西村康稔経済再生担当相(2021年2月1日の衆議院内閣委員会、衆議院インターネット審議中継より)

 

西村大臣「休業要請は考えていない」と答弁

 今回の新たな措置追加は、政府の国会答弁とも矛盾している。

 西村康稔経済再生担当相は特措法改正案の国会審議で、重点措置では休業要請は考えていないと答弁していた。

山尾志桜里議員  端的に伺います。政令を改正してまん延防止措置で休業要請をかけることは法的に可能ですか。

西村大臣  営業時間の変更よりも私権の制限を小さいものを考えておりますので、休業要請は考えておりません。

衆議院内閣委員会2021年2月1日

 今回の追加措置について、山尾議員は筆者の取材に対し「酒類提供の停止は、居酒屋・バーにとって実質的に営業停止。時短要請より厳しいことが明らかだ。国会答弁との整合性がとれない。政令で罰則を際限なく作れる特措法は問題だ」と話している。

 改正特措法は緊急事態宣言発令の最中、自民党と立憲民主党の異例の密室修正協議を経て、2月3日に成立、13日施行された。

 

 筆者は、改正特措法の危険性について繰り返し警鐘を鳴らしてきた。

 しかし、国会の関与なく、政令で次々と措置を拡大できる問題や、事前手続きなく告示で追加した経緯について、今日現在、主要メディアは全く報道していない。