今年も行ってきました。BBC Proms。このBBCプロムスというのは、ロンドンで毎年夏、7月中旬から9月初旬まで行われるクラシックを中心とした音楽の祭典で、海外の超有名オーケストラも来倫し、毎夜クラシック音楽の演奏会が開かれる、クラシックファンにはお馴染みのイベントです。場所はRoyal Albert Hallを中心として、Cadgan Hall、Royal Albert Hall向かいのRoyal College of Musicでも行われています(RAHはオペラ座の怪人の25周年コンサート、レミゼの10周年のコンサートでも使われていますね。多目的ホールで、シルク・ド・ソレイユもここでサーカスしたりするそうです。)。
このプロムス、今年は7月13日から9月8日まで開催されました。118回目だそうです。すごいですね。7,8週間にもわたて今年の夏はロンドンはオリンピックやパラリンピックなどイベント続きでしたので、プロムスも多少はその影響を受け、、、なのかオリンピックに対抗して、、、、なのか、オリンピックの開会式の日のプログラムにバレンボイムの第九をぶつけてきたり(バレンボイムは第九を振ってからオリンピック会場に駆けつけていました)、Last Nightの次の日がパラリンピックの閉会式だったり、Last Nightのプログラムがかなりオリンピックを意識したものだったりしていましたね(オリンピックファンファーレとか)。

プロムスが始まったばかりの7月だと10時終演でもまだ明るいのですが、9月に入ると、10時前の終演でももう真っ暗です。
このプロムス、コンサートごとにプライスバンドが定められていて、同じ席でも日によって値段が違いますが、一番安いプライスバンドの一番安い席だと7.5ポンドしかしません。さらに安いのが当日券で、ArenaとGallalyの2か所の席が開演2時間半前に売りだされます。たった5ポンドで!アリーナ席は、ほんとかぶりつきで見れますが、ステージが高くなっているので多分奥の方は見にくいのかな・・・?でもひな壇になってるから管楽器はよくみえますよね。Gallalyはアリーナとは対象的に天井桟敷です。プロムスのチケットは、通常5月の初旬に売りだされますが、今年は私はなんとその日にオペラ座の怪人の25周年UKツアーをマンチェスターまで観に行っていましたので(笑)終わってからネットで慌てて買うという、綱渡り的な(笑)やっぱり、ウィーンフィルとかベルリンフィルとか売り切れるの早いかなと思うと、まあ確かにそれはそうなのですが、一番早かったのはクレイアニメーションのWallace&Gromitにフィーチャーしたプログラムだったという(笑)予想外でした。
今年は、なんとか時間をやりくりして合計12プロムス行けました。Last Nightまで入れて76プログラムということで、今年も初めて聞く曲や指揮者、演奏家に巡り合うことができ、幸せな7週間でした。記録目的で何回かに分けて書き留めます。なんせ12回もいくので、そんなに高い席は買えず、今回も事前に買った席は全てCircleという4階の安席です。それでも、RAH一杯に溢れる音楽を聞くのは乙なものですよね。
【Prom4:7月16日】
Respighi/Roman Festivals
Ravel/Piano Concerto in G major/Imogen Cooper(piano)
John Adams/City Noir
Julliard Orchestra/Orchestra of the Royal Academy of Music
Conducted by John Adams
2012年のProm事始、レスピーギのローマの祝祭から。この日は、ユースオケということもあってか、まだみんなプロムス気分じゃないのか、人の入りはイマイチ。というか、イマサンくらい。なので、もともと取っていた席はCircleという高所恐怖症の人には絶対無理な急勾配の安席だったのですけど、なんとCircleについた時点で「Stalls(値段的に高い席)に替えてあげる」といわれ、アップグレードしてもらっちゃいました。ラッキー。RAHでアップグレードなんて初めて。でも、アップグレードしてくれるなら4階席のCircleについた時点じゃなくて、チケット確認する1階で言ってほしかったです。あの階段の上り下りは相当なんだぞ!ちなみに替えてもらった席はStalls(1階席)の最前列。ドンだけチケット余ってたのよ、という話。
このProm4はレスピーギのローマ三部作を聞きたいが為に取ったものでした、が、ローマの祝祭、良かった!華やかでした!オケも、ジュリアードと王立音楽院という、この子たちがこれから世界のオケの中心になっていくんだろうな、と思わせるものでした。というか、7ポンドだかの席をアップグレードしてくれて、こんな演奏聞けるなら大満足です。ローマ三部作、今年はローマの松も別プロでやってくれたのですが、こちらは予定が合わずに行きませんでした。
John Adams自体は私はあまり馴染みがなく、City Noir自体も初めて。まあ、作曲家が振っているから、解釈どうこう以前の問題ですよね。ひな壇最後列には打楽器がこれでもかというくらい並び、ローマの祝祭、City noirともによく使われていました。2つのオケ足すとこういうとき便利ですね!
