こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

芸文での『ドン=ジョヴァンニ』

2022年03月20日 23時30分23秒 | モーツァルト
ウクライナで騒然としている中、コロナもなんとか下火になってきましたねえ。このコロナ禍の中で、通勤電車の乗客数は明らかに減りましたよね。在宅勤務が増えているんでしょうか。加えて若い人があまりいなくて、年配が多い。年配の人は在宅の仕事には向かないんですかね。そんな中、今朝も座席隣のおっさん、スマホのゲームに夢中。自覚のない肘のゆれがくっついている私の腕に伝わる。もうおとなしく寝てろ!と思ってしまう、通勤電車でありました。

ということで、今回は3月12日に、西宮の兵庫県立芸術文化センターでの、関西二期会第94回オペラ公演に行って来ました。今年は、モーツァルトの歌劇『ドン・ジョヴァンニ』。ここには、たまに思い出したように行くことが、これまで何回かありました。でも、ほんとに安く良質の演奏会が近くで聴ける、のです。ですので、今年は頑張っていこう、と正月に一念発起して、券を購入。大袈裟に言うなら、『ドン・ジョヴァンニ』なんて、これから聴く機会はないかもな、とも思ったのでした。

それで、席は3階席の右端の方。値段は5000円。もっと良い席、とも思ったのですがこれで十分。歌手の表情まで見たいとも思わないし、ここからでも舞台はしっかり見えるしね。音響面でもそれほど劣るとも思いませんでした。オペラを観たことは、ほんの数回程度ですが、どれも同じような席。ケチな人なんで、これくらいの値段なら、よくないな、と思ってもいいだろう、ってとこですね。とまあ、かなり失礼なことを申しております。ごめんなさい。

出演、まずオケは、小林資典指揮大阪交響楽団。そして歌手のみなさんはすべて日本人。ドン=ジョヴァンニ大谷圭介、ドンナアンナ中西千尋、ドンナエルヴィーナ佐竹しのぶ、ツェルリーナ奥田敏子、レポレッロ萬田一樹、マゼット菊田隼平、ドン・オターヴィオ諏訪部匡司、騎士団長片桐直樹、さんなどなどでした。正直言って、ほとんど聴いたことない人ばかりでした。私、日本人の演奏家については、本当にく暗いのです。CDでもほとんど聴かないし…。でも、生で聴く機会があるのは、こんな方々の演奏なので、しっかり勉強しないといけませんねえ。

次に演出ですが、髙岸未朝さん。まず舞台には女性の白いマネキンがS字型に並ぶ。そして、大きな白い手が天井からぶら下がる。そして階段の裏にはまた手。この白い手はいろんなものを指し伸べる手であるそうです。まあ、わかったようでわからない。マネキンはドン=ジョヴァンニが陥落させた女性なんですかね。それぞれの服装は、まあ伝統的なモノでした。具体的な背景やモノはほとんどなく、手とマネキンということでありました。

そして演奏。まず、大阪交響楽団は、ピットの中をみると小編成。このオケを指揮の小林さん、たいそういい音を引き出していました。ほんとにこのオケいいなあと思いました。それも小林さん。非常に堅実でいわば基礎基本をしっかりと押さえた演奏。この小林さんはドイツのドルトムント歌劇場で第1指揮者と音楽総監督代理を務めておられるそうですが、歌劇は当然お得意なんでしょうねえ。雄弁でしたし、非常に存在感に満ち満ちておりました。また一方では、歌手をうまく引き立てていましたねえ。

歌手については、今回実感したのが、声楽というのは生で聴くのが絶対のいい、ということ。SACDでも、音が良くなったなと私が思うのは声楽なんですね。だから、歌手のみなさんの歌はどれもよかったですね。加えて、演技が加わる、それにより感情とか訴えかける力は、CDで聴くのとは比べものにならないのでありました。こうなると、やはり歌劇は生で観るのがまったくもっていいのでありました。そんな中で、特にいいな、と思ったのは、女声ではドンナエルヴィーラの佐竹しのぶさんです。この役は、感情の移り変わりが難しいのですが、そのところをうまく歌っておられました。他の女声ふたりに比べても、断然よかったと思ったのですが、拍手はドンナアンナの方が多かったですね。男声ではやはりレポレッロですね。萬田さん、演技も巧く、軽妙で、それでいて声も太くて力がありました。

そんなことで、約3時間ほど、まったく長さを感じさず、でありました。この歌劇もいい曲が止めどなく怒涛のように出てくる。もう地獄落ちか、って感じでありました。やはり、歌劇は実演が一番、というまあ当たり前のことを実感して、たいそう喜び、帰路についたのでありました。

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2 コメント

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Unknown (popotoku)
2022-03-21 16:36:46
ドンジョヴァンニを観られてよかったですね。声楽・オペラは生が一番には大賛成です。臨場感が違いますね。
また、歌手の声量の違いはCDではわかりませんが、オペラ劇場で聴くと気の毒なくらいはっきりしてしまいます。
びわ湖ホールで今夏はファルスタッフ、来春はマイスタージンガーがあるようなので行きたいと思っております。
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コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2022-03-22 12:30:24
popotoku 様、コメント感謝です。声楽はやはり生ですよねえ。今後は、積極的に行こう、と思っています。実は、3月末の東京でのヤノフスキの『ローエングリン』に行きたかったのですが、コロナ真っ盛りだったので、断念しちゃったんです。今なら行けたなあ、と思うのですが…。でも、びわ湖のマイスタージンガーは、必ず行こう!と思っています。また、ご教示ください。
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