ロボトミー手術

【養老孟司】養老先生から大事な話があります。聞いてください

12:00 

あたりから ロボトミーに触れています

懐かしい話題だったので 調べました

 

人間を壊す手術がなぜノーベル賞 安易な解決策の教訓|ブック|NIKKEI STYLE

発明のなかには、現代人からすると「なぜ受け入れられたのか」と驚くものもある。その筆頭が「ロボトミー手術」だ。精神病の治療として頭蓋骨に穴を開け、脳の前頭葉の一部を切除する。不安発作と妄想で悩んでいた患者も、処置後は症状が改善されたという。この手術を発明したポルトガルの神経科医は「精神疾患の外科的治療法を発明した」として、1949年にノーベル賞を受賞している。

本書によると1970年代の初めまでに、米国では2万件以上ものロボトミー手術が行われたそうだ。治療を受けた患者は扱いやすくなったが、体のけいれんや識字障害などの副作用に襲われたり、無気力状態に陥ってしまって通常の生活が送れなくなった者もいた。

ロボトミー手術を米国でけん引したのがウォルター・フリーマンという医者だ。高名な外科医の祖父にコンプレックスがあり、この手術にかける情熱が大きかったようだ。派手な演出を好む性質で、アイスピックを用いてたった数分で処置を行う「ドライブスルー・ロボトミー」ものちに考案する。

もちろん、当時から手術に対する疑義や非難はあった。だが、まかり通ったのはなぜなのか。当時は精神病に対処する手段が他になかったこと、州立の精神科病院は患者であふれていたこと、病院は環境が劣悪で虐待が横行していたことが、手術を推進する背景になっていたと著者はみる。

 

ロボトミー手術の問題が広がるとともに、1950年代に向精神薬が発明され、手術は行われなくなる。著者が導く教訓は「手っ取り早い解決策には気をつけろ」だ。数分で済み、全身麻酔もいらない手軽な手術。それで長年の悩みや時間、お金の苦労から解放される。こんな「うまい話」に飛びつき、注意深く判断することを怠った人はとても多かったのだ。ジョン・F・ケネディ米大統領の妹もロボトミー手術の被害者になったという。

著者は、たとえば現代の自閉症の子供たちへの治療方法を巡っても、怪しくても手っ取り早い解決策を求める人がいる状況は変わっていないことに触れている。昨今、新型コロナウイルスに関してさまざまな「解決策」が流布したことを考えてみても、本書に描かれる禍いや失敗は過去の話とは言えなさそうだ。

 

ノーベル賞から30年で禁忌になった「ロボトミー」とは? 中野信子氏が語る脳科学の歴史

今ではタブーとなっている「ロボトミー」

もう少し歴史におつきあいください。戦後、第二次世界大戦以降の話です。1949年、ノーベル生理学・医学賞を受賞したのは、ポルトガルのエガス・モニスという人でした。この時の受賞理由は、「ある種の精神病に対する前額部大脳神経切断の治癒的価値の発見」。

みなさんは「ロボトミー」という手術をご存知ですか? 意外と、ご存知ない方もいらっしゃいます? 若い方はけっこう知らないものかな?

ロボトミーというのは、脳の一部を切除することで、その人の人格変化を望ましい方向に向けることができる、という名目で行われた手術のことなんです。現在ではあまりにも問題が大きいということで禁忌とされていますが、当時はノーベル賞を与えられるほど、すぐれた技術だというふうに思われていました。乱暴で手のつけられないような人、エキセントリックな行動を止められずどうすることもできない人を、ちょっと、脳の神経の一部を切除して、おとなしくさせよることができるというのでもてはやされたという手術です。

問題というのは、感情が消失したり、人間らしさが失われたと感じられたり、本来の自分の手術前の性格と、術後では自分自身の姿がまるで違ってしまっていることにいらだちや失望を感じたり、なかにはついには自殺してしまう例もあったそうです。さらには、その手術をした医師に対して恨みを抱え、殺害を試みようとする事件もあったようです。

ベーシックな知覚を脳に伝える機能を持つとして知られている視床という脳の一部分があるんですけれども、この視床と、前頭の皮質、新皮質と呼ばれているところ、その神経繊維を外科的に切断することで「治療」をするというのがこの手術です。それを世界で初めて成功させたということで、この人はノーベル賞を取りました。

けれども、先ほどご説明しました通り、不可逆的な人格変化を伴う、人間性を奪う問題の大きい手術だということで、1975年頃からはまったく行われなくなったのです。禁忌とされて久しいので、今ではあんまり聞くこともないかもしれませんね。

科学の怖いところかもしれません。今もしノーベル生理学・医学賞をとるような、ものすごくもてはやされるような研究があったとしても、それがもしかしたら30年後にはタブーになっている可能性は否定できないのです。ロボトミーというのはそういう事例ですけれども、脳科学の暗い歴史、黒歴史の1つといえるでしょう。

 

これが一番の記事↓

教養としてのロボトミーQ&A

1848年鉄道敷設の際、ゲイジは暴発事故で鉄の棒が頭に刺さった。その棒は彼の前頭葉を貫通したが、奇跡的に命を取り留めた。記憶はもとのままだったが、人格がすっかり変わってしまった。意地悪で攻撃的な性格になったのは、感情をコントロールする前頭葉の眼窩前頭皮質が損傷したからである

前頭葉と視床の連絡線維を切断すれば前投与と機能不全のシナプスは脳のほかの部分から完全に切り離されて、病態は改善すると考えた。

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