【Prom13:7月24日】
Beethoven/Symphony No.8
Pierre Boulez/Anthemes 2/Michael Barenboim(violin)
Beethoven/Symphony No.7
West-Eastern Divan Orchestra
Conducted by Daniel Barenboim
今回のProm目玉の一つ(多分)、バレンボイムによるベートーベンツィクルス(ベートーベンの交響曲1-9)のうちの一日。といっても、ベートーベンツィクルスのうち、7&8のこの日しかとっていませんでしたけど。知名度の高い7番を第二部に持ってきて、まずは8版07番は、私が一番好きな交響曲のうちのひとつですから、もう、これは誰が指揮とか以前に「Must listen」の一曲。もう、しびれました。大好き。最愛の第二楽章のテンポは気持ち速め。最初の管のロングトーンも決してロングではなかったです。でも、総じてオーソドックス。バレンボイム、良いです! 8のときはそうでもなかったのですが、7は客も完全に取り込まれて、最後の一音が終わった瞬間、余韻を楽しむ以前に割れんばかりの拍手。
それにしても、バレンボイムの指揮がなんとも分かりやすいこと!相手がプロ中のプロというよりまだ若手中心のWEDOだからかもしれませんが。今回はバレンボイムの指揮がより見たくて、席をちょっと斜めよりにしたので、管への指示もよーくみえました。もう、8番ひいてる途中から、私もバレンボイムの指揮で演奏してみたいなあ!!と思うくらい(偉そう)。バレンボイム、譜面台ないんですね、全て暗譜。スコア見ずにあのこまかーい指示ってどれだけの記憶力だろうと思いました。しかも、2週間弱でベートーヴェンの交響曲全部やるのに。
今日のオーケストラはアラブやイスラエルの若手音楽家を集めて結成された、比較的新し目のオケでした。気になったのはビオラの最後列の奏者がずーっと下向いてすごーくやる気なさそうにつまらなさそうに演奏してたこと。弓の動きも小さかったし、あれでは指揮者の指示なんて絶対見えないだろうに。
この8番と7番の間に演奏されたブーレーズの曲、私には前衛的過ぎてとても理解できませんでした。バイオリン(奏者はWEDOのコンマスで、バレンボイムの息子)と、シンセサイザーで作られた音の協奏曲でした。楽譜がステージ向かって上手から下手まで譜面台6台くらいを連続して立ててそれをバイオリニストが横移動しながら弾いていく形だったのですけれども、うーん・・・・。バイオリンを楽器として酷使している感じ。弾き終わったとき弓はもうぼろぼろ。これ弾いた後に7番でしたから、弓は変えたのかな?
