「アフガン総撤退」公聴会

 

AC通信 No.863 (2021/10/02)AC 論説No.863「アフガン総撤退」公聴会

アフガン総撤退は米国だけでなく世界諸國の軍事、外交方面に大きな影響を与えた。にも拘らず米国の国会で行なわれたアフガン総撤退に関する公聴会は外国のメデイアが一部しか報道していない。バイデンの失敗はアメリカ開国以来最悪の失敗だが、アメリカのメディアはDeep State の手先だから詳細を報道しないのだ。CNNやNBCの報道は事実を捻じ曲げたり、勝手な解釈を加えたりしている。

国会では9月28と29の両日にバイデンのアフガン総撤退について公聴会を行った。喚問されたのはオースチン国防部長、マッケンジー中央司令長官(Central Command、G3)、ミリー統合参謀本部議長(つまり参謀総長、G2)の3人である。

公聴会は28日に上院の軍事委員会、29日に下院の同委員会で行われた。公聴会はアフガン撤退でこのような大失敗が起きた軍部トップの解釈を聞くことだが、アフガン問題の他にもミリー参謀長が2020年10月26日と21年1月8日に二度中国の李作成参謀長に電話したことの諮問会でもあった。

公聴会では真っ先にアフガン政府が二週間で崩壊したことや米軍の撤退作戦の明らかな失敗などだが、驚いたことに召喚された3人の将軍がバイデン大統領に少なくとも2500人の兵士を残すべきだと進言していたと証言したのである。3人とも作戦上の失敗はバイデンが彼らの進言を聞き入れなかったからと責任を回避しているように見える。彼らは軍隊がバイデンの命令を遂行した結果、多数のアメリカ人と家族を残し、850億ドルの最新武器を残して撤退した責任はバイデンにあると言っているのだ。

無様な撤退作戦の責任を追求され、辞職を迫られたミリー参謀長は「私は軍人である。バイデンが私の意見を聞かなかったために辞職するのは文民統制の規則に反することだ」と答えた。トランプを裏切って中国に電話した売国奴軍人が文民統制を掲げて責任回避をしたのは笑止のいたりである。

この証言でバイデンが嘘をついたことが明らかになった。バイデンはアフガン撤退で少なくとも6回の嘘をついた記録がある。アメリカ国民を一人も残すことは絶対にしない、最後の一人が帰国するまでは撤退しない、アフガン政府は崩壊するはずがない、タリバンはアフガン政府軍と戦えない、アル・カイーダは一人もアフガンにいない、などである。

バイデンは誰も2500人の兵隊を残せと進言しなかったとABCの記者に強調したのである。ABCのGeorge Stephanopoulosと対談した際に、記者から軍部が撤退を遂行するために少なくとも2500人の兵士が必要と進言しなかったかと聞かれ、バイデンは2回もNOと返事をした。バイデンは嘘をついた、つまりアフガン総撤退の失敗はバイデンの決定によるものだ。でも公聴会は軍のトップを召喚しただけでバイデンを召喚して証言を取ることもできない。

次はミリー参謀長が結論したアフガン撤退は「戦略的失敗」だったという証言である。アフガン総撤退はアメリカだけでなくやNATO諸国と日本に大きな影響をもたらした戦略的失敗である。しかしこれは作戦上の失敗でもある。撤退に当たって米軍は今になってもアフガンに残留しているアメリカ人と家族の人数も知らない。バイデンはもちろんだが軍隊はアメリカ国民をアフガンに残したまま撤退した責任を負うべきである。しかも米軍は850億ドルの武器弾薬、補給品などを置き去りにして撤退したのである。明らかに作戦上の失敗である。

もう一つの大失敗はカブール空港に押し寄せた難民とアフガンから退去するアメリカ人の安全を維持するため空港の入り口を守護していた米軍がISISーKの自爆テロの侵入を防げなかったことだ。このため自爆テロが起きて13人の米兵と180人の難民が自爆テロで死亡した。しかも自爆テロの翌日に米軍が報復作戦でドローンを使ってISISをミサイルで殺害したと発表したが、実際に殺害したのは7人の子供と3人の大人の親米アフガン人だったのだ。

ミリー参謀長が中国の李作成参謀長に2回も電話したことは上院と下院で厳しく追求された。ミリーは2020年の10月26日、つまり総選挙の十日前に李作成に電話して「トランプは中国を攻撃する気は無いが、若しも攻撃するようなことがあったら事前に通知する」と伝えたのである。トランプの攻撃命令、それも自分勝手に想像したトランプの暴走の可能性を敵に通達すると約束した通敵行為、国家反逆罪である。

ミリー参謀長はコットン上院議員の質問に「中国は(トランプが落選で暴走して)中国を攻撃することを心配しているという情報を得た。それで相手に安心させるために電話した。これは私の任務である」と陳述した。上司であるトランプが「中国を攻撃する可能性」があると自己判断で決めた、その上でこの可能性を敵国に通知したのである。文民統制の原則を知っていると自認しながら上司を裏切って敵に通達したのである。コットン上院議員がどうして辞職しないかと詰問したら答えなかった。

ミリーの二度目の電話は21年1月8日である。1月6日に国会乱入事件が起きたあとペロシ下院議長がミリーに電話して「トランプは気狂いだから核戦争を起こすかもしれない」と言ったので、ミリーは「核攻撃の決定権は大統領にあるけれど、大統領が決定するまでに幾多の手筈があるから簡単に核戦争を始めことはできない」と説得したという。

つまりミリー参謀長はトランプが勝手に核戦争を始めることはできないと知っていた、けれどもペロシが心配しているから李作成に電話した。ペロシの電話の後で李作成に電話したと言って責任回避をしたのである。Dan Sullivan議員に辞職を迫られたミリー参謀長は「私はバイデン大統領の部下である」と答えた。トランプを裏切った男がバイデンに忠誠を示して辞職を拒否したのである。

ミリーの叛逆罪はもう一つある。公聴会でミリーは中国の参謀長と2度も電話したことや、その他の軍事事情をワシントンポストのBob Woodwardに話した事を明らかにした。Bob WoodwardとRobertConchaはミリーから得た情報を使って「PERIL(差し迫った危機)」というトランプ批判の本を出した。Woodwardは反トランプで知られる記者である。軍人ミリーはトランプに叛逆して中国と通じていたことやその他の軍事情報を新聞記者のウッドワードに洩らしたのである。

少し長くなったが簡単な結論を述べる:1。公聴会では数人の民主党議員が彼らを弁護していた。ある議員はトランプがミリー参謀長を任命したからトランプの責任だと言い、ある議員はアフガン問題は20年ブッシュの責任だと言った。2。バイデンの嘘が明らかになったが議会はバイデンを裁けない。3。バイデンはミラー参謀長の反逆罪も調査する気がない。ミラーを裁判にかけるのは難し4。公聴会の結果は事態の揉み消しに終始している。アフガン失敗の調査は尻つぼみになるだろう。5。ミリーの反逆には多くの疑問がある。この次の記事で詳しく分析する。

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