(※汚い話なので弱い人は読まないでください)
「嘔吐恐怖症」という症状の存在を知ったのがつい先日の事
パニック障害克服の為の呼吸法云々というのを見かけたことがあるが
確かに発作時に心拍数が多少高くなるとはいえ呼吸困難になることは無かった
前々から一般的に知られるパニック障害の症状と一致しない点があると感じていた私は
もしかしたらコレはパニック障害ではないではないかと思い
面倒と思いながらも自覚症状を適当な検索ワードで打ち込んでみた
そこで見つけたのが悩み相談としてネット上に複数の「嘔吐恐怖」に関する書き込み
それらの内容は深く共感する事が出来るものばかりだった
何十年も抱えてきたモヤモヤ感が払拭されたように気持ちが楽になった
反対に「嘔吐恐怖症」ではない人の書き込みで
「誰でも嘔吐に対して嫌悪感を持つのではないか?むしろそれが普通だ」という内容に
落胆を感じた。とはいっても私自身その時この言葉を知ったばかりなのだから
世間の人が「嘔吐恐怖症」に対しての認識がほとんど無いのは当然であろう
私はこういう症状を隠したいとは思わない
もちろん時と場合によるが
突然人に迷惑をかけるくらいなら前もってカミングアウトするつもりだ
言葉の使い方が間違っているかもしれないが
それこそ「どぶ板選挙」のように長く関わる人には一人一人訴えたい
さて私の「嘔吐恐怖症」の症状だが
他人の嘔吐の現場と自分の嘔吐...。当然どちらも怖い
他人の嘔吐の場合は吐きそうだと予告されたり
街角や駅などのこちらから見えない死角でまさに今吐いているぞ!という
おぞましい声や吐瀉物がぶちまかれる音が聞こえてくると
そこからその先たとえ進行方向であっても足が進まない
遠回りしてでもその場所は避ける
ベロベロになった酔っ払いがゲップしながら近寄ってきたら
平静を装いながらもとにかく逃げる
しかし運悪く他人の嘔吐を目撃してしまった場合
それほど恐怖していたゲロに対し意外にも開き直ることがある
場合によっては掃除までしてしまう事すらあるのだ
結果としては仕方がないと冷静になってしまうようだ
私にとって一番の恐怖は自分自身の嘔吐で
しかもそれが周囲に不特定多数の見知らぬ人がいた場合
なんと形容してよいのかわからないくらいの恐怖を覚える
背中をさすってもらうなんてもってのほかだ
ゲロを吐く時はとにかくひっそりと誰にも悟られず事を済ませなければならない
だからいくらその姿を隠す事が出来る公衆トイレであっても
今吐いてます!とばかりのうめき声を上げて吐くなどというのは
私の中では絶対に許されない事なのだ
それは何故だろう
きっと幼い頃からのトラウマから「人前で嘔吐=他人へ大迷惑」だからなのだと思う
私が吐く事で周囲の人が貰いゲロしてしまったり
一日食欲をなくしてしまっては申し訳なく思う...
そんな気持ちが頭のどこかに過ぎるのだと思う
世間では音を出さずにゲロを吐く事が出来る人がいる
酒を飲んだ席でもいつの間にかトイレに消え
トイレで吐いて平然と戻ってきて飲み直すなんて人もいる
尚且つ誰もその人が吐いたと言う事実を知らない
歩きながら吐く人
会話してたのに突然吐く人
嘔吐に関してたいして苦しいと思わない人
吐いた方が楽だといってすぐに吐ける人
不特定多数の人が大勢いるのに平気で吐く人などなど
...理解できないけどすごいと思う
そうはなりたくないけど正直うらやましい部分もある
嘔吐恐怖症の人の中には10年以上嘔吐経験がないというひとが多いようだ
実は私も気がついてみたら20年ほど胃から戻した事は無い
子供の頃から何が何でも吐かない!
意地でも我慢をしてきた訓練の賜物なのかもしれない
ただ数年に一度は嘔気に襲われている
たいてい胃腸系のウイルスが流行る冬場子供が学校からわざわざ仕入れてくるのだ
頼む息子よ心の底からそんなお土産は遠慮したい!
ウイルスに襲われた場合
普通の人だったらたいてい吐いているはずなのに私の場合声だけで苦しむ
よく「吐いた方が楽になる」とか「吐くものが無いと苦しい」ときくけど
確かに吐くべきものが出てこない時の方がはるかに苦しいと思う
こんな場合声がでかいからさぞたくさん吐いてるかのように思われがち
でも実際は吐いてないのだからそれはそれでしゃくだ
こんな時はたいてい顔色は真っ青
結果こういう吐かない自慢的なものは馬鹿げていると言う事になる
(いや、別に自慢してるわけではないが)
吐かないんじゃなくて吐けない自分が情けない...
実際吐いた方が楽なら吐いたもん勝ちということではないか
周囲に迷惑かけようとも吐いて楽になっている人...
ちょっとは気を使って欲しいものだ
自分は楽になったかもしれないけどこっちは反対に気分が悪くなったわい!
でもって嘔気で苦しんでる時って
私の場合40過ぎのいいおっさんなんだけど
心の中で「お母さん(故人)、助けて!」とか
「神よ、何故こんな試練をお与えになるのです?」などと
真剣に思ってしまうんですよね...。