【Prom27:8月3日】
Wagner/Siegfried Idyll
Bruckner/Symphony No.8
BBC Scottish Symphony Orchestra
Conducted by Donald Runnicles
ところで、最近オケを見るとこのオケはどの曲のときに何配置でくるんだろう、と気になってしまいます。昔日本で聞いているときはそうでもなかったと思うのですけど、最近対抗配置というのか、古典配置というのか、半円に並ぶオケの端と端に第一バイオリンと第二バイオリンが位置することが多いような気がします。
この日は、BBCスコティッシュ響。いずれも古典配置でした。Wagnerのジークフリート牧歌のジークフリートは、指輪のジークフリートと関係はなく(全く関係ないというと違うんですけど)、ワーグナーの息子のジークフリートに関連している、最初の弦部から管弦への広がりが素敵な曲です。中盤は管がメロディラインをとるので、管にとってもおいしい曲ですよね。オーボエによる愛の平和が美しかったです。あー、美しい。最後の広がりも癒されます。最後の和音に合わせて体が持っていかれる感じです。演奏時間は20分弱くらいだったと思いますが、一旦ここで休憩。ブルックナーの8番は80分ありますからね。
ブルックナーの8番は聞くほうも体力使うという結論。ただ、この日の観客は楽章ごとに拍手があって(しないひともいましたけど)、聞いている方もちょっとえっ?という感じ。どれだけ長い曲であっても、楽章の間に拍手するのは指揮者の集中力の観点からどうかな、と思います(前に、企業が協賛するコンサートで、一般人相手ではなくて招待客しかいないときにチャイコフスキーのピアコンで楽章終わった後に拍手がおき、指揮者もピアニストも戸惑っていたのを見たことがあります。)。音響の是非はさておき、ブルックナーとか、ワーグナーとか、ベートーベンの交響曲とか、RAHで聞くのは素晴らしい迫力ですよね。
【Prom35:8月9日】
Sibelius/Symphony No.6
Delius/Cynara
Grieg/Piano Concerto in A minor/Steven Osborne(piano)
Per Norgard/Symphony No.7
Sibelius/Symphony No.3
BBC Philharmonic
Conducted by John Storgards
シベリウス2連。実は、今日の曲目のうち、シベリウスの6番とグリーグのピアコンは、去年のプロムでザカリ・オラモ指揮、ロイヤルストックホルム管で聞いていたんですよね。そのときのピアニストは私の愛するAlice Sara Ott。真っ赤なドレスでいつものように裸足で登場するAliceがすごく誇らしかったのを覚えてます(なぜ私が誇らしくなるのかはさておき)このときのオラモの指揮がまたよくて、しかもオケとピアニストの相性もとってもよくて、去年大満足したんですよね。(しかも、その日はなんとシベリウス、グリーグ、ニールセンという北欧尽くし。まあ、今回も北欧尽くしではありますが。)去年とプログラムが半分もかぶるような選曲、よく運営側も許したなあと思いますけれども。Deliusは、今年が150周年の記念の年なので、他のプログラムでもいやというほど選ばれていますし。しかし、今年は一転、私はなんかこの指揮者とのフィーリングはイマイチでした。グリークのピアコンも、ピアニストとオケのつながりがイマイチだったし。去年のAliceのときのような一音目の和音から伝わってくるような感動は得られず、伝わってくるものがありませんでした。残念。。。男性のグリーグ、それなりに期待してたんだけどな、シベリウスも、期待していたのになー。。。わーん、オラモかヴァンスカでききたかったなあ、このプログラム!(といいつつ、実はこの日聞く側の私の体調も万全ではなく、それも影響したのかも)
【Prom48:8月18日】
Weber/Der Freischuetz overture
Mahler/Lieder eines fahrenden Gesellen
Tchaikovsky/Manfred
London Philharmonic Orchestra
Conducted by Vladimir Jurowski
ひーさーしーぶりーに聴く魔弾の射手序曲。最後に聴いたのがいつか思い出せません。しかし、Jurowski、やっぱり私合わない(実はロンドンにいるのにLPOもLSOもあまり合わないというのはとっても不幸なことだと思いますが、自分的にも。あんなにコンサートがあるのに。)。目をつぶって聞けば大丈夫なんですけど(笑)で、魔弾の射手序曲。ホルンのやわらかいアンサンブル、クラリネットソロ、フルートとファゴットのアンサンブル、弦の刻み、(あ、そういえば、斜め前の人が船漕いでたんですけど、終盤でCの音が最大音量で奏でられるところでびくっと起きていました(笑)おいおい。)
