木村さんの講演の中の質問に地域の人にわかってもらうためにはどうしたら良いでしょうか?と言う質問がありました。
これもよく聞くな〜と思います。
市民講座や執筆などのチャンスが訪れればやる、と言うのはわかるのですが、大勢の人へ一度に同じメッセージを送っても理解してもらえる内容には個人差異があるから、それに一生懸命になるのはどうかな?と思うのが私のスタンスです。
シリーズでも書いたように個別性は理解力に密接に関係があり、どんなに面倒くさくても、時間がかかってもカスタマイズされた知識伝達方法が最も有効だと思うからです。
Word of mouth をご存知ですか?口から口へ伝達される情報のことです。これは意外に強力で、貴方が良いケアをして、それで良い経験をした、と思う患者家族がいれば、噂はやがて広がる、と言う意味。もちろん逆効果もあります。
テレビやYoutubeを利用したい、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。マス伝達にはもってこいの媒体です。しかし個別性のない一般的なことしか話せないので、現代医療の複雑性を考えるとやはり限界を感じます。SNSも然りです。
新しい職業への認知度のための活動も同じようなことだと思います。この10年でNPについて説明しなければならない頻度は確実に減りました。チラシやポスターも以前は必要でしたが、今はまさにWord of mouth で患者が集まってきます。それに毎回思うのですが、患者は自分が健康になれる事を最も重要視していて、誰が治療してくれるのか?そんなことは気にしていない、と患者からのフィードバックっで知るようになりました。
自分の活動を広げたいなら、認められたいのなら、自分のできることを実行していく方がマスメディアによる説明に躍起になるより重要ではないでしょうか?
冒頭写真: レイクルイーズスキー場。カナダで3番目に広い。初心者から超上級者まで楽しめるバラエティーに富んだ長いスキーコースが好き。