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Die Mondsonde -イギリス航海日誌-

2011年春よりLondon勤務。WEのミュージカルと日々の生活を綴ります。
Twitterはmondsonde。

BBC Proms 2012 ②

2012-09-10 00:08:37 | クラシック(オペラ含)
プロムスまとめ第二弾です。

【Prom50:8月20日】
Beethoven/Egmont overture
Mozart/Clarinet Concerto in A major/Michael Collins(basset clarinet)
Delius/Eventyr
Nielsen/Symphony No.5

BBC Symphony Orchestra
Conducted by Osmo Vanska

これこれ、聞きたかった私的Proms目玉の一つ。ヴァンスカによるニールセン。それにしてもヴァンスカ、髪白くなったなあ・・・・。今日は、RAHがほぼフルハウスでした。カメラが入ってないのが残念。アリーナ席も(5ポンド)も、結構人が入っていました。しかし、皆さん何が目的なのかしら?ヴァンスカ?モーツアルトのクラコン?それともニールセン(の可能性は低いか)?ニールセンの交響曲は、今年はRFHで1、2回しか演奏されないはずなので、ニールセンかしら?ううむ。ヴァンスカは定期的にロンドンで振っているのでヴァンスカというのも考えづらい(しかし、後から考えてみると、やっぱりこの日人が入っていたといってもベルリンフィルだとかウィーンフィルだとかのアリーナ席の人の埋まり具合にはおよばなかったですね)。みんなヴァンスカのニールセンを聞きにきてくれたんだとうれしい(笑)。バレンボイムより多かったですよ。ヴァンスカの指揮は相変わらず情熱的で、指揮台から落ちるのではないかと思いました。踊るヴァンスカ。

エグモント。エグモントは自分で演奏したこともあり、個人的にも思い入れのある曲ですけど、やっぱりプロオケで聞くのっていいなあと(あのロングトーンよく練習させられたなあとか、金管が合わなくて苦労したなあとか、最後のピッコロ死ぬほどいやだったなあ、とか思い出しますけども)。ジャッジャッと重めに思いっきりダウンで引く弓使い、弦の刻みも好き。中盤の盛り上がるところとか、終盤のテンポアップ以降なんて、何度聞いてもぞくぞくします。ヴァンスカのエグモントは、強弱がはっきりしていて、コリオランにしても、エグモントにしてもベートーベンの序曲は小品だけれども、演奏会のトップバッターとしてはいい感じにその世界にさらってくれますね。

モーツアルトのクラコンは、マイケル・コリンズというやたら私にとっては気になる名前のクラリネット奏者でした(笑)。あ、外見はあのBig Fellowとはだいぶ違ったおじさんでしたけども。額の汗を拭き拭きの熱のこもった演奏をしてくれました(汗拭きのハンカチをヴァンスカの指揮台の上においていたのが気になりましたけど)。バセット・クラリネットをライブで聴くのは初めてでした。いい音奏でますね。なにより、あたりまえですけどやっぱり音域が広い。でも無理ない。そして、音量コントロールが絶妙でした。あの広いRAHでクラリネット一本で勝負するんです。カデンツァの部分、それからppで奏でる部分とか、もう、観客も息できない状態でした(私は目すら見開いていたみたいです。。。目がやたら乾いた)。。。

アンコール応えてくれましたが、曲名を叫んでましたけどよく分からず(というか聞こえないよ!)。ちなみに、アンコールは、普通のクラリネットに持ち替えていました。

そしてDelius150周年だから、今年はDeliusがやたら多いです。途中で、「Hey!」という男声の掛け声的なものが2度ほどかかりますが、これ、どこに人がいたのでしょう?オケのメンバーではなかった気がしたのですが。Deliusなんて普段聞かないので、ちょっとびっくりしました。あのHeyにはなんの意味があったのか、それともなかったのか。。。ううむ。

メインディッシュのNielsenの5番。Promsでのニールセンは、去年オラモ指揮で4番を聞きました。途中のスネアドラムのソロも良かったです。途中、どこかで舞台裏からスネアドラムが聞こえたような気がしました(この演奏方式、ニールセン以外にも今回聞いたので結構あったような。)。見ていてかなりびっくりしたのは、最後のクラのソロのところで、クラリネット奏者が後ろ向いて吹いていたんです。これ、音量コントロールなのか楽譜にそういう指示があるからなのかなんなのかわかんないですけど、初めて見ました。それまでは普通に前向いて吹いているんですよ。それが、ソロのところだけ後ろむいたみたいです。ヴァンスカをみていて、あ、クラのソロだと思って視線を移動させたらクラ奏者の後ろ姿しか目にはいらなかったので、わが目を疑いました(笑)オペラグラスで思わず確認(笑)(当然、後ろむいているんだから指揮は見えませんよね)。そして、ソロが終わったらまたくるっと戻る(笑)指揮者の指示には従わないようにとか楽譜に書いてあったら笑えますが。DeliusのHeyといい、面白い演出を含んだ選曲ですね。こういうのって、ライブで見ないと絶対わからないものですよね。(ヴァンスカだけの特別演出だった、という場合を除きますが)

それにしてもヴァンスカが見られて良かったです。11月に今度はRFHにまた聞きに行きます。今度はシベリウスだったかな?


