後悔と落胆

久しぶりに来た彼女。20代前半という若さでアルコール依存である。数ヶ月前に急性中毒で救急へ運ばれた連絡を受けている。その後も来なかった彼女がようやくやってきた。

久しぶりだね、と言うと、
わかってる。ずっと避けてたもの。美加に会いたくなかった。だってまたお酒を飲み出したって美加が落胆する顔を見る勇気がなかったから、と。

んんんー。患者が成功していく課程を診るのは正直嬉しい。でも失敗を繰り返す患者を診て、その都度落胆していては、やっていられない。だって成功するより失敗を繰り返す人の方が多い、、、、そして一直線に回復する人より、ジグザグ、ぐるぐる、行ったり来たりの末に成功する人の方が多い。

もちろん失敗した時の患者の後悔は計り知れないぐらい大きく、周りの一挙一動にとても敏感だ。私のなにかを感じ取っている事も誤りではないであろう。

しかし忘れないで欲しい。例えアルコールを含む薬物依存があっても貴方は私の患者で、いつでも診察に来て良い事を。