東方のあかり

東アジア(日、韓、中+その他)のまとまりを願ってこのタイトルにしました。韓国在住の日本人です。主に韓国発信の内容です。

韓国のブラックジャック

2024-03-10 09:01:00 | 韓国物
     

江陵峨山病院のヤン・グヒョン神経外科長(46)が7日午前8時、
同病院6階の神経外科病棟に入った。 短い半白髪の髪は乱れており、
両目は充血していた。 ヤン教授は「最近2週間、家に一度だけ入っ
て寝た」と話した。

普段も忙しかったが、「医療跛行(専攻医らのデモ)」以後は病院の隣の
家にも入る時間がないということだ。彼は看護師から一晩中患者の状況を
報告された。患者の皮膚と便の写真を見て回った後、病室を回りながら回
診(病室診療)を始めた。

患者の大半は高齢だった。「お母さん、今日退院するんで、きれいに
洗いましたね。外来でお会いしましょう」。

彼は一般病棟の患者を調べた後、すぐに4階の救急集中治療室に降りた。
彼が患者の状態をチェックして指示を出すと、若い専攻医が書き留めた。
ヤン教授は「先日、私が鼻血を流したが、その話を聞いて(辞表を出した)
教え子2人が戻ってきて集中治療室を守っている」と話した。 現在、この
病院の専攻医36人のうち15人が勤務している。

ヤン教授は黒い登山服のズボンにランニングシューズを着用していた。応急
患者が発生した時、滑らずにもっと早く患者に行くためには、登山服と運動
靴が最適だと言った。登山靴を履く時もある。午前9時ごろ、14人の
患者の回診を終えた。

続いて血管造影室に降りていった。歩き方が競歩選手のように速かった。
重さ3.5キロの鉛服(放射能保護服)を急いで着て造営室に入った。
病床には左側の脳血管の一部が塞がれ、手術を控えたおばあさんが横に
なっていた。ヤン教授は、患者の体に直径2ミリ以下のカメラ付きの管
を入れて、詰まった脳血管周辺を撮影した。モニターを凝視するヤン教
授の額に太い汗がにじんだ。「思ったより調子が悪くはないね。よかった」
造影室を出た彼は膝を触った。鉛服を着て立って施術した後、膝が
痛いと言った。

彼はすぐ研究室に上がって診療記録などを見ながら、今日これからの手術
準備をした。くも膜下脳出血(脳の中のくも膜下出血)を患う44歳の
女性重患者だった。 彼は「脳動脈に出血があり、周辺の血管も微細に破
れて出血が疑われる重症患者」とし「このような大きな手術をする日には10
年ほど老いる感じ」と話した。

          

午前10時、手術室に入った。「さあ、やりましょう。集中して」
彼はメスで患者の頭皮を切開し、頭蓋骨の一部を丸く切り取った。
白い脳硬膜を切って広げて固定させた。手術顕微鏡に目を当て、針の穴ほ
どの切開をしながら、出血のある血管を探した。砂を一つずつかき分けな
がら砂金を探す作業のようだった。肉眼では見られない直径1.5~6
ミリの血管を扱うヤン教授は、息も大きくしなかった。目を顕微鏡に固定
したまま、映画の中のスローモーションのように右手をゆっくり動かし、隣に立って
いる看護師から手術用のナイフ、はさみをもらって手術部位に持っていった。
問題の血管の周りから突然血が出た。彼は低い声で「オークション
(血を吸い込んで)してください。問題ありません」と述べた。
伸び一度もできなかった手術は、7時間後の同日午後5時に終わった。

ヤン教授は手術後、患者と一緒に1階の血管造影室に降りた。手術が
うまくいったかどうか、血管の状態を撮影するためだった。モニターを凝
視していた彼は、外で待っていた患者の両親たちのところに行った。「経過を
見守る必要があるが、おそらく娘さんは歩いて退院できると思う」と話した。
老夫婦の目に涙がにじんだ。

彼はこの日、朝食と昼食を食べなかった。大きな手術を控えては神経
が尖って食欲がなくなると言った。ヤン教授は前日も午前3時から6時まで
応急患者の手術をした。その後、昼12時30分まで外来診療をした後、
昼食を食べようとしたが、脳梗塞の救急患者が入ってきた。応急手術を終え、
直ちに脳出血患者の手術を行った。午後6時ごろ、手術を終えて病院の
隣の家に行き、干し菜っ葉の味噌汁で腹ごしらえをして、再び病院に戻っ
てきた。専攻医の離脱で夜に患者関連の指示を下すこともヤン教授が直接
している。彼は4坪の研究室で翌日、手術計画を点検し、2人用の灰色の
ソファに横になって寝た。

彼は「最近は病院の研究室にいるのが家に帰るより心が楽だ」と話した。
「夜に救急患者が入ってくる可能性があり、何度も病棟から『患者
が熱が出る』『頭痛がひどい』という電話も来る」とし「もう専攻医も
いないので、私が直接一晩中患者の面倒を見なければならない」と話した。
最近は内科医の妻と小学生の娘と息子が病院1階のカフェにヤン教授
にたびたび会いに来るという。彼は「脳血管の救急患者は早く治療しなけれ
ばならないため、一度も他の病院に送ったことがない」とし「私が最後の医師
だと思って命を懸けてやっている」と話した。梁(ヤン)教授は、嶺東地域
で脳血管の手術と施術(ステントなど)をすべて行うことができる唯一の医
師として知られている。彼は「江原道に(患者が)住むことが罪になって
はならないというのが私の信念」と話した。

医学部の増員と専攻医の反発に対する考えも述べた。ヤン教授は「神経外
科専攻医たちは忙しいのに、2000人増員が本人の人生にどんな影響を与え
るのか深く考える時間もあったのではないかと思う」とし「多少性急に(患者の
そばを離れる)決定をしたのではないかと思う」と話した。

また、「政府が最近発表した必須医療支援パッケージは具体的ではない」
とし、「今は成績1位のインターンが皮膚科に行く。精密な対策がなければ、
増えた医師たちも皆このように人気科に陥るだろう」と話した。それと共に
「特に教育の質が心配」とし「私も毎日外来診療と手術などで時間を全部
使う。今も専攻医に教える時間がないのに、増員されればさらに難しくなり、
被害は患者が受けるだろう」と述べた。続いて「もし医学部の増員で良質の
教育を受けた必須診療医師がさらに多く出るなら、2000人ではなく2万
人増員になっても構わない」とも述べた。

政府が発表した医療事故特例法については、「最善を尽くした医師は保護
しなければならない」と言いながらも、「一部の整形外科で麻酔患者が呼吸
をしていないのに、遅く対処した事例のように、基本技のない医師が出した医
療事故は、より重く処罰しなければならない」と述べた。

ヤン教授は「崖っぷちの患者を生かすのが医師だと思って神経外科を専攻した」
とし「後には東海(トンヘ)や三陟(サムチョク)のようにもっと深い田舎に
入って診療をしたい。1時間だけ早く治療していたら予後がもっと良か
ったのにという残念さをたくさん感じるから」と話した。(朝鮮日報参照)

☞バイタル(生命)医師
内科・外科・産婦人科だけでなく、救急医学科・神経外科・胸部外科
など、患者の生命と直結する必須診療科分野で勤務する医師を指す。
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