昨年は推理小説作家、江戸川乱歩の記念年に当たる年でした。
(生誕110年関連だったと思います。)
ドラマでも藤井隆さん主演で「
乱歩R」が放映されました。
(これが藤井さんと乙葉ちゃんの交際のきっかけになったようですが。)
乱歩作品って、ご存知、明智探偵と怪人二十面相が有名ですよね。
小さい時、子供向けの乱歩全集(ポプラ社だったかな?)をなんだかドキドキしながら読んだものでした。
他の推理小説(ホームズとかルパンなど)と違って、なんだか妙に毒々しくって、あの表装もなんだか不気味で、何か染み込んでいそうな(失礼!)そんな感じで、背筋がゾクゾクしていたのを思い出します。
小林少年が誘拐されちゃったり、そんなスリルも多かったですしね。
そんなイメージがあったのですが、先日(といっても大分前なんですが)光文社文庫より江戸川乱歩全集が刊行されているのを知りました。
 | 江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者光文社 |
いい機会なので揃えてみることに。
しかし、これが全30巻もあるんです。(現在も配本中)
おまけに、1冊が1050円もするんだ。。。
合計すると31500円???
ちょっとため息が出ちゃいます。。。
まぁ、通勤の合間合間に読んだりしているのであんまり進んではいないんですが。。。
なんせ1冊がとっても分厚い(2~3cm程)ので、文庫版といえど侮れません。
1巻から基本的には作品の発表順に収録されています。
江戸川乱歩自身の作品解説があったり、途中で打ち切りになった作品などもそのまま収録されていたりと、本当に乱歩作品が全て収まっています。
しかし、読んでみてちょっと驚いたことが。
子供の頃に感じていた、あのおどろおどろしさは序の口だったってこと。
数巻文庫を読みましたが、うーん、、、作品によっては結構えぐい印象を受けました。
戦後直後っていう時代背景も関係しているのかもしれませんが、当時よくこういう作品が発表できたなぁとちょっと驚き。。。
それと、意外に西洋作品に影響を受けていたんですね。
ホームズとかルパンの名前が作品にも出てきます。
現在では、この作品は推理小説では大変有名ですが、当時でも影響を与えていたんですねぇ。。。
まったくルーツは異なるかと思っていたので、ちょっと意外でした。
やっぱり子供向けの作品とは印象異なるのねぇ、、、と驚きながら読んでいます。
しかし、先日乱歩作品に関してこんな記事が出てきました。
数日前から取り立たされている、関西で起きた自殺サイト殺人事件です。
・
「自殺しよう」ネットで呼び出し 女性殺害容疑の男逮捕 (朝日新聞) - goo ニュース
・
「一緒に自殺」女性殺害 男逮捕「苦しむ姿、快感」 大阪 (産経新聞) - goo ニュース
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「乱歩に影響受けた」自殺サイト殺人の前上容疑者 (読売新聞) - goo ニュース
「人の自殺願望を利用するなんて、ひどい犯罪だなぁ」とは思っていたんですが、なんと「乱歩作品に影響を受けた」とは。。。
まるで、現在の「殺戮ゲームに影響を受けた」と同じレベルなんですね。
確かに乱歩作品は多少そういうえぐい面を持っているかもしれませんが、いい大人なんだしねぇ。。。

そういう面だけがクローズアップされちゃうと、作品の魅力も排除される方向に陥りがちなので。
きちんと正しい判断ができた上で読むのが筋ってなものだと思うんですが。
困ったものです。。。