走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

悲しい知らせはいつも

2020年12月25日 | 仕事
プライマリーケアの1番の楽しみは一生を通して行うケア。赤ちゃんはどんどん成長し、家族が増えて行ったり。その反対人生の終わりまで付き合うと言う事。

で、トリプル級の複雑な病状だった彼女の死の知らせが突然に。突然死が起こっても不思議ではない状況だったからか、予期しない在宅しにも関わらず司法解剖医から電話(いつもは病状や経過などを聞かれる。それによって司法解剖医は自然死かどうかを判断する)もなし。在宅チームから介護士が毎日介護に行っていた。最近の入院後、老人専門チームも加わっていた。そこからの連絡。しかしそこの看護師も詳しいことは知らないと言う。薬局に電話すると、息子さんから連絡を受けた日付を教えてくれた。

いつも仕事帰りに彼女の様子を見に訪問していた息子さん。話を全部統合すると息子さんが第一発見者となるようだ。そして診療所のアシスタントが驚く。だってその亡くなる前にクリニックに忘れ物を取りに来ていたから。いつもと変わりなかった、と彼女は驚きを隠せない。

彼女と私が最後に会話したのはその死の1週間前。電話を切る前に妙にしんみりした事を言い出した彼女。それは私に対するお礼。「いつも細かいとこまで診てくれて、説明してくれてありがとう。丁寧に話してくれるからとてもわかりやすい。前の家庭医の時にはなかった事で美加の患者になって本当に良かったと感謝してる」と。なに改ってそんなことーと私は照れ隠し。「思っていることをちゃんと口に出しておかないとね」

これが最後になるとは思わなかった。ご冥福を、、、


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