「襟裳岬 白髪老人も大好きさ!」
平成29年9月10日の朝5時に、私は襟裳岬の駐車場に居りました。
広い駐車場内に、軽自動車一台と私の車だけでした。
朝の襟裳岬のお花畑を一回りして、残り少ない秋を楽しんでいるお花たちに挨拶して回りました。
この季節、余りにも花の数の少なさに驚きながら、それでも何種類かの残り花を見つけて楽しみ(撮影し)ました。
日の出前には灯台に灯ガついています。日の出後すぐに灯は消えます
駐車場にもどると、白髭で白髪の老人とすれ違いました。襟裳岬にこの風貌の人が来ているなんて珍しく、そおっと話しかけ近寄りました。老人は車の横で歯を磨いていて、朝の準備に入るところでした。
この人の写真が撮れれば面白い(かってにそう思い)と話しかけたのでたが、最後まで写真を撮らせてくださいとは言えず、そのあと別れましたが、襟裳岬に白髭のそして白髪の仙人のような人が来ているなんてと驚きと云うか不思議でした。
襟裳岬駐車場より、えりも岬港を撮る
襟裳岬までは遠く、どちらかと言えば若者たちが来る観光地と思っていたからです。
軽自動車のナンバーブートには「諏訪」とありましたので、「長野からですか?」と聞いたのでしたが、どうやら自宅は無く、生まれは熊本とか、神戸にも住んでいたとか、転々と住所をかえて、30才代から車で放浪しているらしいのです。住所は不定、生活は車の中らしいのです。
「車ホームレスさ!」の言葉に驚きました。家を持たず、車生活、不思議な生活もあるものだと感心したのです。むかしは軽ではなく大きな車に乗っていたとも言います。
「年金生活ですか」と聞いても「長く勤めていないのでもらっていない」とのことで、これも驚き、「ところで、生活費はどうしているの」と聞いても「何とかしている」「文章と字を書いて金をえていた」との話、世には不思議な人が居るという事が分かったのでした。
今年も避暑の為北海道に来て、道内各地を回っていると言いましたが、北海道では「襟裳岬」、「宗谷岬」、「根室岬」が涼しくて好きと言います。今年の夏は特に暑かったので涼しい3つの地が最適だったらしいのです。夏の暑いとニュースに出ていた道内の地名を上げて行くのにもびっくり、襟裳岬は涼しくて長いこと泊まっていると言います。
10月中旬にもなれば本州に戻ると言っていました。
ホテルの朝食の7時が迫っていましたので、分かれましたが、別れ際に歳を聞くと、なんと私と同じ歳と言うのには驚きでした。
襟裳岬は、車ホームレスさんにも愛されていたのです。