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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

カーゾンのモーツァルト

2009年11月24日 15時50分47秒 | モーツァルト
寒くなりました。そろそろ冬支度をしなければいけません。この三連休は、例年職場のイヴェントのために、勤務。23日はもうてんてこ舞いでした。それで、この火・水・木は代休でありますそろそろ車検の時期になりまして、事前点検に行きました。いまの車は9年目になります。走行距離が、17万㎞。前回の車検からでも約6万㎞も走りました。よく頑張ってくれました。もう次の車を考えなければならない時になりましたが、あと2年は最低でも乗ろうと思っています。

さてさて、今回はモーツァルト。ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488。演奏はサー・クリフォード・カーゾンのピアノに、ジョージ・セル指揮VPOです。1964年12月、ウィーンのゾフィエンザールでの録音。カーゾンは録音嫌いで、録音してもなかなか発売に許可を出さないことで有名です。モーツァルトのピアノ協奏曲についても、クリップス、ケルテス、ブリテンとのセッション録音がありますが、ブリテン盤は録音から12年後、ケルテス盤も26・27番については32年後にそれぞれ発売されています。このCDも、39年後に
やっと発売されたようです。かなわんピアニストですねえ。

でも、このモーツァルトはいいですねえ。まず、セルのVPOの演奏。これがなんとも味わい深いものです。音色が柔らかく、セルの統制の取れた美しさは、いいですね。そしてカーゾンのピアノとの息も呼吸もぴったしの伴奏ぶりですね。弦のさり気なく、寄り添うような伴奏と、柔和で優しげな木管は、さすがのセルとVPOであります。

第1楽章アレグロ。テンポはアレグロでも、他の演奏よりは速めか。録音の具合によるんでしょうが、ピアノの音が若干大きめかな。VPOは音色にキレと優しさを備えての演奏。可憐で内省的なモーツァルトではなく、それなりの威厳と風格を感じます。カーゾンのピアノも、ひとつひとつの音を確かめるように、力強いタッチを感じる。そして端正なで上品さが滲み出ている。カデンツアにおいても、堂々と華麗な風格がありますねえ。第2楽章アダージョ。第1楽書に比べて、たいそうなゆっくりとした演奏になる。これこそがアレグロとアダージョのしっかりとした違いなんですねえ。そのアダージョで内省的で感傷的な楽章。冒頭と消え入るようなピアノは絶品。それにセルとVPOもぴったりの演奏。カーゾンのピアノは音の大小のバランスがとてもいい。とくに弱音でも、そのタッチは実に確かです。そのタッチかから寂しさや哀愁が漂ってきますね。そして、第3楽章アレグロアッサイ。一転して快活で躍動感に満ちた演奏。ピアノも明るく、ぶれのない安定した美しさに満ちています。第2楽章のと対比もおもしろいです。次第に愉悦感が増してきて、表情蓋かな演奏にピアノも管弦楽も発展しています。最後は、セルとVPOに負けない、カーゾンの力強いピアノがとてもいいです。最後まで聴いてみると、この演奏は、モーツァルトの意図した音楽を忠実に再現しているんだな、と痛感しました。

合わせて収録されている27番のピアノ協奏曲もいいです。また機会があれば、取り上げたいと思っています。
(DECCA UCCD-3429 2002年)

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