に行ってたのです、ははは。アラーニャはしばらくみてないな)。マントヴァ公爵は、無邪気な感じが上手くでていましたし、女心の歌もよかった。最後、リゴレットが復讐の完遂を信じているところに響く女心の歌、舞台そでではなく舞台の上のセットの中で歌っていたので、音量が大きかったですが。リゴレットは、イタリアを代表するバリトン、レオ・ヌッチです。レオ・ヌッチのリゴレットですよ。歌も、演技も、文句のつけようがありません。はー。さむかったですがいいものみた。2幕最後にちゃんとアンコールにも応えてくれましたしね(ロンドンでは幕間アンコールなんてないからびっくりしましたけど)。

BBC Proms (3)

2013-09-11 22:46:06 | クラシック(オペラ含)
Proms Last Nightはロンドンにおいて夏の終わりを感じさせる風物詩ですが、本当にLast Nightが終わった次の日から一気に寒くなりました。
暖房つけ始めた、なんていう話もちらほら。。。いかん、Promsの感想書き終わるころには冬になっているんではなかろうか。




【Prom17:7月25日】
John McCabe/Joybox
Beethoven/Symphony No.7
Falla/The Three-Cornered Hat(Clara Mouriz mezzo-soprano)
Ravel/Bolero

BBC Philharmonic
Conducted by Juanjo Mena

今回のPromは、The Apotheosis of the Danceという副題がついていました。この文句は、ワグナーがベートーベンの7番に対して言った言葉ですね。ワグナーイヤーだからこの言葉、ということではないと思いますが、Promの各曲も踊りに関わるものばかり(BBC委嘱作品のJoyboxは知りませんが、10分弱の小品ながらも、色々パーカッションも多用して楽しい曲でした。)

冒頭のJoybox、作曲家はStallsに座っていたのですけれど、相当高齢らしく、Menaが舞台から飛び降りてアリーナつっきり、Stallsまで握手しにいっていました。普通は観客の拍手に答えて作曲家が舞台に登場するのですけど、労をかけさせたくなかったのでしょう。Menaやさしいなあ。

ベートーベンの7番、普段はメインに持ってこられることが多いようにも。というか、ベートーベンの7番好きすぎて、このPromもそれをメインにチケット抑えたのでした(といっても、Circleですが。BBCフィルとかだとCircleすごい安いから助かる)。Menaの7番、私の愛聴するフルトヴェングラーには及ばずとも、どっしりしたいい演奏でした。BBCフィルも、弦は弾ききり、管のアンサンブルもよかった。ニールセンに引き続き、ティンパニストは今日もいい仕事をしていました。ティンパニストがいい楽団の演奏はひきしまる。フルトヴェングラーの7番は、中学生のときに7番をオケで演奏することが決まったときに初めて買ったCDだったので、昔から今に至るまで、私のマスターピースな存在です。今思うと、なぜカラヤンじゃなかったのか、謎きわまりないですが、CD聴いて楽譜見て、2楽章の最初の管のアンサンブルの音の長さにびっくりした思い出が(てあれ、この話去年バレンボイムで7番みたときにしたかもしらん)。7番といえば、最近のだめで取り上げられたからか、普段クラシックを聴かない人からも7番いいね、といわれることが増えたような気がします。といっても、のだめみてないからどういう取り上げられ方をしたのか分かりませんが。ちなみに、以前、そのクラシックは全然きかないけどのだめで取り上げられたのは知ってる、という人が家に遊びにきて、前述のフルトヴェングラーの7番をCDラックから引っ張り出してかけたのですが、「これ知ってるのと違う」と同じ7番だと信じてもらえませんでした笑。のだめがどういう演奏だったかわかりませんが、まあフルトヴェングラーじゃないだろうなあ・・・。


