歴史はあざなえる縄の如し
プーチン大統領はウクライナとの停戦について、ロシアが受け入れられる措置にウクライナ側が合意しない限り停戦に応じないと述べた
プーチン大統領は7月4日に訪問先のカザフスタンで会見し「敵が停戦を利用し、自らの状況を改善することは許されない」と述べた
ロシアが受け入れられる不可逆的な措置にウクライナ側が合意する必要があり、合意がなければ停戦は不可能だと強調した
シンクタンク「戦争研究所」は停戦に先立ってウクライナに事実上の『降伏を要求している、ロシアは勝利を確信しているようだと分析した
先月ロシアはウクライナ東部と南部の4つの州からウクライナ軍が撤退することを条件に和平交渉を開始すると表明していた
11月の米大統領選で当選を目指すトランプ前米大統領が「当選すればウクライナ問題を解決できる」と主張していることを歓迎すると述べた
トランプは米国によるウクライナへの多額の軍事支援を批判し、バイデンとの討論会で「ウクライナはロシアとの戦争に勝利できない」と語った
討論会での焦点の1つはウクライナ戦争で『ウクライナは戦争に勝っていない。すべてはバイデンの馬鹿げた決定のせいだ。もしも私が大統領だったら、ロシアは攻撃しなかっただろう』と語った
『ロシアはオバマやバイデンから多くの土地を奪った。トランプからは何も奪っていない。私とはゲームをするつもりはないのだ』と自らの外交力を誇示したが根拠は良く分からない
トランプはウクライナへの軍事支援を打ち切る事で「24時間以内に戦争を終わらせる」と言った事もあった
ワシントン・ポストはトランプの戦争終結プランは「ロシアに占領されているクリミア半島と東部ドンバス地域をあきらめ、ロシアに事実上、明け渡すことだ」と報じた
このプランは独仏伊の3首脳とバイデン大統領もウクライナに提案した事があって珍しくはないが、トランプはウクライナ支援を打ち切る事で強制的に終わらせるようだ
既定路線は既定にならない
プーチン大統領はクリミア半島と東部4州からのウクライナ軍撤退とロシアに対する経済制裁の撤回、さらに、ウクライナがNATOに加盟しない、という3つの停戦条件を示した
トランプの考えは、ロシア側の希望に沿うものでプーチンは歓迎していて、軍事援助を断ち切ってしまえばゼレンスキーが反対しても戦闘は継続できない
ウクライナがこんな状況に陥ったのはトランプによると「バイデンのせい」だがこの台詞だけは100%当たっているとしか言いようがない
ロシア軍の侵攻が確実視されていた21年冬から22年にかけて、バイデンの米軍はなぜか東欧から撤退し始めて2月24日までに全ての米軍がウクライナなら撤退した(それまでは存在した)
これは軍事常識では「アメリカがウクライナ占領を許可した」事になり、例えるならポーランドに駐留していた米軍が撤退したのでナチスドイツが侵攻したような話だった
いかにヒトラーがイカレテいても米軍や英軍がポーランド駐留していたら攻撃できないし、プーチンもウクライナに米軍が居たら侵攻しなかった
なのでロシアがウクライナに侵攻したのは100%バイデンが無能だったせいで、その後もバイデンはウクライナに軍事支援しながら制限を課して事実上ロシアに加担した
最初アメリカが提供したのはジャベリンとスティンガーだけで戦車や装甲車や火砲や戦闘機や航空機など「役に立つ兵器」を拒否した
22年2月にロシア軍が大敗した時にF16やエイブラムズやブラッドレイやハイマースがあったら、2月中にロシア軍は国境まで追い返されたかも知れません
その後もバイデンは「あれをするなこれをするな」とウクライナを妨害しつづけ、現在も「ロシア内陸部を攻撃するな」と制限を課している
もし米大統領がこれほどバカでなかくせめてレーガンやブッシュ父子レベルであったら、そもそもロシアはウクライナに侵攻しなかったし、侵攻しても追い払われていた
それでも最近になってようやく欧米はウクライナ支援に本気になり7兆円の軍事援助を決定、今後弱って来るロシアと入れ替わりにウクライナは強化される
まさにそんなタイミングで大統領がバイデンからトランプに替わって支援が打ち切られるかも知れず、意外にバイデンが勝つかもしれないしバイデンかトランプのどちらかが選挙中にしぬ可能性だってある
歴史は糾える縄の如しであって、既定路線に思えた事が次々にどんでん返しが起きて誰もが予想しなかった結末になるというのが多い
ウクライナ戦争がここまで縺れたということは、今後もどんでん返しが続くはずで、おそらく誰も思っていなかった結末になる