7月15日・銀座山野楽器店7階のイベントホールで行われた
鈴々舎馬桜師匠の独演会に行ってきました。
ゲスト出演で 歌舞伎役者の中村福助さん
http://www.nakamura-fukusuke.co.jp/
その昔、鹿芝居(落語家がする芝居だそうです。)をすることになった折に
「お軽」をお習いしたのがきっかけでご縁があり
今回の出演…と相成ったそうです。
福助さんの落語は「厩火事」
さすが女形…何とも言えない絶妙な味の落語でした。
こんな、めったにありえない素敵な独演会にお誘いいただいた馬桜師匠に感謝したいと思います。
ゲスト出演がもう一人
曲独楽(きょくごま)の三増紋之助さん
http://www9.ocn.ne.jp/~joji/monnosuke.htm
中入り後、いきなり福助さんではキツイのではとの馬桜師匠のお計らいです。
紋之助さんがコマを扇子の上で回したり、刀の刃先まで動かすハラハラ芸はとても楽しく
会場が一つになって盛り上がりました。
特に、最後の…綱渡りするトトロが大好評…
会場も馬桜師匠の想定通りにホットな空間に・・・
開口一番が前座の 春風亭一力さんで「寿限無」
馬桜師匠は 「菊江の仏壇(別名・白ざつま)」
若旦那が、固物である筈の番頭さんに、囲い女のある事を知っているぞ…と
小出しに脅し…お座敷遊びを家でやる下りになる番頭さんとの掛け合い
鳴り物が入り楽しい宴会の様子
旦那様が帰って来て、慌てふためき仏壇に芸者さんを隠す光景
また・仏壇をを開けると白ざつまの浴衣を着た芸者さんが見つかってしまうあたりが
なんとも滑稽で楽しめました。
もう1席は 「七段目」
これまた、鳴り物入りで
まさに歌舞伎の世界がそこに見えているかのような楽しいものでした。
芝居好きな若旦那に、芝居のまねを止めさせるよう言いつかった小僧の定吉
…ガラリ戸をあけて「やあやあ若旦那、芝居の真似をやめればよし、いやだなんぞとじくねると…」
定吉が芝居好きな事を知った若旦那は
そのまま2人で芝居をやろうということになり、選ばれたのは忠臣蔵の『七段目・「祇園一力の場」』。
定吉がお軽、若旦那が平右衛門をやることにし
定吉に赤い長襦袢と帯のしごき、手拭いの姉さんかぶりで女装させたのはいいが
「平右衛門の自分が、丸腰というのは変だ。そうだ定吉、床の間にある日本刀を持っておいで」
「え!?」定吉が逃げ出しそうになったので、刀の鯉口をコヨリで結び、下げ緒でグルグル巻きにする若旦那。
芝居を開始するも、「その、頼みという…はな…」だんだんと目が据わってきた若旦那に、嫌な予感を覚える定吉。
「妹、こんたの命ァ、兄がもらったッ」コヨリと下げ緒をあっという間にぶっちぎた若旦那が、抜き身を振りかざして定吉に襲い掛かってくる。
慌てて逃げ出した定吉は、足を踏み外して階段から転げ落ちてしまう。そこに旦那が駆けつける。
「おい、定吉、しっかりしろ!」
「ハア、私には勘平さんという夫のある身…」
「馬鹿野郎。丁稚に夫がいてたまるものか。また芝居の真似事か。さては2階であの馬鹿と芝居ごっこをして、てっぺんから落ちたか」
「いいえ、七段目。」
だんだん落語にはまっていく自分がいるのを感じます。