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メータの『復活』

2011年06月15日 22時03分28秒 | マーラー
もう6月も半分が過ぎ、あっという間に今年も半分が過ぎようとしていますね。加齢ととも月日のたつのは速く、嫌な気持ちになりますが、このうっとうしい梅雨を超えれば、待ちに待った夏ということですね。6月の夕方、7時前後車を走らせ、家に向かっていると、いつも、3~4年前まで4年間毎年行っていた津山への出張を思い出します。5時くらいに仕事がおわって、夕方の鶴山公園やらに足を伸ばし、7時前に津山を出て、53号線を南下し実家まで帰りました。そのときに初夏の夕暮れを車を運転しながら、もう夏やなあ、と思ったりして…。どーってことない記憶ですが、私にとっては忘れがたい思い出でありました…。

さてさて、最近というか、このところマーラーをよく聴いています。マーラーのCDもいろいろと発売もされていますし、そういう点では、マーラーブームは過去のものになったとはいえ、刺激の多い作曲家であります。今では交響曲全集が5000円前後で入手できる。LPの時代なら、2枚組の値段ですから、けっこうな時代になりました。そのマーラーの今回は交響曲第2番ハ短調『復活』であります。この曲、以前はけっこう苦手な曲でした。うるさいばっかりで、かつたいそうぶった曲ということで、敬遠していた時期もあったかな、って思います。マーラーを聴き込んでいくことで慣れたのでしょうか、最近はけっこう聴いています。

この『復活』、どれほどの種類の演奏がCDで聴けるのでしょうか。その中で今回取り上げるのは、ズービン・メータ指揮VPO。イレアナ・コトルバス(S)とクリスタ・ルードヴィヒ(MS)による演奏。1975年2月ウィーンのソフィエンザールでの録音です。メータは、私が音楽を聴き始めた頃、飛ぶ鳥を落とす勢いの気鋭の指揮者でした。ロス・フィルを率いてその活躍は絶好調でありました。この『復活』、メータも初めてのマーラーでしたし、VPOもセッション録音としては初めての『復活』でした。発売以来、名盤といわれた演奏でありました。

メータの復活、これほど祝祭的な気分満載の演奏はないのではないか、と思えるほどのものです。メータの指揮も迫力満点。ダイナミックでスケールは限りなく大きい。VPOもメータの指揮の応え、楽器を鳴らしています。メータはこのとき40才。その若さの汗がほとばしるような『復活』になりました。音色は明るく、大胆で、屈託のないマーラーが展開されています。それはこれで非常な名演と思います。第1楽章、生々しい低弦の響きが心に染みます。のっけからVPOは全力疾走。この響きはほんとに心地よい。メータの一気呵成に攻める指揮に怯むことなく、自分の力をぶつけています。時折、きこえる楽器のソロの美しさもVPOならでは、であります。第2楽章、舞曲風の主題が展開。マーラーのこんな曲が私は大好きですね。チェロによる主題の演奏など、弦の安定した響きがほんとにいいです。ここでも憧憬のような若さあふれる演奏は、気持ちを明るくさせてくれます。そのあと、ティンパニの強打からの第3楽章、『子供の不思議な角笛』から「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」が登場。 この旋律を巧く表現して、各楽器の個性が入り乱れる活気のある演奏。この楽器の色彩は鮮やかですよ。まったく。そして次第に高潮しながら、ティンパニの強打も炸裂しながら、第4楽章へ突入。『原光』であります。ルードヴィヒの歌声は、全盛期の輝きに満ちています。ドイツ系のMsではもう並ぶものなしの歌唱です。奥行きのある歌声、うーん、この人ほんとにいいです。あっという間に『原光』は終わって終楽章。力一杯の堂々とした演奏が、屈託なく展開。オケのあらん限りの力を発揮。金管の響きは凄まじい。そして合唱の登場。この演奏、合唱がまた好きですよ。バイロイトでお馴染みのノルベルト・バラチュの合唱指揮がいいでしょう。うなるような合唱の響きにVPOが応え、ます。そして、MsとSが加わって。コトルバスの歌声も澄んで綺麗です。やはり最後のど迫力と盛り上がりは、オルガンも加わって、これでもか!、そんな曲の終わりであります。

だだ、実に悩みのない『復活』に仕上がっています。まあ、そこのところが欠点と言えば、欠点でしょうね。でも、なかなか盛り上がった『復活』でありました。
(LONDON KICC9337/8 2000年 LONDON SUPER TWIN 2000)

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