蔵王温泉から
蔵王スカイケーブルでドッコ沼へ『錦繍の舞台』です。
東京駅で偶然に目にした蔵王温泉の観光ポスター、息子の清高を連れて蔵王に向かう亜紀。ドッコ沼に向かうゴンドラの中で、別れた夫、靖明と邂逅する。 「私はそこで改めて、真っ盛りの紅葉を目にしました。全山が紅葉しているのではなく、常緑樹や茶色の葉や、銀杏に似た金色の葉に混じって、真っ赤な茂みが断続的にゴンドラの両脇に流れ去って行くのでした。」
宮本輝 著『錦繍』より。
その後、長い手紙が交わされるキッカケとなったゴンドラ(蔵王スカイケーブル)『前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて本当に想像すら出来ないことでした。』紅葉に染まる蔵王で十年の歳月を隔て再会した。そして、女は男に宛てて一通の手紙を書き綴る――。
宮本輝 著『錦繍』より。
密教の法具「独鈷」に形が似ているところから名付けられたと言われるドッコ沼の湖畔にある山小屋で靖明は亜紀とその息子・清高の姿を見ていたのだった。
宮本輝 著『錦繍』より。
『宮本輝ミュージアム』2008 年秋の企画展↓
http://www.oullib.otemon.ac.jp/pdf/20081115kinshu.pdf