Towards the Universe....

~Miyuki Ito-Composer's Life~

フラクタル

2010-10-17 15:30:29 | ♪music/私の音楽に関する全て!?


フランス人のブノワ・マンデルブロ博士が、85歳で昨日アメリカで亡くなったそうです。彼は、フラクタルの提唱者でノーベル賞数学博士です。
http://www.nytimes.com/2010/10/17/us/17mandelbrot.html?_r=1(NYタイムズ)

今週授業で、黄金律、フラクタルについて語ったばかりで、新聞にのっていたのでちょっとびっくり。という私は、生きていると思っていなかったのでした。何か歴史的人物だとばっかり思っていたのでした。

知ったきっかけは、学生のとき曲のアイデアを考えている際に、日本の建築の本を読んでいてフラクタルとの関係とかでてきて関心をもち自分の音楽作品にフラクタルを利用したのが最初です。知った当時はすごいアイデアだと自分で感激して、作曲のレッスンでトリスタン・ミュライユ氏に話したところ、それなら自分のこの作品で応用したと、コンピューターでフラクタルの計算、音への応用を説明してくれました。確かに自分ですごい思いつきだと思ったことは既に過去の人がやっているっていうのは、当たり前なのですが。私が毎回思いついたアイデア全て、ミュライユの自分の作品で使われていて、この世の中どこかで誰かが既にその考えを使っているもんなんだよなって思いました。でも、毎回私のアイデアに、前向きに色々と相談にのってくれ自分なりの音楽にいかして作曲してこれたわけで、やっぱり、ミュライユの存在は私にとって大きいです。そんなわけで、音へのフラクタルの応用方法をコンピューターで教えてもらい、試行錯誤しながら自分のアンサンブル作品に応用した作品が、カーネギーホールで初演され、賞もいただいた"Fading Beauty..."という作品です。スペクトラルとフラクタルを利用した最初の作品です。はるか昔の話しですが。。。。当時は、カオス理論とか、もちろんブノワ・マンデルブロの著作「Fractal Geometry of Nature 」とか師匠にすすめられた全ての本をとりあえずそろえましたね。とはいえ、数学公式は???? 図や写真をみてふむふむって感じでした。その当時、すでにその学者は生きているとは思ってなかったんです。

そう思うとあの頃は、曲ごとに新たなアイデアを色々と考えて悪戦苦闘していたよなあ~。最近、そういう新たなアイデアって尽きてるような。毎回、新曲にアイデアを考えているものの何かしら自分の以前のアイデアの派生であり、若い頃のような新鮮さが欠けてる気がします? 無意識な自分の素材の使い回しにならぬように、新鮮なアイデアをと次回の作品にむけてリフレッシュと、反省中です。
芸術の秋ですから、シリアスにたまには考えなくてはね! 

コメントありがとうございます。
http://www.ted.com/talks/benoit_mandelbrot_fractals_the_art_of_roughness.html ここでマンデルブロ博士の貴重なお話が聞けます。芸術とフラクタルの関係もお話ししてます!