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覚書あれこれ

かつて見た映画、かつてやったマイナーゲームなどの覚書と単発ラクガキなどなど

まだまだ続く名前の話

2009年06月03日 | こんな処にギリ神が!(小ネタ集)
●ニコラス、ヴィクトリア、について
まずはニコマコス(アレストテレスの著作で有名です。確か父か息子の名前)から。
その意味は「ニケ(勝利の女神のアレ)+マケー(戦い)」。
つまり、「戦いにおける勝利」だそうです。
ニコラスは「ニケー+ラオス(人々)」。
この名前、サラミスの海戦以降人気が急上昇したのですって。
でもって、海つながりで、ポセイドンとも関係付けられたとか。
ニコラスって、航海に縁深い名前なのですね!
シーフォートのファーストネームがニコラス、なのは偶然じゃなかったんだ!!
(ホーンブロワーはネルソンからだろうなあ)

ちなみに、「ニルスの不思議な旅」で有名なニルスも、ニコラスからの派生です。
(モルテーン!)
ウィクトリアはニケーのラテン語翻訳なのだそうです。


●スティーブン
→「栄冠(ステパノス)」の意。
アメリカ人がつづりを簡略化しました。(うん、やると思った)。
この名前、ハンガリーに入ると何故かイシュトヴァーンになるらしい。(どういう変化)
フランス語のエティエンヌ、スペイン語のエステバンもステパノスからの派生だそうです。


●信者!
ディオニュシオスというのは、ディオニュソス信者って意味らしい!
そうやったんかー!言われてみれば形がそっくりですよ!
(ちなみに、テニスンもディオニュシオスから派生した苗字らしいヨ)
デメトリオスはデメテル信者らしいから、
ならアポロニオスとかアテナイオスとかは
それぞれアポロン信者、アテナ信者でいいのか?
へー!

間に色々挟んでみました。

2009年06月02日 | こんな処にギリ神が!(小ネタ集)
聞きかじった話なのでどこまでほんとか分かりませんが、
スノリ・ストゥルルソン散文エッダには
→オーディンはアジア生まれで、家系は雷神トール、トロイア王プリアモスを経て
アダムとイヴにさかのぼる、などとあるらしい。

オーディンの方がトールより後なの?

とか、

途中でトロイアを挟むんだ!!

とか、いろいろツッコミどころ満載でビックリしました。
でも、キリスト教と折り合いをつけようと頑張った努力は買います。


後、ミトラ(天空神)の男根たる稲妻が創生の岩にあたって受精したとか、
ミトラというのは人面の巨岩だったという伝説があるらしい。
面白いなあ。

まだ続く名前の話

2009年06月01日 | こんな処にギリ神が!(小ネタ集)
『ヨーロッパ人名語源辞典』がギリシャ部分に入ったのを記念して、ハッスルしてたくさん拾ってみました。

●中世の一神教が力を持って時代には、いくら地元といえど
あまりに異教的なギリシア神話由来の名前は使えなかったらしいギリシャ。
でも、現代ではだいぶゆるくなってギリシャ神話的名前も単独で
使用が可能になったのだとか。
→ヘラクレスとオデュッセウスが人気なんですってよ?
ヘラクレスが人気なのは知ってましたが、そうか、オデュッセウスもか、そうかそうか。


●アレクサンダー、アレックス、アレクセイ(=アレクサンドロス由来)
この名前が「人々を守る」ほどの意味なのはどこかで読んで知っていたのですが、
今回その内訳をもう少し。
守る、の意味があるのは前半のアレクス部分で、
後半のアンドロスが人間の意味なのだそうな。
そういやギリシャ語の時間にアンドロスって単語習ったような気がします。
だから、厳密に言えば守君、はアレクシオスになるわけで、
アレクサンドロスならさしずめ守人くんか?
このアンドロス成分はさがすと意外と他にも合成して使われてて、
カッサンドラの後半のアンドラ部分とか(→併せて策士の意味になるらしいよ)
アンドロメダやアンドロマケーの前半部分などは全て
この「人」の意味のアンドロスです。
ちなみにアンドロメダの後半のメダは、メーデイアの名前成分と同じく「支配する」、
このメダ成分は、ラオメドンの後半部分にも入ってます。
アンドロマケーの後半のマケーは、マカオンの名前成分と同じく「戦う」らしい。
アンドロマケーの名前は、夫のヘクトールの役割を表してるんじゃないかと
どっかで読んだことがあります。
テレマコスの名前が父であるオデュッセウスを表してるのと一緒なのね。
(テレ+マコス→遠くで戦う)

どうでもいい話ですが、アレクサンドロスは死後、
ディオニュソスの化身として信仰を集めたのだそうな。
なんでディオニュソスなの???


●も一つ名前ネタ。フィリップ
たいへんメジャーな名前です。この名前、ギリシャ語のピリッポスから来てます。
マケドニア王なんかが有名ですね。
このピリッポス、ピロス(愛する)+ヒッポス(馬)の合成語らしい。
確かに、印欧語族は騎馬と縁深いからな!
馬とつながりの深いポセイドンもギリシャの古い神格だし。
他に、ヒッポスを含む名前としては、クサンティポスなどもあり、
これの女性系がクサンティッペー、ソクラテス大先生の奥さんの名前です。
この女性、悪妻として名高いけど、よくよく考えたらソクラテスの度量が深いから
奥さんがのびのび暮らせてた、ということなのかもしれませんね。

メトロポリス

2009年05月26日 | こんな処にギリ神が!(小ネタ集)
メトロポリスというと、メガロポリスとあわせて大都市、とか、地下鉄のメトロとの関連で、地下にも通路の張り巡らされた近未来的な巨大都市、といったイメージがあったのですが、ギリシア関連の本で、植民地に対して、植民団を送り出した元の市のことを、母市(メトロポリス)と書いてあったのを見て、目から鱗が落ちました。

メーテル(母)+ポリス(市)
母市か!

フェニキア系ダナエ

2009年04月29日 | こんな処にギリ神が!(小ネタ集)

『ヨーロッパ人名語源辞典』を読んでて拾った情報です。

ペルセウスのおかんのダナエって名前は、フェニキア系なんですって。でもって、英語で言うところの「ダニエル」なんかと同じ語から派生した名前で、そのdnの音は、「裁く」という意味を持つらしい。
「ダニエル」のエルの音は、例の「エル」なので、つまりダニエルの原義は「神は裁きたもう」らしい。
フェニキアでは主要な神をバールやエルと呼んでたらしいけど、同じ語族に属するヘブライ人も、日本語で言うところの神に相当する単語がエルらしい。よう知らんけど。普通名詞になると「力」の意味になるとか何とか。で、聖書の中でその神の名がヤハヴェ(勿論、子音しか示されなかったのでイェホヴァともなんとでも読めるんだけどさ)なわけなので、elもya(ja)もどちらも神のことなわけです。

てことはウリヤとウリエルは実は同じ意味の名前なの?

でもって、ダニエルやサミュエルやナサニエルはなんとミカエルやラファエルやガブリエルと同じ構造の名前だったのですね。言われてみれば似たような音なんですが、天使の名と単なる人名なのでこれまで並べて考えたことがなく、なんとなく目から鱗でした。でもって、最初にエルがくるタイプのエリザベスのelも同じ意味らしい。ふーん。