こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

クライバーのシューベルト

2020年07月19日 11時10分50秒 | シューベルト
来週からgo toなんたらが始まりますね。収束後の実施のはずが、政府の説明もよくわかりませんねえ。東京は除外でチャンセルしてもキャンセル料は自己負担とは、ひどい話ですねえ。もはや経済最優先。コロナは重症化は少なく、ただの風邪と言わんがばかり。それなら、夏の甲子園もできたんじゃあないか、と思ってしまう。私事ですが、1月以来飲みにも行かず、外食も数えるほど。感染リスクを考えると、今の状況ではなかなか飲みにも行けず、旅行にも行けない。ひたすら自粛生活が続いています。まあ金を使わずでいいのですがね。今週の四連休も自宅で過ごすことになるでしょうねえ。

まあ、そんなことはさておき、今回はシューベルト。彼の膨大な作品をみてみるに、D.800以降は大変よく聴きます。D.700台もまあまあ。でもそれ以前となれば、そんなにも聴きませんねえ。交響曲ならやはり8、9番。ピアノソナタなら13番以降。弦楽四重奏曲も13番以降。とまあ若書きの曲は、それほど聴かないかな、と思います。でも、聴けば聴いたでいい曲が多いのであります。

それで今回は、交響曲第3番二長調作品20であります。この曲は、シューベルトが18才の時の作品で、交響曲第2番に続いて、1815年5月から7月にかけて作曲されました。全曲で20分弱。彼の交響曲の中では、最も短いもの。そして生前には演奏されたかどうかは不明で、1960年に終楽章、1881年にロンドンで全曲が演奏されたそうです。モーツァルトやハイドンの影響が色濃く感じられる曲であります。

そして、この曲ほとんどこれまで聴かなかった。シューベルトの交響曲の全曲をいくつか持ってますが、それでもそれほど聴かない。手元にはベーム、ヴァント、ブロムシュテットあたりのものがありますが…。それでこの曲を単発で録音しているのが、カルロス・クライバーであります。交響曲第3番と第8番『未完成』。1978年9月にウィーンのムジークフェラインザールでの録音です。おそらくクライバーのシューベルトの録音は、この2曲のみでしょう。なぜこの2曲が選ばれたのかはわかりませんが、『未完成』はともかく、第3番は…。わかりませんが、クライバーはこの曲に何か感じるものがあったんでしょうかねえ。

それでこの曲は、最初聴いたときにはそれほどでもないのですが、幾度か聴くとなかなか味があり、シューベルトらしい曲だなあ、と思います。そして、こんな曲には演奏も重要で、クライバーの優れた演奏が、曲を引き立てているのは間違いないのであります。やはりクライバーの演奏、実に旺盛な生命力を感じます。生きた演奏というのはこんなのを言うのでしょうねえ。そしてこの演奏によって、この曲の魅力が倍増しているのでありました。

第1楽章の序奏からのあふれるばかりの表情がとてもいい。何気ない旋律が木管で魅力一杯。そして、主部に入るとたたみかけるように主題がこれまた躍動感に満ちた演奏で展開。爽快でたいそう心地よい。展開部でもいろんな表情がきらめく。第2楽章、ドイツの民謡からとったと言われる明るくほのぼの。これを演奏しているクライバーの表情が思い浮かぶようでしすねえ。第3楽章メヌエット。迫力のある主部に舞踊風のトリオ。主部は実に堂々。トリオは舞踊が目に浮かぶよう。クライバーの表現は奥が深い。そして第4楽章。終楽章らしく躍動感に満ちた演奏に、シューベルトの音楽が踊る。この演奏は衝撃的でもあり、クライバーの面目躍如であります。繊細な曲の表現、おどりあふれんばかりの躍動感、それに緊張感と迫力、これらが合わさって、それはもう心地よさ一杯。これだけの凝縮された凄さが駆け抜けるのでありました。やはり、クライバーの演奏の魅力一杯のシューベルトであります。こんなシューベルトはクライバーでしか聴けないでしょうねえ。これに続く『未完成』もいいです。

しかし、このブログでも毎回コロナのことをぼやいています。まあ、それだけ心配。とはいえ、それでもなんとか夏が来ました。蝉の声も聞こえ始めました。明るい日差しの中で、夏を楽しみましょう!
(DG POCG-1186 1990年)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ヴァントのブラームス 4回目 | トップ | ケルテスの遺産 第3回 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (クレモナ)
2020-07-24 21:53:41
クライバーのCDは、ほとんど所有しており、この盤も当然、何度も聴きました。そして、このシューベルトの第3番ですが、何故。この曲を取り上げたのか?です。まあ、その理由など、解るはずもないのですが、クライバーが振ると、良い曲に感じてしまます。ロザムンデの音楽にも似た雰囲気がありますが、メヌエット楽章が、なんとも言えず、素敵です。私は、初期の曲としては、第2番が好きなのですが、これは、取り上げて貰えませんでしたね。未完成との組み合わせなら、第5番などが良いと思いますが、さすが、クライバー、ひねってきますねえ。私が、最初にクライバーに出会い、魅きつけられた曲は、ベートーヴェンの交響曲第4番でした。この曲が、こんなに魅力的な演奏で聴けたのは、初めてでした。本当の意味でのライブ盤で、多少のキズを、モノともしない凄い演奏でした。その後、ニューイヤーコンサートで、実際の指揮姿を見た時は、これまた、びっくりしました。しなやかな身のこなし、そこから生み出される、魅力的な音色の数々。でも、極端にレパートリーの少ない彼の録音は、そのどれもが、名演ばかりでした。つまり、この第3番も名演の一つといえます。恐らく、VPOを小編成にして、録音したのだと、推察されます。未完成も早めのテンポで、すっきりした演奏になっており、重々しさは皆無です。こんな指揮者は、クライバーだけですね。
さて、コロナですが、全国的に、とんでもない感染者数になっています。私の住む市でも、ここ最近で2名の感染者が出ており、合計3名になりました。完全に、市中感染しています。もう、防ぎようがありません。自然に感染して、自然に抗体を見につける他、ありません。もう、経済を止めることは、できないのですから。
返信する
コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2020-07-26 11:27:50
クレモナ 様、コメントありがとうございます。クライバーの演奏は、どれもこの指揮者でないと聴けない、まさに天才的な演奏ですねえ。私は、ベートーヴェンの7番が最初でした。でも、考えみれば、1993年あたりでしたか、ウィーン国立歌劇場と一緒に来日して、『ばらの騎士』をやりましたが、あれがクライバーの最後の輝きだったんですかねえ。あれ以降、ほとんど元気な姿をみることはなかったように思います。もっといろんな演奏を聴かせて欲しかったと思うのは、私だけではないでしょう。
コロナの感染も広がっています。GOTOで地方に拡散するのは明らかでしょうから、今後の状況が大変心配です。感染防止につとめるのみですねえ。
返信する

コメントを投稿

シューベルト」カテゴリの最新記事