湊子の徒然

旅は道連れ世は情け。人生そのようなものかな。

第一章 爆発的感染、その3原則開始。梅毒の例 28ページから32ページ。

2011-08-18 02:29:33 | 書評
さて、第一章に入っていきます。
第一章は 爆発的感染、その3原則。副題はティッピング・ポイントへ至る指針。

今回はその例を読んでの感想です。まず3つの解釈が出ます。
1.90年代ボルティモアで梅毒がたった一年で母子感染して生まれる子供が5倍になった事実。
 厚生省疾病対策センター(CDC)は安物の濃縮コカインが原因で感染が広まりやすい性的行為増加と
 入手のためより危険な地域への立ち寄りが原因とするもの。
2.大学の研究者によると財政難で性感染症の医者が減り、患者が減った事が原因で
 その結果治療が終わる前に感染が広がる速度のほうが上回ったというもの。
3.行政が古い建造物を破壊する事で感染、またそこの社会風俗をもつ人々が
 各地に散らばっていったからある種封じられていた梅毒が拡散したというもの。

個々について言及はさけますが、つまり、どれも「もっともだ」という意見でありながら
万全のものではない。という事です。そしてどれも完全に以前と状況が変わってしまった、という話でもない。

つまり、「均衡状態を破るのは」「幾分」の変化でよかったという事は共通してます。
そして一つの原因というわけでもない、というのも明らかです。
本ではそれを
伝染病は病原菌を運ぶ人々、病原菌そのもの、病原菌が作用する環境、その関数と見、それらを
少数者の法則粘りの法則、そして背景の力と呼んでいます。


さて。本の内容は上記なのですが日々出会う問題についても同じような事は想像できますよね。
公的機関は非合法、悪者が現れた、または増加したのだと言い、状況にたいする見方をする人が
社会での体制変化が原因といい、そのものの専門家は基本的に限定されていたものが開放状態になったからだと言う。
 蛇足になりますが、老朽化したビル破壊による住民の「離散」が始まったというのは
 この「ティッピング・ポイント」という言葉自体が使われた人種増加による旧多数派の引越し多発という
 減少にも繋がる状況、言葉ですね。

どれもそれぞれの立場から一番説明がつけられるものを持ってくる。得意だから。知識があるから。
間違ってはないけど、それが全てじゃない。理解する為であって、それで人を非難したり優劣を一義的につけるのは
違う話、というのは多そうです。
大抵目的は理解ではなく、解決の為なんですから。

まずティッピングポイントとは何か。12ページから23ページ。

2011-08-07 12:34:23 | 書評
原著タイトルのティッピングポイント(THE TIPPING POINT)
とは何か。辞書的に言うのなら流行が一気に爆発するその瞬間、という
事になります。

それを内容どころか目次より前において説明。それがこの本の入り方でした。
例として一番に挙げられた靴のブランドについて、あ、と思ったのは
けっして全くの無名でも歴史がない訳でもない靴だというのに
一気に大流行を遂げたという所も気がついてみれば興味深いところです。
新鮮さというのは強みですがそれがなく、むしろ一昔前の死語がリバイバルした
という感じ、そして恐らくは以前と比べ物にならないぐらいの流行アイテム化したこと。

別の例として高い地位にある階層が占める割合が5~40%の地域では
有意な差がないのに、そこから2%落ちると中退や10代の妊娠がいっきにふえた例、
ほんの少しだけ温度が下がったことで飼い犬が......はい、雪が降って警戒と大騒ぎです。
これらはちょっと考えると割合予想がつきますね。2%は100にたいしてだけど、
実際には「半減して目に見えて少なくなる」限度ではなかったかと思いますし
よくみる雨と滅多になくはじめて体験する雪のある世界では何もかも違ったでしょうし。

このような例をだして「予期せぬものが予期されるものとなる」世界としています。
それは「感染」、ティッピングポイントへと繋がっていくようです。

テレビでも時々扱われる科学、または数学的な驚きの「紙を数十回おったら......?」
というように確かにある面から見てみれば当たり前と納得することが
なぜかそんな大きな事になるなんてまったく驚くしかない、という事でもある
理由、そしてそれは決して偶然に頼るようなことでも原因不明でもなく
例えば3種類の特性、それを持つ人々を通してなるべくしてなっており
自ら考え、行動することで願うような成果をだせるのではないか?

という感じで仕組みと根拠をいざ明かしていこうという感じで始まります。

書評「急に売れ始めるにはワケがある」開始前

2011-08-06 03:55:02 | 書評
マルコム・グラッドウェルの本です。
私が読んだのはSB文庫、高橋啓=訳のものです。
2007年6月30日初版ですが原書はティッピング・ポイント、そしてその翻訳が飛鳥新社から
2000年に出、それを一年後新装版として01年にも出版され、その上07年に単行本化された
というものです。実に売れている、または広めたいという感じがしますね。
なお、なぜに上記のような事をしってるかというのは後に書きます。


この本は御蔵、秋月でのチャットの中で薦められて読むことになったものです。
一部は私が既に知っている事もありましたが、それは例、または語句としてであって
関連する事柄としては頭に入っていませんでした。

そこでAmazonで評判を見、少し後で購入。
関連する本を見てみるという理由もあり、また値段とかを知るというのもありました。
出来れば地元本屋でという事もありましたので。
結果としてはちょっと思い違いとかありまして、結局は遅れてAmazonでの購入となりました。
速度を重視するべき事柄でしたし、決断と行動も遅かったですね、私は。

この記事を上げた時既に本は読み終わっています。
せっかくなので読む前、読んでいる時々で感想を書きつつ、読み終わってから通しての感想を
という風に出来ればよかったかと思ってます。ちょっと残念。

売れなかった靴が売れるようになった話、割れ窓理論、150人、セサミストリート、
急激に広まる原因となる3種類の少数者、そしてそこに現れる特徴とは……
というのを今後、書評か読書感想文かはたまた乱雑な思索の果てにという感じで
しばらくブログ記事を綴っていこうと思います。
読んで、そして感想をいただけると嬉しいです。


さて。Amazonの通販で購入して本が届いたわけですが近い本だろうと思って購入したもの、それが
飛鳥新社の「なぜ あの商品は急に売れ出したのか (口コミ感染の法則)」
 定価1300円+税 ISBN4-87031-469-x
でした。それは「やあ、文章同じですね。」というものでした。店頭でしたら買ってないと思います。
こちらの違いは6ページの訳者あとがきが載っている事、本のサイズが単行本より大きいので
文字の大きさ、空間などがゆとりをもって作られていること、
中段落や小段落ごとにタイトルが付いていたり本文とは別の説明文が枕にある事。
そして単行本の7章8章が無いという明らかな損失。
なお家にあるのは初版なので2刷以降では変わっているかもしれません。
単行本では絵、小段落のタイトルなど理解を深めるための飾りともいう部分が無いことと
巻末の訳者あとがきがなくなり、オラクルひと・しくみ研究所の小阪裕司さんの解説が
9ページついています。やはり初版ですので2刷以降は不明です。

Amazonでの値段は大体同じぐらいでしたが(最初見たときは異なってました)上記の通りなら
御蔵・秋月チャットで薦められたように私も単行本を薦めます。
7章と8章の有る無しは大きいです。7章は6章同様のCase Studyとして自殺と喫煙、
8章はティッピング・ポイントを押せば世界は傾くというまとめ、実践の仕方が書いてあります。

最後に。物としては飛鳥新社の方が実にいいものでした。
カバー(そういえば帯もついてました)の質感、そして……紙とインクの臭いも。