先日、『ゴジラ-1.0』を見ました。特撮の賞を受賞したこともあり、映画館に行きました。おもしろかったですね。核実験から、今回は日本帝国主義や軍国主義への批判となっていることや、最後の結末もこれまでの自己犠牲から脱却するなど、斬新でしたねえ。五福部さんの音楽がゴジラ攻撃のときに用いられたのもびっくり。主人公の成長ドラマであることも、これまでにない感動ものでありました。しかし、ゴジラの破壊力はリメイクされるたびに増強され、今回も凄まじかった。放射能汚染はなかったですが…。恐ろしさは第一作のオマージュでもあるんですかね。
ということで、今回はブラームス。ヴァイオリン・ソナタであります。第1番ト長調作品78、第2番イ長調作品100、第3番ニ短調作品108の三曲。第1番が1879年、第2番は1886年、第3番は1888年に完成。40才後半から50才半ばあたりに書かれた曲であります。三曲ともに、ブラームスらしい美しさいっぱいです。若いときはそれほど思わなかったのですが、加齢とともに、心に染み込んでくるようなよさにあふれています。ブラームスはいいなあ、ですね。
この曲などは、いったいどんな演奏が評価されているのか、と思っていろいろ探ってみますと、クレーメル、ファウスト、イブラギミヴァ、デュメイ、などなどですかね(レコ芸より)。さすがにピリオド楽器は出て来ませんねえ。シェリング盤を以前取り上げましたが、パールマンとアシュケナージというコンビや、ムター、ムローヴァなどもあり、いろんなヴァイオリンで聴けるのでありました。
そんな中、今回はアルチュール・グリュミオーとジェルジ・シェベックによる演奏。1975年9月、1976年2月アムステルダムのコンセルトヘボウでの録音です。グリュミオーの演奏は、『生誕90年没後25周年記念 アルチュール・グリュミオーの芸術』のシリーズが、Philips(のちにデッカ)から十年少し前に発売されて、一枚1000円ということもあり、幾枚か買いました。その中に、このブラームスも含まれていました。安価で入手できて嬉しい限りでありました。
やはりグリュミオーのヴァイオリンは、美しいですねえ。音色も輝かしく、華のあるヴァイオリンであります。それでいて過剰な華美さは謹まれ、演奏には厳しさも感じられ、禁欲的でもあります。やはりヴァイオリンっていいなあ、きれいで華やかな気分にさせてくれますね。このブラームスのヴァイオリン・ソナタは、甘美な旋律で楽しむ中、内省的なところも見え隠れするところが、これまたブラームスらしい魅力と思います。その点、グリュミオーのヴァイオリンは、一点の曇りもなく、明快でとても心地よい。ブラームスの秋の気配とともに聴くというより、春先にふさわしいブラームスになっていますね。一方、ジェベックのピアノですが、穏やかな音色で、グリュミオーの美音を支えています。少々握るような音もあったり、もっと目立って欲しいな、と思ったりですね。それでも総じて堅実で、とても安心なピアノであります。
まず、第1番。第1楽章が目立ちます。明るい主題が屈託のないヴァイオリンの美音で奏でられます。とても伸びやかに歌い上げますね。この楽章はいいですね。第2楽章、少し暗めのアダージョ。ヴァイオリンのは隅から隅まで明快。グリュミオーの技巧に裏打ちされた、ブラームス特有の陰鬱さがとても心に染み込んできます。第3楽章、なだらかなピアノ。それにヴァイオリンがからむ。第2番。第1楽章マイスタージンガーに酷似するテーマがピアノで奏でられる。ここでも穏やかなピアノ。次第に両者が熱を帯びてくる。第2楽章、対位法的に両者が進む。やはりヴァイオリンの美音と安定感はとてもいい。第3楽章ブラームスらしい旋律。両者の高揚感が聴けます。第3番。ここではやはり第2楽章ですね。大好きです。ゆったりとしたテンポで美しい旋律が歌われます。ほんとにグリュミオーのヴァイオリンはいいですねえ。