Manfred!これが聞きたかったのです。Jurowskiは好きな指揮者ではないんだけども、この日のプログラム構成はちょうどいい感じでした。でも、この人の指揮って分かりにくいよね。絶対。マンフレート、最後の最後でオルガン登場です。もちろん、RAHのパイプオルガンで演奏です。いや、ほんと震えますね。あのオルガン。もっと弾いてほしい(だったらオルガンプログラムにいけって話ですが。)マンフレート、もっと重い曲かと思っていましたら、意外と軽かったというと嘘になりますけど、情景が次々と浮かんでは消えていくような、曲調の美しさに助けられて重苦しさはそこまで感じませんでした。チャイコフスキー、やっぱり美しいなあ。CD買ってもいいかな、と思った一曲でした。
・・・BBC Proms 2012②へ続きます。
このプロムス、今年は7月13日から9月8日まで開催されました。118回目だそうです。すごいですね。7,8週間にもわたて今年の夏はロンドンはオリンピックやパラリンピックなどイベント続きでしたので、プロムスも多少はその影響を受け、、、なのかオリンピックに対抗して、、、、なのか、オリンピックの開会式の日のプログラムにバレンボイムの第九をぶつけてきたり(バレンボイムは第九を振ってからオリンピック会場に駆けつけていました)、Last Nightの次の日がパラリンピックの閉会式だったり、Last Nightのプログラムがかなりオリンピックを意識したものだったりしていましたね(オリンピックファンファーレとか)。

プロムスが始まったばかりの7月だと10時終演でもまだ明るいのですが、9月に入ると、10時前の終演でももう真っ暗です。
このプロムス、コンサートごとにプライスバンドが定められていて、同じ席でも日によって値段が違いますが、一番安いプライスバンドの一番安い席だと7.5ポンドしかしません。さらに安いのが当日券で、ArenaとGallalyの2か所の席が開演2時間半前に売りだされます。たった5ポンドで!アリーナ席は、ほんとかぶりつきで見れますが、ステージが高くなっているので多分奥の方は見にくいのかな・・・?でもひな壇になってるから管楽器はよくみえますよね。Gallalyはアリーナとは対象的に天井桟敷です。プロムスのチケットは、通常5月の初旬に売りだされますが、今年は私はなんとその日にオペラ座の怪人の25周年UKツアーをマンチェスターまで観に行っていましたので(笑)終わってからネットで慌てて買うという、綱渡り的な(笑)やっぱり、ウィーンフィルとかベルリンフィルとか売り切れるの早いかなと思うと、まあ確かにそれはそうなのですが、一番早かったのはクレイアニメーションのWallace&Gromitにフィーチャーしたプログラムだったという(笑)予想外でした。
今年は、なんとか時間をやりくりして合計12プロムス行けました。Last Nightまで入れて76プログラムということで、今年も初めて聞く曲や指揮者、演奏家に巡り合うことができ、幸せな7週間でした。記録目的で何回かに分けて書き留めます。なんせ12回もいくので、そんなに高い席は買えず、今回も事前に買った席は全てCircleという4階の安席です。それでも、RAH一杯に溢れる音楽を聞くのは乙なものですよね。
【Prom4:7月16日】
Respighi/Roman Festivals
Ravel/Piano Concerto in G major/Imogen Cooper(piano)
John Adams/City Noir
Julliard Orchestra/Orchestra of the Royal Academy of Music
Conducted by John Adams
2012年のProm事始、レスピーギのローマの祝祭から。この日は、ユースオケということもあってか、まだみんなプロムス気分じゃないのか、人の入りはイマイチ。というか、イマサンくらい。なので、もともと取っていた席はCircleという高所恐怖症の人には絶対無理な急勾配の安席だったのですけど、なんとCircleについた時点で「Stalls(値段的に高い席)に替えてあげる」といわれ、アップグレードしてもらっちゃいました。ラッキー。RAHでアップグレードなんて初めて。でも、アップグレードしてくれるなら4階席のCircleについた時点じゃなくて、チケット確認する1階で言ってほしかったです。あの階段の上り下りは相当なんだぞ!ちなみに替えてもらった席はStalls(1階席)の最前列。ドンだけチケット余ってたのよ、という話。
このProm4はレスピーギのローマ三部作を聞きたいが為に取ったものでした、が、ローマの祝祭、良かった!華やかでした!オケも、ジュリアードと王立音楽院という、この子たちがこれから世界のオケの中心になっていくんだろうな、と思わせるものでした。というか、7ポンドだかの席をアップグレードしてくれて、こんな演奏聞けるなら大満足です。ローマ三部作、今年はローマの松も別プロでやってくれたのですが、こちらは予定が合わずに行きませんでした。
John Adams自体は私はあまり馴染みがなく、City Noir自体も初めて。まあ、作曲家が振っているから、解釈どうこう以前の問題ですよね。ひな壇最後列には打楽器がこれでもかというくらい並び、ローマの祝祭、City noirともによく使われていました。2つのオケ足すとこういうとき便利ですね!