さて、後半、Menaは、Fallaのときはもう自分もステップ踏んでるのじゃないかと思うくらい、踊ってました。今回、後半はFallaの参画防止とRavelのボレロですが、普段よりも舞台が張り出して設置されていて、その部分でスペインの舞踏団が音楽に合わせて踊る、というなかなかの趣向。ボレロの音楽に集中したかった人には残念だったと思いますが、こういうのもなかなかみれないので楽しかったです。それにしても、スペインの舞踏団は男くさい。女性はみな小柄で綺麗でフラメンコのステップもそれは軽快に踊るのですが、男性陣、黒のシャツの第三ボタンくらいまではずし(ボレロのときはソレすら脱いで上半身裸)、汗で濡れた黒髪振り乱して踊る姿は壮絶な色気でした(でも私の趣味じゃないけども)。三角帽子はストーリーに則った展開に踊りが入る形。そのまま、アンコールのようにボレロに突入。ボレロがおわったときの観客の喜びようといったら!Menaは、カーテンコールで自分は一歩下がってこの舞踏団を全面に押し出してましたが、舞踏団のトップダンサーに何度も何度も正面に引きづり出されていました。


【Prom23:7月30日】
Mozart/Masonic Funeral Music
Schumann/Symphony No.2
Mozart/Piano Concerto No.25(Paul Lewis)
Sibelius/Symphony No.7

Mahler Chamer Orchestra
Conducted by Daniel Harding
(as Encore:Mozart/Symphony No.41 “Jupiter” 4th movement)


対抗配置のマーラー室内管弦楽団による、Mozart2曲、シューマンとシベリウス。うーん、オケも指揮者も始めて生で聞きましたが、率直に言ってしまえばどちらも好みではありませんでした。オケは、室内管ということもあり、小編成、まあ、そこはいいのですがオーボエの音が好みじゃない(すみません、首席オーボエ奏者は日本人の方みたいですが)。1曲目のモーツアルトは聞いたことない曲でしたが、これ、Masonicってフリーメイソンのことなんですね。Hardingと、モーツアルトのピアノ協奏曲を弾いたLewisは同級生とのことです。カーテンコールではそれほど仲良さそうにみえなかった二人ですが、面白い。シベリウスの7番はまあよかったです。かなり大人しめで個人的好みから言えば物足りなかったでしたけれど。最初のモーツアルトと最後のアンコールのモーツアルトがよかった。モーツアルトのサンドイッチだったんですね、今日のプログラム。


【Prom27:8月2日】
Naresh Sohal/The Cosmic Dance
Rachmaninov/Piano Concerto No.3(Nikolai Lugansky)
Tchaiovsky/Symphony No.5

Royal Scottish National Orchestra
Conducted by Peter Oundjian

この日は、珍しく私が買ったチケットではなく、人からもらったチケット。ので、普段だったら絶対かわないクワイア席。RAHではStallsとクワイア席は買わないようにしているのですけど、最初がBBC委嘱作品のバリバリ現代音楽(苦手)、案の定目の前に各種打楽器が揃えられてしまい、音のバランスがよくなかったです。指揮者はよーくみれるのですけど、自分でチケットかってないことからわかるように、指揮が滅茶苦茶みたい、というほどの人でもなく。。。でもルガンスキの手元がばっちり見れたのはよかった。ウィンドマシーンがよく見えました。あれまわしてみたい。でも、現代音楽は苦手。特に、これでもか、と色々な打楽器が舞台に用意されているのを見るだけで内容考えてうんざりです。

今年のプロムス、ワグナーとヴェルディの二枚看板に加えて、チャイコフスキーの交響曲全曲、それからポーランド作家特集、イギリスのバントック特集と小テーマがいくつもあるようです。この日は、その中からチャイコフスキーの5番。といっても、今回のPromで聞けたのは2、5、6だけで。今日のPromは、3曲しかないのに一曲一曲の間に休憩がはいる、ちょっと特異な方式。ちょっとだれる観客。ルガンスキー先生、アンコールしてよ。