【Prom52:8月22日】
Prokofiev/Cinderella

London Symphony Orchestra
Conducted by Valery Gergiev

ゲルギエフ指揮、LSOによるシンデレラ全曲。夢のような世界でした。ゲルギエフ、やはりバレエ音楽上手いです。そしてLSOの指揮はお手の物(どこまでいったら「手兵」という言葉を使うのかわかりませんが、ゲルギエフにとってはLSOは手兵かな)。一緒に見に行った友達は、LSOのコンマスが目に余る(音楽的にではなく、動き的にと言うことらしい)といっていましたが、私はあまりコンマス見てませんでした。どうなんでしょう。

もう、全曲ですから、どこで休憩するのかな、と思ってました。(まさかの休憩2回?とか)したらば、第二幕の後に休憩。第一幕の後は、拍手で一旦区切り。ひょっとしたら休憩ないんじゃないかとひやっとしました。休憩抜いて105分、シンデレラの世界にどっぷりつかって聴けました。いやいやいやいや、これはほんとに良いもの聞かせていただきました。これで15ポンドは安い。一曲一曲にまで神経が行き届いていて、音がたっていて、まるでそこに登場人物がいるかのようでした。繊細、でも神経質ではない。ゲルギエフの指揮は見やすく、なおかつ曲想というか伝えたいイメージもわかりやすかったです。バレエダンサーはいないのに、シンデレラだったり、継母だったり、ワルツのシーンだったりヴァリエーションのシーンだったり、イメージ沸いてくるんですよね。すごい。ま、バレエ音楽ですからね、他の曲よりは伝えやすいでしょうけど。そして、LSOの管楽器さすがですわね。

これ、確かオケの配置がまたも古典配置だったんですよね。しかも、ティンパニがど真ん中。見た目はある意味とても綺麗でした。ちなみに、第2幕最後の12時の鐘はウッドブロックが秒針奏で、鐘で時報を知らせる緊張感あるスコアになってるんですが、友達に「あの秒針やってる楽器なんだっけ?」と聞かれて、間違えて「ウッドストック」と言ってしまいました。ゴメンナサイ。それはスヌーピーの友達でしたね。そして、チェロとヴィオラの間にピアノとチェレスタが置いてあって、ピアノはたまに弾くチャンスがあったのですけど、チェレスタって多分第三幕のほんとの最後の最後まで出番ないんですよ。何小節かのために105分、ずっとそこに座ってるの大変だなあ!!と思ったのでした。(オペラ座とかレミゼのオケなんて自分の出番がないとき本読んでますからね。)

あ、どこだか忘れたけど、上のほうでも一部オケが演奏してたような。2幕?

【Prom57:8月26日】
Wagner/Parsifal –Prelude(act 3), Good Friday Music
Berg/Violin Concerto/Frank Peter Zimmermann(violin)
R.Strauss/Der Rosenkavalier
Ravel/La valse

Gustav Mahler Jugendorchester
Conducted by Daniele Gatti

この日も古典配置でした。やはり流行なんですかね。ま、Promsは実は古典配置だろうが現代配置だろうが、関係ないような安席で聞いていることが多いので、残念ながらそのよさをフルで感受できているとは言いがたいのですが(だって、これ、フルプライス払っていたら破産してしまいますから。あ、それは言いすぎか。さすがに今日は来年はもうちょっといい席にしようと思ったんだった。)

で、ワグナーのパルジファルですが、なんだか寝ぼけたパルジファルで、イマイチ乗りきらず。今日のオケは、ユースでしたけど、どうも管楽器(特にクラ。除くオーボエとフルート。オーボエとフルートはうまかったなあ!)と打楽器がイマイチで、特にティンパニの冴えがないのです(ちなみに若干ピッチも微妙)。なので、パルジファルはふーんと聞いている間に終了。。。8.5ポンドのうち2ポンドぐらい返してもらってもいいとおもう。なんでも、オケの構成員は26歳以下なんだとか。オケ自体は悪くなかったですけどね。特にチェロの首席の女の子とか。

次、Bergのバイオリンコンチェルト。Zimmermannのバイオリンはすごくすごく良かったです。High-noteも綺麗。彼の楽器はストラディヴァリウスだそうです。パンフによると。私はバイオリン弾きではないですが、食い入るように手元には見入ってしまいました(それがみたくて、今日はかなり上手サイドの席なのです。弾けないけどさ)。でも、ベルクよくわかんないんだった。。。隣の女の子は寝てました。まーそりゃそうね。

アンコールはバッハの無伴奏ソナタ。ベルクのあとにバッハは良かった。

メインディッシュのRosenkavalier。これはこれは。ようやくオケも目が覚めた感じ(失礼)。ちょっと途中重い感じもしましたけれど、薔薇の騎士(でもRosenritterではない(笑))の組曲が聞きたかったので、満足です。


全然関係ないですけど、アレですね、Tubaのミュートって若干どころじゃなくアレですよね。巨大ですしね、見目麗しくない。元々あまりミュートってすきではないのですが(弦はいいけど、やっぱり金管はねえ・・・。

オケ全体のアンコールは、ワーグナーより、マイスタージンガー前奏曲。ワーグナーに始まり、ワーグナーに〆る。ま、ユースオケの場合はアンコール比較的応えてくれますよね。


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