Die Mondsonde -イギリス航海日誌-

2011年春よりLondon勤務。WEのミュージカルと日々の生活を綴ります。
Twitterはmondsonde。

アランデル城

2013-09-02 00:48:26 | イギリス旅行
ロンドンから車で1時間半~2時間、アランデルという海にほど近い街に行ってきました。アランデル?アランドル?まあどっちでもよし。


ここは、丘の上に位置するアランデル城を頂く、小さな城下町。
http://www.arundelcastle.org/



アランデル城
正しく、これぞお城、という感じの外観。おとぎ話にでてきそう。

アランデル城は、ノーフォーク公の居城として、今でも使われていて、お城のうちみはり台、居住区、ベッドルーム(たくさんある)、お庭が見れる、生きたお城。このノーフォーク公、英国の貴族のうちでも世襲を許され、女王陛下の戴冠式や国会入場の先導も務めるような王族を除けば一、二を争う大貴族なのですが、歴史的に国教忌避をして代々カトリックなのだとか。お城のうち、入れる部分にはノーフォーク公の写真などもあり、そのうちの何枚かにはローマ法王との写真もありました。最初知らなかったので、なんで英国国教会なのにローマ法王に謁見?と思ったのですけれど、国教忌避にあたって何代目かのノーフォーク公が聖人になっているんですね。しかし英国は自分たちで宗教を作っておきながら、股肱の臣(かどうか知らないけど)がカトリックというのも面白い話。認めざるを得ないほど有力だったのかしら。



左側が、現在でもノーフォーク公の居住区となっているところ。右側の影になっている建物は、居住区、大広間、ベッドルームがある場所で、見学可能です(ベッドルームエリアに行くためには一番高いチケット17£を購入しないといけませんが)。ヴィクトリア女王とアルバート公が泊った際のベッドルームも見ることができます。2年も前から宿泊の予定が立てられ、そのために改装したんだとか。凄い(ヴィクトリア女王をお迎えするにあたり、2年も前に連絡頂いたので準備する十分な時間がありました、という説明文が面白かったです)。



みはり台から見るサセックスの景色。この光と影と雲がイギリスだなあ、とおもうことしばし(笑)丘の中腹に建てられているお城ですから、このように眼下に見下ろす景色が楽しめます。うーん、立派なお城でこの野を馬で駆ける生活、うらやましい。


アランデル城には、その敷地内にいくつもお庭があって、其々コンセプトが違うので庭好き、ガーデニング好きにはたまらないと思います。それにしても、こう一見野草がおいしげっているようにしか見えないイングリッシュガーデンも、よくよく回数こなしてみていくと計算しつくされた花の高さや色、植える位置など、唸るばかり。奥が深い。


White Garden
アランデル城にいくつもあるお庭の一つ、White Garden。白の植物で統一されたWhite Gardenはシシングハースト城にもありますけど、綺麗。大きさはそれほどないのだけれど、敷地内の教会に行く入り口にあって、植木のアーチを超えたら古い石造りの教会の入り口とともにホワイトガーデンだけが目に入るというのも空間技術として教会に入る一歩手前ですでに神聖な心落ち付く雰囲気を醸し出していて素晴らしい。



The Collector Earl's Garden
アランデル城から一番奥まったところにあるお庭。このコンセプトガーデン、とってもとっても素敵でした。アランデル城をこのお庭に向かってあるいているときはまったくこんな綺麗なお庭があるなんて想像もつかなかったのに、煉瓦の門を抜けるととても広い、お庭がこの通り。これは、東屋から見た景色。東屋自体は東洋風の作り。



上の写真の中心にある水屋。この噴水の周辺は、白、水色、ラベンダー色の花で統一されていて、これまた素敵。訪れたのは8月の頭ですけれど、きっと初夏には初夏の、秋には秋の顔があるのではないかと。細く両側から放出される水と飛沫にあわせたかのような細い茎のアガパンサス。色も白から薄青まで、清涼感たっぷり。



Cut Flower Garden
The Collector Earl's Garedenの隣にある、お庭。ラベンダーやダリアが咲き誇っていました。ノットガーデン風になっていて、ダリアの一角、ラベンダーの一角とわかれているのだけれど、ダリアの幾何学的な咲き方が好きなのでダリアの方を。先ほどのアガパンサスとはうって変わって力強い色。