【Proms28:8月3日】
J.Strauss II/By the Beautiful Danube
James MacMillan/Violin Concerto(Vadim Repin)
Beethoven/Overture Coriolan
Beethoven/Symphony No.5

BBC Scottish Symphony Orchestra
Conducted by Donald Runnicles

マクミランのヴァイオリンコンチェルト。いいわ。現代音楽は総じて苦手(もちろん例外はありますが)な私は、このマクミランのコンチェルトも聴いたことなく、去年のブーレーズのヴァイオリンコンチェルトみたいに理解できないままおわるのかと思いましたが、全くそんなことはなく、とても楽しめた、というのを超えて、すきになりました。それもこれも、この曲がRepinのためにかかれ、Repinが最も得意とする曲のうちのひとつであるということもあるかもしれません(彼のシベリウスのコンチェルトは最高)。Repinの演奏でなかったらこのマクミラン楽しめたかどうか、そう思うと、こういう一期一会のコンサートはやっぱり何者にも替え難い。こういう出会いがあるからやってらんないんですよ(笑)。

Repinは、好きなバイオリニストの一人ですが、やはり素晴らしい。痩せてとてもステキな壮年のヴァイオリニストになりましたね。技術は、もう言うまでもないのですが、彼のハイポジションの迷いのなさ、音のゆれのなさは本当に素晴らしい。一時期の頬のぷくぷく具合が懐かしいです。とても途中ドイツ語ははいりましたけど。なんだか面白い構成で、オケの男性メンバーが声をそろえてein, zwei, dreiと数を数えたりするんですよ。なんかそこはかとなく怖い雰囲気もありました。

ところで、Repinがこの時期にPromsに来るのと同じくして、ボリジョイ・バレエもロンドン公演に来ていましたね。Repinの奥さんはボリジョイのプリンシパルのスヴェトラーナ・ザハロワですから、彼女はひょっとしたらこの日RAHにいたかもしれませんね。もしやRepinはそれに合わせてスケジュール組んだのか・・・?ボリジョイの公演はジュエルズ、バヤデール、眠りと見に行き、スヴェトラーナがダイヤモンドを踊る日のチケットも持っていたのですが、パートナーが怪我で降板してしまい、彼女も降板となってしまいましたので見れずじまい。残念(かわりにOlgaのすばらしいダイヤモンドが見れたのですが)。

後半は、うって変わってベートーベンより良く演奏されるコリオラン序曲と交響曲5番。Repinに心奪われたままだったけど、どちらもよかったです。


【Prom29:8月4日】
Wagner/Tannhauser

Tannhauser:Robert Dean Smith
Elisabeth:Heidi Melton
Venus:Daniela Sindram
Wolfram:Christoph Pohl
Shepherd Boy:Hila Fahima

Chorus of Deutsche Oper Berlin
BBC Scottish Symphony Orchestra
Conducted by Donald Runnicles

ルンニクルス指揮、第二弾。タンホイザーを演じるはディーン・スミス。良かったわ(ワグナーの指環を聞いた後だとだいぶ軽く感じられましたが、ま、タンホイザーだしね)。あれ、前週にトリスタンうたってなかったっけか、ザイフェルトの降板で。ジークフリード向きではないですが、タンホイザー、マイスタージンガーは非常に向いてる気がします(体型的にはトリスタンも×だけど、それはそれ)。それにしても、コーラスがいい!決してばらばらにならず、台詞もはっきり聞こえ、とてもレベル高かったです。うんまい。コーラス150点!

Wolfram役のChristoph Pohlもよかった。羊追いの少年のHilaはちょっとイマイチ弱かったですが、Elisabeth役のHeidi Meltonも、いい声していましたし、健気で。こうやってコンサート形式で余計な演出などに一切気をとられず演奏に集中できるのは貴重です。諸事情でトリスタンとパーシヴァルにいけなかったのが悔やまれます。それにしてもルンニクルス、1日の間もおかず、全く毛色の異なる演奏とは恐れ入りました。