【Prom13:7月24日】
Beethoven/Symphony No.8
Pierre Boulez/Anthemes 2/Michael Barenboim(violin)
Beethoven/Symphony No.7
West-Eastern Divan Orchestra
Conducted by Daniel Barenboim
今回のProm目玉の一つ(多分)、バレンボイムによるベートーベンツィクルス(ベートーベンの交響曲1-9)のうちの一日。といっても、ベートーベンツィクルスのうち、7&8のこの日しかとっていませんでしたけど。知名度の高い7番を第二部に持ってきて、まずは8版07番は、私が一番好きな交響曲のうちのひとつですから、もう、これは誰が指揮とか以前に「Must listen」の一曲。もう、しびれました。大好き。最愛の第二楽章のテンポは気持ち速め。最初の管のロングトーンも決してロングではなかったです。でも、総じてオーソドックス。バレンボイム、良いです! 8のときはそうでもなかったのですが、7は客も完全に取り込まれて、最後の一音が終わった瞬間、余韻を楽しむ以前に割れんばかりの拍手。
それにしても、バレンボイムの指揮がなんとも分かりやすいこと!相手がプロ中のプロというよりまだ若手中心のWEDOだからかもしれませんが。今回はバレンボイムの指揮がより見たくて、席をちょっと斜めよりにしたので、管への指示もよーくみえました。もう、8番ひいてる途中から、私もバレンボイムの指揮で演奏してみたいなあ!!と思うくらい(偉そう)。バレンボイム、譜面台ないんですね、全て暗譜。スコア見ずにあのこまかーい指示ってどれだけの記憶力だろうと思いました。しかも、2週間弱でベートーヴェンの交響曲全部やるのに。
今日のオーケストラはアラブやイスラエルの若手音楽家を集めて結成された、比較的新し目のオケでした。気になったのはビオラの最後列の奏者がずーっと下向いてすごーくやる気なさそうにつまらなさそうに演奏してたこと。弓の動きも小さかったし、あれでは指揮者の指示なんて絶対見えないだろうに。
この8番と7番の間に演奏されたブーレーズの曲、私には前衛的過ぎてとても理解できませんでした。バイオリン(奏者はWEDOのコンマスで、バレンボイムの息子)と、シンセサイザーで作られた音の協奏曲でした。楽譜がステージ向かって上手から下手まで譜面台6台くらいを連続して立ててそれをバイオリニストが横移動しながら弾いていく形だったのですけれども、うーん・・・・。バイオリンを楽器として酷使している感じ。弾き終わったとき弓はもうぼろぼろ。これ弾いた後に7番でしたから、弓は変えたのかな?
