東方のあかり

東アジア(日、韓、中+その他)のまとまりを願ってこのタイトルにしました。韓国在住の日本人です。主に韓国発信の内容です。

お互い、チ・ホンサしたね。

2022-05-25 11:31:41 | 韓国物

「下向きの愛(ネリ・サラン)はあっても上向きの愛(チ・サラン)はない」
という言葉が朝鮮にはある。朝鮮の先祖たちは、親が子供を愛し、目上の人
が目下の人を大切にすることはあっても逆になる場合は珍しいと考えたのだ
ろうか。「チ-」は「上に向かって」「上に上げて」を意味する韓国語の接頭辞だ。
似たように「チ・ホンサ(婚事、つまり上向きの結婚)」という単語がある。

以前はたいてい新郎の方がもう少し良い場合が多くて「娘は決まってチ・ホ
ンサする」(女からみて)と表現されることが多かったわけだ。

ところが、これが逆になる(単純に、男より女のほうが上になる)と、
その時新郎は「いいやつを当てたなあ」 「デバク=すごい」などと言われる。
意地悪な新郎の友人たちは「お前は前世で国を救ったのか」「この泥棒野郎が
嫁をとるとは」などと冗談交じりの嫉妬をはいたりする。

一昨日、バイデン米大統領が公式晩餐会を開く前に、尹錫悦(ユン・ソン
ヨル)大統領夫妻と挨拶かわし、ジョークを放った。「米国にはこのような
言葉がありますよ。ユン大統領と私は、マリッドアップ(married up)した男
たちです。」

韓国語で言えば「チ・ホンサ」をしたという意味だ。日本語で言えば、さしず
め「アゲマン」ということになろうか。結婚と関連した西洋ジョークを200個
ほど探してみると、新婦側をディスする(割引する、悪く言う)表現が圧倒
的に多いようだ。ジョーク生産者が主に男性だからだろう。しかし、バイデ
ンは自分を含めた2人の夫を下げながら、キム・ゴンヒ女史を褒め称えた。

数年前、ミネソタ大学が37文化圏の1万人を調査したところ、女性は自分より
優れた条件を持つ男性を選ぼうとした。女性4人のうち3人は平均を上回る
社会的・経済的地位を持つ新郎を望んだ。これを「ハイパーミー」と言う。
カースト制度のあるインドで目立った現象といえるだろう。研究を集めてみる
と、パートナーを選ぶ時、女性が男性よりもっと気難しく慎重だった。

高句麗(コグリョ)のパボオンダル(温達将軍は子どもの頃はばかのオンダル
といわれていた)もピョンガン・コンジュ(ピョンガン姫)と婚姻することで
「マリッドアップ」した代表ケースだ。温達(オンダル)は子どもの頃はみんな
から「バカ、バカ」といわれてからかわれていたが、ピョンガン姫と結婚する
ことで、「将軍」にまで出世したのだ。ピョンガン姫が一つひとつ教えていった
のだった。

キム・ゴンヒ女史が席を離れた後もバイデンがキム女史の話をしながら何度も
何度も「ビューティフル」と言ったという。尹錫悦大統領を褒める意味で「俺たち
は、マリッドアップしたね」と言ったわけだが、相手を褒めながら自分をまた
間接的に褒めるというアメリカ式(?)芸当をやってのけたわけだ。出された
食事もぺろりと平らげ、高齢にもかかわらずエネルギッシュな動きに終始した
今回の訪韓路程だった。バイデンの韓国における印象は非常にプラスとなった
ことだけは確かだ。(朝鮮日報コラム参照)
 
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