「おもてなし」が始まったのは平成以降、日本の文化ではない
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画像引用:おもてなし研修サービス、おもてなしスクール | つなぐひろげるおもてなし協会https://omotenashi.fun/service/



「おもてなし」日本文化は幻想

2013年ごろから日本政府は観光立国を目標にし訪日外国人を増やそうとしてきました。

その時のキャッチコピーが「おもてなし」で、手厚いサービスを受けられると宣伝していた。

おもてなしに代表される作業は人間の手作業で、容量を増やしたりコストを上げなくても済むのが味噌だった。

おもてなしをするのはホテルなどの従業員だが、サービス残業させて人件費カットすれば企業はコスト負担ゼロで売り上げを増やせる。

おもてなしをドライな言葉に言い換えると過剰サービスで、牛丼やハンバーガーを買う客に笑顔でお辞儀したりする。
外国ではハンバーガーショップの店員は笑わないし、コンビニ店員はいらっしゃいませなどと言わない。

いわゆる先進国のコンビニでは「店員が神様」で、店員が電話していたり他の用事をしていたら終わるまで待たないといけない。

マクドナルドで「スマイル¥0」なのは日本だけで、お金をたくさんくれる人にしか笑顔を見せない。
これは日本の文化だという人も居るが、日本でも昭和の時代は外国と同じ「店員が神様」でした。

個人商店がほとんどだったので店主が店員であり、腰の低い人も居れば客を「おい!」と呼び捨てにする人も居たりする。
店主の機嫌が悪いとサービスも悪く、旨く買うには店主や店員の機嫌をとらなくてはならない。
これが昭和の日本のサービス業で、おもてなしを受けられるのは高い金を払う人だけでした。

ところがバブル経済で消費経済に代わってから事情は一変しました

お得な日本企業ほどブラック労働になる

日本中の個人商店は潰れてコンビニになり、レストランもファーストフードも全部チェーン店に替わりました。
チェーン店は全国同一の均質なサービスが行われ、たとえ100円の買い物でもお辞儀をして笑顔で「いらっしゃいませ」というサービスが始まった。
一度こうしたサービスが定着したらそれが当たり前になり、客は「おまえは客にお辞儀もできないのか!」と自分が神様気取りになった

店員が神様だったのがお客様が神様に変わったのは、単に消費者と販売者の力関係の変化で日本文化とは関係ない。
90年代中ごろから平成デフレになり、物やサービスの値段がどんどん下がり、消費者の立場が無限に強くなった。
お客様の立場はますます強くなり、店員はしぬまで働くのが当たり前という風土になった。

コンビニでは24時間連続勤務が当たり前になり、オーナーを違約金で縛り上げて文字通り「しぬまで働かせる」行為が横行した。
大震災や豪雨や豪雪でもコンビニが空いているのは閉店したら100万円単位の違約金を請求されるからで、日本人が勤勉だからではない。
デフレが過剰サービスを産んだが、過剰サービスとは「物やサービスの値段が下がる」事なのでデフレを悪化させた。


デフレの反対はインフレですが、インフレは物やサービスを値段が上がる事なので、同じ値段ならサービスが低下します。

日本政府が外国人観光客を増やすためにやらせた過剰サービスが、ますます物価を下げてデフレにしてしまいました。

物やサービスには適正な価格があり、100円の商品を買った客にお辞儀しなくていいし、牛丼の客に高級レストランの「おもてなし」をしなくて良い。