あっという間に春になりました。桜もかなり咲きました。日差しも暖かさがいっぱいですね。季節のうつろいは速いですねえ。それにしても、1月からの三ヶ月はほんとにあっという間でした。3月は、ほんとに忙しい。なんとかそれを乗り越え4月。新年度になりました。この週末は、お彼岸に行けなかったので、岡山に墓参。備前海の駅で中トロ丼を食べて、鶴崎神社、安富牧場、そして近水園でお花見もしました。もう6~7分咲ですかねえ。〆はいつものラーメン。
と言うことで、今回はベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73『皇帝』であります。この曲は、今回が初めて取り上げることになります。その昔、中学生のとき、音楽の時間に、ハイドンの弦楽四重奏曲『皇帝』の鑑賞をしていました。それが終わったあと先生は同じ標題のこの曲を聴かせてくれたのでした。その後、生徒はくちぐちにどっちがよかったかを言い合っていました。そしてほとんどの生徒がこっちの方がいいと言っていました。しかし私は、ベートーヴェンは、やたら派手でうるさいだけだ。ハイドンの方がしみじみとした美しさに満ち満ちている。物事の本質がわからない輩はだめだ、と思ったのでした。このこと以来、ベートーヴェンの方はどうも好きになれないのでした。なぜかこの曲だけはあまり聞かないのでありました。
ということは置いといて、今回の演奏は、アルトゥール・ルービンシュタインとダニエル・バレンボイム指揮のロンドンPO。1975年3月10.11日ロンドン、キングスウェイ・ホールでの録音です。ルービンシュタインは、クリップス(1956年)、ラインスドルフ(1963年)に続いて3度目の録音になります。このとき88才という高齢でありました。一方のバレンボイムは33才。祖父と孫といってもいいような両者による歴史的名盤と言われています。
まずルービンシュタインのピアノですが、私はこの人の演奏は、それほど好きではないのです。テクニックは素晴らしいし、ピアノの持つ魅力を最大限に発揮した演奏であることには間違いありません。常に巧いなあと思うのです。そして太陽のような明るさ一杯で、陰りのない華麗なピアノなんです。素晴らしいといつも思います。でもあまり好きではないのです。それは、ステーキばかり食べていると、たまにはお茶漬けが欲しくなる。または、晴れの日ばかりだと、たまには雨の日も懐かしくなる、そんな感覚でしょうか。すこし違うかな。端的にいうなら、悩みがないのですよね。うーん…。健康的ですよねえ。
この演奏も、華麗でスケールの大きく壮大。とても88才とは思えない演奏です。まさに『皇帝』。その名に相応しいピアノであります。本当にルービンシュタイン、うまいですねえ。ピアノの一音一音の音色も実にきれいです。表情も豊かで、ときたまうっとりとしてしまうのでありました。加えて、バレンボイムの伴奏。これがまたよくルービンシュタインのピアノとあっているんですね。ダイナミックでスケールの大きな、現在のバレンボイムを彷彿させるもの。この両者の特質は、この『皇帝』にたいそうあっているのでありました。
第1楽章は、両者のダイナミックな演奏の絡みが非常に心地よい。ルービンシュタインのピアノが実に華麗であり、音色も美しい。そして淀むところもなく、風格も感じさせる。オケも本当に屈託もなく、あわせて豪華絢爛な皇帝。第2楽章。私はこの第2楽章好きです。幻想的なオケの演奏に、それにルービンシュタインのピアノがこれまた極上の美しさ。夢見るような天上の世界が展開されていきます。ホントにルービンシュタインのピアノはきれいであります。そして、第3楽章、ゆったりとしたテンポで威風堂々としたピアノとオケ。冷静な中にも熱い思いを感じさせながらの終楽章でありました。
いよいよ新年度になりました。いろんな意味で今年は頑張らないといけませんね。
(SONY 88883737172 2013年 輸入盤)
と言うことで、今回はベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73『皇帝』であります。この曲は、今回が初めて取り上げることになります。その昔、中学生のとき、音楽の時間に、ハイドンの弦楽四重奏曲『皇帝』の鑑賞をしていました。それが終わったあと先生は同じ標題のこの曲を聴かせてくれたのでした。その後、生徒はくちぐちにどっちがよかったかを言い合っていました。そしてほとんどの生徒がこっちの方がいいと言っていました。しかし私は、ベートーヴェンは、やたら派手でうるさいだけだ。ハイドンの方がしみじみとした美しさに満ち満ちている。物事の本質がわからない輩はだめだ、と思ったのでした。このこと以来、ベートーヴェンの方はどうも好きになれないのでした。なぜかこの曲だけはあまり聞かないのでありました。
ということは置いといて、今回の演奏は、アルトゥール・ルービンシュタインとダニエル・バレンボイム指揮のロンドンPO。1975年3月10.11日ロンドン、キングスウェイ・ホールでの録音です。ルービンシュタインは、クリップス(1956年)、ラインスドルフ(1963年)に続いて3度目の録音になります。このとき88才という高齢でありました。一方のバレンボイムは33才。祖父と孫といってもいいような両者による歴史的名盤と言われています。
まずルービンシュタインのピアノですが、私はこの人の演奏は、それほど好きではないのです。テクニックは素晴らしいし、ピアノの持つ魅力を最大限に発揮した演奏であることには間違いありません。常に巧いなあと思うのです。そして太陽のような明るさ一杯で、陰りのない華麗なピアノなんです。素晴らしいといつも思います。でもあまり好きではないのです。それは、ステーキばかり食べていると、たまにはお茶漬けが欲しくなる。または、晴れの日ばかりだと、たまには雨の日も懐かしくなる、そんな感覚でしょうか。すこし違うかな。端的にいうなら、悩みがないのですよね。うーん…。健康的ですよねえ。
この演奏も、華麗でスケールの大きく壮大。とても88才とは思えない演奏です。まさに『皇帝』。その名に相応しいピアノであります。本当にルービンシュタイン、うまいですねえ。ピアノの一音一音の音色も実にきれいです。表情も豊かで、ときたまうっとりとしてしまうのでありました。加えて、バレンボイムの伴奏。これがまたよくルービンシュタインのピアノとあっているんですね。ダイナミックでスケールの大きな、現在のバレンボイムを彷彿させるもの。この両者の特質は、この『皇帝』にたいそうあっているのでありました。
第1楽章は、両者のダイナミックな演奏の絡みが非常に心地よい。ルービンシュタインのピアノが実に華麗であり、音色も美しい。そして淀むところもなく、風格も感じさせる。オケも本当に屈託もなく、あわせて豪華絢爛な皇帝。第2楽章。私はこの第2楽章好きです。幻想的なオケの演奏に、それにルービンシュタインのピアノがこれまた極上の美しさ。夢見るような天上の世界が展開されていきます。ホントにルービンシュタインのピアノはきれいであります。そして、第3楽章、ゆったりとしたテンポで威風堂々としたピアノとオケ。冷静な中にも熱い思いを感じさせながらの終楽章でありました。
いよいよ新年度になりました。いろんな意味で今年は頑張らないといけませんね。
(SONY 88883737172 2013年 輸入盤)
因みに、私は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲では、第1番が何故か?好きです。いつか、取り上げて下さい。