これもCollector Earl's Gardenの隣にあるお庭。
淡いパステルカラーの金魚草の向こうに見えるのはアランデル大聖堂(中はたいしたことない)。この大聖堂近くに車をとめていたのだけれど、大聖堂からアランデル城の入り口までかなりの距離があるなあ、と言っていたのに、アランデル城をめぐるうちにいつのまにか大聖堂の位置まできていたことにびっくり(笑)広い敷地。


他にも、Edible Gardenや温室、Rose Gardenもあるのですけど、Rose Gardenはちょうど一番花が終わったところで、あまり美しくなかったので今回はパス(笑)でも、このアランデル城、電車でもロンドンからほど近いみたいだし、お庭の美しい季節に訪れる場所としてはうってつけかも。(もともとガーデニングなんて興味のない人間だったのに、イギリスにいればいるほど、イングリッシュガーデンの魅力に取りつかれてきた気が・・・。)

ヨークシャーティーも、ローストハムも。 York(3)

2013-03-17 21:23:22 | イギリス旅行
Yorkの回もこれで最後。ヨークに残された古い家は、街の至るところにふとあったりするので、ヨークの街を散策するのはとても楽しい。



左上から時計回りに、Stone gate、Minster Yard、Blake Street、Shamblesの通りで見つけられます。


他にも古いマーチャントハウスもあるし。

1枚上の左下のShamblesという通りは、その中でも集中して何軒か残っているのがここ。



The Shambles

ハリーポッターのダイアゴナル横丁(だっけ?)のモデルだかなんだかになった通り。ここは、昔、肉屋通りで、店の軒先に肉をぶら下げておいても直射日光が当たらないように、上にいくに従って家がせり出している格好になっています。一番手前側の建物は、カフェにもなっていて(Little Shambles)せっまいんですけど、ここのクリームティーはおいしかった。


肉屋といえば、Stonegateという通りには手で肉を割いてハンバーガーとかサンドイッチを作ってくれるテイクアウト専門のお店がありました。


これがそのサンドイッチ屋、York Hogroast。
色々メニューはあるんですけど、私はお店の人おススメのRoast Hamをチョイス。ローストビーフも、ローストポークもあるんですけど、全て塊でおいてあって豪快。その塊から、お店の人が手でお肉を割いて(という説明がきだけど、ナイフも使う)パンに挟んでくれます。ローストハムは、ちょっとしょっぱかったけど、お店のお兄ちゃんがいれてくれたヨークシャーティー(砂糖ミルク入り)の砂糖とミルクの具合がこれまた絶妙でおいしかった。


夏とかだったらここでテイクアウトして食べるのは最高でしょうねえ。冬はヨークシャーティーないとやってられません。かじかんだ手でサンドイッチ食べました(笑)それも一興。


Stonegateには、他にもBettys cafeという、有名なカフェがあり、友達にアフタヌーンティでなくてもいいから行ってね、とおススメしてもらってたので、行ってきました。


アフタヌーンティでなくても、と言われてたけど、しっかりアフタヌーンティしちゃったりして。一番上のケーキの段が写ってませんけどね(笑)ケーキは、マカロンとベリータルト、それからちっちゃいチョコレートケーキでした。



市内には2か所、このBettys Cafeがあって、Stonegateの方がちっちゃいです。どちらがいいかは悩むとこだと思いますけど、Walk inのスペースはSt Helen's SQにあるお店の方が大きく、ガラス張りのカフェで素敵。Afternoon Teaなら予約もできる見たいです。ガラス張りの部分は、それとは別のWalk inのスペースみたいで、しっかり行列ができていました。ちなみに、Stonegateの方は基本はWalk inのみ。昔の一軒家を改装してカフェにしてあるみたいで、1階がお店、2階がカフェになってます。2階は、さすがイギリスの古い家、暖炉があったりして素敵な一方、床が傾いているので、なんだかちょっと落ち付かないかも?でも、Littel Shamblesといい、StonegateのBeetysといい、ガラス張りの綺麗なカフェでなく、家っぽいところでいただくティーもこれまた乙なものなので、私はこちらのがおすすめかな・・・・。


あと、Yorkにはこんな子もいますよー。。。



こんな子も。




Yorkの駅近くの鉄道博物館は、きっと鉄道ファンにはたまらないくらいの蒸気機関車、御用列車がいっぱいありますよ。面白いし、ここもおススメ。

ヴァイキング御一行様通ります。 York(2)

