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「百貨店がかわいそう」?---立場を間違えてるよ。

2008-05-23 | BLOG
なんてマリー・アントワネットなタイトルだったけど、内容はちょっと違ったかも。

ケーキを売ればいいのに(福耳コラム)

アパレルメーカーの後輩さんの話。ちょろりと紹介されてるだけなのに、とっても興味深いなー。
私はこの話をもっと具体的に聞きたい。本当にこういう話は、貴重。(特に、呑み会とかで話されると、盛り上がる……あ、授業でした!)

さて、ブログで本題とされてる話。

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「でもそうやって百貨店がおばちゃんくさくなって売れなくなったら、百貨店がかわいそうじゃないですか。」という意見。
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シャッター通りとか見て、そういう感想が出ることもある。感想としてはいいと思う。
……でもこれって経営学の授業じゃなかったっけ? 
映画の感想じゃないよね? かわいそうっておばちゃんじゃないよね?

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また、別の回に、資源の有限性がその合目的的な最適配分を促し、戦略性やリーダーシップや組織内の規範意識も意思決定も価値判断もそこから始まる、ということをわかりやすく説明したくって、四川の震災のニュースを挙げてトリアージの概念を説明した。絶対的に医療資源が不足しているところでは、「もう助かりそうにない患者」と「患者自身が処置したら大丈夫な患者」はカテゴライズして分けて、その間の「治療しなければ助からないが治療すれば助かるかも」というところに有限の医療資源を配分する、というシステムがあるんだよ、ということを説明したら、やっぱり女子学生のかなりの部分から「かわいそうだ」という反応があった。
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なぜに、経営学でトリアージの話?
とは思うけど、まぁ、戦略って話を計画的に行動するってことで、ぎりぎり共通点アリ。

それにしても女子学生、やっぱり感情から入っちゃってるなぁ。
いや、それはそれほど問題じゃないけど。
感情から抜け出せなくて必要とされている現実的な解決法に頭が切り替わらないのが問題。

おそらく、「かわいそう」と発言した人たちは、トリアージが分からないじゃなくって、トリアージが必要とされている状況「絶対的に医療資源が不足しているところ」に想像が追いつかないんだと思う。

テレビ番組とかで、トリアージが必要な緊急の状態時に、治療を受けられるかどうかの境界線の個人をクローズアップして、なんとかして治療を受けられた、良かった良かったという内容を見ることがある。しかも、報道番組などで結構な頻度で。
そういうふうに、個人に感情移入することは、女子学生たちも慣れてるし、出来るわけだよね。
映画では『プライベート・ライアン』とか。

さらに、学生たちは立つべき立場を間違えてる。
例えば例に挙がった四川の震災では、救済を待つ側の立場じゃない。救済する側に立たないといけない。

「かわいそうだ」と発言した女子学生たち。
『ブラックジャック』の「オペの順」のエピソードを読んでみて。
医師は一人。患者は、代議士と赤ちゃんとイリオモテヤマネコ。代議士が憎まれ役だから「かわいそう」という意見は出にくいかもしれないけど、ここでは「医師は一人で、緊急を要するオペが複数」というのがポイントなんだ。感情的にならずに処置をするには、どうしても戦略が必要だよね。
あと、『はだしのゲン』とか(私も全部は見てないけど)。

対象が大きすぎて何も出来ないという無力感を、まず受けると思う。
その中でも「出来ることはしなければ」と考えたときに、今度は供給できるものが限られていることに気付く。
そして需要側もさまざまな事情を抱えている。緊急性の高いものや低いもの、二次災害(災害の場合)や合併症(病気の場合)の恐れがあるもの……。
そんな中で、どのような優先順位で、供給が出来るか。
それがトリアージが必要な状況。

でも。
トリアージの話はおいといても(生命の危険はなかなか想像つかないだろうから)、経営学なのだからリスクヘッジの概念は持つべき。
経済産業省が、ベンチャー企業の失敗事例をデータベース化したから、それから学ぶのはアリだと思う。
もしかしたら「相手をかわいそうと、思って融資したのが経営の失敗」って事例もあるかもね。
ベンチャー企業の経営危機データベース(METI/経済産業省)

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