日本の看護師数は人口1000人あたりでは高い方なのです。しかし、この数字はどこからきているのでしょうか?
厚労省のサイトを見ても毎年免許を得た人数はわかりますが、実際看護師として働いている数は誰がどうやって管理しているのでしょうか?文科省やその他のサイトで看護学校や大学の看護学科の定員数と入学状況を提示しているものはありますが、実際卒業した人数はどれぐらいか、把握しているのでしょうか?これらは定員が必ず埋まっていて、全員が卒業しているというのが前提で作られたデータです。しかし実際、定員割れするところもあるし、落第してそのまま辞めてしまう人もいます。もちろんそれはとても小さな数値であまり関係ないものですが、それでも現状把握には大切になります。それに免許を持っても必ず看護師として就職するとは限りません。私は日本を23年前に離れたのですが、日本の看護免許を未だに持っています。だって取りっぱなし免許だから。海外で働いている日本人看護師は増え続けています。それらを誰がカウントしているのでしょうか?
そしてどれだけ看護職の離職率が高いかご存知ですか?2020年の看護協会の報告書によると正規雇用看護職員は10.3%で既卒採用者の離職率が17.7%です。しかしこの調査、病院の看護部長への調査から割り出したもので、病院以外で働いている看護師はカウントされていないという事。
これらの事を全て考えると実際看護の免許を活かして働いている日本の看護師の数を把握している団体は日本にいないのではないかと思う。
ちなみにカナダでは免許は1年ごとの更新制でアクティブライセンスとノンアクティブライセンスの2つがあります。後者の意味は免許を保持しているけど働いていない、という事。産休や育休で働いていない人、病気で長期的に働いていない人、州外へ引っ越した人などが当てはまります(免許は州ごとの登録になっていますから)。どちらのライセンスでも毎年の更新が義務付けられていて、行わないと免許の失効となります。これにより亡くなってしまった人や自州のライセンスに興味をなくした人などを知ることができます。ちなみにナースと言うタイトルは守られており、免許がないのに自分をナースと名乗ると犯罪になります(他州や他国では看護師だった、リタイアした看護師が、あたかも免許保持者のように振る舞うこと)。
それにアクティブライセンスでも申請内容にはどこで働いているか?例えば急性期か長期療養型施設、コミュニティー、教育施設(大学)、一般企業、自営業など職場を提示し、次に職種。例えば直接ケア、間接ケア(CNSやCNE)、管理、教育、、、とここも分類されています。正規雇用かパートかカジュアルか? 数カ所で働いている場合、どちらの割合が多いのか?などです。
何故このような管理が必要なのでしょうか?それは数字にパワーがある事を知っているからです。看護師の動向を把握し、未来を予想し、対策を立てる。そのためには数字が必要なのです。
で、最初の話に戻ってOECDに日本が提出している数字は一体何なのだろう???と大変興味があります。私が推測するに、看護師の国家資格を取った人の累計数だと思います。だってそれ以外考えられないから。だからその数字には免許を持っていても働いていない人、外国へ行ってしまった人、死亡された人、教員の人も全部含まれていると思う。
それに正看護師は国家資格ですが、准看護師は都道府県登録。先程のOECDのNurse の定義を読めば准看護師も入ると取れる(国によって定義が違うので難しいのは確か)。で、この日本の数字に准看護師が入っているかどうかもわからない。
これが日本のデーターを扱いきれていない状況。山のような紙に埋もれてその紙が語っているものも理解できない。ビジョンがなく目先の対応に追われている、完全なリーダーシップの欠如なんですよ。
そしてこれは看護界だけではなく日本中の政官に蔓延しているのをいやと言うほど知らしめたのがコロナだと、私は言いたい。いい加減わかって欲しいと思う。そんな政治家と政府官庁を選んだのも、作ったのも、生き延びさせたのも、国民の一人一人の責任だと痛感して次の選挙では必ず投票してくださいね。歯の浮くような中身のない選挙演説でも、低俗な争いだとしてもその中で最も自分が信じれるものを持っている人物へ一票を。その積み重ねが良い政治を作り出すんですよ!!!!
冒頭写真:庭の真ん中に立って見上げるとお隣の八重桜、左手に葉桜になりつつある我が家の染井吉野。そして我が家の青枝垂モミジ。ああああ幸せ〜