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こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

再度、『魔笛』であります。

2025年04月13日 23時48分31秒 | モーツァルト
今年の秋は、BPO、RCO、ウィーン国立歌劇場と、なかなかの来日ラッシュですね。過日、めでたくウィーン国立歌劇場の『ばらの騎士』を買うことが出来ました。発売開始から30分もネットが繋がらないので、諦めてたら、なんとかなりました。でも高いですねえ。まあ、ウィーンで観るよりははるかに安いのですが…。『フィガロの結婚』とどちらにするか迷ったのすが、カミラ・ニールンドがマルシャリン、というところが決め手になりました。楽しみですねえ。

ということで、今回は前回に続いて、モーツアルトの『魔笛』であります。ニコラウス・アーノンクール指揮チューリヒ歌劇場管のよるものです。1987年11月の録音。 配役は、エディタ・グルベローヴァ(夜の女王), バーバラ・ボニー(パミーノ)、 マッティ・サルミネン(ザラストロ), ハンス=ペーター・ブロホヴィツ(タミーノ), アントン・シャリンガー(パパゲーノ)トーマス・ハンプソン(弁者)、エディス・シュミット(パパゲーナ)などなどであります。アーノンクールは、この前後にモーツアルトのオペラの多くを録音したますが、このオケとも『イドメネオ』『後宮からの逃亡』『皇帝ティトの慈悲』などを残しています。

このCDは、1990年前後に購入した記憶があります。三宮のCDやさん(おそらくパレックス)で安かったの買いました。私が購入したオペラではけっこう早い時期のものでした。このころはオペラを映像で観るってことはなかなか困難で、またCDも輸入盤で和訳がないので、モーツアルトのオペラも属啓成『モーツアルト 声楽編』で歌詞などを理解しながら、聴いたものでした。オペラは、当たり前ですがお話を理解した上で聴かないと、なかなかしんどいですからねえ。このCDも、そうしながら聴いたなあ、と懐かしく思い出した次第でありました。

それでこの『魔笛』、従来のものと異なることは、まず古楽系の演奏であること。今聴くとそれほどの違和感を感じないのですが、当時はかなりの抵抗があったのも事実。加えて、なぜかたまにセリフがありますが、大部分が女声によるナレーションでの進行なんですね。それはゲルトラウト・イェッセラーという方によるものらしいです。落ち着いた声でそれはそれでいいのですが、当初は戸惑いがありましたね。なぜ、ナレーションにしたのか、また時折入るセリフはなぜなのか。不明であります。このあたりジングシュピールゆえのアーノンクールの苦心なんでしょうねえ。

そして、なんだかやたら雷のような効果音が入るんですね。それも奇妙でした。また、パパゲーノの鳥刺しのアリアの冒頭で妙に音を伸ばした歌い方は、実に受け入れにくいものでした。とはいえ、演奏については、非常に緻密で透明感たっぷりの印象があります。アーノンクールは、とても細部にまで丁寧な演奏に終始しています。とかく金管や打楽器がよく鳴る印象があるんですが、確かにその傾向はありますが、以前ほど気にならなくなりました。それよりもザラストロ、タミーノ、パパゲーノのそれぞれの世界が非常に特徴的に描かれているのが、とても聴き応えがありますね。アーノンクールも壮年期だけあり、とても気力充実しているところが随所に聴かれる指揮振りであります。一方、歌手も頑張っています。まず、サルミネンのザラストロ。低音の充実により、たいそう威厳に満ちた重厚さがとてもいい。絶対的な存在感のザラストロであります。一方、それ以上なのがクルベローヴァの夜の女王。もうこれは唯一無二の歌声。高音なんて軽い軽い、ってところの余裕。そして堂々と君臨する夜の女王ですねえ。加えて、パミーノのボニーも可憐な歌声でありながらも、芯の強さを感じる。ボニーのモーツアルトはとても好きです。まだ駆け出しに近いころですが、とても立派であります。この三名は光っていますね。そして、タミーノとパパゲーノのふたりのブロホヴィツとシャリンガーですが、この二役はヴンダーリヒとフィッシャー・デースカウの名唱をどうしても私が意識してしまいます。比べると線の細さや軽さがあるのですが、ここでは女声に対してもひけをとらない真摯な、また個性的な歌唱であり、好感が持てますねえ。ジングシュピールの役としては非常にうまく役をこなしていますよ。モーツアルトって、やはり素敵な音楽を書いているな、を実感できるのであります。

ウィーン国立歌劇場の公演は、二演目がそれぞれ4回。それに比べて、BPOは首都圏で4回。それほどの公演数がないので、なかなか入手困難らしいですね。ともに高価です。私も半年間のCD購入禁止令を発布して、倹約に努めようと思っております(笑)。

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