【Prom27:8月3日】
Wagner/Siegfried Idyll
Bruckner/Symphony No.8
BBC Scottish Symphony Orchestra
Conducted by Donald Runnicles
ところで、最近オケを見るとこのオケはどの曲のときに何配置でくるんだろう、と気になってしまいます。昔日本で聞いているときはそうでもなかったと思うのですけど、最近対抗配置というのか、古典配置というのか、半円に並ぶオケの端と端に第一バイオリンと第二バイオリンが位置することが多いような気がします。
この日は、BBCスコティッシュ響。いずれも古典配置でした。Wagnerのジークフリート牧歌のジークフリートは、指輪のジークフリートと関係はなく(全く関係ないというと違うんですけど)、ワーグナーの息子のジークフリートに関連している、最初の弦部から管弦への広がりが素敵な曲です。中盤は管がメロディラインをとるので、管にとってもおいしい曲ですよね。オーボエによる愛の平和が美しかったです。あー、美しい。最後の広がりも癒されます。最後の和音に合わせて体が持っていかれる感じです。演奏時間は20分弱くらいだったと思いますが、一旦ここで休憩。ブルックナーの8番は80分ありますからね。
ブルックナーの8番は聞くほうも体力使うという結論。ただ、この日の観客は楽章ごとに拍手があって(しないひともいましたけど)、聞いている方もちょっとえっ?という感じ。どれだけ長い曲であっても、楽章の間に拍手するのは指揮者の集中力の観点からどうかな、と思います(前に、企業が協賛するコンサートで、一般人相手ではなくて招待客しかいないときにチャイコフスキーのピアコンで楽章終わった後に拍手がおき、指揮者もピアニストも戸惑っていたのを見たことがあります。)。音響の是非はさておき、ブルックナーとか、ワーグナーとか、ベートーベンの交響曲とか、RAHで聞くのは素晴らしい迫力ですよね。
【Prom35:8月9日】
Sibelius/Symphony No.6
Delius/Cynara
Grieg/Piano Concerto in A minor/Steven Osborne(piano)
Per Norgard/Symphony No.7
Sibelius/Symphony No.3
BBC Philharmonic
Conducted by John Storgards
シベリウス2連。実は、今日の曲目のうち、シベリウスの6番とグリーグのピアコンは、去年のプロムでザカリ・オラモ指揮、ロイヤルストックホルム管で聞いていたんですよね。そのときのピアニストは私の愛するAlice Sara Ott。真っ赤なドレスでいつものように裸足で登場するAliceがすごく誇らしかったのを覚えてます(なぜ私が誇らしくなるのかはさておき)このときのオラモの指揮がまたよくて、しかもオケとピアニストの相性もとってもよくて、去年大満足したんですよね。(しかも、その日はなんとシベリウス、グリーグ、ニールセンという北欧尽くし。まあ、今回も北欧尽くしではありますが。)去年とプログラムが半分もかぶるような選曲、よく運営側も許したなあと思いますけれども。Deliusは、今年が150周年の記念の年なので、他のプログラムでもいやというほど選ばれていますし。しかし、今年は一転、私はなんかこの指揮者とのフィーリングはイマイチでした。グリークのピアコンも、ピアニストとオケのつながりがイマイチだったし。去年のAliceのときのような一音目の和音から伝わってくるような感動は得られず、伝わってくるものがありませんでした。残念。。。男性のグリーグ、それなりに期待してたんだけどな、シベリウスも、期待していたのになー。。。わーん、オラモかヴァンスカでききたかったなあ、このプログラム!(といいつつ、実はこの日聞く側の私の体調も万全ではなく、それも影響したのかも)
【Prom48:8月18日】
Weber/Der Freischuetz overture
Mahler/Lieder eines fahrenden Gesellen
Tchaikovsky/Manfred
London Philharmonic Orchestra
Conducted by Vladimir Jurowski
ひーさーしーぶりーに聴く魔弾の射手序曲。最後に聴いたのがいつか思い出せません。しかし、Jurowski、やっぱり私合わない(実はロンドンにいるのにLPOもLSOもあまり合わないというのはとっても不幸なことだと思いますが、自分的にも。あんなにコンサートがあるのに。)。目をつぶって聞けば大丈夫なんですけど(笑)で、魔弾の射手序曲。ホルンのやわらかいアンサンブル、クラリネットソロ、フルートとファゴットのアンサンブル、弦の刻み、(あ、そういえば、斜め前の人が船漕いでたんですけど、終盤でCの音が最大音量で奏でられるところでびくっと起きていました(笑)おいおい。)
Manfred!これが聞きたかったのです。Jurowskiは好きな指揮者ではないんだけども、この日のプログラム構成はちょうどいい感じでした。でも、この人の指揮って分かりにくいよね。絶対。マンフレート、最後の最後でオルガン登場です。もちろん、RAHのパイプオルガンで演奏です。いや、ほんと震えますね。あのオルガン。もっと弾いてほしい(だったらオルガンプログラムにいけって話ですが。)マンフレート、もっと重い曲かと思っていましたら、意外と軽かったというと嘘になりますけど、情景が次々と浮かんでは消えていくような、曲調の美しさに助けられて重苦しさはそこまで感じませんでした。チャイコフスキー、やっぱり美しいなあ。CD買ってもいいかな、と思った一曲でした。
・・・BBC Proms 2012②へ続きます。