2013-03-13 01:14:36 | イギリス旅行
ヨーク大聖堂の上から見つけた不思議な服着た人だかり、なんと実はその日は年に一度のヴァイキングフェスティバルの最終日で、皆ヴァイキングの格好をした人達でした。ヨーク大聖堂の上から見ていた時は全く気付かず、毎週土日に観光客向けにそういう服着た人たちがいるのかね、と思っていてごめんなさい。。。(ウィーンににてモーツアルトの格好しながらコンサートのチケット売りつける人たちみたいに)


ヨーク大聖堂の塔の上から息も絶え絶えになりながら降り、古い通りを目指しててくてく歩いていると、Stone gateというお目当ての通りの一つで何十人ものヴィキングの格好をした人のパレードに遭遇、ここに至ってこれはいくらなんでも毎週はやらないんじゃないか?ということに気づいた私(恥)。一度気づいてみたら街中にヴァイキングフェスティバルのちらしが貼ってあるのにも気づきました・・・。おっそーーー!


おいおい。
ま、タイミングよかったね、ということで(笑)


本当の鎧かしら・・・?こんな格好した人たちがいっぱい。
この人、持っている斧といい、格好といい、体格といい(笑)、髭といい、私の抱いているヴァイキングのイメージに凄い近かった!
鎧の上から羽織っているマントの留め具、この形、アイルランドで一杯見たな~・・・。
短刀は体の正面につけるんだと初めて知りました。面白い~。



信号待ちじゃありません。
本当のヴァイキングがどうだったかしりませんが、とっても統率取れてます。
其々、斧持ったり槍持ったり旗持ったりしつつ、背中に円形の楯背負ってます。楯の模様が全部違うのが面白い。当時からこういう模様で家紋的な要素があったのかしら、どうなんでしょ。



統率とれてると思ったら、雄叫び上げる人や、楯をガンガン叩く人も。
この人もイメージ通り(特に、赤毛)
写真右側の人の帽子は、正直予想外でした。なんというか、イヌイットの人みたいな帽子というか、ロシアの人みたいな帽子というか、チンギス・ハーンみたいというか。ヴァイキングだって戦いのない寒い冬は兜じゃなく帽子かぶっていたんだろうし。


左側の子のように、長髪の若い子もいました。普段から長髪なんだろうけどヴァイキングの格好してて違和感全くない。


このカメラ目線のヴァイキングも長髪。まさか毎年のこのお祭りのために髪のばしてるんじゃ、というくらい、長髪率高かったです(あと髭)。このままドラマ出れるなあ、というくらい、みなさん仮装が板についてました。
この日、ヨークは最高気温零度、多分マント一枚じゃ寒かったんじゃないかと・・・。


そうそう、このパレード、私が遭遇したのはStonegateという通りだったのですけど、多分そこから街を練り歩き、最後は広場で解散だったんだと思います。私がぐるっと街を観終わってまたこの道の方に帰ってくるときには、もう解散後のヴァイキングさんたちとすれ違ったのですけど、みなさんこの格好のままマックの紙袋抱えてたり、スーパーの陳列棚覗きこんだり、スタバのコーヒー飲んでたりと、なんだかヴァイキングの人が現代にタイムスリップしてきたみたいで笑えました。フェスティバル期間中だから街の人みんな知ってるんでしょうけど、誰も注目したりせず、すごく自然に溶け込んでいて、昔原始人が現代にタイムスリップする映画ありましたけど、それ以上。


そうそう、ヨークにはヴァイキング博物館もあって、これおススメです。思った以上に楽しかった。ヨークがヨーヴィックと言われた時代にさかのぼるコーナーや、ノルマン・コンクエストの時の戦い(とそのときの遺骨)、ヴァイキングの網羅的な歴史や生活を知るのにもってこいでした。お土産ものやはしょぼかったけど。


そういえば昔の上司が「小さなバイキング ビッケ」にそっくりだという定説があったなあ!