しかし、ゴジラは年代によって、体型がいろいろと変わって来ています。私としては、1990年代のゴジラVS○○シリーズのゴジラが一番好きですね。娘と年末に映画館に行って、一作一作見たからかもしれませんが…。そのお陰で、娘はゴジラ大好きになりました。
(DECCA UCCD-9837 2011年)
ということで、今回はブラームス。ヴァイオリン・ソナタであります。第1番ト長調作品78、第2番イ長調作品100、第3番ニ短調作品108の三曲。第1番が1879年、第2番は1886年、第3番は1888年に完成。40才後半から50才半ばあたりに書かれた曲であります。三曲ともに、ブラームスらしい美しさいっぱいです。若いときはそれほど思わなかったのですが、加齢とともに、心に染み込んでくるようなよさにあふれています。ブラームスはいいなあ、ですね。
この曲などは、いったいどんな演奏が評価されているのか、と思っていろいろ探ってみますと、クレーメル、ファウスト、イブラギミヴァ、デュメイ、などなどですかね(レコ芸より)。さすがにピリオド楽器は出て来ませんねえ。シェリング盤を以前取り上げましたが、パールマンとアシュケナージというコンビや、ムター、ムローヴァなどもあり、いろんなヴァイオリンで聴けるのでありました。
そんな中、今回はアルチュール・グリュミオーとジェルジ・シェベックによる演奏。1975年9月、1976年2月アムステルダムのコンセルトヘボウでの録音です。グリュミオーの演奏は、『生誕90年没後25周年記念 アルチュール・グリュミオーの芸術』のシリーズが、Philips(のちにデッカ)から十年少し前に発売されて、一枚1000円ということもあり、幾枚か買いました。その中に、このブラームスも含まれていました。安価で入手できて嬉しい限りでありました。
やはりグリュミオーのヴァイオリンは、美しいですねえ。音色も輝かしく、華のあるヴァイオリンであります。それでいて過剰な華美さは謹まれ、演奏には厳しさも感じられ、禁欲的でもあります。やはりヴァイオリンっていいなあ、きれいで華やかな気分にさせてくれますね。このブラームスのヴァイオリン・ソナタは、甘美な旋律で楽しむ中、内省的なところも見え隠れするところが、これまたブラームスらしい魅力と思います。その点、グリュミオーのヴァイオリンは、一点の曇りもなく、明快でとても心地よい。ブラームスの秋の気配とともに聴くというより、春先にふさわしいブラームスになっていますね。一方、ジェベックのピアノですが、穏やかな音色で、グリュミオーの美音を支えています。少々握るような音もあったり、もっと目立って欲しいな、と思ったりですね。それでも総じて堅実で、とても安心なピアノであります。
まず、第1番。第1楽章が目立ちます。明るい主題が屈託のないヴァイオリンの美音で奏でられます。とても伸びやかに歌い上げますね。この楽章はいいですね。第2楽章、少し暗めのアダージョ。ヴァイオリンのは隅から隅まで明快。グリュミオーの技巧に裏打ちされた、ブラームス特有の陰鬱さがとても心に染み込んできます。第3楽章、なだらかなピアノ。それにヴァイオリンがからむ。第2番。第1楽章マイスタージンガーに酷似するテーマがピアノで奏でられる。ここでも穏やかなピアノ。次第に両者が熱を帯びてくる。第2楽章、対位法的に両者が進む。やはりヴァイオリンの美音と安定感はとてもいい。第3楽章ブラームスらしい旋律。両者の高揚感が聴けます。第3番。ここではやはり第2楽章ですね。大好きです。ゆったりとしたテンポで美しい旋律が歌われます。ほんとにグリュミオーのヴァイオリンはいいですねえ。
しかし、ゴジラは年代によって、体型がいろいろと変わって来ています。私としては、1990年代のゴジラVS○○シリーズのゴジラが一番好きですね。娘と年末に映画館に行って、一作一作見たからかもしれませんが…。そのお陰で、娘はゴジラ大好きになりました。
(DECCA UCCD-9837 2011年)
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