東方のあかり

東アジア(日、韓、中+その他)のまとまりを願ってこのタイトルにしました。韓国在住の日本人です。主に韓国発信の内容です。

救いたいと思うのが医者であるはずなのに。

2024-02-23 16:47:33 | 韓国物
ソウル大学医学部教授がMBCのテレビ討論に出演し、総合病院
奉職医(月給医師)の年俸が最近3億~4億ウォンまで上がった
と話したことをめぐり、余震が続いている。

専攻医(レジデント)が医療現場を離れ、手術や入院がキャン
セルされたことにより患者の不満が高まっている中、「4億ウォ
ン(4500万円)も受け取りながら患者を投げ捨て、縄張り争い
をしている」と世論は悪化している。一方、総合病院の一般の
医師らは「4億ウォンもらって働けば、悔しくもないだろうよ」
と怒りをあらわにしている。

政治畑に入る前に医師として働いていた「共に民主党」のシン・
ヒョンヨン議員は21日、自身のフェイスブックに「今日の医療
関連キーワードは『35歳医師の年俸4億』」とし、自身が2018年
に明知医療財団と漢陽大学で勤務しながら受け取った年俸の
源泉徴収領収書を公開した。
シン議員は「当時38歳。医師免許を取り、当時13年目の医師で
あり専門医(専攻医でない)として該当病院で勤務し、漢陽大
学医科大学専任教授として両機関で合わせた年俸を公開する」
とし、1億ウォン程度が書かれた源泉徴収領収書を提出した。
シン議員が医師時代の自分の年俸まで公開したのは20日、ソウ
ル大学医学部医療管理学科のキム・ユン教授がMBC「100分討
論」に出演し「2019年の年俸が2億ウォン余りだった総合病院奉
職医者(勤務医)の年俸が最近3億、4億ウォンまで上がった」
と言及し論難が続いているためだ。

キム・ユン教授は討論で「韓国で医科大学を卒業して専攻医を
終えて軍隊に行ってきて35才頃になった専門医が受け取る年
俸が3億、4億ウォン」とし「勉強ができて大企業に行ったのに
他の科を選択したという理由で1億ウォン程度しか稼げない
とすれば当然誰だって医大に行きたがるのではないか」と話した。
そのため、専攻医らがストライキで職場離脱が継続している
のをうけ怒った患者たちの不満はさらに高まっている。
爆発寸前だ。

あるネットユーザーは「すでに35歳の医師が4億ウォンも稼い
でいるというのに、彼らは一体いくら稼げば満足するという
のか。政府はこの非正常を正常にしようとしているだけなの
になんで集団行動に走るのか」という文章を載せた。

また別のネットユーザーも、「医師の年俸が4億ウォンを割る
のが嫌だからがん患者の手術を先送りし、出産間近の妊婦を
ほっぽり出して脅迫しているのか」とし、「医師免許を取り消
し、再交付を禁止して医者の年俸を4000万ウォン程度にし
なければならない」と熱いコメントをアップしたりもしている。

しかしこのような議論に医師たちはかっとなっている。ビッ
グ5病院でも、35歳の専門医が4億ウォンを受け取るケースは
なく、整形外科の開院医など少数のケース(膨大な利益)に
フォーカスを当てているだけで、全体の医師らが罵倒されて
いるという反応だ。

ある専任医(一般の医者)は「キム・ユン教授が言った年俸
3億~4億は整形外科開院専門医たちが受け取るかは分からな
いが、私たちのように大学病院で勤めていると実際に税金を
除けば月に300万ウォン程度を受け取るだけ」とし「専攻医
を終えて軍隊に行ってきて専門医になれば大部分40代になる
人々が、大学病院に残って必須医療をして(鬼患者らの)訴
訟と戦って薄給に苦しめられるよりは、この際必須医療をし
ないで他の病院に行くほうがマシということ」と話した。

あるビッグ5病院の関係者は「助教授級も年俸が1億8000万
ウォン程度だが、税金で無慈悲に取っていかれるため、税
金だけで3000万~4000万ウォンがなくなると見ればそれほ
ど多く受け取るわけではない。医学部教授といっても、表
示される金額はそれほど大きくない」とし「手当ても移植
外科の場合、突然移植が出れば手術をしなければならない
が、週末に時間に関係なく出る手当てが10万~20万ウォン
程度だけ」と述べた。

実際、専門医の中で奉職医と開院の賃金差はかなり大きい。
統計庁の保健医療人材実態調査によると、2020年基準で国
内全体医師の年平均賃金は2億3070万ウォンと調査された。
このうち、専門医の年平均賃金は2億3690万ウォン(2682
万円)、一般医は1億4231万ウォン(1611万円)だった。
専門医全体の年平均賃金である2億3690万ウォンは、他の
国と比べても高い水準だ。

最近、欧州のあるメディアが経済協力開発機構(OECD)の
資料を分析し、欧州25か国の一般医や専門医の年俸を分析
した結果、2020年基準で当時の平均為替レートを適用した
時、ルクセンブルクが25万8552ユーロ(3億4904万ウォン)
で専門医の年俸が最も多かった。
2位はアイルランド17万2882ユーロ(2億3339万ウォン)、
3位はオランダ16万869ユーロ(2億1717万ウォン)をそれ
ぞれ受け取った。

韓国専門医の年俸が2位のアイルランドより高い。ちなみ
に日本の場合は、一般病院で約1,491万円(1億3000万ウォ
ン)、一般診療所で約1,071万円(9500万ウォン)である。
韓国の方がずっと高くもらっていることがわかる。

ある大学病院の必須医療科の教授は「実は金の猛者にな
っていたら、この仕事はできなかっただろう」とし「使
命感で家族にも会えずに患者の世話をしてきたが、国民
が医師をこのように非難するだけで、心が苦しい。後輩
たちが戻ってくるかどうか分からない」と話した。

このように一部の良心的な医師もいるけれど、大部分は
金の猛者になっているのが韓国医師の実像といえるだろ
う。だから国民は医師のストライキを容認することはな
くやればやるほど冷たい視線が強まっていくだろう。

韓国の医師の給料体系が高すぎるところが諸悪の根源な
のだ。日本くらいの水準にすれば医大生増員に反対して
患者の生命を担保にストライキをするような事態は避け
られるのではないだろうか。絶対に患者を離れないとい
うヒポクラテスの誓いを唱和して医者となった人たちで
はないか。金の猛者となって人々の軽蔑の視線を受けな
がら生きるよりも患者の側に立って生命尊重の立派な
医師として生きる方がはるかに価値ある人生ではない
だろうか。
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