奇しくも映画を見る前に「ゲド戦記展」(日本橋高島屋 終了)を先に見てしまった私ですが。やっと見てまいりました。映画の方も。
終始、心地良い映画でした。主人公の苦悩が延々ラストまで続くので、初め
「あ、2時間これは重くなるかな」という心配も何のその。
登場人物も少ないし大きな活劇や転換は無いのに、ずっと草原にいるような気が。
風が強くなったり日が暮れたり夕日がキレイだったり、自分も住んでるような感覚でした。詩の言葉もキレイで。
無理の無い、自然な映画でした。
見事と思ったのは、宮崎駿という文字が一つも無かった事。
何処かオブザーバー的な役職でテロップに出てくるのかなと思いましたら、ホントに携わって無いようですね。「任せる」というのはなかなか出来ない事だと思います。
さて、今日は久しぶりに時間がつくれたので、そのまま楽しそうな所へ行く事にしました。上野の森美術館の東洋館へ。「若沖展」はスルーし常設館で主に中国青磁を
堪能して来ました。
この常設のメインアイドルは言わずもかなエジプトコーナー「ミイラ」でしょうが、
今日はじっくり陶磁器を中心に。白磁も凛として良いのですが、青磁は何処か個性と愛嬌が、私には分かりやすく好みなのです。南宋時代(13世紀位)龍泉窯の青釉の色に見とれておりました。ああ、シルクロードコーナーも楽しいですよ、壁画タイトルに発見した探検隊の名前が入ってたりします。
最後にもうひと頑張り。本館常設の江戸衣装と浮世絵展示だけつまみ食いして(充実!歌川3代・春信・北尾重正。「おおはしあたけ」「高輪うしまち」「両国花火」並んで揃ってます。空いてますから目の前で何分でも見られます。去年の「北斎展」の時の大騒ぎは一体何だったのか?東京江戸博物館浮世絵展示もいつも空いてますし。)
しかしまあ、これだけ見ていて420円。お徳だなあ・・・。
本館出口の写真はどうやらまだ私「ゲド戦記」影響が。彫り模様が柱に入ってて蔦が絡まってたりしたら完璧だったのに、などと思いつつ。
次は西洋美術館にて来月12日からのベルギー王立展が待ってます。マグリット「光の帝国」の大きな看板を見上げウットリ。ああ、楽しみ。でも混みそうですね。
シメは家で晩酌。我が家の青磁。(大川内 長春窯)