これがほんとのグロテスク(ヨーク大聖堂) York(1)

2013-03-11 01:05:55 | イギリス旅行
Yorkへ行ってきました。
ロンドンからはKings Cross駅から電車で約2時間、日帰りできる距離ですけど、今回はちょっとゆっくり1泊旅行。電車の乗り換えもなく、一泊だとやっぱりゆっくりできて、街をめぐりにもこころなしか余裕がでるような。


ヨークは、イギリス最大のゴシック様式のヨーク大聖堂を中心として、街のそこかしこに中世の面影を色濃く残す都市。大きな見どころとしてはヨークの街をぐるりと囲む城壁、大聖堂、ヴァイキング博物館、中世の家々、それから鉄道博物館といったところでしょうか。街中には中世の木組みに漆喰の家がところどころ残っていて素敵。



ヨーク大聖堂
1472年に完成したヨーク大聖堂、ゴシック様式のとても荘厳な教会。
最近イギリスのレスターという街の駐車場で見つかったリチャード3世の遺骨、これを引き取って葬らせて欲しいというキャンペーンをはっていることでも有名です(笑)。まあ、リチャード3世的にももうレスターは勘弁、ヨークに戻りたいと思うかもしれませんが、ツイッターでは「ヨークは寒いから戻りたくない。byリチャード3世」なんていうジョークも流れていたし、まだわかりませんね。


£5で塔にも登ることができるんですけど、時間制なので注意。といっても、ヨーク大聖堂の入場券は1年間有効なので、チケット買った後時間の余裕があるなら街を散策してから戻ってきてもよいかも。今回は45分後に塔を登るツアーに参加しましたけど、チャプターハウス、ステンドグラス、内陣と、大聖堂みるのに45分、十分時間使った気がします。何のためにつくられたのだか未だに謎だという竜の飾りがあったり、犬好きの司教のお墓にちゃんと愛犬が侍っていたり、ちいちゃい見どころもあるし。



未だに主人の足元に控える犬。かわいい。


ウエストミンスター寺院や、リンカーン大聖堂、ソールズベリ大聖堂などイギリスの大聖堂にはついていることが多い、チャプターハウス。教会の偉い人達が集まって会議をした会議場。ヨーク大聖堂のチャプターハウスも、八角形。他のチャプターハウスと違ってとても天井が高いことで有名なんだとか。それから、チャプターハウスの側面に造られた椅子の上部を飾るグロテスク。


これがグロテスク。
グロテスクとは、元々こういった植物と奇怪な動物を織り交ぜた石の彫刻のことで、教会の外側の雨どいのガーゴイルとは違うんだよ、とガイドのおじいさん。写真のように猿や人間、豚などの奇怪な動物の彫刻が目を引きます。ガイドのおじいさんによると、このチャプターハウスのグロテスク、葉の模様の彫刻した人は、3、4人いるのだけど、同じ人の作品がイギリス南部や、フランス北部でも発見されているんだそうな。優秀だったから渡り鳥のように各地で仕事したんだね、と。ヨークのチャプターハウスのグロテスクは、じっくりみるとなかなか面白いのですけど、実は一個だけ抱き合う恋人をかたどった彫刻があるんです。探せるかな?



西側ファサードのステンドグラス
入り口の真上にあるステンドグラス。ヨーク大聖堂の自慢の一つがノートルダムのばら窓ならぬ、ハート窓、「Heart of Yorkshire」と呼ばれます。なんか素敵。東側にも大きなステンドグラスの円窓があるのですが、ちょうど修理中で見れず。残念。


と、見どころ一通りみた後に、塔に登ることに。この塔がきっつい、きっつい。何段あるか忘れましたけど、ひたすら登る、登る。息は切れるし、足はがくがくになるし、心臓やぶりの塔。唯一の救いは一方通行(だから時間指定の入れ替え制)だから、人をよけたりしなくてもいいところ。その昔、ウルムの大聖堂(世界一高い)もケルン大聖堂の塔にも登ったけど、あの頃は若かったなあ!体力が落ちたなあ!というのを本当に痛感する羽目に。体力に自信のない人はやめといたほうがいいです、この塔のぼり。


でも、つらい塔を登り終えた後の景色は360度ヨークの街が見下ろせてとても気分爽快。昔ながらの街並みも、城壁(の一部)も見えて、なかなか楽しめます。登ったのとおんなじだけくだらなくちゃいけないということを除けばね!




塔から見下ろす教会の中庭には何やら仮装した人たちの集団が・・・。これは・・・・?
(続く)

Come on Boys, Come on Wales!

