東方のあかり

東アジア(日、韓、中+その他)のまとまりを願ってこのタイトルにしました。韓国在住の日本人です。主に韓国発信の内容です。

金正恩_非核化という「株式」はバブルなのかも。

2019-03-18 09:45:12 | 韓国物

現在の韓国の状況を端的に書いたコラムがある。
楊相勲(ヤン・サンフン)主筆(=朝鮮日報)の3月17日のコラム。
先日韓国の自由韓国党のナギョンウォン議員が国会での演説で
文在寅大統領のことを「金正恩の第一秘書官」と表現して与党側の顰蹙をかった’事件’があったのだが、
今回のコラム、まさにそれがかなりファクトではないのかと思わせるような内容となっている。
ちょっと長いが、現在の韓国の中に存在する一つの大きなオピニオンでもあるので、
このブログに掲載することは意義あるものであるものと考える。

 

引用ここから。********************************************************************* 朝鮮日報3月17日より。

中国やロシアのような国を除き、世界でハノイでの米朝首脳会談が成功したと主張する政権が二つだけある。それは韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権
と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権だという。今回の会談で金正恩が表明した寧辺の核施設廃棄を大きな進展だと主張する政府が世界に二つだけ
ある。それも文在寅政権と金正恩政権だという。世界で対北朝鮮制裁を解除しようと主張するただ二つの政権も文在寅政権と金正恩政権だ。会談決裂後、
トランプ米大統領の交渉チームを非難したのも文在寅政権と金正恩政権の人々だけだ。国際社会で金正恩のスポークスマンの役割を唯一買って出た人物が
文大統領であり、金正恩にとって唯一の「護衛役」は文大統領だという。世界で金正恩を「偉人」同然に称賛する放送を流しているのが、
韓国の政権サイドの放送と北朝鮮の放送だという。

米国が文大統領に米朝の仲裁役を求めたところ、北朝鮮に核を放棄するよう説得するのではなく、逆に米国を説得して対北朝鮮制裁を解除しようと言う。
対北朝鮮制裁が先になくなれば、金正恩は何のために核を放棄するというのか。文在寅政権はあらゆる問題で「北朝鮮」と「金正恩」が最優先だ。
甚だしくは、独立功労者の昼食会でも「独立功労者の発掘を北朝鮮と共に行いたい」と述べる始末だ。

意義深い三・一運動100周年の記念演説ですら、いきなり「パルゲンイ(アカ=共産主義者)」の話が飛び出した。
(訳注・文大統領は演説で「パルゲンイ」という用語について、日本による植民地統治期に日本が抗日独立運動家たちを弾圧するため使ったものだとの
趣旨の発言を行っている。しかし一般の韓国人の中でそんなふうに思っている人はほぼゼロだろう。)「パルゲンイ」も結局は北朝鮮と関連する問題だ。
政権初期にあれほど建国100周年を叫んでいたのに、突然言わなくなった。北朝鮮が「建国100年」という言葉を嫌がったためだという説がもっぱらだ。
スポーツ界で最優先するのは南北合同チーム、南北共同開催だ。鉄道界は南北の鉄道連結、道路も南北の道路連結が最優先だ。
観光の話は金剛山観光ばかりで、工業団地の話も危機状態にある韓国国内の工業団地ではなく、開城工業団地の話しか聞こえてこない。
巷ではそうした文在寅政権の姿勢について、政権のスローガンである「人が優先だ」をもじって、「北朝鮮人が優先だ」などと皮肉られている。
北朝鮮に対する関心の10分の1だけでも粒子状物質による大気汚染問題に取り組んでもらいたいとの声も漏れる。

ある企業が実は中身がない好材料をつくり出し、株価をつり上げることがある。今は「金正恩非核化」という株式がバブル状況だ。
しかし、米情報当局のトップ全員が「金正恩には非核化の意思がない」と証言したことはそれがファクトであることを示している。
株価操作銘柄もうまく投資すれば儲かることがある。ところが、文政権は金正恩という株式であまりに儲け過ぎた。支持率が90%に迫り、
ある地域では「世宗大王」の再来と言われ、地方選挙を総なめした。そこでの儲けは再び金正恩という株式に全てつぎ込んだ。
一つの銘柄にオールインすれば、願うと願わざるにかかわらず、その中身がない企業と運命共同体になってしまう。そうなれば、その企業のスポークスマン、
護衛役とならざるを得ない。今の文在寅政権と金正恩政権はそうした運命共同体になりつつある。文大統領と民主党だけでなく、
韓国のテレビ・ラジオ放送までも金正恩との運命共同体に組み込まれつつある。

南北は和解し、交流し、統一すべきだ。その大前提は民族を抹殺しかねない北朝鮮の核爆弾がなくなることだ。金氏王朝が北朝鮮住民の言論、出版、
集会、結社、身体、居住移転など人間としての最小限の権利について、少なくとも中国程度は認める必要がある。それがない北朝鮮は地獄だ。
今回のハノイ会談を通じ、金正恩に核を放棄する意向がないという事実がはっきりした。核放棄を本当に決断した人物であれば、ビッグディールを拒否する
理由はない。現時点で韓国の大統領は北朝鮮ではなく、大韓民国のことをまず考えなければならない。北朝鮮株からは手を引き、状況を冷静に見守るべきだ。
北朝鮮非核化という銘柄の株価からバブル部分を取り去るべき時期が来ている。ところが、むしろバブルを膨らませようと必死だ。

とどのつまり、全ては政権維持のために思える。政権を失うことに対する恐怖があまりに大きいのだ。それで、金正恩という株が政権維持を下支えすると
信じてオールインした結果、言いなりになってしまった。バブルが弾ければ死を共にする運命共同体になってしまうのだ。非核化に関係なく、開城工業団地、
金剛山観光に力を入れるのは、ただただバブルを消したくないためだ。彼らは金正恩が核を放棄しないという事実を既に熟知しているのだと思う。
必要なのは非核化ではなくバブルだ。ところが、米国がそのバブルに冷や水を浴びせたから憤ったのだ。今のところは口先で不満を並べているだけだが、
本当に北朝鮮バブルが弾けそうになれば、まるで投資家が証券会社のロビーで騒ぎを起こすような行動を取りかねない。

個人が投資を誤って大損をすれば、それは個人の責任だ。しかし、政権が金正恩バブル株に頼り、そのバブルが弾ければ、5,100万国民の誰もが大損を
することになる。

引用ここまで。*********************************************************************

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 崔 善姫、北朝鮮外務省副相、... | トップ | 北、開城(ケソン)南北共同... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

韓国物」カテゴリの最新記事