2012-12-04 23:22:21 | イギリス旅行
週末にCardiffまでラグビーのInternational matchを見に行ってきました。本当に何年ぶりかののラグビー生観戦。その昔、アメリカ代表も務めたSOマイク・ハーカス(かっこよかったんですよね~)が好きだったときには秩父宮とかまで観に行っていましたが、こちらにきてからはとんと御無沙汰で、もっぱらテレビ観戦ばかり。テレビでは結構みてたんですけれど、ジョニー・ウィルキンソン(England)も引退しちゃったしねえ、と思っていたらラグビー部の先輩が行けなくなったチケットをくれたので、友達集めて行ってきました。Welsh Rugby Unionのインターナショナル戦シリーズ。アルゼンチン、サモア、ニュージー、オーストラリアと本拠地カーディフのミレニアムスタジアムで闘うDove Men Seriesの最終戦、オーストラリア戦。


カーディフは、実はロンドンのパディントン駅からたったの2時間。First Great Westernです。パディントン駅ですでにWalesの赤のジャージを着た人、オーストラリアの黄色のジャージを着た人で満員な電車(笑)



Cardiffにつくと、街中はラグビー一色。ラグビーの国際試合に合わせて、Walesの国旗だけでなく、対戦相手の国旗も飾ってあります。大通りのホテルやパブも、Walesとオーストラリアの旗を両方掲げていました。これは、ラグビーが「紳士のスポーツ」で、ノーサイドの精神からくるものだそうで、サッカーだと絶対相手チームの国旗を掲げるなんてことにはならないんだそう。


普段はどうか知りませんが、大きい通りは全て歩行者天国に切り替わっていて(大体駅も国際試合仕様で切符とかノーチェックだし)、露天ではWalesのRed Dragonの旗やマフラー、かぶり物を売っていたり、Face Paintingするよーというお兄ちゃんがいたりで、大変なことになっていました。せっかくなのでWalesのRed Dragonのフェイスペインティングをしてもらう我々。



すでに試合開始何時間も前からパブで飲み始める人々。
我々もまずは一杯。
パブの天井にもWales国旗をはじめとして、Six Nations参加国の国旗が飾られています。Walesではサッカーよりも人気が高いといいますが、本当に国民的スポーツなんですね。パブの外でビール飲んでると、ウェールズの赤のジャージをきたおじいちゃん達に交じって黄色のジャージのオーストラリアファンも。おとなですねえ。みんな。それでもフェイスペインティングしてるせいか、ウェールズのおじいちゃんたちは心もち我々にやさしい対応。「試合楽しんでね、Wales応援よろしく!」って言ってくれたちいちゃいおじいちゃんに、友達(ラグビー部出身)は「あのおじいちゃん絶対昔逆ヘッドやって首埋まっちゃったんだよ」なんてひどいこと言っていましたが。


普段がどうかはしりませんが、なんとこの日はどのパブでもビールを出すコップがプラスチック(笑)会場内の客席でもビールは飲めますが、大体みんな開場前から飲んで、試合中も飲んで(サッカーと違って、結構休憩時間でない試合中に買いにいったりします)、試合後なんてパブに入りきらないほどの人で、という感じ。いくら争いにならないからといっても、酔っ払いは酔っ払いですからね、ガラスのコップ割られるくらいならプラスチックのコップで、というところなんでしょう。


14:30キックオフのところ、11:30にはついてしまったのでちょっとだけカーディフ観光。といっても、いくところがない・・(笑)ということでちょっとだけ。


Cardiff Indoor Market
その名のとおり、全天候型のマーケットです。カーディフは、結構アーケードが多くて、其々のアーケードがクリスマス仕様になっていて綺麗でした。マーケットの魚屋は流石港町、ロンドンより品ぞろえ良かったし、ヒラメとか格段に安かったです。

写真はWelsh cakeというウェールズ名物。柔らかいクッキーみたいな、膨らまなかったケーキみたいな(笑)レーズンが入っていておいしかったです。



ついで、カーディフ城。Castleなので、城といっても居住のためのものではなく要塞ですね。元々はローマ人が築いた要塞をノルマン人が補強したものらしいです。城塞の中のNorman Keepと呼ばれるみはり台部分。この築山は人工的なものだそうですが、上に上るとカーディフの街並み、ミレニアムスタジアム、遠くに山々と見渡せます。



城塞の住居部分。18世紀の富豪が手を入れたそうで、中は豪華絢爛。装飾が遊び心満載で、色々なところに動物が隠れています。ステンドグラス、手すり、絵の中、暖炉の装飾といったところに隠れている動物を探して歩くのも一興かも。写真は、アラブルーム。どっかで似たような部屋をみるのですけど、忘れてしまった。ベルリンの博物館だった・・・?いやもっと 身近だった気がする。



いよいよ試合開始。ミレニアムスタジアムに皆なだれ込みます。大きい!75,000人収容とか。全天候型なので安心。



試合前のフィールド。
手前になんか動物がいるのわかりますかね・・・?


Royal Regiment of Wales(ウェールズ連隊?)のマスコットのヤギ君。その昔、クリミア戦争でロシア軍の動静を知らせたことから、勝利の女神的に代々Royal Regiment of Walesで飼われているヤギだそう。ちゃんと階級もあるんですよー。(実は、カーディフ城に行くまでの道にいて、これも一種の大道芸的なものかと思っていたのですけど、カーディフ城地下の戦争博物館ちっくなもので実は従軍ヤギだということを発見しました。大道芸とか言ってごめんなさい。)



手前はウェールズラグビーユニオンの旗、向こうがウェールズの旗。これだけ大きいのでピンと張るために兵隊さんたちも必死で全体重掛けてます。



肝心の試合展開は、というとお互いトライまでは許さず、前半は完全に反則からのPKの応酬。元ラグビー部フォワードの友達が色々横で解説してくれて助かりました。TVで見ていても、反則の種類まではわかってもあのタックルを食らった時のダメージ、とかなんで今ラインの右側に振ったんだとか、何故今のは走らずにキックを選択したのかとかはわかりませんもんね(これはテニスも一緒で、テニス部と観戦していると何故今この位置から打ったのか、とかClearにわかるので楽しいです。次回はぜひフィギュアスケート経験者とスケート見たい。小塚先生よろしく!)。


後半は、Walesが我々の席のほうに向かって攻めてくる展開だったので、こちらサイドは非常に盛り上がりました。これまた前半同様、トライに行きそうな気配は全くなかったんですけど、目の前でスローインとか行われたり、最後のDefence Lineを割ってWalesが攻めてきたりと、それなりにどよめきに包まれるスタジアム。


後ろのおじいちゃんとか、杖ついてビール片手に観戦してるのにずっと「Common Wales, Common Boys!」って応援してました。Boysって結構選手もいい年なのにね。おじいちゃんたちからしたらまだほんのひよっこなんでしょう。もちろん、行け!とか走れ!とか以外にも引きずり倒せ!とかも叫んでましたけど、タックルでは反則にならないからスポーツ的にはOKなのか・・・?


結局、試合は最後の最後までもつれ、80分を超えてオーストラリアが混戦の中から右サイドを走り、Wales選手をひきずりながらトライ。後からテレビをみるとトライっていうよりスローフォワード(ラグビーはいかなる場合でも前にボールを落とす/パスしてはだめ)のように見えて、ノーカウントなはずだったのに。そうしたらWalesの勝利確定だったのに。結局Wales負けちゃいました。それでも乱闘にならず、さっさと(!)去っていくWales人。


ラグビーは紳士のスポーツと呼ばれ、イギリスは紳士の国と言われますが、イギリスはものすごく階級社会・階級意識の強い国ですから、なんでもCity(ロンドンの金融街/大手町と兜町のようなもの)のBankerの間ではラグビーの話はしてもいいけどサッカーの話はダメなんだそう。話題にしても良いスポーツは「上流階級が嗜むスポーツ」で、つまりセーリング、ゲーム(ハンティング/狩猟)、ボート、ラグビーまで。サッカーは「労働者階級」のスポーツだから、Bankerが相手にするような顧客との話題に使ってはいけないそうなんです。こういう、純然たる一線を引いてしまえる国なんですね。酷い国だわ。


帰りのロンドンへの電車でべろべろに酔っぱらったオーストラリア人とWales人が交互にWaltzing MathildaとBread of Heavenを歌ってるところなんかをみると(完全にカオス)全然上流階級のスポーツじゃないじゃん、と思いますけどね。試合の観戦態度とその後のパブでの態度を除けば。